2020年6月2日掲載
ワンポイント:スミースタースは、ベルギーで育ち、2010年に36歳の若さでオランダのエラスムス大学(Erasmus University)・ロッテルダム経営大学院(Rotterdam School of Management)・教授になった。2011年(37歳)、ネカト・ハンターのウリ・サイモンソン教授(Uri Simonsohn)にデータねつ造・改ざんを見つけられ、2012年6月21日(38歳)、エラスムス大学を辞職した。結局、2009~2012年(35~38歳)の7論文が、2012~2014年(38~40歳)に撤回された。「撤回監視(Retraction Watch)」で共著者への非難と擁護の両面のコメントがされた。国民の損害額(推定)は5億円(大雑把)。
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
4.日本語の解説
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
9.主要情報源
10.コメント
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●1.【概略】
ダーク・スミースタース(Dirk Smeesters、ORCID iD:?、写真出典)は、ベルギーで育ち、オランダのエラスムス大学(Erasmus University)・ロッテルダム経営大学院(Rotterdam School of Management)・教授になった。専門は心理学(社会心理学、消費者行動)である。
2010年に36歳の若さでエラスムス大学の正教授に就任し、社会心理学の若き俊英として将来を大いに期待された。講義も上手で、学生から尊敬されていた。
2011年8月(37歳)、ところが、ネカト・ハンターのウリ・サイモンソン教授(Uri Simonsohn)に「2011年5月のJournal of Experimental Social Psychology」論文のデータねつ造・改ざんを指摘された。
2012年1月12日(38歳)、エラスムス大学は調査を開始した。
2012年6月25日(38歳)、エラスムス大学(Erasmus University)はスミースタースをネカトでクロと発表した。その4日前、スミースタースはエラスムス大学を辞職していた。
2013年10月、サイモンソン教授は、スミースタースの論文ネカトについての詳細を「2013年10月のPsychol Sci」論文として発表した。 → 論文PDF
撤回監視データベースによると、結局、スミースタースの2009~2012年(35~38歳)の7論文が、2012~2014年(38~40歳)に撤回された。
エラスムス大学(Erasmus University)・ロッテルダム経営大学院(Rotterdam School of Management)。写真出典
- 国:オランダ
- 成長国:ベルギー
- 医師免許(MD)取得:なし
- 研究博士号(PhD)取得:ベルギーのルーヴェン・カトリック大学
- 男女:男性
- 生年月日:1974年ベルギーで生まれた。仮に1974年1月1日生まれとする
- 現在の年齢:50 歳?
- 分野:心理学
- 最初の不正論文発表:2009年(35歳)
- 不正論文発表:2009~2012年(35~38歳)の7論文
- 発覚年:2011年(37歳)
- 発覚時地位:エラスムス大学・教授
- ステップ1(発覚):第一次追及者はネカト・ハンターであるペンシルベニア大学のウリ・サイモンソン教授(Uri Simonsohn)
- ステップ2(メディア):「撤回監視(Retraction Watch)」、「Science」、「パブピア(PubPeer)」、多数
- ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①エラスムス大学・調査委員会
- 大学・調査報告書のウェブ上での公表:あり。https://web.archive.org/web/20170311224705/https://www.eur.nl/fileadmin/ASSETS/press/2014/maart/Report_Smeesters_follow-up_investigation_committee.final.pdf
- 大学の透明性:実名発表し調査報告書(調査委員名付き)がウェブ閲覧可(◎)
- 不正:ねつ造・改ざん
- 不正論文数:7報撤回
- 時期:研究キャリアの中期
- 職:事件後に研究職(または発覚時の地位)をやめた・続けられなかった(Ⅹ)
- 処分:なし
- 日本人の弟子・友人:不明
【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は5億円(大雑把)。
●2.【経歴と経過】
- 生年月日:1974年ベルギーで生まれた。仮に1974年1月1日生まれとする。
- 2003年(29歳):ベルギーのルーヴェン・カトリック大学(オランダ語: Katholieke Universiteit Leuven)で研究博士号(PhD)を取得:心理学
- xxxx年(xx歳):オランダのティルブルフ大学(Tilburg University)・助教授
- 2007年(33歳):オランダのエラスムス大学(Erasmus University)・ロッテルダム経営大学院(Rotterdam School of Management)・準教授
- 2010年(36歳):同大学・正教授
- 2011年(37歳):ネカト・ハンターのウリ・サイモンソン教授(Uri Simonsohn)がスミースタースの「2011年5月のJournal of Experimental Social Psychology」論文のねつ造・改ざんを指摘した
- 2012年1月12日(38歳):エラスムス大学がネカト調査委員会を設置
- 2012年6月21日(38歳):エラスムス大学・辞職
- 2012年6月25日(38歳):エラスムス大学(Erasmus University)がネカトでクロと公表
●3.【動画】
【動画1】
Simonsohnを「サイモンソン」と発音。Smeestersを「スミースタース」と発音。
「2011年5月のJournal of Experimental Social Psychology」論文の問題点を指摘するネカト解説動画:「Open Data and Detecting Fraudulent Research Example II- YouTube」(英語)8分10秒。
Berkeley Initiative for Transparency in the Social Sciences (BITSS)が2016/06/09に公開
●4.【日本語の解説】
★2014年3月19日:竹澤正哲(たけざわ まさのり・北海道大学):日本社会心理学会報:社会心理学における再現可能性問題の概要
★2014年8月14日追記(2010年9月 2日の記事に):小野滋(おの しげる):消費者が死を想うとき ~恐怖管理理論からみたブランド選好~
[2014/08/14追記] 以下で紹介している論文の第二著者 Dirk Smeesters 氏が、研究上の不正を犯していたことがあきらかになりました。エラスムス大学の調査委員会は、2014年5月の最終報告書(PDF)において、この論文を含む7本の論文に不正を認めています。委員会はこの論文の撤回を勧告しています。 興味深い研究なのに、とても残念です…
●5.【不正発覚の経緯と内容】
★発覚の経緯
2011年(37歳)、ネカト・ハンターであるペンシルベニア大学のウリ・サイモンソン教授(Uri Simonsohn、写真出典)が、ダーク・スミースタース(Dirk Smeesters)の「2011年5月のJournal of Experimental Social Psychology」論文に異常なデータを見つけた。
「2011年5月のJournal of Experimental Social Psychology」論文の書誌情報を以下に示す。2013年3月に撤回された。 → 撤回公告
- The effect of color (red versus blue) on assimilation versus contrast in prime-to-behavior effects.
Dirk Smeestersa and Jia (Elke)Liu
Journal of Experimental Social Psychology, Volume 47, Issue 3, May 2011, Pages 653-656.
ダーク・スミースタースは、無意識の動機に特化した消費者行動の社会心理学を研究していた。
2011年8月29日(37歳)、サイモンソン教授はスミースタースに生データを送ってくれるように依頼した。
2011年9月15日(37歳)、スミースタースはこの日、パソコンがクラッシュしたという理由で、生データの大半を無くしたとした。
2011年9月26日(37歳)、スミースタースは体調を崩し、シュティン・ファン・オセリアー学科長(Stijn van Osselaer、写真出典) に体調とネカト疑惑問題を相談した。
数か月間、サイモンソン教授、スミースタース、ファン・オセリアー学科長の3者が電子メールでやり取りをした。
2011年11月30日(37歳)、スミースタースはネカト問題でカウンセラーとの面会を要求した。
★大学の調査
2012年1月12日(38歳)、サイモンソン教授の告発を受けて、エラスムス大学(Erasmus University)はスミースタースに対するネカト調査委員会を設置した。
2012年1月31日(38歳)、スミースタースは個人的な理由で、エラスムス大学に辞職願を提出した。
2012年4月5日、5月7日、5月22日、スミースタースは個人的な問題と片頭痛発作を理由にネカト調査委員会を欠席した。
2012年6月21日(38歳)、エラスムス大学はスミースタースの辞職願を承認した。
2012年6月25日(38歳)、エラスムス大学(Erasmus University)は、スミースタースがネカトでクロとした調査報告書を公表した。この調査報告書(白楽は未読)は、当時、ウェブ上に公開されていたが、2020年6月1日現在、リンク切れで入手できない。
2012年12月(38歳)、エラスムス大学はダーク・スミースタースのネカトに対する追跡調査委員会を設置した。
というのは、前回の調査員会(2012年1月12日設置)は、サイモンソン教授の告発を受けて、指摘された3論文だけを対象に調査を行なった。しかし、その後の学術界の議論から、スミースタースの全論文を調査する必要があると判断した。追跡調査委員会はスミースタースの25報の全論文(3撤回論文を除くと22論文)を調査するための委員会である。
2014年3月5日(40歳)、エラスムス大学(Erasmus University)は追跡調査委員会の調査報告書を公表した。
調査した22論文中の4論文にデータねつ造・改ざんが見つかった。すでに撤回された3論文と合わせ、計7論文がネカト論文となった。
なお、ダーク・スミースタースは「自分は不正していない」と、ネカト行為を認めていない。
以下は最終の調査報告書の冒頭部分(出典:同)。全文(15ページ)は → https://web.archive.org/web/20170311224705/https://www.eur.nl/fileadmin/ASSETS/press/2014/maart/Report_Smeesters_follow-up_investigation_committee.final.pdf
●【ねつ造・改ざんの具体例】
★「2011年5月のJournal of Experimental Social Psychology」論文
問題となった「2011年5月のJournal of Experimental Social Psychology」論文の書誌情報を以下に再度示す。2013年3月に撤回された。 → 撤回公告
- The effect of color (red versus blue) on assimilation versus contrast in prime-to-behavior effects.
Dirk Smeestersa and Jia (Elke)Liu
Journal of Experimental Social Psychology, Volume 47, Issue 3, May 2011, Pages 653-656.
人は赤色を見るとルール違反し、青色を見ると黙る、など特定の色を見ることでムードが変わり特定の行動をとる、という研究である。
実験では、赤色、青色、白色を見せ、4種類の行動パターンのどこに入るかを測定下した。
詳細を省くが、重要な結果・表1を以下に示す(以下の表:出典)。
表1の左カラムの6つの測定値は9.07~9.78、そして、右カラムの6つの測定値は11.43~12.07、と驚くほど狭い値である。つまり、データが綺麗すぎる。
サイモンソン教授は、表1の結果が得られる可能性を自分で計算した。すると、このように似た値が得られる可能性は統計的にあり得ないほどまれな結果になった(以下の図:出典)。
それで、サイモンソン教授は、エラスムス大学(Erasmus University)にネカト調査をするよう依頼した。
上記したように、エラスムス大学は調査の結果、ダーク・スミースタースをネカトでクロと判定した。
2013年3月、論文は撤回された。 → 撤回公告
★サイモンソン教授の論文
サイモンソン教授は、ダーク・スミースタースの論文ネカトについての詳細を「2013年10月のPsychol Sci」論文として発表した。 → 論文PDF
- Just post it: the lesson from two cases of fabricated data detected by statistics alone.
Simonsohn U.
Psychol Sci. 2013 Oct;24(10):1875-88. doi: 10.1177/0956797613480366. Epub 2013 Aug 27.
●【共著者への非難と擁護】
★「SF」
2012年6月25日、「撤回監視(Retraction Watch)」の記事のコメント欄で匿名の「SF」がダーク・スミースタース(Dirk Smeesters)と論文の共著者であるカミーユ・ジョンソン(Camille Johnson)を問題視する発言をした(June 25, 2012 at 12:10 pm)。
Following investigation, Erasmus social psychology professor retracts two studies, resigns – Retraction Watch
カミーユ・ジョンソン(Camille Johnson、写真出典)は、米国のサンノゼ州立大学(San José State University)の心理学の助教授(当時)だった。
ダーク・スミースタース(Dirk Smeesters)のネカトが問題視されたすぐ前に同じオランダの心理学者・ディーデリク・スターペル(Diederik Stapel)がネカト事件を起こしていた。
→ 社会心理学:ディーデリク・スターペル(Diederik Stapel)(オランダ)
カミーユ・ジョンソンはそのスターペルとの共著論文を7報発表していて、その6論文がネカトだったのだ。さらに、カミーユ・ジョンソンは今回のダーク・スミースタースとの共著論文もあった。ダーク・スミースタースとスターペルという2人のネカト者と共著の論文があったので、ネカトに加担をしていたのではないかという疑いを匿名「SF」がコメントしたのだ。
★「Cami’s_Collaborator」
すぐに、「Cami’s_Collaborator」が、カミーユ・ジョンソンを擁護するコメントをした(June 25, 2012 at 1:43 pm)。
私は社会心理学者で、カミーユ・ジョンソンと共著の論文を発表しました。私は、彼女がダーク・スミースタース事件について責任がないことを明確にしたいと思います。 私たちはいくつかの研究を一緒にしており、彼女は私が尋ねたときにすべての生データを提示しただけでなく、結果を発表する際は、最高レベルの研究公正と徹底性を発揮しています。今回は、彼女が共同研究を行なった異なる2人がたまたまネカトをしていたという不幸な副産物です。実際の証拠なしに、このような疑念をコメントしないでください。罪のない若い学者のキャリアを危険にさらす可能性があります。
「Cami’s_Collaborator」以外にも、数人がカミーユ・ジョンソンを擁護するコメントをしたのだ。
★ジョナサン・レバブ教授(Jonathan Levav)
別の面からも、「SF」のコメントを批判する人が現れた。
スタンフォード大学のジョナサン・レバブ教授(Jonathan Levav、写真出典)が、ダーク・スミースタースと共著の論文があることを初めて告白し、共著者の置かれた微妙な状況を伝えたのだ。
「SF」が匿名でコソコソ言うのを批判しながら、次のように述べている。
私はカミーユ・ジョンソンの人柄を知りません。正直であることの証明は、彼女の友達に任せます。しかし、私はダーク・スミースタース事件で火傷を負った他の2人をよく知っています。1人は私の同僚であり友人のクリスチャン・ウィーラー(Christian Wheeler)です(彼の名前はこのサイトで公開されているため、秘密ではありません)。
もう1人は、私、ジョナサン・レバブ(Jonathan Levav)です(この瞬間まで、このことは世間に公表していませんでした)。 クリスチャンはダークと5報の共著論文があります。 私は2報あります。どちらも「Journal of Consumer Research」に招待された未発表原稿です。 私たちのどちらも疑わしい研究をしていませんし、どちらも有罪ではありません。 私たちは共著者としてダークと関わっていますが、無罪です。共著者が有罪という微妙な状況ですが、私たちは無罪です。事実です。
ダークは、多分、もう友達ではないかもしれませんが、私たちの多くの友達で、とてもいい人でした。彼には家族がいて、この事件で多大の代償を払っています。多大の代償は当然ですが、それを見るのは悲しいことです。そして、この事件は巻き込まれた私たちにとって、状況は非常に悲惨なものでしたが、あなた方の多くに娯楽を提供しています。
私はカミーユ・ジョンソンが今どのように感じているかと考えると、身震いします。ダークがどうしてネカトをしたのかその理由はわかりません。彼は学者として尊敬されるのに十分賢かったので、ねつ造・改ざんをする必要はなかったと思います。
★「Clarasays」
「Clarasays」もコメントした(June 25, 2012 at 1:55 pm)。
私は12年間カミーユ・ジョンソンを知っており、彼女の公正さと誠実さを証明できます。社会心理学のメッカであるオランダに彼女自身の意向で新しい知的コラボレーションを構築したのは、彼女が大学院生の頃だったと記憶しています。 彼女は当時、ディーデリク・スターペル(Diederik Stapel)、そして後にダーク・スミースタースとの共同研究を開始しました。 どちらの場合も、彼女が不正なデータを渡されたと疑う理由はありませんでした。 また、どちらの場合も、徹底したネカト調査で、共著者のすべては無罪だったことを思い出してください。 また、カミーユ・ジョンソンの多くの共同研究者のうちの2人だけがネカトを犯したという点を強調しておきたい。
若くテニュア取得前の助教授で、誠実な研究者である彼女の立場に身を置いてください。 1年も経たないうちに、7報の論文が、自分の過失なしに業績リストから削除されたのです。彼女の行為について不当な仮定をし、責め、傷つけ、侮辱しないでください。どちらかと言えば、彼女と他の共著者には、私たちは思いやりや慈悲を表明すべきなのです。
●6.【論文数と撤回論文とパブピア】
★パブメド(PubMed)
2020年6月1日現在、パブメド( PubMed )で、ダーク・スミースタース(Dirk Smeesters)の論文を「Dirk Smeesters [Author]」で検索した。この検索方法だと、2002年以降の論文がヒットするが、2003~2012年の10年間の6論文がヒットした。なお、パブメド(PubMed)で社会心理学分野の論文を探すのは無理がある。
「Smeesters D[Author]」で検索すると、2003~2012年の10年間の6論文がヒットした。
2020年6月1日現在、「Smeesters D[Author] AND Retracted」でパブメドの論文撤回リストを検索すると、本記事で問題にした「2011年5月のJournal of Experimental Social Psychology」論文はヒットせず、「2011年9月のPsychol Sci.」論文と「2012年1月のJ Pers Soc Psychol.」論文の2論文が撤回されていた。
★エラスムス大学収納
エラスムス大学は20論文を収納している。 → RePub, Erasmus University Repository: D.H.R.V. Smeesters (Dirk)
★撤回監視データベース
2020年6月1日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースでダーク・スミースタース(Dirk Smeesters)を「Smeesters, Dirk」で検索すると、本記事で問題にした「2011年5月のJournal of Experimental Social Psychology」論文を含む2009~2012年の7論文がヒットし、7論文が2012~2014年に撤回されていた。
★パブピア(PubPeer)
2020年6月1日現在、「パブピア(PubPeer)」では、ダーク・スミースタース(Dirk Smeesters)の論文のコメントを「Dirk Smeesters」で検索すると、本記事で問題にした「2011年5月のJournal of Experimental Social Psychology」論文はヒットせず、3論文にコメントがあった。
●7.【白楽の感想】
《1》心理学ではネカトが多い
ダーク・スミースタース(Dirk Smeesters)は、「どの状況で、どうして?」データねつ造・改ざんしたのか?
不明である。
しかし、心理学ではネカトが多い。
- シリル・バート(Cyril Burt)(英)
- ポール・キャメロン(Paul Cameron)(米)
- イェンス・フェルスター(Jens Förster)(オランダ)
- マーク・ハウザー(Marc Hauser)(米)
- マイケル・ラクーア(Michael LaCour)(米)
- カレン・ルッジェロ(Karen Ruggiero)(米)
- ローレンス・サンナ(Lawrence Sanna)(米)
- ダーク・スミースタース(Dirk Smeesters)(オランダ)
- ディーデリク・スターペル(Diederik Stapel)(オランダ)
- ロバート・スタンバーグ(Robert Sternberg)(米)
実験データを提示しない人文社会学では、データねつ造・改ざんを見つけるのが非常に難しい。
ところが、実験データを提示する心理学の領域では、多数のネカト論文が摘発されている印象がある。多分、人文社会学の多くの領域では心理学以上にネカト論文があると思われる。摘発されていないだけだろう。
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日本がスポーツ、観光、娯楽を過度に追及する現状は日本の衰退を早め、ギリシャ化を促進する。今後、日本に飛躍的な経済の発展はない。科学技術と教育を基幹にした堅実・健全で成熟した人間社会をめざすべきだ。科学技術と教育の基本は信頼である。信頼の条件は公正・誠実(integrity)である。人はズルをする。人は過ちを犯す。人は間違える。その前提で、公正・誠実(integrity)を高め維持すべきだ。
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●9.【主要情報源】
① ウィキペディア・オランダ語版:Dirk Smeesters – Wikipedia
② 2012年6月25日以降のダーク・スミースタース(Dirk Smeesters)の「撤回監視(Retraction Watch)」記事群:Search Results for “Dirk Smeesters” – Retraction Watch
③ 2012年6月25日のマーティン・エンセリンク(Martin Enserink)記者の「Science」記事:Rotterdam Marketing Psychologist Resigns After University Investigates His Data | Science | AAAS
④ 2012年11月24日の「metronieuws」記事:Hoogleraar Dirk Smeesters ontslagen bij Erasmus Universiteit na fraude | metronieuws.nl
⑤ 2014年(?)のテッサ・ラーゲマン(Thessa Lageman)記者の記事:Fraud case Dirk Smeesters.pdf
★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。
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