2021年11月30日掲載
ワンポイント:オビンクはオックスフォード大学(University of Oxford)・古典学部・準教授で、エジプトで発掘されたパピルス古文書の管理責任者だった。2010~2013年(53~56歳)の3年間、パピルス古文書を120点盗み、7回、米国のワシントンDCの聖書博物館(Museum of the Bible)に売った。2019年(62歳)、不正が発覚し、翌年、逮捕され、大学を辞職(解雇?)。2021年11月29日現在、約7億円の損害賠償を求められ、裁判中である。国民の損害額(推定)は10億円(大雑把)。
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
4.日本語の解説
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
9.主要情報源
10.コメント
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●1.【概略】
ダーク・オビンク(Dirk Obbink、ORCID iD:?、写真出典)は、英国のオックスフォード大学(University of Oxford)・古典学部・準教授で、専門は古文書学である。
2019年11月(62歳)、エジプト探査協会(EES:Egypt Exploration Society)の会長は、オックスフォード大学が保管しているはずのパピルス古文書120個が無くなっていることに気がついて、警察に通報した。
オブビンクは否定しているが、2010~2013年に7回、オブビンクが盗み、合計7,095,100ドル相当(約7億円)で米国のワシントンDCにある聖書博物館(Museum of the Bible)に売ったと言われている。
2020年3月2日(63歳)、英国のテムズバレー警察(Thames Valley police)はオビンクを逮捕した。
2021年6月(64歳)、聖書博物館は、7百万ドル(約7億円)の損害賠償を要求し、米国ニューヨーク州の裁判所にオブビンクを訴えた。
なお、売却されたパピルス古文書はオックスフォード大学に返却された。
2021年11月29日(64歳)現在、裁判の行方がどうなったか、白楽は把握できていない。裁判中と思われる。
オックスフォード大学・古典学部(The University of Oxford’s Classics department)。写真出典
- 国:英国
- 成長国:米国
- 医師免許(MD)取得:なし
- 研究博士号(PhD)取得:米国のスタンフォード大学
- 男女:男性
- 生年月日:1957年1月13日
- 現在の年齢:67 歳
- 分野:古文書学
- 不正行為:2010~2013年(53~56歳)の3年間
- 発覚年:2019年(62歳)
- 発覚時地位:オックスフォード大学・準教授
- ステップ1(発覚):第一次追及者(詳細不明)はエジプト探査協会の人らしい
- ステップ2(メディア):「Guardian」、「Daily Beast」など多数
- ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①オックスフォード大学・調査委員会。②警察。③裁判所
- 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし
- 大学の透明性:実名報道だが大学のウェブ公表なし(△)
- 不正:窃盗
- 不正数:パピルス古文書を120点盗み売却
- 時期:研究キャリアの後期
- 職:事件後に研究職(または発覚時の地位)を続けられなかった(Ⅹ)
- 処分:逮捕。裁判中
- 日本人の弟子・友人:不明
【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は10億円(大雑把)。
●2.【経歴と経過】
- 1957年1月13日:米国・ネブラスカ州リンカーン生まれる
- 1979年(22歳):米国のネブラスカ大学リンカーン校(University of Nebraska-Lincoln)で学士号取得:英語学
- 1987年(30歳):米国のスタンフォード大学(Stanford University)で研究博士号(PhD)を取得:西洋古典学
- xxxx年(xx歳):米国のコロンビア大学(Columbia University)・助教授
- 1995年(38歳):英国のオックスフォード大学(University of Oxford)・古典学部・講師、後に準教授
- 1995年(38歳):英国のオックスフォード大学(University of Oxford)・オクシリンコス・パピルス・プロジェクト(Oxyrhynchus Papyri Project)・責任者
- 2010~2013年(53~56歳):パピルス古文書を120点盗んで、売却
- 2016年8月(59歳):オックスフォード大学(University of Oxford)・オクシリンコス・パピルス・プロジェクト(Oxyrhynchus Papyri Project)・責任者を辞職
- 2019年(62歳):パピルス古文書の窃盗と売却が発覚
- 2019年10月(62歳):オックスフォード大学(University of Oxford)・クライスト・チャーチ (Christ Church)の講師(fellow and tutor)を辞職
- 2020年3月2日(63歳):逮捕された
- 2021年2月6日(64歳):オックスフォード大学(University of Oxford)・古典学部・準教授を辞職
- 2021年6月(64歳):聖書博物館に米国のニューヨーク州の裁判所に提訴され、7百万ドル(約7億円)の損害賠償を要求された
●3.【動画】
【動画1】
ダーク・オブビンクの逮捕を含め、イェール神学校のヘブライ語聖書のジョエル・バーデン教授博士にインタビュー動画:「Fakes, Felonies, and the Museum of the Bible: Interview with Dr. Joel Baden – YouTube」(英語)1時間12分11秒。
Digital Hammurabiが2020/05/29に公開
【動画2】
以下は事件の動画ではない。
ダーク・オブビンクの講演動画:「The World’s Largest Archaeological Project – YouTube」(英語)58分45秒。
World Monuments Fund Britainが2016/03/14に公開
●4.【日本語の解説】
★2021年6月22日:クリスチャントゥデイ:著者不記載:「米企業、聖書博物館のパピルス片めぐりオックスフォード大元教授を提訴」
米首都ワシントンにある「聖書博物館」の設立に携わった米企業が、盗用されたとされる聖書のパピルス片をめぐって、英オックスフォード大学元教授の米国人男性を相手取り、約710万ドル(約7億8千万円)の返還を求める訴訟を起こした。
訴えられたのは、オックスフォード大の古典学の教授であったダーク・オビンク氏(64)。エジプトやスーダンで活動する「エジプト探査協会」(EES、本部・ロンドン)が所蔵する古代聖書のパピルス片を許可なく、当時、同博物館の設立準備を行っていた米小売チェーンのホビー・ロビー社に販売したとされる。同社は、福音派のグリーン一家が経営する企業として知られ、社長のスティーブ・グリーン氏は同博物館の理事長を務めている。
オビンク氏は2016年まで、EESが所蔵する「オクシリンコス・パピルス」(エジプト中部オクシリンコスで発見されたパピルス文書群)の総責任者を務めていた。
しかし、オックスフォード大のサックラー図書館に所蔵されていたEESの古代遺物コレクションから、パピルス片120点を盗んだとされ、昨年、窃盗と詐欺の疑いで逮捕された。現在釈放されているものの、捜査は継続して行われている。オビンク氏は当時、容疑を否認し「私の評判とキャリアを傷付けようとする悪意ある試み」だと非難していた。
英タイムズ紙(英語)によると、オビンク氏は2010年から13年の間に、貴重なパピルス片や古代遺物などを計7回にわたり同社に販売した。しかし、同社がオビンク氏から購入したパピルス片のうち32点は、オビンク氏が所有するものではなく、EES所蔵のものだった。オビンク氏は当時、パピルス片は個人の収集家から入手したものだと述べていたという。
★2011年9月13日:high190:「オックスフォード大学の研究者がインターネットでパピルス古文書解読に”しろうと考古学者”の助けを要請」
事件の解説ではない。
名門オックスフォード大学が今夏、エジプトで発掘されたパピルス古文書をインターネット上に公開し、全世界の「しろうと考古学者」に解読の手助けを求めている。責任者ダーク・オビンク教授(54)は「日本からもキリスト教黎明(れいめい)期の謎の解明に参加してほしい」と呼びかけている。
●5.【不正発覚の経緯と内容】
★パピルス古文書の管理責任者
ダーク・オビンク(Dirk Obbink)は米国で生まれ育ち、米国のスタンフォード大学で研究博士号(PhD)を取得し、米国のコロンビア大学(Columbia University)・助教授を経て、1995年(38歳)、英国のオックスフォード大学(University of Oxford)・古典学部・講師になった。後に準教授になる。
オックスフォード大学(University of Oxford)・オクシリンコス・パピルス・プロジェクト(Oxyrhynchus Papyri Project)の責任者となり、オックスフォード大学の所有するパピルス古文書の管理責任者となった。
★古文書が盗まれた
2019年11月(62歳)、エジプト探査協会(EES:Egypt Exploration Society)の会長は、オックスフォード大学が保管しているはずのパピルス古文書120個が無くなっていることに気がついた。
2019年11月12日(62歳)、エジプト探査協会は、オックスフォード大学のオクシリンコス・コレクション(Oxyrhynchus collection)から13個の貴重なパピルス古文書の聖書の断片(写真credit: Wikipedia、出典)が盗まれたと、英国のテムズバレー警察(Thames Valley police)に報告した。なお、120個ではなく、13個と主張した理由を白楽は理解できていない。
パピルス古文書は、20世紀初頭にエジプトの都市オクシリンコス(Oxyrhynchus)で発見された古文書の断片である。 → オクシリンコス – Wikipedia
断片の所有者であるエジプト探査協会(EES:Egypt Exploration Society)は、パピルス古文書がオックスフォード大学のサクラー図書館(Sackler Library)から盗まれ、最終的に米国のワシントンDCにある聖書博物館(Museum of the Bible – Wikipedia、写真出典)に売られたと主張した。
エジプト探査協会のカール・グレイブス会長(Carl Graves)は次のように述べている。
「これらは福音の初期の断片または聖書の断片です。それらはエジプトの初期キリスト教の遺産です。 私たちは金銭的な評価をしていませんが、これら断片は間違いなく非常に貴重でかけがえのないものです」
ワシントンDCにある聖書博物館(Museum of the Bible)は13片のパピルス古文書をオックスフォード大学に返却した。
★犯人
盗んだ人は、パピルス古文書を管理する立場のダーク・オビンク(Dirk Obbink)である。
オブビンクがオックスフォード大学のコレクションからパピルス古文書を盗み、2010~2013年に7回、合計7,095,100ドル相当(約7億円)で売ったと、聖書博物館の美術工芸品販売を扱うホビー・ロビー社(Hobby Lobby)は、述べている。
オビンク準教授は盗みを否定している。
「オックスフォード大学のエジプト探査協会コレクションが所有するパピルス古文書を盗んで販売したという私に対する申し立ては完全に間違いです。私は同僚を裏切ったり、私が守ってきた価値あるものを踏みにじるなど、決していたしません。私の評判とキャリアを傷つける悪意に満ちた文書がねつ造されたのです」。
★逮捕と裁判
2020年3月2日(63歳)、英国のテムズバレー警察(Thames Valley police)はオビンクを逮捕した。 → 2020年4月16日の「Oxford Blue」記事:EXCLUSIVE: Christ Church professor arrested over scandal of stolen papyrus – The Oxford Blue
2021年6月(64歳)、聖書博物館は、7百万ドル(約7億円)の損害賠償を要求し、米国のニューヨーク州の裁判所にオブビンクを訴えた。
2021年11月29日(64歳)現在、裁判の行方がどうなったか、白楽は把握できていない。
●【不正の具体例】
上記したので省略。
●6.【論文数と撤回論文とパブピア】
論文不正ではないので省略。
●7.【白楽の感想】
《1》研究材料
白楽ブログでは、研究上の盗用を論じているが、研究材料の盗用ではなく、「文章の盗用」を中心に論じている。
文部科学省の「研究活動の不正行為・・・」によれば、文部科学省は「盗用」を「他の研究者のアイディア、分析・解析方法、データ、研究結果、論文又は用語を当該研究者の了解又は適切な表示なく流用すること」と定義している。
つまり、「研究材料の盗用」は、文部科学省の観点では「研究活動の不正行為」に該当しない。
では、「研究材料の盗用」は不正ではないのか?
イヤイヤ、研究上の盗用である。
ただ、刑事の窃盗罪に問われる。
「他人の財物を故意に持ち去ることや無断で使用することを禁止する」(窃盗罪 – Wikipedia)
「研究活動の不正行為」ではないが、研究現場では、「研究材料の盗用」は、実は、多いと思う。
窃盗罪に該当するかどうかは別にして、他人の物を私物化する「研究活動の不正行為」は多種多様である。
考古学の分野では、愛好家だけでなく研究者も出土品の違法採掘・私物化、勝手に売却、違法な外国持ち出しなど、事件性の高い盗用(類似)行為を何度も聞いている。
考古学だけでなく、植物学者が採取禁止の植物を採取し、昆虫学者が採取禁止の昆虫を採取したという盗用事件もある。
海洋生物学者は海の生物を採取する時、事件に巻き込まれないためにも、漁師と漁業権を理解しなければならない。 → Argonauta:Newsletter:No.4:書評 「海の守り人論」―海岸研究者と
ウイルスという微小な生き物の盗用事件もあった。ノーベル賞と莫大なお金が絡んだ話で、盗んだ人は米国NIHのロバート・ギャロ部長である。盗まれた研究材料はエイズウイルスで、特許権も一部盗まれ、ノーベル賞も盗まれるところだった。 → エイズウイルス発見の真実 |ミクスOnline
そして、今回のダーク・オビンク(Dirk Obbink)事件のように、博物館の物品を盗む行為はかなり多いと思う。有名な例を挙げよう。 → リチャード・マイナーツハーゲン(Richard Meinertzhagen)(英) | 白楽の研究者倫理
ここで、急に小さな話になるが、一緒に研究している仲間が、他の研究室員の研究材料を盗んだ時、研究界・研究室はどのように対応するといいのか? 世界中の実験室で、研究材料を盗む小さな事件が起こっているだろう。
証拠は残りにくい。盗まれた研究材料は小さい。でも、盗まれた室員にとって、研究が遅れるし、損害は大きい。でも、研究室の中で波風立てたくない。教授にチクるのもなんだかなあ。このような場合、どうすればいいのか?
《2》加工
盗むのではなく、文化財を加工する行為はどうとらえよう。
岩手県立博物館(盛岡市)の赤沼英男上席専門学芸員が、預かった文化財を無断で切り取っていた問題で、県教育委員会は16日、先行して調査していた重要文化財76点の結果を公表した。同県平泉町の柳之御所遺跡(平安時代)から出土した県所有の2点について学芸員が無断で切り取ったと認定。切り取り跡が確認される一方、所有者の承諾の有無が分からないものも14点あったという。(出典:2019年12月17日記事:無断切り取り重文2点 痕跡14点、学芸員「情報収集」 76点調査 岩手 | 毎日新聞)
処分として、赤沼英男は岩手県立博物館を解雇されただけだ。逮捕・刑務所刑になっていない。 → 2020年3月17日記事:重文切り取り、学芸員解雇 虚偽説明認める 岩手 | 毎日新聞
ただ、この場合、赤沼英男は文化財の加工は研究材料の分析のためで、金銭的な利得を意図したものではなかった。以下のツイッター保存版
文化財の加工は、どうとらえるといいのか?
ルールがあると思うが、ルールが現実にそぐわない・煩雑過ぎる、または曖昧だったと、白楽は憶測した。
《3》研究で別収入
研究を個人的な利得に結び付けても「研究活動の不正行為」にも「窃盗罪」にも該当しないことがたくさんある。
研究者は研究を業務とし、対価として給料をもらう。
しかし、研究結果を雑誌に書いたり著書にすると、原稿料や印税がもらえる。数万円~数百万円の個人的収入になる。所属大学の許可は不要、届け出も不要である。
研究結果を講演すると、謝礼として1回当たり、数万円~数十万円の個人的収入になる。
研究結果を特許にすると、特許の帰属先は所属大学の審査が必要だが、ゼロ円~数十億円の個人的収入になる。
ノーベル賞など各賞の賞金も個人的収入になる。
研究者は仕事の対価として給料をもらっている。ところが、その仕事で、別途、雇用主に許可なく(許可が必要な場合もある)、個人的収入が得られる。
なんか、おかしくないか?
白楽はオカシイと思う。しかし、社会通念で「問題なし」とされている。「問題なし」どころか、どれも推奨されている。
若い頃の白楽は、オカシイと思ったので、本を出版した時、出版社に、個人的収入としたくないと伝えた。出版社は困った、と言った。それで、印税は大学の白楽の研究費に納入(奨学寄附金という制度がある)して貰えないかと交渉した。出版社はできない、と言った。白楽は困った。
研究成果以外で個人的利得になる場合もある。
古文書の所有権はどう決まるのか、白楽は調べていないが、オビンクは、売ったパピルス古文書は私物だと主張している。
研究絡みの「物質」の所有権は誰のものなのだろうか? その所有権はどのように確定するのか?
敗戦国から戦利品として得た美術品は、「略奪」、「違法な窃盗」なのか? → 2021年10月29日記事:王宮の扉、玉座…フランスが略奪美術品をアフリカ・ベナンに返却へ:朝日新聞デジタル
白楽は昔、研究で必要だったから薬品として金コロイドを研究費で購入したことがある。試した実験はうまくいかなかったので、金コロイドは残った。残りの金コロイド、どうしたか忘れたが、金銭的価値があった気もする。もちろん、白楽に所有権はないけど、・・・。
鉱物学科の研究者が、研究費でダイヤモンドや金を買って、分析後、残ったダイヤモンドや金を・・・。知りません。
昔、隣の研究室で、細胞生物学の実験に麻薬を使っていた。分析後、残った麻薬は・・・。
コレは、「そうは問屋が卸さない」。麻薬の管理は厳格なので、残りの麻薬をちょろまかしたら、お縄頂戴です。
それにしても、市販すれば高価な研究材料を扱う研究分野・研究者は結構あると思うけど、盗用、していませんよね。
《4》処罰
美術工芸品が盗まれる場合、盗んだ人が所有し楽しむというケースと、盗んだ盗品を売るケースの2種がある。
絵画なら個人が秘蔵してしまうケースもあるだろうが、象牙や希少動植物では、購入者が多いく、売るために盗む(または違法採取)が頻繁に行なわれていると思われる。
違法象牙の90%以上は、牙を採取する目的で3年以内に殺されたゾウだと報道されている。 → 2016年11月8日記事:違法象牙の90%以上、3年以内に密猟したゾウから採取 研究 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
この場合、盗む(または違法採取)する人よりも、購入者が悪の主役ではないのだろうか?
ダーク・オビンク(Dirk Obbink)事件の場合、パピルス古文書を買う人がいるから、盗んだのだろう。盗んでから買う人を探すのでは危険すぎる。
購入者は窃盗を指示・教唆しなくても、重要な共犯である。
しかし、盗品(または違法採取)と知らずに購入した場合、一般的に、購入者に罪を問えない。
パピルス古文書がどれほど希少品・貴重品なのか、白楽は知らないが、ピカソの絵などを売買する時、売買を公開し透明化すれば、盗品の流通は避けられる。
野性動植物に関しては、十分機能しているのかどうか知らないが、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約 – Wikipedia」や「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律 | e-Gov法令検索」などの規則がある。
野性動植物以外の骨董芸術・絵画・工芸品に関しても、あるレベルを超えた希少品・貴重品の流通では、許可された売買でも、取引の公開・透明化を義務付け、それを守らない場合、売り手も買い手も厳しく処分したらどうだろう。
https://www.theguardian.com/news/2020/jan/09/a-scandal-in-oxford-the-curious-case-of-the-stolen-gospel
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日本がスポーツ、観光、娯楽を過度に追及する現状は日本の衰退を早め、ギリシャ化を促進する。日本は、40年後に現人口の22%が減少し、今後、飛躍的な経済の発展はない。科学技術と教育を基幹にした堅実・健全で成熟した人間社会をめざすべきだ。科学技術と教育の基本は信頼である。信頼の条件は公正・誠実(integrity)である。人はズルをする。人は過ちを犯す。人は間違える。その前提で、公正・誠実(integrity)を高め維持すべきだ。しかし、もっと大きな視点では、日本は国・社会を動かす人々が劣化している。どうすべきなのか?
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●9.【主要情報源】
① ウィキペディア英語版:Dirk Obbink – Wikipedia
② 2020年4月16日のエマ・タッカー(Emma Tucker)記者の「Daily Beast」記事:Oxford Scholar Arrested on Charges of Stealing Ancient Bible Fragments: Police
③ 2020年4月16日のヴィクラム・ドッド(Vikram Dodd)記者の「Guardian」記事: Oxford professor arrested on suspicion of ancient papyrus theft | UK news | The Guardian
④ 2020年4月17日のサム・ベイカー(Sam Baker)記者の「Daily Mail Online」記事:Oxford professor arrested over theft of ‘priceless’ bible fragments which were sold to US museum | Daily Mail Online
★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。
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