2024年12月10日掲載最初 随時更新 【進行中/終了】
ワンポイント:農業・食品産業技術総合研究機構に所属する(していた?)研究者・高橋 陽子(Yoko Takahashi)の複数の論文に、重複画像や二重出版の可能性が指摘されております。適切な調査・対処をして下さるようお願い申しあげます。
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.通報・経緯
2.評価
3.疑惑者
4.疑惑論文
7.白楽の感想
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★白楽の最終評価とコメント(終了した時点で記載する)
2024年12月24日、通報14日後、農研機構の回答があったので「再開」
ーーー2024年12月18日時点
総合評価は「■悪質」
① 生研支援センター管理部 研究管理課 研究公正室 → 返事なし
② 農研機構本部 → 担当者に連絡してくれたが、担当者から返事なし
通報してから1週間が経過したが両担当者から返事なし。通報を無視、握りつぶし・隠蔽。
これは深刻な状況である。不正疑惑論文と不正疑惑者は放置され、改善されない。放置されることを知れば、むしろ、ネカト行為は増長する方向になる。
●1.【通報・経緯】
★ステップ
【進行中/終了】
発覚 → 通報 → 対応(優/良/可/不可) → 予備調査 → 本調査 → 結論(優/良/可/不可)
★通報
- 疑惑発見者は疑惑者の所属機関と学術誌に通報したと想定される。
- 「パブピア(PubPeer)」は自動的に疑惑者にコメントを伝える仕組みになっている。
―――以下は経緯(新→旧 順)ーーー
ーーー2024年12月25日、通報15日後、白楽のメールーーー
農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門
所長(研究管理責任者)高橋清也様
対応をありがとうございます。
連絡を差し上げた最初の1週間以内に何もご連絡を頂けなかったので、「担当者から返事なし」と判断し、失礼いたしました。
2014年のBrain Research論文は、同姓同名の別人とのことで、こちらも大変失礼いたしました。
2001年のJARQ論文のご説明をありがとうございます。ご説明を了解しました。
「JARQ編集方針では既に発表した論文も受け付けることになっていた」旨を、パブピアに記入されることをお勧めします。そうされないと、
ところで、言及されていない以下の7報の疑惑論文はどのように調査・判定されたのでしょうか?
以下の7報の疑惑論文は貴研究所の「Yoko Takahashi」氏が著者になっています。
Biochimica et Biophysica Acta (2001) https://pubpeer.com/publications/BD55A09C6771334F232B5140078BB7
Biochimica et Biophysica Acta (2004)
https://pubpeer.com/publications/856A8D12261DCFC4D6A6D6179126D8
Journal of Nutritional Science and Vitaminology (1999)
https://pubpeer.com/publications/55D38319E4A0B3AC80718EE60B6AB9
The British journal of nutrition (2004)
https://pubpeer.com/publications/07DD70608DD1F6780DEA3A4F04E3A7
Biochimica et Biophysica Acta (2000)
https://pubpeer.com/publications/F56E20FBBD98E325F04EE7AFB62714
Metabolism (2006)
https://pubpeer.com/publications/A6FDE3DCE75F97E0DEA27C7DB02ED5
Metabolism (1999)
https://pubpeer.com/publications/6A5ED4130DD2ED32870C63CE8EE77F
研究不正疑惑がクリアになり、貴研究所の評判が保たれ、研究公正が維持されることを期待しております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
白楽ロックビル
ーーー2024年12月24日、通報14日後、農研機構の回答ーーー
白楽ロックビル様
以下のとおり回答させていただきます。
当機構においては、「試験研究の不正行為の取扱いに関する規程」を制定し、試験研究における不正行為の防止に関する措置及び特定不正行為が発生した場合等に適切に対応するための措置に関し、必要な事項を定めて対応しております。
貴殿よりご連絡いただいた論文のうち、2001年のJARQ論文に関しまして、上記の規程にしたがって確認を行った結果、特定不正行為は認められませんでした。また、JARQはわが国の研究者の研究成果を要約して海外に紹介することを目的とし、当時のJARQ編集方針では既に発表した論文も受け付けることになっていたと承知しております。
なお、貴殿が指摘されている論文のうち、2014年のBrain Research論文の著者は、当機構の職員ではなく、同姓同名の別人ですので、その旨付言いたします。
農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門
所長(研究管理責任者)高橋清也
ーーー2024年12月10日、農研機構の回答ーーー
白楽ロックビル様
農研機構でお問い合わせ窓口を担当している
本部広報部広報課 粕谷悦子と申します。
下記メールにてお知らせいただいた件について、
広報課窓口より、弊寄稿内で研究者倫理等を取り扱う部署に内容を
そちらの担当部署から、当該研究者の所属していた弊機構内研究部
すぐになんらかの対応をお答えすることができず恐縮ですが、
まずはメール受領のご連絡のみで失礼いたします。
よろしくお願いいたします。
農研機構本部広報部
広報課 課長 粕谷悦子
ーーー2024年12月10日、白楽の通報ーーー
貴研究機構に所属する(していた?)研究者の複数の論文に、パブピアで重複画像や二重出版の可能性が指摘されております。適切な調査・対処をして下さるようお願い申しあげます。
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●2.【評価】
★通報:評価(優/良/可/不可/なし)と改善点
- 通報しにくい①
通報方法などを記載している「試験研究の不正行為への対応 | 農研機構」は問題が多い。全面的に作り直したほうが良い。 - 通報しにくい②
電子メール(日本語版)での通報は、研究不正だけでなく「その他」を含めた「その他のお問い合わせ」としている。そのためか、「勤務先・職業・学校名 [必須]、電話番号 [必須]、住所 [必須]」も要求している。通報サイトを独立させ、不要な情報の要求をしない。 - 英語で通報しにくい
外国人が英語で通報するのが難しい。通報サイト「Mail form」はあるけど、丁寧さと親切さが感じられない。通報サイトを独立させ、作り直したほうが良い。
★対応:農研機構:評価(優/良/可/不可/なし)と改善点
- 初期対応:通報当日に受信と対処の説明があった。◎
- 担当者は通報14日目に初めてメールが来た。数日以内に対応する旨の回答をすべきである。✕
- 指摘した2論文は調査した。1論文は白楽の勘違いだったが、1論文は研究不正ではない。〇
その調査結果をパブピアに記載し、疑惑を晴らすのは必須です。△ - 少なくとも、疑惑論文のすべてを調査すべきである。さらに、疑惑視されていなくても、すべて関連論文を調査すことが望ましい。✕
★対応:生研支援センター管理部 研究管理課 研究公正室:評価(優/良/可/不可/悪質/なし)と改善点
- 全く何も返事なし → ■悪質
★予備調査:評価(優/良/可/不可/なし)と改善点
★本調査:評価(優/良/可/不可/なし)と改善点
★結論:評価(優/良/可/不可/なし)と改善点
●3.【疑惑者】
★疑惑:重複画像、二重出版
★研究者の経歴・所属・地位など
高橋 陽子(TAKAHASHI Yoko、経歴等:イ ロ ハ、写真出典)
農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 食品機能研究領域栄養機能ユニット、上級研究員
なお、2024年12月3日現在、「食品研究部門:食品機能評価ユニット | 農研機構」のメンバーに載っていない。
★関連する研究者
- 井手 隆 (Takashi Ide) – マイポータル – researchmap
十文字学園女子大学・名誉教授
「パブピア(PubPeer)」で8論文にコメントがあった。全部、高橋 陽子と共著
★通報窓口
農業・食品産業技術総合研究機構
通報窓口:試験研究の不正行為への対応 | 農研機構
メール受付:その他のお問い合わせ | 農研機構
英語で通報:Mail form
担当者:食品研究部門の研究管理責任者等:高橋 清也、榊原 祥清、 茨城県つくば市観音台2-1-12
なお、以下もある。
生研支援センターの不正行為対応窓口
管理部 研究管理課 研究公正室
電話 : 044-276-8487
ファックス : 044-276-9143
メール : kenkyuhusei@ml.affrc.go.jp
農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門。写真出典:https://www.naro.go.jp/laboratory/nfri/index.html
●4.【疑惑論文】
★疑惑の具体例
2024年11月24日、「パブピア(PubPeer)」で9論文にコメントがあった。
疑惑論文は9論文ある。以下、2報の疑惑論文の、疑惑の一部を示した。
ーーーーーーー論文 1:重複画像?ーーーーー
「2014年のBrain Research」論文
- p38 MAP kinase mediates transforming-growth factor-β1-induced upregulation of matrix metalloproteinase-9 but not -2 in human brain pericytes
Brain Research (2014) – 1 Comment
pubmed: 25451097 doi: 10.1016/j.brainres.2014.10.029 issn: 0006-8993 issn: 1872-6240
Yoko Takahashi , Takakuni Maki , Anna C. Liang , Kanako Itoh , Josephine Lok , Noriko Osumi , Ken Arai
2024年11月、Elisabeth M. Bikが、赤枠の2 つの図は、点や傷は異なるが、同じゲルを示しているように見える、と指摘した。出典:https://pubpeer.com/publications/5FC564EFEDF8AF08A1D89944785DED
ーーーーーーー論文 2:二重出版?ーーーーーーー
- Dietary Fat-Dependent Changes of Gene Expression in Rat Adipose Tissue
Japan Agricultural Research Quarterly: JARQ (2001) – 1 Comment
doi: 10.6090/jarq.35.31 issn: 0021-3551 issn: 2185-8896
Yoko TAKAHASHI , Takashi IDE
2024年11月、Elisabeth M. Bikが、この論文は同じ著者の1999年の論文とほとんど同じ、と指摘した。 → 1999年の論文:「Takahashi and Ide, Effect of Dietary Fats Differing in Degree of Unsaturation on Gene Expression in Rat Adipose Tissue, Ann Nutr Metab 1999;43:86–97, DOI: 10.1159/000012772.」。出典:https://pubpeer.com/publications/AA70EF8E7B20F738450E3CFD60DE60
著者、論文タイトル、使用動物、結果、がほぼ同じ。
●7.【白楽の感想】
《1》自律的
米国と同じように、日本の各大学・研究機関に、少なくとも1人の研究公正官(Research Integrity Officer)を置くべきである。常勤職員の専任でも兼任でも良い。その研究公正官がその大学・研究機関の研究公正を担当する。
現状では、内部・外部からの告発を受けてしか、大学・研究機関はネカト調査に入ってこないが、これはおかしい。
大学・研究機関は自組織のネカト疑惑に対し、告発を受ける前に、自分でチェックし、見つけ、自律的に対処すべきである。
なお、文部科学省は「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドラインに基づく平成27年度履行状況調査の結果について」 で、「研究公正官」ではなく、「研究倫理教育責任者」と「教育」の責任者の設置を要請している。なんかなあ。
必要なのは「教育」を含め、「研究公正」全体なんですけど。
《2》辞職?
2024年12月3日現在、疑惑者の高橋 陽子は「食品研究部門:食品機能評価ユニット | 農研機構」のメンバーに載っていない。この件で辞職したのだろうか?
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★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。
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