「アカハラ」:大学運営:ブライアント・コールマン(Briant Coleman)(米)

2020年7月14日掲載 

ワンポイント:大学管理職がアカハラで解雇されたが、ウラがあった。コールマンはセントラルフロリダ大学(University of Central Florida)・準副学長だった。2019年2月~5月(43歳)、数人の従業員がコールマンのアカハラ行為を申し立てた。2019年10月(43歳)、大学は調査の結果、コールマンが従業員にアカハラ(怒鳴り、脅迫、イジメ)していたと発表し、コールマンを解雇した。しかし、実は、コールマンは大学の約26億円の不正経理を告発していた。解雇はコクハラ(告発ハラスメント)の可能性が高い。国民の損害額(推定)は26億円(大雑把)。

ーーーーーーー
目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
8.主要情報源
9.コメント
ーーーーーーー

●1.【概略】

ブライアント・コールマン(Briant Coleman、写真出典)は、米国のセントラルフロリダ大学(University of Central Florida)・準副学長(戦略的イニシアチブ、コミュニケーション、マーケティング担当、associate vice president for strategic initiatives, communications and marketing)だった。研究者ではないと思われる。専門を大学運営とする。

2019年2月~5月(43歳)、数人の従業員(大学事務職員?)がコールマンのアカハラ行為を申し立てた。

2019年10月(43歳)、大学は調査の結果、コールマンが従業員にアカハラ(怒鳴り、脅迫、イジメ)していたと発表し、コールマンを解雇した。

この解雇の後、ニコルソン学生メディア(Nicholson Student Media:NSM)は、2017年・2018年のセントラルフロリダ大学の不正調達報告書(Unauthorized Procurement Action reports for 2017 and 2018)を入手した。

この不正調達報告書によると、2017年・2018年に、大学は166件の不正調達をしていた。その合計金額は約2650万ドル(約26億円)にも上った。

実は、コールマンはこの約26億円の不正経理を告発していた。告発する前の業務評価書では、2015年から2017年まで一貫してコールマンは、「満足できる以上」や「卓越した」スコアを獲得していた。解雇はコクハラ(告発ハラスメント)の可能性が高い。

セントラルフロリダ大学(University of Central Florida)。写真(Joe Burbank / Orlando Sentinel)出典

  • 国:米国
  • 成長国:米国
  • 研究博士号(PhD)取得:
  • 男女:男性
  • 生年月日:不明。仮に1976年1月1日生まれとする。2019年10月31日の新聞で43歳と報道されている
  • 現在の年齢:45 歳?
  • 分野:大学運営
  • アカハラ行為:2015年-2019年(39-43歳)
  • 最初に訴えられた:2019年(43歳)
  • 社会に公表年:2019年(43歳)
  • 社会に公表時地位:セントラルフロリダ大学・準副学長
  • ステップ1(発覚):第一次追及者は不明
  • ステップ2(メディア):「NSM.today」など多数
  • ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①セントラルフロリダ大学・調査委員会
  • 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし
  • 大学・処分のウェブ上での公表:なし
  • 大学の透明性:機関は実名発表したが、調査報告書のウェブ公表なし(△)
  • 不正:アカハラ(陰謀?)。コールマンは約26億円の不正経理を告発していた
  • 被害者数:30人
  • 時期:キャリアの中期
  • 職:事件後に発覚時の地位を続けられなかった(Ⅹ)
  • 処分:解雇
  • 日本人の弟子・友人:不明

【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は26億円(大雑把)。

●2.【経歴と経過】

ほとんど不明

  • 生年月日:不明。仮に1976年1月1日生まれとする。2019年10月31日の新聞で43歳と報道されている
  • 2015年(39歳):米国のセントラルフロリダ大学(University of Central Florida)・準副学長(戦略的イニシアチブ、コミュニケーション、マーケティング担当、associate vice president for strategic initiatives, communications and marketing)
  • 2019年2月~5月(43歳):アカハラ被害者(大学事務職員?)が大学に申し立て
  • 2019年10月(43歳):セントラルフロリダ大学を解雇

●3.【動画】

【動画1】
「Briant Coleman」を「ブライアント・コールマン」と発音している。53秒頃から始まり1分35秒頃終了。ニュース動画:「UCF Knightly News Webcast 2/18/2020- YouTube」(英語)3分22秒。
UCF Knightly Newsが2020/02/18に公開

●5.【アカハラ発覚の経緯と内容】

★準副学長

2015年(39歳)、ブライアント・コールマン(Briant Coleman)は、米国のセントラルフロリダ大学(University of Central Florida)・準副学長(戦略的イニシアチブ、コミュニケーション、マーケティング担当、associate vice president for strategic initiatives, communications and marketing)に就任した。年収は135,583ドル(約1,358万円)だった。

セントラルフロリダ大学・大学管理職・事務局員一覧 → University Administration – University of Central Florida – Acalog ACMS™、(保存版

★アカハラ

(U.S. Army photo by Visual Information Specialist Gertrud Zach)

2017年(41歳)、ブライアント・コールマン(Briant Coleman)と元NBAのバスケットボール選手であるレイ・アレン(Ray Allen、写真出典)がストーキングのことで互いに非難しあった。

この時は、コールマンが非難を取り下げて、事が収まった。

2019年2月~5月(43歳)、数人の従業員(大学事務職員?)がコールマンからアカハラ行為を受けていると、大学の「コンプライアンス/倫理/リスク部(Compliance, Ethics and Risk Office)」、「人事部(Human Resources)」、「大学投資部(Office of Institutional Equity)」に申し立てた。

2019年3月(43歳)、大学はコールマンのアカハラ調査を開始した。

2019年10月(43歳)、大学は調査の結果、ブライアント・コールマン(Briant Coleman)が従業員に長年にわたってアカハラ(怒鳴り、脅迫、イジメ)していたことが判明した、と発表した。ただ、長年と言っても2015年着任なので着任直後からなら4年間である。ここでは、2015年からとした。

インタビューした40人の従業員のうち、30人が被害者またはアカハラ行為の目撃者だった。

被害者30人ははさまざまな部門で働いていて、人種/民族、年齢、性別など多様だった。

コールマンの上司である戦略的コミュニケーション部長のマーク・シュルエブ(Mark Schlueb、写真出典)は、次のようにアカハラ被害状況を新聞記者に伝えた。

「5人のスタッフがコールマン1人しかいない部屋に入るのを拒否しました。また、11人の女性スタッフは安全と精神的健康に対する重大な懸念を表明しました」。

報告書には、従業員が他の従業員にコールマンを「奇妙な男」と話していた時、コールマンはこの従業員を怒鳴り、人種差別主義者と呼んだと述べている。この時の目撃者は、コールマンの言葉が「非常に侮辱的」だったと証言している。

一方、コールマンは、従業員に人種差別主義者と呼んでいないと発言を否定している。

2019年10月18日(43歳)、大学はコールマンを解雇した。

★約26億円の不正経理

コールマンは、購買規則に従わないと従業員を告発したが、その内部告発の仕返しに解雇されたと、大学を非難した。

また、コールマンは、黒人でゲイであることを公表している。従業員の不満は人種差別とLGBT拒否観という卑劣な感情によるもので、虚偽のアカハラを申し立てた、と従業員を非難した。

つまり、大学はコールマを解雇するためにいい加減な調査報告書をでっち上げたと、大学を非難した。

コールマンの解雇の後、ニコルソン学生メディア(Nicholson Student Media:NSM)は、2017年・2018年のセントラルフロリダ大学の不正調達報告書(Unauthorized Procurement Action reports for 2017 and 2018)を入手した。

その不正調達報告書によると、2017年・2018年、大学は166件の不正な調達をしていて、その合計金額は約2650万ドル(約26億円)にも上った。

大学は、確かに購買規則に従わないと従業員がいたことを認めている。マーク・シュルエブ部長は、「それは学内規則に違反する。しかし法律には違反していない。また、これらの購入には悪意があったと信じる理由はない」と弁解している。

一方、コールマンの業務評価書は、2015年から2017年まで一貫して、「満足できる以上」や「卓越した」スコアを獲得していた。

●6.【論文数と撤回論文とパブピア】

省略

●7.【白楽の感想】

《1》アカハラはデッチあげ?

ブライアント・コールマン(Briant Coleman)のアカハラ事件は、当初、コールマンが従業員に長年にわたってアカハラ(怒鳴り、脅迫、イジメ)していた事件として処理され、大学はコールマンを解雇した。

それで、白楽もアカハラ記事に取り上げた。

ただ、コールマンの地位である準副学長(戦略的イニシアチブ、コミュニケーション、マーケティング担当、associate vice president for strategic initiatives, communications and marketing)がどれほど強い立場なのか、白楽はハッキリつかめなかった。年収が$135,583(約1,358万円)とあるので、日本の大学事務局の係長クラスだろう。被害者の従業員というのは、教授・準教授・研究者・院生ではなく、事務系の職員だと思える。

解雇から数か月後、メディアは、セントラルフロリダ大学が約26億円の不正経理をしていたと指摘した。

コールマンがその不正経理を暴露し糾弾していたために、大学はコクハラ(告発ハラスメント)でコールマンの些細な言動をアカハラ行為と過大に仕立て上げたようだ。

大学側が正しいのか、コールマンが正しいのか、白楽には判断つかないが、コールマンが正しい気がする。

2年間で約26億円もの不正経理を、マーク・シュルエブ部長は「学内規則に違反する。しかし法律には違反していない」としているが、そういう感覚・発言が異常に思える。「法律には違反していない」で済まそうとしていることから、大学上層部が事務局を巻き込んで、組織的に不正経理をしているのではないだろうか?

そもそも、他のアカハラ事件と比較しても、被害者が多すぎる。40人の従業員のうち、30人が被害者またはアカハラ行為の目撃者となっているが、立場も権力もさほど強くない1人の人(コールマン)が30人もアカハラ行為をできるだろうか? 逆に、多勢に無勢で、簡単に村八分されそうな気がする。

30人は、大学上層部とマーク・シュルエブ部長に忖度して、反コールマン側についただけではないだろうか?

アカハラ事件で問題を感じる点は、たいした証拠もなしにアカハラ加害者と断定できる状況である。今回の事件もそうだと思うが、学内闘争や不都合な人を追い出す道具にアカハラが使われケースが相当数あるだろう。それをどう防げるだろうか?

ーーーーーー
日本がスポーツ、観光、娯楽を過度に追及する現状は日本の衰退を早め、ギリシャ化を促進する。今後、日本に飛躍的な経済の発展はない。科学技術と教育を基幹にした堅実・健全で成熟した人間社会をめざすべきだ。科学技術と教育の基本は信頼である。信頼の条件は公正・誠実(integrity)である。人はズルをする。人は過ちを犯す。人は間違える。その前提で、公正・誠実(integrity)を高め維持すべきだ。
ーーーーーー
ブログランキング参加しています。
1日1回、押してネ。↓

ーーーーーー

●8.【主要情報源】

①  ウィキペディア英語版:Briant Coleman – Wikipedia
② 2019年10月31日更新のデイブ・マクダニエル(Dave McDaniel)記者の「wesh」記事:UCF administrator accused of creating hostile work environment is fired
③ ◎2019年10月31日のアニー・マーティン(Annie Martin)記者の「Orlando Sentinel」記事:UCF administrator fired for misconduct toward employees, says accusations rooted in racism and homophobia – Orlando Sentinel
④ 2020年2月11日のマイケル・ロパルディ(Michael Lopardi)記者の「WFTV」記事:Former UCF administrator says he lost his job after filing whistleblower complaint; university disagrees
⑤ ◎2020年2月14日のジョーディン・マークホフ(Jordyn Markhof)記者の「NSM.today」記事:Whistleblower complaint sparks further investigation of former UCF administrator | News | NSM.today
⑥ 2020年2月27日のジョーディン・マークホフ(Jordyn Markhof)記者の「NSM.today」記事:‘I was called the n-word in my office’: Former UCF executive Briant Coleman speaks out after filing whistleblower complaint | Knightly News | NSM.today

★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。

●コメント

注意:お名前は記載されたまま表示されます。誹謗中傷的なコメントは削除します

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントは承認待ちです。表示されるまでしばらく時間がかかるかもしれません。