エミール・レヴィ(Emile Levy)(カナダ)

2022年8月25日掲載 

ワンポイント:2022年4月12日(70歳?)、2010~2013年(58~61歳?)に出版したモントリオール大学(University of Montreal)のレヴィ教授の3報の「PLoS One」論文が撤回された。画像のねつ造・改ざんである。しかし、撤回の8年前の2014年5月(62歳?)、ネカトハンターのエリザベス・ビック(Elisabeth Bik)が、画像の異常を指摘していた。その時、「PLoS One」はレヴィ教授に疑惑を伝え、レヴィ教授は対応したが、「PLoS One」は放置した。そして、8年後の2022年1月(70歳?)、「PLoS One」は対応を再開した。8年間も放置したことで、当時の交信記録が行方不明になり、レヴィ研究室はその間に移転したため元データを見つけられなかった。それで、論文訂正のデータを提出できず、論文撤回となった。学術誌「PLoS One」の不手際で論文撤回されたレヴィ教授は激怒している。振り返って、日本の学術誌・編集員の現状はもっとヒドイという印象がある。国民の損害額(推定)は10億円(大雑把)。

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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
9.主要情報源
10.コメント
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●1.【概略】

エミール・レヴィ(Emile Levy、ORCID iD:https://orcid.org/0000-0001-9983-7027、写真出典)は、イスラエル出身で、カナダのモントリオール大学(University of Montreal)・教授になった。医師免許を所持している。専門は栄養学(糖尿病)で、この分野では著名な研究者である。

データねつ造・改ざん事件だが、ネカト者は特定されていない。レヴィがネカト犯とは思えないが、本記事ではレヴィを主体に記述した。

データねつ造・改ざん事件と書いたが、本記事では、学術誌「PLoS One」の対応の悪さが主役(準主役?)である。

2014年5月(62歳?)、論文撤回の8年前、ネカトハンターのエリザベス・ビック(Elisabeth Bik)が、レヴィの4論文の画像の異常を学術誌「PLoS One」に通報した。

2014年(62歳?)、レヴィは、研究のため欧州に滞在中だったが、「PLoS One」誌からの連絡を受け、最優先で疑惑に対処した。

2014年12月9日(62歳?)、レヴィの指示を受けた研究室の秘書は、元データを集め、説明を付け、「PLoS One」誌に送付した。

しかし、「PLoS One」誌の対応が悪く、論文は修正もされず、放置された。

2022年1月(70歳?)、それから、8年後、論文が発表されてから8〜12年後、「PLoS One」誌はレヴィ論文を再検討し始めた。

2022年4月12日(70歳?)、2010~2013年(58~61歳?)に出版したレヴィの3報の「PLoS One」論文を撤回した。

レヴィは激怒している。

なお、「PLoS One」の4論文の画像の異常は、「間違い」というレベルではない。意図的な加工の「ねつ造・改ざん」である。

ところが、モントリオール大学(University of Montreal)はレヴィのネカト調査をしない。それで、誰がネカト犯かわからない。当然、レヴィは処分されていない。

モントリオール大学は、「Times Higher Education」の大学ランキングでカナダ第3位の有力大学である。 → World University Rankings 2022 | Times Higher Education (THE)保存版

モントリオール大学(University of Montreal)。写真出典

  • 国:カナダ
  • 成長国:イスラエル
  • 医師免許(MD)取得:イスラエルのヘブライ大学
  • 研究博士号(PhD)取得:イスラエルのヘブライ大学
  • 男女:男性
  • 生年月日:不明。仮に1952年1月1日生まれとする。1974年に学士号を取得した時を22歳とした
  • 現在の年齢:70歳?
  • 分野:栄養学
  • 不正論文発表:2010~2013年(58~61歳?)の3年間
  • 発覚年:2014年(62歳?)
  • 発覚時地位:モントリオール大学・教授
  • ステップ1(発覚):第一次追及者はネカトハンターのエリザベス・ビック(Elisabeth Bik)で、学術誌「PLoS One」に公益通報
  • ステップ2(メディア):「撤回監視(Retraction Watch)」、レオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)のブログ
  • ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①学術誌・編集部。②モントリオール大学は調査していない
  • 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし。調査していない
  • 大学の透明性:[機関以外が詳細をウェブ公表(⦿)]、調査していない、発表なし(✖)
  • 不正:ねつ造・改ざん
  • 不正論文数:4報(1論文が懸念表明、3論文が撤回)
  • 時期:研究キャリアの後期
  • 職:事件後に研究職(または発覚時の地位)を続けた(〇)
  • 処分:なし
  • 日本人の弟子・友人:不明

【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は10億円(大雑把)。

●2.【経歴と経過】

主な出典:Emile Levy – Biographie

  • 生年月日:不明。仮に1952年1月1日生まれとする。1974年に学士号を取得した時を22歳とした
  • 1974年(22歳?):イスラエルのヘブライ大学医学部(Faculté de Médecine, Hebrew University)で学士号取得:生物学
  • 1978年(26歳?):同大学で修士号取得:生化学および医科学
  • 1983年(31歳?):同大学で医師免許を取得
  • 1984年(32歳?):同大学で研究博士号(PhD)を取得:臨床および生理生化学
  • 1986年(34歳?):カナダのモントリオール大学(University of Montreal)・センター・ホスピタリエ・ユニバーシテア・サント・ジャスティン(CHU Sainte Justine〈Le Centre hospitalier universitaire Sainte-Justine〉)・ポスドク:消化器内科、肝臓学および栄養学
  • xxxx年(xx歳)~現:モントリオール大学(University of Montreal)・教授
  • 1996年5月~2006年1月(44~54歳?):モントリオール大学・センター・ホスピタリエ・ユニバーシテア・サント・ジャスティン( CHU Sainte Justine)・所長
  • 2014年5月(62歳?):論文の図の異常をビックに指摘された
  • 2022年4月12日(70歳?):2010~2013年に出版した3論文が撤回

●3.【動画】

以下は事件の動画ではない。

【動画1】
説明動画:「1996 à 2006 – Direction d’Emile Levy | Vers la recherche clinique et les axes de recherche – YouTube」(フランス語)3分54秒。
Recherche Sainte-Justine(チャンネル登録者数  189人)が2014/12/16に公開

●5.【不正発覚の経緯と内容】

★論文撤回の経緯

2022年4月12日(70歳?)、2010~2013年(58~61歳?)に出版したエミール・レヴィ(Emile Levy)の3報の「PLoS One」論文が撤回された。

2014年5月(62歳?)、論文撤回の8年前、ネカトハンターのエリザベス・ビック(Elisabeth Bik、写真出典)が、エミール・レヴィ(Emile Levy)の4論文の画像の異常を学術誌「PLoS One」に通報していた。

ビックが「撤回監視(Retraction Watch)」に答えている。

私はこれらの4つの論文を2014年5月に学術誌に報告しました。なんと8年前です!

論文は2010~2013年に出版されたので、学術誌がもう少し早く対処していれば、著者はまだ元データを持っていた可能性があります。

ビックが通報した2014年以降、上記の撤回論文は17~82回も引用されていた。

「2013年のPLoS One」論文の撤回公告は、図4, 8, 9,10の問題があったと指摘した後、以下の説明をした → Retraction: Apple Peel Polyphenols and Their Beneficial Actions on Oxidative Stress and Inflammation | PLOS ONE

連絡著者は、図の元データを2014年に「PLoS One」に提出したが、現在は、研究室にその記録が残っていないと述べている。当「PLoS One」は、この2014年の通信記録にアクセスできませんでした。2014年の時点で、この問題がすぐに解決されなかったことを心から遺憾に思います。

連絡著者のエミール・レヴィ(Emile Levy)は撤回に同意せず、他の著者からの返事はありませんでした。

★8年前、「PLoS One」誌が失策

エミール・レヴィ(Emile Levy)は「PLoS One」誌の撤回に同意していないが、そもそも、その対応にとても憤慨している。その状況を「撤回監視(Retraction Watch)」に次のように述べている。

私たちは、「PLoS One」誌の規範担当者(Ethics Officer)とやり取りしました。その規範担当者は執拗に解決を道を閉ざし、協調性と相互理解に欠け、論文著者への規範意識がありません。共著者の中には死亡・退職し、電子メールでは連絡がつかない人がいます。「PLoS One」誌は自誌の失策の責任を取る姿勢がありません。私たちは出版規範委員会(COPE)にこの事態を訴える予定です。

レヴィの「PLoS One」誌の論文担当者は、2014年当時はサラ・ウェイド(Sarah Wade)だった。その後、マリア・ザルム規範担当(Ethics Officer)(Maria Zalm、写真出典)が引き継いだ。

エミール・レヴィ(Emile Levy)はザルムとのメールでのやり取りを「撤回監視(Retraction Watch)」に送付した。

以下は「撤回監視(Retraction Watch)」が公開したそのメールのやり取りの冒頭部分(出典:同)。全文は6ページ → https://retractionwatch.com/wp-content/uploads/2022/04/Levy-correspondence.pdf

ポイントは以下のようだ。

2014年、レヴィは、「PLoS One」誌のサラ・ウェイド(Sarah Wade)から、出版した論文図表に問題があると指摘された、と連絡を受けた。その時、レヴィは、研究のため欧州に滞在中だったが、最優先で対処した。

レヴィは、カナダの自分の研究室の研究秘書であるキャロル・ガロファロ(Carole Garofalo)とショラヤ・スパヒ(Schohraya Spahis)に関連する元データを集め、説明と共に「PLoS One」誌に提供するように頼んだ。

4論文の第一著者は、4人共、論文執筆時は院生だったが、この時、既に博士号を取得していた。幸運なことに、全員モントリオールに在住していた。彼(女)らは、関連するデータの収集に協力的だった。

2014年12月9日、研究秘書は、集めた元データに説明を付け、「PLoS One」誌のサラ・ウェイドに送った。

その少し後、レヴィは、欧州からカナダに帰国した。研究秘書が「PLoS One」誌の送った手紙に説明を追加し、サラ・ウェイドにファイル全体を受け取ったかどうかの返事をして欲しいと、メールで伝えた。

ところが、サラ・ウェイドは約2か月半後の2015年2月20日まで、何も返事してこなかった。

2022年1月、それから、8年後、論文が発表されてから8〜12年後、院生たちが研究室を去ってから8年後、「PLoS One」誌のマリア・ザルム(Maria Zalm)が、同じ問題をほじくりだした。

なぜ、学術誌「PLoS One」は、このデリケートな問題を8年前に解決しなかったのか? と、レヴィは怒った。

レヴィは、

私の研究室のすべての研究プロジェクトとデータを管理していた研究秘書は4年前に引退して、もういません。

過去40年間の研究記録を保存した古いファイルと実験ノートのほとんどは、数年前、新しい研究センターへの移転中に廃棄しました。

当時の院生たちに当時の研究記録について再度問い合わせる気持ちは起こりません。

学術誌側の対応ミスで、本来、訂正で済んだのに、学術誌「PLoS One」は、論文を撤回した。学術誌「PLoS One」は、論文撤回される研究者の苦痛をわかっているのか?

2022年3月17日、レヴィは、論文撤回を止めるよう依頼した。しかし、学術誌「PLoS One」はその1か月後の2022年4月14日、3論文を撤回した。

学術誌「PLoS One」のデイヴィッド・ナットソン広報官(David Knutson)は、「撤回監視(Retraction Watch)」に次のように答えている。

最近のブログで説明したように、学術誌「PLoS One」は、2018年1月に専任の出版規範(Publication Ethics)チームを設けたが、現在、このチームを設置する前の問題論文を処理しています。レヴィの4つの論文は、この活動の一環です。「PLoS One」は、2014年に著者と懸念事項について話し合いを開始し、2022年1月にケースを再開しました。残念ながら、撤回公告で認めたように、「PLoS One」スタッフはこのケースの2014年の記録の一部にアクセスできませんでした。

最近のブログ → 2022年2月22日記事:PLOS Publication Ethics: A frank discussion on handling difficult cases – The Official PLOS Blog

★レオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)の指摘

レオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)のブログでもレヴィ事件を扱っている。 → 2022年5月10日のレオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)のブログ記事:The Timeless Art of Emile Levy – For Better Science

「撤回監視(Retraction Watch)」はレヴィに同情的で学術誌「PLoS One」に批判的である。そのためだと思うが、モントリオール大学がレヴィのネカト調査をしないことには一言も触れていない。

一方、興味深いことに、シュナイダーはレヴィに批判的である。

この件でシュナイダーはモントリオール大学(University of Montreal)に問い合わせているが、モントリオール大学からの返事はなく、無視されているとある。

モントリオール大学はレヴィのネカト調査をしない。なんでだろう?

シュナイダーのブログに、エミール・レヴィ(Emile Levy)は長い手紙でシュナイダーに説明していて、その手紙が掲載されている。本記事では示さないが興味ある人はご覧ください。

シュナイダーは次のように批判している。

8年前の2014年にレヴィが論文の元データを「PLoS One」誌に送った。「PLoS One」誌はそのメールを保持していない。そして、レヴィは研究室に元データを残していない。

8年前に元データを提出したのは、電子メールの添付で送ったと思われる。それなら、その電子メールをレヴィがどこかにやってしまった、って、ことはあり得るだろうか? どういうことだ? 電子メールは保存してあるでしょうに。論文のやり取りを伝えられている共著者だって電子メールを保存しているハズだ。

なるほど、シュナイダーの言うとおりだ。

シュナイダーは、2014年にレヴィは実際には元データを送っていないと、推定している。そうかもしれない。

このことは、「撤回監視(Retraction Watch)」のコメント欄でも、「こういう電子メールは、普通、バックアップを取る。バックアップを取っていないって、オカシイ」と、指摘されている。

そして、元データがどうであれ、「PLoS One」論文の画像は「間違い」というより、意図的な操作(つまり、ねつ造・改ざん)である。

となれば、ネカト犯がいるということだ。

モントリオール大学はどうしてネカト調査をしないのか?

★エドガー・デルヴィン(Edgard Delvin)がネカト犯?

「撤回監視(Retraction Watch)」のコメント欄に、撤回論文のすべてにエドガー・デルヴィン(Edgard Delvin、https://orcid.org/0000-0002-3130-7748、写真出典)が共著になっている。デルヴィンがネカト犯ではないかとの指摘がある。

デルヴィンは当時、上級研究員だったが、その後、マギル大学・準教授を経て、モントリオール大学・正教授になっている。

デルヴィンがネカト犯だと、コトは大きいですね。

★カウフマン社

「撤回監視(Retraction Watch)」のコメント欄に、2010年代の初期には、「PLoS One」誌の編集業務はカウフマン社(Kaufman Wills Fusting & Company https://www.kwfco.com/)が請け負っていた。

エミール・レヴィ(Emile Levy)とのやり取りは、カウフマン社の非研究者たちが担当していたので、消失したのだろう、とある。

論文編集業務を非研究者が担当って、無理でしょう。

★「PLoS One」誌のグズ再犯と反省

2014年7月、ネカトハンターのエリザベス・ビック(Elisabeth Bik)は、今回のエミール・レヴィ(Emile Levy)の4論文の画像異常を学術誌「PLoS One」に通報していただけでなく、中国の西安にある第四軍医大学(Fourth Military Medical University, Shaanx)所属のヤン・グオ(Yan Guo)の「2013年4月のPLoS One」論文の画像異常も学術誌「PLoS One」に通報していた。

しかし、この「2013年4月のPLoS One」論文が撤回されたのは、通報から6年後の2020年10月8日である。 → 2020年10月19日の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:“I do wish that journal editors would not take six years to perform an investigation and to retract.” – Retraction Watch

「PLoS One」のグズさ、一体、どうなっているんでしょう?

「PLoS One」は、さすがに反省し、2018年1月に出版規範(Publication Ethics)チームを設けと前述したが、指摘されたのに4年も放置していた。 → 2018年11月21日記事:To catch misconduct, journals are hiring research integrity czars – STAT

出版規範(Publication Ethics)チームは、その後、まともに稼働し、以下の図に示すように、ガンガンと論文を撤回していった。これは大成功ですね。 → 2019年4月25日の「撤回監視(Retraction Watch)」記事(以下の図も):How one journal became a “major retraction engine” – Retraction Watch

【ねつ造・改ざんの具体例】

★「2010年7月のPLoS One」論文

「2010年7月のPLoS One」論文の書誌情報を以下に示す。2022年4月12日に撤回された。

以下はエリザベス・ビック(Elisabeth Bik)の指摘データである。パブピアの図の出典:https://pubpeer.com/publications/944EA2FF9627261F51A3257E6872D5?utm

――――――――――以下は図6と図8

――――――――――以下は図9

★「2013年1月のPLoS One」論文

「2013年1月のPLoS One」論文の書誌情報を以下に示す。2022年4月12日に撤回された。

以下はエリザベス・ビック(Elisabeth Bik)の指摘データである。パブピアの図の出典:https://pubpeer.com/publications/3CBE5338104170B556438B9B1FDA56

――――――――――以下は図8

図8を示されてもどこがどうネカトなのかわからない。ポイントは図8上部の電気泳動バンドである。その部分を集め、以下に拡大して示した。

――――――――――以下は図9

図上部の電気泳動パターンを集め、以下に拡大して示した。

●6.【論文数と撤回論文とパブピア】

★パブメド(PubMed)

2022年8月24日現在、パブメド(PubMed)で、エミール・レヴィ(Emile Levy)の論文を「Emile Levy [Author]」で検索した。この検索方法だと、2002年以降の論文がヒットするが、2002~2022年の21年間の254論文がヒットした。

2022年8月24日現在、「Retracted Publication」のフィルターでパブメドの論文撤回リストを検索すると、3論文が撤回されていた。

★撤回監視データベース

2022年8月24日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースでエミール・レヴィ(Emile Levy)を「Emile Levy」で検索すると、 0論文が訂正、1論文が懸念表明、3論文が撤回されていた。

2010~2013年出版された3報のPLoS One論文が2022年4月12日に3報全部撤回されていた。

★パブピア(PubPeer)

2022年8月24日現在、「パブピア(PubPeer)」では、エミール・レヴィ(Emile Levy)の論文のコメントをauthors:”Emile Levy”」で検索すると、2003~2021年の14論文にコメントがあった。

●7.【白楽の感想】

《1》視点の相違 

「撤回監視(Retraction Watch)」の興味の中心はデータねつ造・改ざん事件ではなく学術論文の撤回だから学術誌「PLoS One」の対応の悪さを問題視してもいい。

ただ、レオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)の興味の中心はデータねつ造・改ざんである。ブログで指摘しているように、レヴィの論文のデータねつ造・改ざんは誰がやったのか? モントリオール大学はどうしてネカト調査をしないのか? 

「撤回監視(Retraction Watch)」はネカト問題の追及が甘い。シュナイダーは文章が激しいが、追及は正しいことが多い。

《2》日本の学術誌のデタラメさ

日本では捕食学術誌をデタラメだと糾弾するが、外国の査読付きの一流学術誌のデタラメさを追求する人はいない。日本国内にまともな学術誌が少ないこともあるが、「編集とは?」を知らない編集委員が日本には多い印象だ。

学術誌の国際基準、つまり、出版規範委員会(COPE)基準に合わないことを平気で行なっている。

論文撤回では、学術誌から論文を削除してしまうことを今でもしている。

具体的に示すと、2022年7月7日の城西国際大学の大野佳子の著者在順事件。

大野佳子の1903xx該当論文(保存版)は削除ではなく論文を残したまま、「論文撤回」の赤文字を論文上にオーバーレイすべきなのだ。

ところが、「城西国際大学紀要2018年度」の目次から削除し、論文も削除してしまった。

つまり、第27巻 第8号、看護学部、研究論文の3番目に、2022年6月19日保存版では記述されていたが、2022年7月11日保存版では削除されている。

2022年6月19日保存版の該当部分

2022年7月11日保存版の該当部分

エミール・レヴィ(Emile Levy):https://www.ledevoir.com/societe/sante/652746/prix-acfas-adrien-pouliot-une-vie-vouee-a-la-sante-gastro-intestinale
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日本がスポーツ、観光、娯楽を過度に追及する現状は日本の衰退を早め、ギリシャ化を促進する。日本は、40年後に現人口の22%が減少し、今後、飛躍的な経済の発展はない。科学技術と教育を基幹にした堅実・健全で成熟した人間社会をめざすべきだ。科学技術と教育の基本は信頼である。信頼の条件は公正・誠実(integrity)である。人はズルをする。人は過ちを犯す。人は間違える。その前提で、公正・誠実(integrity)を高め維持すべきだ。しかし、もっと大きな視点では、日本は国・社会を動かす人々が劣化している。どうすべきなのか?
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●9.【主要情報源】

① 2022年4月18日のアダム・マーカス(Adam Marcus)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:8 years after three papers are flagged — and after losing original correspondence — PLOS ONE retracts – Retraction Watch
② 2022年5月10日のレオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)のブログ記事:The Timeless Art of Emile Levy – For Better Science
★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。

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