2026年5月5日(火)掲載
中国は研究論文数と優れた研究数で世界のトップクラスに成長した。そして、国家戦略として学術出版界でも世界をリードしようとしている。中国が通信、太陽光パネル、家電、電気自動車などの分野で成功した手法を、経済学者のノア・スミスは「チャイナ・サイクル」で説明した。「チャイナ・サイクル」で学術出版界も中国は世界のトップになれるかをジョン・トレッドウェイ(Jon Treadway)が解析した。その「2025年11月のScholarly Futures」論文を読んだので、紹介しよう。
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.日本語の予備解説
2.トレッドウェイの「2025年11月のScholarly Futures」論文
7.白楽の感想(含・AI川柳)
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【注意】
学術論文ではなくウェブ記事なども、本ブログでは統一的な名称にするために、「論文」と書いている。
「論文を読んで」は、全文翻訳ではありません。
記事では、「論文」のポイントのみを紹介し、白楽の色に染め直し、さらに、理解しやすいように白楽が写真・解説を加えるなど、色々と加工している。
研究者レベルの人が本記事に興味を持ち、研究論文で引用するなら、元論文を読んで元論文を引用した方が良いと思います。ただ、白楽が加えた部分を引用するなら、本記事を引用するしかないですね。
●1.【日本語の予備解説】
★2026年2月27日:「西欧ジャーナルにもう費用出さない」…中国、海外学術誌費用支援を中断
出典 → ココ
世界最大研究集団の中国科学院(CAS)が高額論文掲載料を課す海外オープンアクセス学術誌に対する費用支援を中断することにし、国際学術出版界に影響が及ぶ見込みだ。費用統制と自国学術誌育成という2つの目標を同時に狙った措置と解釈される。
27日の「Science」によると、CASは3月1日から所属研究者が一部の海外オープンアクセス学術誌に論文を掲載する際、研究費で論文掲載料(APC、Article Processing Charge)を支払えないようにする方針を内部的に通知した。CASは傘下100余りの研究所で5万人以上が勤務する世界最大規模の研究機関だ。
続きは、原典をお読みください。
なお、ここで引用している27日の「Science」は → 2026年2月27日:Major Chinese funder to stop paying fees for 30 pricey open-access journals| Science | AAAS
●2.【トレッドウェイの「2025年11月のScholarly Futures」論文】
★読んだ論文
- 論文名:Is the China Cycle coming for scholarly publishing?
日本語訳:学術出版にも「チャイナ・サイクル」が到来するのか? - 著者:Jon Treadway
- 掲載誌・巻・ページ:Scholarly Futures
- 発行年月日:2025年11月18日
- ウェブサイト:https://scholarlyfutures.substack.com/p/is-the-china-cycle-coming-for-scholarly
著者の紹介:ジョン・トレッドウェイ(Jon Treadway、写真と経歴の出典)。- 学歴:2000年に英国のオックスフォード大学(University of Oxford)で学士号(哲学、政治学、経済学)を取得
- 分野:コンサルタント
- 論文出版時の所属・地位:英国のGreat North Wood Consulting社のDirector
●【論文内容】
ーーー論文の本文は以下から開始
★「チャイナ・サイクル(China Cycle)」とは
サラ・グリーブス(Sarah Greaves、写真出典)は先週(2025年10月15~19日)開催されたフランクフルト・ブックフェアの理工学出版セッションで、今後数十年にわたって中国の影響が大きくなるのに、それに対するコメントや交流が少なかったと述べた。 → Does Publishing need a Pulse Check or Resuscitation?
白楽注:フランクフルト・ブックフェア (フランクフルト書籍見本市、フランクフルト・ブッフメッセ、Frankfurt Book Fair 、ドイツ語: Frankfurter Buchmesse)は、毎年10月半ばにドイツのフランクフルト・アム・マインで開催される世界最大の書籍の見本市。
世界中からの出版社・マルチメディア業者が集まり書籍やソフトウェアを展示し、業者間で各国での版権やライセンスなどの取引が行われる。(フランクフルト・ブックフェア – Wikipedia)
経済学者のノア・スミス(Noah Smith)は、中国の成功の手法は「チャイナ・サイクル」である。「チャイナ・サイクル」で、西欧諸国と多国籍企業を駆逐してきたと述べている。 → Why China is defeating Tesla – by Noah Smith – Noahpinion

ノア・スミス(Noah Smith、写真出典)は「SUNY ストーニー・ブルック大学ファイナンス準教授。スタンフォード大学で物理学を専攻した後、日本で3年間勤務。その後、金融市場における期待(予想)形成についての論文でPh. D.(経済学)をミシガン大学より取得」(ノア・スミス – 経済学101)。
ノア・スミスの「チャイナ・サイクル」は次の5ステップだ。
- 多国籍企業は、安価な生産、大規模な契約、巨大な市場機会という夢の組み合わせに惹かれて、中国に工場を建設した。
- 中国は、合弁事業、買収、リバースエンジニアリング、スパイ活動などで、多国籍企業の技術を盗んだ。
- 盗んだ技術を中国国内の企業に渡した。
- 中国企業は外国の多国籍企業を中国市場から締め出した。
- そして、中国企業は中国の外に進出し、世界市場で多国籍企業と競争し勝ってきた。
この「チャイナ・サイクル」方式を、中国は通信、太陽光パネル、家電、電気自動車など様々な業界で取り入れ、世界の市場を席巻するまで成長してきた。
例えば、電気自動車である。
テスラは、サプライチェーンを充実させ、当初、中国大手メーカーの台頭と発展を支えた。
ところが、中国大手メーカーは、「チャイナ・サイクル」方式を取り入れ発展し、今や、世界市場でドイツや日本の既存の自動車会社を追い抜き、さらに、テスラの市場シェアを奪いつつある。
この「チャイナ・サイクル」方式で、中国は世界の学術出版界のトップになるのか、私(ジョン・トレッドウェイ)が本論文で解析しよう。
★学術出版界での中国のパワー
世界の学術出版界をみると、この20~30年間、中国は世界の多国籍出版社の成長に最も貢献してきた。
中国の研究者のお陰で、世界の多国籍出版社は、学術論文の投稿数と出版数を大きく増やすことに成功した。その成功はオープンアクセス誌の発展を支えた。 → The rise of China and the fall of open access
中国の研究者は現在、多くの研究分野で世界の第一人者となっている。
中国人研究者の活躍は、特に理工系の分野、人工知能、そして「チャイナ・サイクル」産業の基盤となる多くの技術分野で顕著である。
多国籍出版社が中国と共同で所有する学術誌はますます増え、各分野をリードし、世界中から原稿を集めている。
フランクフルト・ブックフェアで開催された第2回STM/CUJS China Symposiumでも、中国の学術出版が急速に発展していると指摘された。
その発展を具体的に示すと、中国には5,100誌以上の理工系学術誌があり(2023年)、そのうち約500誌は英文誌で、約300誌はSCIE(Science Citation Index Expanded)に索引付けされているまともな学術誌だ。そして、中国の英文誌の84%は国際的な出版社と共同運営している。
つまり、「チャイナ・サイクル」方式のステップ1の多国籍企業による協力は明らかに機能し拡大している。
しかし、ステップ2とステップ3は、学術出版では容易ではなかったと思われる。
技術を盗んで自国で使うのは、知的財産権で保護されている技術や秘伝的な制作ノウハウがある分野では大きな効果があるが、学術出版では、そのようなものはない。
出版の鍵となる技術は既に広く利用可能で、盗んで使える技術とは次元が異なる。
ノア・スミスが「チャイナ・サイクル」で示した通信、太陽光パネル、家電、電気自動車などの分野や業界で有効だったのに比べると、技術を盗んでも、学術出版産業の推進力にはならない。
重要なノウハウは学術出版を支える暗黙知や文化に内包している。しかし、これらの暗黙知や文化は、その性質上、中国国内に容易に移植できない。
中国の研究者は、世界の研究界に進出し超一流学術誌に論文出版することで、超一流学術誌の知名度と名声の恩恵を受けてきた。
しかし、論文を出版することと出版文化や編集ノウハウは次元が異なり、超一流学術誌に中国人の論文が増えても、中国人編集者や中国人査読者を増やすことは非常に難しい。 → Guest Post – How the Growth of Chinese Research Is Bringing Western Publishing to Breaking Point – The Scholarly Kitchen
★中国出版界の野望
フランクフルトの第2回STM/CUJS China SymposiumでCUJS* の発表者は「中国科学技術学術誌卓越行動計画」(China STM Journal Excellence Action Plan)(以下、「卓越行動計画」(EAP)と略すこともある)の第2フェーズとして、以下の優先事項を強調した。
*CUJSは、「Society of China University Journals」の略で、大学学術誌の出版社・編集者で構成する中国の教育省管轄下にある組織
- 「個々の学術誌のブレークスルー」から「クラスターベースおよびプラットフォームベースのブレークスルー」へ
- 「学術的影響力」と「イノベーションに貢献する能力」を重視
- 学術誌のオープンアクセス化を推進
- 新興の未発展分野で高品質な新学術誌の創刊を継続
- 世界クラスの編集チームの構築
- 出版協会や出版団体との様々な協力関係の構築
なお、「中国科学技術学術誌卓越行動計画」(EAP)の日本語の解説を、白楽が探したら、以下が見つかった。
中国の学術ジャーナル助成政策
中国では1990年以降、優秀な学術ジャーナルの育成を目的として、中央および地方政府が各分野の学術ジャーナル助成政策プログラムを実施してきた(胡小洋・马力2022)。CASTとSTMの報告書には、特に科学技術系ジャーナルの質向上を目指し、国内ジャーナルの編集、出版、発信、サービスの連携を支援する「中国科技期刊卓越行动计划(中国科学技術系ジャーナル卓越行動計画)」が取り上げられている。これは、科学技術分野における中国の既存のトップジャーナルの強化、優位性の高い分野のジャーナル創刊の支援、研究機関や学会のジャーナルや学術・出版情報のプラットフォーム集約化、デジタル出版サービスプラットフォームの構築、およびジャーナル編集者と出版事業者の育成を目的としている。(2023年7月:中国のOA出版――中国語ジャーナルの現状(澤田 裕子) – アジア経済研究所)
また、以下の日本語の解説も見つかった。
学術情報の流通における地政学的なパワーバランスが、今、劇的な変容を遂げている。世界最大の研究論文生産国である中国が、高騰を続ける論文掲載料(Article Processing Charges: APC)に対して、かつてない強硬な姿勢を示し始めたからである。
・・・中略・・・
海外誌への依存を減らすためには、中国自らが国際的な競争力を持つジャーナルを保有しなければならない。これを背景に推進されているのが「中国科技期刊卓越行動計画(China STM Journal Excellence Action Plan: EAP)」である。(2026年2月25日:中国の学術出版エコシステムにおける構造的転換:国家自然科学基金委員会(NSFC)によるAPC抑制策と「SCI至上主義」からの脱却|Takumi)
ジョン・トレッドウェイの論文に戻る。
2024年11月のScholarly Kitchenの記事は、卓越行動計画 (EAP)を以下のように具体的に示している。 →Guest Post – Evaluating China’s Science and Technology Journal Excellence Action Plan: A New Era of Research Impact and Standards? – The Scholarly Kitchen
- インパクトファクターが10を超える中国所有の学術誌の数は、5年間で4倍に増加した。インパクトファクターは長い間、中国国内の学術誌のパフォーマンスを判断する指標として使われてきたが、現在では優秀さの定義が狭すぎると批判されている。
- 現在、出版物の3分の1は中国国内の学術誌に掲載することが義務付けられている。
- 卓越行動計画 (EAP)は、世界的に競争力があるとされた中国所有の英文学術誌50誌にそれぞれ152万人民元(約3500万円)を助成した。
- 卓越行動計画 (EAP)は、国営出版社の13社に2,400万人民元(約5億5千万円)を助成した。
中国の研究者は品質の高い研究成果をあげている。
それで、多国籍企業が所有(または中国と共同所有)する学術誌は、その内、中国系学術誌に取って代わられる可能性がある。
中国が学術出版界に投資している規模の大きさ、学術出版界に破滅的な変革をもたらすAI技術での中国の優位性、の2点を考慮すると、「チャイナ・サイクル」のステップ4とステップ5は達成される可能性はある。
世界の学術出版界の支配体制が激変し、中国が世界の学術出版界に君臨するかもしれない。
★陰謀論
ただ、「チャイナ・サイクル」を主張する人々の中には、「チャイナ・サイクル」を陰謀論と見なす人もいる(ノア・スミスではない)。
彼らは、「チャイナ・サイクル」は産業戦略や企業の協力・競争の1つだという捉え方ではなく、西側諸国の弱体化を画策する影の組織が「チャイナ・サイクル」を推進していると捉える。
影の組織は、1970年代から1980年代の日本の電子機器産業や、ノルウェーがエネルギー部門の発展に外国の専門知識を活用した例など、他の地域や産業でも活躍した、と捉える。
しかし、「チャイナ・サイクル」のステップ4とステップ5に焦点を当てた時、世界の多国籍企業は中国で事業拡大したことで莫大な利益を得たことを軽視している。これは、中国産業の成功を過大評価する傾向の表裏である。
企業は投資とイノベーションを通じて事業発展の打開策を見出し、衰退を食い止め成長する。
ところが、企業は衰退を食い止められなかったことを正当化する理由に、「チャイナ・サイクル」陰謀論を過度に重視する傾向がある。
陰謀論は、学術出版の観点から「チャイナ・サイクル」を見るときにも当てはまる。
★兆候
「チャイナ・サイクル」は既存企業の主体組織を置き換えるだけでなく、多国籍企業による投資とイノベーションを促し、技術や関連製品のユーザーに大きな利益をもたらす可能性もある。
明確な政策の有無にかかわらず、「チャイナ・サイクル」は必ずしも中国企業による市場支配につながるわけではない。
さらに、国際的な出版社が中国と共同所有する学術誌は、卓越行動計画 (EAP)の資金援助を受ける資格があり、多くの学術誌が対象となっている。この状況が続く限り、この業界はステップ1からステップ2に進んでいないと言える。
つまり、「チャイナ・サイクル」は一方向に展開するわけではない。様々なスタイルで展開する。
もし、「チャイナ・サイクル」の新しい展開が起こるとすれば、数年間のうちに、次の現象が見られるだろう。
- 中国資本だけの学術誌の異常な成長
- 中国資本の学術誌に中国人著者の論文割合が増加
- 中国企業と多国籍企業が共同所有する学術誌の創刊が減少
- 中国の出版社や投資家による多国籍出版社の買収
- 価格設定と規模を利用して、中国が多国籍誌との競争を弱めたり妨害したりする。例えば、論文掲載料(APC)の価格を操作することで
- 著名な学者が中国資本の学術誌の編集職に就く
- インパクトファクターに代わる新しい指標(alternative metrics)を設け、中国系学術誌が採用する
これらを総合すると、学術出版業界の動向に意味のある大きな変化が起これば、「チャイナ・サイクル」が進行していると考えられる。
ただ、これらの現象は、通常、中国アナリストが中国の研究力と学術出版を評価する際に集めるデータとは異なっている。
いままで検討してきたように、「チャイナ・サイクル」という捉え方は、中国の学術出版産業によく当てはまる要素がいくつかある。
ただ、最初のステップ1とは強い類似性はあるが、それ以外のステップでは期待したほど強い類似性はない。
つまるところ、中国が国内の学術出版の世界制覇にどれほどの野心を持っているか、そして出版社がどのように対応するかに大きく左右される。
いずれにせよ、学術出版界への投資に中国は明確な戦略的意図があることは明らかで、私たちは興味深い時代を生きていることが実感できる。
●7.【白楽の感想】
《1》AI川柳
- サイクル方式 世界の覇権 狙う誌面
(安価な生産で技術を習得、そして世界市場の席巻へ。そのサイクルが今、学術出版にも及ぼうとしている) - 障壁はコピー できぬ文化と 暗黙知
(技術やシステムはコピーできても、長年培われた編集・査読の「暗黙知」や「文化」を移植することの難しさ) - 国を挙げ 学問の覇権 買いにでた
(「卓越行動計画(EAP)」に巨額を投じ、インパクトファクターの高い自国誌を育成しようとする中国の強烈な意志)
《2》真似と盗用
すべての点で、日本は外国(ここ200年は、主に欧米)の真似をして発展してきた。
学術出版はその流れの小さな1つである。
そして、中国は外国(含・日本)を真似て発展している。
有名企業の製品をコピーし、発展させるのが中国企業の手法だ。成長を続ける彼らが何に重きを起き、日本人がそこから学べることとは何か? 高千穂大学准教授・永井竜之介氏の新刊『リープ・マーケティング 中国ベンチャーに学ぶ新時代の「広め方」』より一部抜粋・再構成してお届けする。(出典:2020年6月15日、永井 竜之介(高千穂大学商学部准教授)の「東洋経済オンライン」記事:「パクりまくる中国」に日本が勝てない深い事情 マネの放棄は「学びの放棄」と同意義である)
中国の模倣と聞いて多くの人が思い浮かべるのが、ハイテク技術の分野でしょう。日本の新幹線技術をベースに開発された高速鉄道(高铁: gāotiě)は、今や中国全土に網の目のように張り巡らされ、独自の発展を遂げています。リニアモーターカー(磁悬浮列车: cíxuánfú lièchē)も同様に、外国技術の導入から始まりました。(出典:2019年12月5日、著者冥府記載の「中国語勉強の教材」記事:中国の「模倣文化」を笑うな!歴史的背景と驚きの合理性を紐解 |
2026年1月、韓国の有名ブランドのパン屋をソックリ真似したパン屋が中国・上海で営業していると「CHOSUNBIZ」記事が報道している。 → 2026年1月27日:Chinese bakery copies Korean brand near Shanghai Korea provisional government – CHOSUNBIZ
《3》「ジャパン・サイクル」
かつて(白楽の現役時代)、日本の生命科学界も日本から英文学術誌を出版する時期があった。
ただ、当時、英文学術誌の出版を推進していた学会ボスたちは、日本の学術誌を世界に君臨させる高い意識・志・野望を持っていなかった。
単に、「日本も英文学術誌を出版しているよ」レベルで、欧米世界にすがりつく「金魚の糞」的な発想で、志は低かった。
だから、どれも世界の超一流誌にはとてもとても、一流誌にも成長しなかった。外国の超一流誌・一流誌で不採択になった論文を救う二流・三流学術誌になった(ちゃんと調べていません)。
そもそも、日本の研究者は欧米崇拝が強く、日本の研究者自身が日本の学術誌を馬鹿にして、投稿してこなかった。
もちろん、日本を大切にする気骨のある学者もいた(いる)。
白楽は院生の時、研究室は異なるけど、共同研究をしたこともあり、自分の師の大澤文夫・教授が仲良しだったので、東京大学・薬理の江橋節郎・教授(写真出典)(2006年没)と、何度もフランクに話をした。
そして、江橋の学問に向かう姿勢や人生観に深い感銘を受けた。
江橋は日本を育てる意識が高かった。
江橋は筋収縮の調節因子で重要な発見をし、文化勲章を受章した日本の誇る学者だった。
外国の学術誌「Nature」に論文を出版したが、同時に、日本の生化学会の英文学術誌「J Biochem.」にも出版した。
2026年3月2日現在、「Ebashi S – PubMed」で調べると、「Nature」論文の8報に対し「J Biochem.」論文が51報もある。
しかし、研究者を含め日本の大多数の知識人・文化人は、日本の文化・伝統を蔑視・無視・捨て、時には破壊してきた。
巷では、日本人が理解しにくい英語・フランス語など外国語をカッコイイと、ここ何十年も多用してきた。
白楽はこの日本の文化・慣行を何十年もマズイと感じてきた。それで、微力ながら、日本語維持のため、このブログも、多くの人は古臭いと思うと知りつつ、なるべく、古臭い日本語で(白楽節で)書いている。
日本のこの文化・慣行を変えたいと思うが、白楽レベルでは、なんともならない。
そういう意味で、学術出版界でも世界をリードしようとしている中国人はエライ!
ジョン・トレッドウェイ(Jon Treadway、写真出典)。
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★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。
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