2023年6月30日掲載
ワンポイント:【長文注意】。ディアスはスリランカの大学を卒業後渡米し、米国で研究博士号(PhD)を取得、ハーバード大学・ポスドクを経て、2017年(36歳)に米国のロチェスター大学(University of Rochester)・助教授になった。室温超電導体の作成に成功した「2020年10月のNature」論文を出版し、2021年のタイム誌の「次世代を担う100人」に選ばれたスーパースター科学者である。ところが、「2020年10月のNature」論文は再現できず、データに疑念が生じ、2年後に撤回された。ところが、別の室温超電導の作成に成功したという「2023年3月のNature」論文を、再び、発表した。なお、2013年(32歳)のワシントン州立大学(Washington State University)の博士論文が盗用と指摘され、現在調査中。盗用文字率は約21%である。国民の損害額(推定)は10億円(大雑把)。
【追記】
・2024年11月8日記事:学長が解雇要求:Exclusive | University of Rochester President Urges Firing of Dr. Ranga Dias After Superconductivity Scandal – WSJ
・2024年3月20日記事:ネカトでした:Superconductor Scientist Engaged in Research Misconduct, Probe Finds – WSJ
・2024年3月12日記事:世界に衝撃を与えた「室温超伝導」の論文を巡る一大スキャンダルの内幕についての詳細レポートをNatureが報告 – GIGAZINE
・2023年9月25日記事:Science will suffer if we fail to preserve academic integrity – Physics World
・2023年7月27日記事:A spectacular superconductor claim is making news. Here’s why experts are doubtful | Science | AAAS
・2023年7月26日記事:Looming Retraction Casts Shadow Over Ranga Dias and Study of Superconductors – The New York Times
・2023年7月26日記事:Controversial Physicist Faces Mounting Accusations of Scientific Misconduct – Scientific American
・2023年7月22日記事:Professor faces second paper retraction due to alleged data manipulation – Campus Times
・2023年6月30日記事:Embattled physicist files patent for unprecedented ambient superconductor | Science | AAAS
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
4.日本語の解説
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
9.主要情報源
10.コメント
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●1.【概略】
ランガ・ディアス(Ranga Dias、Ranga P. Dias、ORCID iD:?、写真出典)は、スリランカで生まれ育ち、スリランカの大学を卒業後、渡米した。米国で研究博士号(PhD)を取得、ハーバード大学・ポスドクを経て、米国のロチェスター大学(University of Rochester)・助教授になった。医師免許は持っていない。専門は物理学(超伝導)である。
室温超電導体の作成に成功し、「2020年10月のNature」論文として出版し、2021年のタイム誌・「次世代を担う100人」に選ばれたスター研究者になった。
ところが、「2020年10月のNature」論文は再現できず、データ処理と分析に疑念が生じ、2年後に撤回された。
また、2020年(39歳)、ディアスはアシュカン・サラマット(Ashkan Salamat)と共に、ベンチャー企業のアンアースリー・マテリアルス社(Unearthly Materials)を設立した。室温超電導体の作成が本物なら大儲けができるので、カネ儲けする組織としての会社を設立したということだ。
ただ、ネカトは「2020年10月のNature」論文だけでなかった。
10年前の2013年(32歳)にワシントン州立大学(Washington State University)に提出した博士論文が、2023年(42歳)に盗博と指摘された。現在、ワシントン州立大学が調査中である。
盗博と指摘したサイモン・キンバー(Simon Kimber)とジェームズ・ハムリン(James Hamlin)は盗博の盗用文字率は約21%だと述べている。
ところが、「2020年10月のNature」論文の撤回から半年後の2023年3月8日、ディアスは、今度は、材料を炭素質水素化硫黄(carbonaceous sulfur hydride)から、窒素ドープ化ルテチウム水素化合物(nitrogen-doped lutetium hydride)に変えて再び、室温超電導体の作成に成功したという「2023年3月のNature」論文を発表した。
この論文も疑念視されていて、超電導の研究界は大騒動になっている。
ロチェスター大学(University of Rochester)。写真出典
- 国:米国
- 成長国:スリランカ
- 医師免許(MD)取得:なし
- 研究博士号(PhD)取得:ワシントン州立大学
- 男女:男性
- 生年月日:不明。仮に1981年1月1日生まれとする。スリランカで生まれる。2017年2月18日の記事に36歳とあった:Brain behind Metallic Hydrogen: Pressing on Pressure | Daily News
- 現在の年齢:43歳
- 分野:物理学(超伝導)
- 不正疑惑論文発表:2013~2023年(32~42歳)の11年間
- ネカト行為時の地位:ワシントン州立大学・院生、ロチェスター大学・助教授
- 発覚年:2020年(39歳)
- 発覚時地位:ロチェスター大学・助教授
- ステップ1(発覚):第一次追及者はカリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego)の理論物理学者のジョルジ・ハーシュ教授。論文で指摘
- ステップ2(メディア):「Science」、「For Better Science」、「パブピア(PubPeer)」、「撤回監視(Retraction Watch)」
- ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①学術誌「Nature」・編集部。②ロチェスター大学・調査委員会は2回調べて、シロ。③ワシントン州立大学は博士論文のネカト調査中
- 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし
- 大学の透明性:実名報道だが機関のウェブ公表なし(△)、[機関以外が詳細をウェブ公表(⦿)]
- 不正:ねつ造・改ざん、盗用
- 不正論文数:パブピアで7論文が指摘されている。1報は撤回。博士論文は盗用
- 盗用文字率:博士論文は約21%
- 時期:研究キャリアの初期から
- 職:事件後に研究職(または発覚時の地位)を続けた(〇)
- 処分:なし
- 日本人の弟子・友人: (1):大石泰生(Oishi Yasuo、高輝度光科学研究センター・主席研究員):「2016年の問題論文で共著」。(2):松岡 岳洋(Takehiro Matsuoka、岐阜大学・工学部・准教授):「2016年の問題論文で共著」
【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は10億円(大雑把)。
●2.【経歴と経過】
主な出典:Bio | Ranga Dias
- 生年月日:不明。仮に1981年1月1日生まれとする。スリランカで生まれる。2017年2月18日の記事に36歳とあった:Brain behind Metallic Hydrogen: Pressing on Pressure | Daily News
- 2006年(25歳):スリランカのコロンボ大学(University of Colombo)で学士号取得:物理学
- 2007年(26歳):渡米
- 2013年(32歳):米国のワシントン州立大学(Washington State University)で研究博士号(PhD)を取得:指導教授はチュンシク・ユー教授(Choong-Shik Yoo)
- 2013年(32歳):ハーバード大学(Harvard University)・ポスドク。ボスはアイザック・シルベラ教授(Isaac F. Silvera)
- 2017年(36歳):ロチェスター大学(University of Rochester)・助教授
- 2020年10月(39歳):後に疑念視される「2020年10月のNature」論文を出版
- 2020年11月(39歳):上記「2020年10月のNature」論文が疑念視
- 2020年(39歳):アシュカン・サラマット(Ashkan Salamat)と共にアンアースリー・マテリアルス社(Unearthly Materials)を設立
- 2021年2月(40歳):タイム誌の「次世代を担う100人」に選ばれた
- 2022年9月(41歳):上記「2020年10月のNature」論文が撤回
- 2023年3月(42歳):「2023年3月のNature」論文を出版
- 2023年(42歳):「2023年3月のNature」論文も疑念視
- 2023年6月29日(42歳)現在:従来の職・地位を維持している:2023年6月27日保存:Ranga Dias:University of Rochester
●3.【動画】
以下は事件の動画ではない。
【動画1】
室温超電導の説明とインタビュー動画:「First Room Temperature Superconductor! | Exclusive Interview – YouTube」(英語)10分35秒。
Liv Boeree(チャンネル登録者数 6.35万人)が2020/10/15 に公開
https://www.youtube.com/watch?v=kM7J56OxA6w
【動画2】
インタビュー動画:「World’s 1st Ever Room-Temperature Superconductor from Prof. Ranga Dias’ Lab [w/ English cc] – YouTube」(シンハラ語又はタミル語?、英語字幕)33分42秒。
NC Astronomy(チャンネル登録者数 6550人)が2020/10/15 に公開
●4.【日本語の解説】
★2023年03月09日:著者名不記載(GIGAZINE):「「室温超伝導」を実現したという画期的な論文が発表されるが研究チームの過去の不正疑惑から疑念の声も」
選択引用です。
超伝導は特定の金属や化合物を極端に冷却した際に電気抵抗がゼロになるという現象であり、室温程度で物質が超伝導となる「室温超伝導」は、リニアモーターカーや量子コンピューターなどさまざまな新技術への応用が期待される夢の技術です。そんな室温超伝導に関する画期的な論文が科学誌のNatureに掲載されましたが、論文を執筆したロチェスター大学のランガ・ディアス氏らの研究チームは過去に研究不正疑惑をかけられており、今回の研究についても研究者からは慎重な声が上がっています。
2020年、ディアス氏らの研究チームは水素と炭素、硫黄を合成した「Carbonaceous sulphur hydride(炭素質水素化硫黄)」に高圧力をかけることで、室温超伝導を実現したと報告しました。
しかし2020年の論文は、化合物が超伝導体となったことの証明に用いられた磁化率という指標の測定に疑念が呈されたほか、再現性にも疑いの目が向けられました。この論文を掲載したNatureは最終的に、9人いる著者全員の反対を押し切って論文を撤回しました。
2023年3月、ディアス氏らの研究チームが執筆した新たな室温超伝導についての論文が、再びNatureに掲載されました。
今回の研究結果は室温超伝導の実現に向けた画期的なブレイクスルーですが、ディアス氏らの過去の論文が撤回されたことを問題視する研究者からは、今回の研究に対して疑念の声が上がっています
続きは、原典をお読みください。
★2023年6月22日:小谷 太郎(JBpress):「ついに実現、室温超伝導? それともまたも幻で終わるのか?」
●5.【不正発覚の経緯と内容】
★スーパースター研究者
ランガ・ディアス(Ranga Dias)は、スリランカの大学を卒業後、渡米し、米国で研究博士号(PhD)を取得、ハーバード大学・ポスドクの時の2016年と2017年に、原子金属水素 H2 (固体) 作成に成功した。
原子金属水素 H2 (固体)は、約80年も探し求められてきた物質だった。 → 2017年2月18日の記事(写真出典同):Brain behind Metallic Hydrogen: Pressing on Pressure | Daily News
ディアス(左)とハーバード大学のアイザック・シルベラ教授(Isaac F. Silvera)
2017年(36歳)、ディアスはロチェスター大学(University of Rochester)・助教授になった。
室温超伝導体を発見し、「2020年10月のNature」論文に出版した。
科学者は100年以上前から超伝導体を研究してきたのである。室温超伝導体の発見は画期的だった。
室温超伝導体は、熱を出さないで通電できるので、効率の良い送電線や電子機器を作ることができる。超伝導体は効率的な高速リニアモーターカー、風力タービン、ポータブル磁気共鳴画像装置などにも応用できる画期的な材料である。
スリランカの「Colombo Gazette」新聞は、ディアスは、いずれ、ノーベル物理学賞を受賞するのではないかと報じた。 → 2020年12月8日:
Sri Lankan-lead team discovers world’s first room-temperature superconductor | Colombo Gazette
2021年2月18日(40歳)、そして、ランガ・ディアス(Ranga Dias)は、室温超伝導体の発見で米国の週刊誌『TIME』の「TIME 100 NEXT 2021(次世代を担う100人」)」に選ばれた(保存版)。 → Ranga Dias Is on the TIME100 Next 2021 List | TIME
Ranga Dias, an assistant professor of mechanical engineering at the University of Rochester, has a solution that could pave the way for future innovations: a room-temperature superconductor that’s superdense instead of supercold #TIME100Next https://t.co/Eg5ia3cq5a
— TIME (@TIME) February 28, 2021
★起業:2020年
2020年(39歳)、ランガ・ディアス(Ranga Dias)はアシュカン・サラマット(Ashkan Salamat)と共に、ベンチャー企業のアンアースリー・マテリアルス社(Unearthly Materials)を設立した。 →
Unearthly Materials Company Profile: Valuation & Investors | PitchBook
アシュカン・サラマット(Ashkan Salamat)はネバダ大学(University of Nevada)の物理学・助教授で、次章で述べる「2020年10月のNature.」論文の共著者でもある。
ランガ・ディアス(Ranga Dias、左)とアシュカン・サラマット(Ashkan Salamat、右)。写真出典:Superconductive Fraud: The Sequel – For Better Science
★疑念の「2020年10月のNature」論文
2020年10月14日(39歳)、ディアスは炭素質水素化硫黄(carbonaceous sulfur hydride)で室温超電導体の作成に成功し、「2020年10月のNature」論文を発表した。
- Snider, Elliot; Dasenbrock-Gammon, Nathan; McBride, Raymond; Debessai, Mathew; Vindana, Hiranya; Vencatasamy, Kevin; Lawler, Keith V.; Salamat, Ashkan; Dias, Ranga P. (15 October 2020). “Room-temperature superconductivity in a carbonaceous sulfur hydride”. Nature. 586 (7829): 373–377.
https://www.nature.com/articles/s41586-020-2801-z#citeas
室温超電導体は非常に画期的な発見なので、この発見でノーベル賞が授与される可能性がある。
その可能性について尋ねられたディアスは、「非常に高い評価を受けると思いますが、直ぐノーベル賞が授与されるとは思いません」と答えている。
「2020年10月のNature」論文が出版されてすぐに、カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego)の理論物理学者のジョルジ・ハーシュ教授(ホルヘ・ヒルシュ、Jorge E. Hirsch、写真出典)は、論文のデータに疑問を抱いた。
ハーシュ教授は以前から、超伝導研究に対する率直な批判者として有名だった。
2020年11月(39歳)、論文出版の1か月後、ハーシュ教授は、材料がどの程度磁化されるかを示す「磁化率(magnetic susceptibility)」のデータに疑問を抱き、ディアスら著者に「生」データを公開するよう求めた。
ディアスとサラマットは、最初は、ハーシュ教授の批判に反発したが、最終的には要求されたデータを公開した。
2021年8月(40歳)、フランスのジュネーブ大学(University of Geneva)のダーク・ファン・デル・マレル教授(Dirk van der Marel、写真出典)とハーシュ教授は協力して、これら公開されたデータを分析し、プレプリントサーバー「arXiv.org」に論文を掲載し、次のように批判した。
ディアスの「2020年10月のNature」論文は、良く言えば型破りな方法で分析したが、悪く言えばデータ改ざんだ。
また、公開されたデータは、「生」データではないとも批判した。
- [Submitted on 19 Jan 2022 (v1), last revised 6 Aug 2022 (this version, v7)]
Extended Comment on Nature 586, 373 (2020) by E. Snider et al
Dirk van der Marel, Jorge E Hirsch
https://arxiv.org/abs/2201.07686
なお、ファン・デル・マレル教授のウェブサイトに室温超電導のページがある:Room temperature superconductivity ? – Dirk van der Marel
ディアスは、他の2つの異なる研究室で外部者の立ち会いの下で「2020年10月のNature」論文の結果を再現できたと主張した。
とはいえ、世界の多くの他の研究室ではディアスの実験結果を再現できていない。
ハーシュ教授らとディアスらは、複数回、「arXiv.org」でプレプリントを発表し、どちらも相手の主張を強く批判した。
対立は激化し、長引き、だんだん過激になり、ますます辛辣なやり取りが展開されていった。
あまりにヒドイ事態となり、プレプリントサーバー「arXiv.org」の管理者は両者の文書を削除し、ハーシュ教授を「荒らし(troll)」と判定し、「arXiv.org」ヘの投稿を半年、禁止した。
ハーシュ教授は「私の論文はデータを分析し、矛盾を指摘しただけです」と投稿禁止処分に反論した。
なお、ディアスの「2020年10月のNature」論文を問題視したのはハーシュ教授とファン・デル・マレル教授だけではなかった。
米国科学勲章受章者で米国物理学会・元会長のマービン・コーエン(Marvin L. Cohen)も、炭素質水素化硫黄の「2020年10月のNature」論文の問題点を早くから指摘していた。
後で再登場するが、フロリダ大学・準教授のジェームズ・ハムリン(James Hamlin)も、ディアスの「2020年10月のNature」論文の問題点を指摘した。
ハムリンは、電気抵抗データがおかしいと指摘した。電気抵抗データは磁化率データのようにバックグラウンドノイズを除去する処理は必要ない。それなのに、その処理がされている。論文はこの処理を明示していない。何故なのかと質問すると、ディアスとサラマットは曖昧に答え、矛盾点を説明しないし、正当だと主張するその正当性に根拠がない。
2022年9月26日(41歳)、出版から2年後、結局、「2020年10月のNature.」論文は撤回された。 → 撤回公告
撤回公告は以下のようだ。
「Nature」誌・編集部はこの論文を撤回する。論文の出版後、この論文のデータ処理と分析に疑念が生じ、著者と「Nature」誌はこの問題の解決に取り組んできた。
図2aの磁化率プロットと図7dのバックグラウンド減算で、論文は標準とは異なる手順を使っていた。論文はその手順の詳細を明記していなかった。また、バックグラウンド減算の妥当性は疑問視されている。
著者らは、データは論文の主張を強く裏付けると主張している。しかし、これらのデータ処理と分析は磁化率データ全体に対する信頼を損なうと「Nature」誌・編集部は考え、論文を撤回する。
なお、著者たち全員が、この論文撤回に同意していない。
ディアスとサラマットはネカトを否定している。
ディアスとその共著者たちは、論文の科学的結論は否定されていないとして、論文の撤回に異議を唱えている。
ロチェスター大学のサラ・ミラー広報担当(Sara Miller)は、大学は2度、ネカト調査し、懸念を裏付ける証拠はないと結論した、と述べた。
★疑念の「2023年3月のNature」論文
上述した様に「2020年10月のNature」論文は、出版から2年後の2022年9月26日に撤回された。
撤回から半年後の2023年3月8日、ディアスは、今度は、材料を炭素質水素化硫黄(carbonaceous sulfur hydride)から、窒素ドープ化ルテチウム水素化合物(nitrogen-doped lutetium hydride)に変えて、再び、室温超電導の作成に成功したという「2023年3月のNature」論文を発表した。
- Evidence of near-ambient superconductivity in a N-doped lutetium hydride
Nathan Dasenbrock-Gammon, Elliot Snider, Raymond McBride, Hiranya Pasan, Dylan Durkee, Nugzari Khalvashi-Sutter, Sasanka Munasinghe, Sachith E. Dissanayake, Keith V. Lawler, Ashkan Salamat & Ranga P. Dias
Nature 615, 244–250 (2023). https://doi.org/10.1038/s41586-023-05742-0
Published: 08 March 2023
今度の窒素ドープ化ルテチウム水素化合物(nitrogen-doped lutetium hydride)は圧力を高めると、青からピンクに変化する。この色の変化に伴い、物質が超伝導体に変化し、電気が抵抗なく流れると説明している。さらに圧力を高めると、超電導特性が失われ、赤色に変化する。
その様子は、以下のユーチューブでみることができる。
上のユーチューブのタイトルとurl を書いておこう → A new material changes color as it becomes a superconductor | Science News https://www.youtube.com/watch?v=O1aon_Ufq-0
今度の「2023年3月のNature」論文では、自分で超伝導体を作りたいと考えている研究者向けに作成法の「レシピ」も提供した。
ただ、ディアスとサラマットは室温超伝導体を商業化するため、アンアースリー・マテリアルス社(Unearthly Materials)というベンチャー企業を設立しているので、知的財産権は確保している。超伝導体サンプルは提供していない。
キンバーなど一部の研究者は、ディアスを信用できないので、今度の論文の結果が再現できるかどうか、時間とリソースを使って実験して確かめるつもりはない、と述べている。
2023年5月11日(42歳)、そして、中国の南京大学(Nanjing University)のハイヒュー・ウェン教授(Hai-Hu Wen、写真出典)は、ディアスの結論を否定するような「Nature」論文を発表した(以下)。
- Absence of near-ambient superconductivity in LuH2±xNy
Xue Ming, Ying-Jie Zhang, Xiyu Zhu, Qing Li, Chengping He, Yuecong Liu, Tianheng Huang, Gan Liu, Bo Zheng, Huan Yang, Jian Sun, Xiaoxiang Xi & Hai-Hu Wen
Nature (2023). https://doi.org/10.1038/s41586-023-06162-w - 上記論文は閲覧有料。解説文あり → 2023年5月17日の「Ars Technica」記事:Replication of high-temperature superconductor comes up empty
ウェン教授はディアスが「2023年3月のNature」論文で報告したのと同じ化合物を作成した。
その化合物のすべての性質は1点を除き、ディアスの「2023年3月のNature」論文が示した性質と同じだった。
化合物は、化学物質の結合を特定するラマン分光法で同じ信号を確認できた。高圧で同じ色の変化もした。
しかし、1つだけ異なっていた。
超電導の性質を示さなかったのだ。化学物質の電気抵抗と磁気挙動を室温で測定しても、低温化でも示さなかった。
2023年5月17日時点で、「2023年3月のNature」論文のコメント欄に41件のコメントが、パブピアでは23件のコメントがついていた。
ところが、2023年6月9日、米国のイリノイ大学シカゴ校(University of Illinois Chicago)のラッセル・ヘムリー教授(Russell J. Hemley – Wikipedia、写真出典)は、ディアスの結論を肯定するようなプレプリント論文を発表した(以下)。
- Evidence for Near Ambient Superconductivity in the Lu-N-H System
Nilesh P. Salke, Alexander C. Mark, Muhtar Ahart, Russell J. Hemley
arXiv:2306.06301
ヘムリー教授は有力な研究者である。「New York Times」がヘムリー教授のプレプリント論文を紹介している。 → 2023年6月23日のケネス・チャン(Kenneth Chang)記者の「New York Times」記事:New Study Bolsters Room-Temperature Superconductor Claim – The New York Times
さてさて、「2023年3月のNature」論文と室温超電導体は今後どうなるのだろう?
★盗用:「2021年6月のPhys. Rev. Lett.」論文
米国のオークリッジ国立研究所(Oak Ridge National Laboratory)のサイモン・キンバー(Simon Kimber、写真出典)は、以下の「2021年6月のPhys. Rev. Lett.」論文でディアスやアシュカン・サラマット(Ashkan Salamat)と共著の論文を発表していた。
- Colossal Density-Driven Resistance Response in the Negative Charge Transfer Insulator MnS2
Dylan Durkee, Nathan Dasenbrock-Gammon, G. Alexander Smith, Elliot Snider, Dean Smith, Christian Childs, Simon A. J. Kimber, Keith V. Lawler, Ranga P. Dias, and Ashkan Salamat
Phys. Rev. Lett. 127, 016401 – Published 30 June 2021; Erratum Phys. Rev. Lett. 130, 129901 (2023)
2022年10月xx日(41歳)、フロリダ大学・準教授のジェームズ・ハムリン(James Hamlin、写真出典)が上記論文のデータに異常な点があると指摘した。
以下は、2023年2月(42歳)、パブピアで「Eriolaena candollei」(ハムリンのパブピア名?)が示した図。出典:https://pubpeer.com/publications/F342DD2D2E72E5E2FD507089562B94
上記論文の硫化マンガン(MnS2)の図1bは、ディアスの2013年の博士論文のセレン化ゲルマニウム(GeSe4)の図B4(155頁、右図)とほぼ同じだった。以下の黄色の線、青色の線。
以下は、2023年2月にパブピアで指摘された図を、マールテン・ファン・カンペン(Maarten van Kampen)が並べ替えた図。
パブピアの図出典:https://pubpeer.com/publications/F342DD2D2E72E5E2FD507089562B94
マールテン・ファン・カンペンの図出典:https://forbetterscience.com/2023/03/29/superconductive-fraud-the-sequel/
硫化マンガン(MnS2)とセレン化ゲルマニウム(GeSe4)のデータが示す線を重ねると、ほぼ1本の線になる。
つまり、「2021年6月のPhys. Rev. Lett.」論文の硫化マンガン(MnS2)のデータは、ディアスの2013年の博士論文のセレン化ゲルマニウム(GeSe4)のデータを流用しラベルを変えただけだと思われる。
キンバーは次のように状況を説明した。出典 → 2023年3月10日頃:nanoscale views: APS March Meeting 2023, Day 2のコメント欄の「Anonymous2:12 PM」
私・サイモン・キンバー(Simon Kimber)は、ディアスの「2021年6月のPhys. Rev. Lett.」論文の共著者です。
2022年10月27日に、ジェームズ・ハムリン(James Hamlin)からディアスのデータ流用を指摘するメールを受け取りました。データの類似性は驚くほどです。
翌日の2022年10月28日、私(キンバー)は共著者全員及び「Phys. Rev. Lett.」に論文撤回を申し出るメールをしました。しかし、共著者の誰からも返事が返ってきませんでした。
2023年2月、パブピアで問題点が指摘され、公開されました。:https://pubpeer.com/publications/F342DD2D2E72E5E2FD507089562B94
そのことで、ようやく、研究者仲間の知るところとなり、再度、私は論文撤回に動き出しました。
共著者のキンバーがネカト疑念を指摘したメールに、10人いた共著者の誰からも返事が返ってこないのは、異常である。
10人はディアスやアシュカン・サラマット(Ashkan Salamat)から何らかの指示を受けていたと思われる。
2023年3月13日(42歳)、最初に疑念が指摘されてから4か月後、「Phys. Rev. Lett.」は論文にようやく懸念表明を付けた。 → Phys. Rev. Lett. 130, 129901 (2023) – Expression of Concern
いずれ、この論文は撤回されるだろう。
★盗博:2013年
ディアスのネカト(疑念)は「2020年10月のNature」論文や「2023年3月のNature」論文のデータねつ造、「2021年6月のPhys. Rev. Lett.」論文の盗用だけでは終らなかった。
盗博もあった。
2013年1月(32歳)、ランガ・ディアス(Ranga Dias)は米国のワシントン州立大学(Washington State University)で物理学の研究博士号(PhD)を取得した。
194頁の博士論文は公表されている → Handle: https://hdl.handle.net/2376/4951
- 論文タイトル:「PHASE TRANSITIONS, METALLIZATION, SUPERCONDUCTIVITY AND MAGNETIC ORDERING IN DENSE CARBON DISULFIDE AND CHEMICAL ANALOGS」
著者:LIYANAGAMAGE PRABASHWARA DIAS
Doctor of Philosophy (PhD), Washington State University;
指導教授はチュンシク・ユー教授(Choong-Shik Yoo、写真出典)だった。
2023年(42歳)、10年前の2013年に博士号を取得したディアスの博士論文に盗用があると指摘された。
被盗用論文は、ジェームズ・ハムリン(James Hamlin、写真出典)がセントルイスのワシントン大学(Washington University in St. Louis)に提出した「2007年の博士論文」だった。ハムリンは、現在はフロリダ大学・準教授になっている。
→ ハムリンの「2007年の博士論文」:http://www.phys.ufl.edu/~jhamlin/Hamlin_thesis.pdf
2022年10月27日(41歳)、前節でデータの流用に気がついたサイモン・キンバー(Simon Kimber)は、ディアスの博士論文にもっと盗用箇所があるのではないかと思い、ハムリンと共に、ディアスの博士論文の文節を1つ1つ丁寧に調べた。1つ1つ丁寧に調べたのは、盗用検出ソフトで一網打尽に盗用を見つける方法は役に立たなかったからだ。
結局、ディアスの博士論文には少なくとも6300語(論文の約21%)の盗用文章があることを見つけた。それらは、他人の17論文からの広範な盗用だった。
ただ、盗用箇所は主に方法論と背景のセクション(methodology and background section)が多かった。
盗用箇所の一例を以下に示す。
以下は左がハムリンの「2007年の博士論文」の被盗用箇所(着色部分、出典:同)。右がディアスの盗用箇所(着色部分、出典:同)。出典は → https://forbetterscience.com/2023/03/29/superconductive-fraud-the-sequel/
このような明白な証拠を示されても、ディアスは「自分は何も悪いことをしていない。適切に引用した」と主張している。
「Science」誌記者の質問には、ディアスは直接答えることを拒否し、ロチェスター大学の広報担当者を通して「論文指導アドバイザーとともに、これらの問題に直接に対処します」と回答した。
ロチェスター大学の広報担当者は、ワシントン州立大学がネカト調査を終えるまでノーコメントと「Science」誌記者に回答した。ワシントン州立大学もノーコメントだった。
ハムリンとキンバーが特定した17被盗用論文の1つは、ディアスの指導教授であるチュンシク・ユー教授(Choong-Shik Yoo)の1999年の論文だった。
チュンシク・ユー教授は、ディアスの博士論文をチェックした時、明白な類似文章を見つけていた。
ただ、「彼の1999年の論文はディアスの博士論文の他の箇所ではチャンと引用されていたので、引用がなかった箇所は、単なる間違いだと思った。それで、深刻な問題だとは考えませんでした」とチュンシク・ユー教授は述べている。
ワシントン州立大学の研究公正規則では、「盗用は盗用であって、意図的か間違いかは関係ない」とある。
チュンシク・ユー教授によると、ディアス氏は2023年3月30日に博士論文の訂正要求を提出した。
それで、現在、ワシントン州立大学・学術公正聴聞委員会(Academic Integrity Hearing Board)がこの件を審査中である。
ワシントン州立大学・理事会はどの処分を科す可能性があるのかノーコメントだが、これほど深刻な盗用なら、博士論文の取り消しも含まれるだろう専門家は述べている。
研究公正の専門家でクロアチアのリエカ大学(University of Rijeka)のヴァンジャ・プポヴァツ助教授(Vanja Pupovac、写真出典)は、博士論文のこの種の訂正は深刻な問題を引き起こすと指摘した。
「博士号授与後に博士論文の訂正を認めると、重大な処罰を受けないで、博士論文の不正を修正できるというメッセージを研究者に送ることになる。これでは、学術制度の信頼が損なわれる。さらに、科学に対する国民の信頼も損なわれる」とプポヴァツ助教授は批判した。
★さらに別の盗用
ディアスの盗用は、2013年の博士論文だけではなかった。
アシュカン・サラマット(Ashkan Salamat)と共著の以下のディアスの「2021年11月のarXiv」論文でも、ハムリンの「2007年の博士論文」を盗用していた。
- [2111.15017] Standard Superconductivity in Carbonaceous Sulfur Hydride
Ranga P. Dias, Ashkan Salamat
[Submitted on 29 Nov 2021 (v1), last revised 25 Dec 2021 (this version, v2)]
以下は左がハムリンの「2007年の博士論文」の被盗用箇所(着色部分、出典:同)。右がディアスの盗用箇所(着色部分、出典:同)。出典は → https://physics.aps.org/articles/v16/40
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さらに、ハムリンとキンバーはまた、ディアスのウェブサイト(Research | Ranga Dias、(保存版))で記述している研究内容に、少なくとも3か所、盗用があると指摘している。
例えば、ワシントン大学のマシュー・ヤンコウィッツ助教授(Matthew Yankowitz)のウェブサイトの文章を盗用していた。
ヤンコウィッツ助教授は、「私の文章が盗用されたと確信しています」と述べている。
●【ネカトの具体例】
ねつ造・改ざんと盗博・盗用だが、上記したので省略。
●6.【論文数と撤回論文とパブピア】
★論文数
省略
★撤回監視データベース
2023年6月29日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースでランガ・ディアス(Ranga Dias、Ranga P. Dias)を「Ranga P. Dias」で検索すると、本記事で問題にした「2020年10月のNature」論文・1論文だけが懸念表明、訂正の後、2022年9月26日に撤回された。
★パブピア(PubPeer)
2023年6月29日現在、「パブピア(PubPeer)」では、ランガ・ディアス(Ranga Dias、Ranga P. Dias)の論文のコメントを「Ranga Dias」で検索すると、2016~2023年の8論文にコメントがあった。
●7.【白楽の感想】
《1》デジャヴ
ディアス事件では、スリランカ出身のランガ・ディアス(Ranga Dias)が超電導の分野で画期的な大発見をし、「Nature」論文に発表したが、実験データにネカト疑惑が生じている。おまけに、博士論文を含め数論文での盗用も指摘されている
なんか、どこかで聞いた話と似ている。
思い出した。超伝導の研究で米国のベル研究所に分野で画期的な発見をしたドイツ出身のヤン・ヘンドリック・シェーン(Jan Hendrik Schön)だ。
生命科学系だと、天才的な院生と言われたマーク・スペクター(Mark Spector)を思い出す。
→ マーク・スペクター(Mark Spector)(米) | 白楽の研究者倫理
日本の小保方晴子事件とも類似している。
《2》「Nature」と「Science」の戦い
ディアスは「Nature」誌で論文を発表した。その論文を「Science」誌がネカトだと指摘する。
個々の人間は面子をかけて自己主張するが、「学術誌」組織は面子とカネをかけて戦う。
ディアス事件では、「Nature」と「Science」の戦いはまだ決着がついていない。真実が歪むので、このような戦いは止めて欲しい。
と言っても、止めないだろう。ただ、研究者は、「Nature」と「Science」の戦いが裏にあると認識した方が、事実誤認が減るだろう。
ウクライナとロシアの戦いも、面子とカネがかかっている。兵隊と庶民が犠牲になる。死んだり、負傷する。生活も人生もおかしくなっている。
戦争は即刻、止めて欲しい。
《3》なんで?
「2020年10月のNature」論文の撤回から半年後の2023年3月8日、ディアスは、今度は、「2023年3月のNature」論文を発表した。
そして、その「2023年3月のNature」論文も疑念視されている。
「Nature」編集部は論文撤回した研究者からの論文を再度掲載しているが、なんで? と白楽は思う。
問題のある研究者からの論文に対して、数年間は投稿禁止にするとか、普通以上に慎重に査読するとか、対処しないものか?
オレオレ詐欺にダマされる人は何回もダマされるという話しだが、「Nature」編集部もそうなんだろうか?
イヤイヤ、室温超電導体の論文はインパクトがあるからだ。そして、「Science」がネカト視している研究者の論文を掲載するのはもっとインパクトがあるからだ。つまり、注目を浴び、売れるからだ。
ランガ・ディアス(Ranga Dias)。https://physicsworld.com/a/evidence-for-near-ambient-superconductivity-found-in-lutetium-hydride/
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日本の人口は、試算では、2100年に現在の7~8割減の3000万人になるとの話だ。国・社会を動かす人間も7~8割減る。現状の日本は、科学技術が衰退し、かつ人間の質が劣化している。日本がスポーツ、観光、娯楽を過度に追及する現状は日本の衰退を早め、ギリシャ化を促進する。今後、科学技術と教育を基幹にし、人口減少に見合う堅実・健全で成熟した良質の人間社会を再構築すべきだ。公正・誠実(integrity)・透明・説明責任も徹底する。そういう人物を昇進させ、社会のリーダーに据える。
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●9.【主要情報源】
① ウィキペディア英語版:Ranga P. Dias – Wikipedia
② 2020年10月14日のロバート・サービス(Robert F. Service)記者の「Science」記事:After decades, room temperature superconductivity achieved | Science | AAAS
③ 2022年3月14日のロバート・サービス(Robert F. Service)記者の「Science」記事:Preprint server removes ‘inflammatory’ papers in superconductor controversy | Science | AAAS
④ 2022年3月16日のマールテン・ファン・カンペン(Maarten van Kampen)記者の「For Better Science」記事:Anatomy of a Retraction – For Better Science
⑤ 2022年9月26日のエリック・ハンド(Eric Hand)記者の「Science」記事:‘Something is seriously wrong’: Room-temperature superconductivity study retracted | Science | AAAS
⑥ 2022年10月22日のマールテン・ファン・カンペン(Maarten van Kampen)記者の「For Better Science」記事:Anatomy of a Retraction 2 – Superconductive Fraud – For Better Science
⑦ 2023年3月9日のダニエル・ガリスト(Daniel Garisto)記者の「Physics」記事:Physics – Allegations of Scientific Misconduct Mount as Physicist Makes His Biggest Claim Yet
⑧ 2023年3月10日のソフィー・ブッシュウィック(Sophie Bushwick)記者の「Scientific American」記事:Controversy Surrounds Blockbuster Superconductivity Claim – Scientific American
⑨ 2023年3月15日のトム・ハーツフィールド(Tom Hartsfield)記者の「Big Think」記事:A superconductor “breakthrough” raises serious doubts – Big Think
⑩ 〇2023年3月29日のマールテン・ファン・カンペン(Maarten van Kampen)記者の「For Better Science」記事:Superconductive Fraud: The Sequel – For Better Science
⑪ 〇2023年4月13日のダニエル・ガリスト(Daniel Garisto)記者の「Science」記事:Plagiarism allegations pursue physicist behind stunning superconductivity claims | Science | AAAS
⑫ 2023年4月24日のエリック・ヘグブロム(Eric Hegblom)記者の「Campus Times」記事:Letter to the Editor: accusations of plagiarism against University professor – Campus Times
⑬ 2023年6月23日のケネス・チャン(Kenneth Chang)記者の「New York Times」記事:New Study Bolsters Room-Temperature Superconductor Claim – The New York Times
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