2018年9月25日掲載
ワンポイント:2018年7月19日、週刊誌「New York Jewish Week」が米国ユダヤ人社会学の権威であるコーエン(68歳)のセクハラ行為を暴露した。コーエンは1980年代(30代)の頃から数十年に渡り、ユダヤ人社会学分野の女性の院生・研究者の身体を不適切に触り、性的な話をし、性的に誘惑し、性行為を要求していた。被害者と名乗り出た女性は8人で、内3人は言葉によるセクハラを受けた。国民の損害額(推定)は10億円(大雑把)。
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
4.日本語の解説
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文
7.白楽の感想
8.主要情報源
9.コメント
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●1.【概略】
スティーヴン・コーエン(Steven M. Cohen、写真出典)は、米国のヘブライ・ユニオン・カレッジ・ユダヤ人宗教研究所 (Hebrew Union College-Jewish Institute of Religion)・教授である。専門は社会学で米国ユダヤ人社会学の第一人者だった。
20歳で大学を卒業し、24歳で研究博士号(PhD)を取得し大学・助教授になり、35歳で正教授になった。学者としては天才である。
結婚し子供は2人いる。
1992年(42歳)、アリーヤー(外国のユダヤ人がイスラエルに移民)になった。米国の大学教授でありながら、イスラエルのヘブライ大学(Hebrew University)・準教授にもなり、米国のニューヨークとイスラエルのエルサレムを行き来し、両方に住むようになった。
2018年7月19日(68歳)、週刊誌「New York Jewish Week」がコーエンのセクハラ行為を暴露した。8人の女性がコーエンからセクハラを受けていた。この記事でコーエンのセクハラが世間に初めて知られた。
コーエンは1980年代(30代)から数十年に渡り、ユダヤ人社会学分野の女性の院生・研究者の身体を不適切に触り、不適切な性的な話をし、性的に誘惑し、性行為を要求していた。
セクハラは犯罪なので、本ブログでは「研究者の犯罪事件」で扱ったが、「人文・社会科学・他」の一覧表にもリストした。
ヘブライ・ユニオン・カレッジ・ユダヤ人宗教研究所(Hebrew Union College-Jewish Institute of Religion)。写真By חובבשירה (Hovev) [Public domain], from Wikimedia Commons。出典
- 国:米国
- 成長国:米国
- 研究博士号(PhD)取得:コロンビア大学
- 男女:男性
- 生年月日:1950年4月3日
- 現在の年齢:74歳
- 分野:社会学
- 報告された最初のセクハラ:1980年代(30代)
- 発覚年:2018年(68歳)
- 発覚時地位:ヘブライ・ユニオン・カレッジ・ユダヤ人宗教研究所・教授
- ステップ1(発覚):第一次追及者は週刊誌「New York Jewish Week」のハンナ・ドレイファス(Hannah Dreyfus)記者
- ステップ2(メディア):週刊誌「New York Jewish Week」のハンナ・ドレイファス(Hannah Dreyfus)記者。追随記事は多数
- ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①ヘブライ・ユニオン・カレッジ・ユダヤ人宗教研究所・調査委員会
- 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし
- 大学の透明性:実名報道だが機関のウェブ公表なし(△)
- 不正:セクハラ
- 被害者数:少なくとも8人の女性
- 時期:研究キャリアの初期から
- 職:事件後に研究職(または発覚時の地位)をやめた・続けられなかった(Ⅹ)
- 処分:なし
- 日本人の弟子・友人:不明
【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は10億円(大雑把)。内訳 ↓
- ⑦アカハラ・セクハラは、被害者はドロップアウト、あるいは十分に教育されない。それは国民の損害でもある。1人当たり1,000万円が8人で、8,000万円。
- ⑧研究者の時間の無駄と意欲削減+国民の学術界への不信感の増大は1億円。
- ⑩損害額(大雑把):著名な研究者だが研究成果での損害はない。発覚時68歳で大学教授を辞職した。データねつ造・改ざんではないので、研究成果上の損害はほとんどない。ただ、研究者の権威・公正・信頼を失墜させ、学術界を腐敗させた。⑦⑧を含め損害は10億円(大雑把)。
●2.【経歴と経過】
主に:HUC-JIR | Faculty & Administration › Faculty
- 1950年4月3日:米国のニューヨークで生まれる
- 1970年(20歳):米国のコロンビア・カレッジ(Columbia College)で学士号取得
- 1974年(24歳):コロンビア大学(Columbia University)で研究博士号(PhD)を取得:社会学。博士論文「異人種間の結婚と友情(Interethnic Marriage and Friendship)」
- 1974年(24歳):ニューヨーク市立大学クイーンズ校(Queens College)・社会学科・助教授
- 1979年(29歳):同・準教授
- 1985-1995年(35-45歳):同・正教授
- 1992年(42歳):アリーヤー(外国のユダヤ人がイスラエルに移民)になった
- 1992-2000年(42-50歳):イスラエル・エルサレムのヘブライ大学(Hebrew University)・準教授
- 2000 – 2006年(50 – 56歳):同・正教授
- 2005 – 2018年8月22日(55 – 68歳):米国のヘブライ・ユニオン・カレッジ・ユダヤ人宗教研究所(Hebrew Union College-Jewish Institute of Religion)・教授
- 2008年- 2018年7月23日(58 – 68歳):米国・スタンフォード大学のバーマン・ユダヤ人政策アーカイヴ (Berman Jewish Policy Archive at Stanford University)・教授
- 2018年7月19日(68歳):週刊誌「The New York Jewish Week」にコーエンのセクハラ記事が掲載された
- 2018年7月23日(68歳):バーマン・ユダヤ人政策アーカイヴを辞職
- 2018年8月22日(68歳):ヘブライ・ユニオン・カレッジ・ユダヤ人宗教研究所を辞職
●3.【動画】
ネカト事件の動画はみつからなかった。
【動画1】
研究内容の動画:「ユダヤ人コミュニティの将来についてのスティーヴン・Mコーエンの洞察(Steven M Cohen’s Insights on the future of the Jewish Community) – YouTube」(英語)5分33秒。
Jewish Camp が2016/03/09 に公開
【動画2】
研究内容の動画:「リムムド2015:スティーヴン・Mコーエン – 国際結婚(Limmud 2015: Steven M. Cohen – Intermarriage) – YouTube」(英語)59分04秒。
JBS が2015/04/16 に公開
●5.【不正発覚の経緯と内容】
★コーエンの人生
スティーヴン・コーエン(Steven M. Cohen)は世界的に著名な米国ユダヤ人社会学の研究者である。
20歳で大学を卒業し、24歳で研究博士号(PhD)を取得し大学・助教授になり、35歳で正教授になった。早熟で、学者としては天才である。
厳格なユダヤ教の家庭と教育環境の中で育った。
結婚し、子供が2人いる。つまり、セクハラをしていた時、性的欲求不満が高い状況にあったとは思えない。平均的なありふれた家庭を持っていたと思える。
1992年(42歳)、アリーヤー(外国のユダヤ人がイスラエルに移民)になった。米国の大学教授でありながら、イスラエルのヘブライ大学(Hebrew University)・準教授にもなり、米国のニューヨークとイスラエルのエルサレムを行き来し、両方に住むようになった。
コーエンの研究は、米国ユダヤ人の宗教的、制度的、政治的、文化的規範の社会学的研究である。20代と30代のユダヤ人の指導者がどのようにユダヤ人の生活、慣習、価値観を変えているのかも研究してきた。また、イスラエルへの愛着は世代間でどのように変化しているのかも研究している。
★セクハラの概略
2018年7月19日(68歳):週刊誌「New York Jewish Week」がコーエンのセクハラ行為を暴露した。8人の女性がコーエンからセクハラを受けていた。この記事でコーエンのセクハラが初めて世間に知られた。
→ 2018年7月19日のハンナ・ドレイファス(Hannah Dreyfus)記者の週刊誌「The New York Jewish Week」記事:Harassment Allegations Mount Against Leading Jewish Sociologist | Jewish Week
つまり、コーエンは1980年代(30代)から数十年に渡り、ユダヤ人社会学分野の女性の院生・研究者の身体を不適切に触り、不適切な性的な話をし、性的に誘惑し、性行為を要求していた。被害者と名乗り出た女性は8人で、内3人は言葉によるセクハラを受けたと述べた。
コーエンはこれらのセクハラ行為を否定しなかった。また、週刊誌でセクハラ行為を暴露された後、被害者に謝罪した。
2018年7月23日(68歳)、コーエンはバーマン・ユダヤ人政策アーカイヴを辞職を辞職した。
→ 2018年7月25日の記事:Leading Jewish sociologist out at 2 organizations following sexual misconduct allegations | Jewish Telegraphic Agency
2018年8月22日(68歳)、ヘブライ・ユニオン・カレッジ・ユダヤ人宗教研究所を辞職した。
→ 2018年8月28日の記事:Steven Cohen resigns from HUC following sex misconduct investigation – Jewish Ledger
天才的は社会学者で信心深いユダヤ人が、数十年にも渡ってセクハラをしていたということになる。学者や宗教人はかつては高潔な人たちとみなされていたが、今や、カトリック教会の神父の性的虐待も明るにみに出て、学者や宗教人にも悪人がいることになっている。勿論、清廉潔白な人間もいる。
●【セクハラの具体例】
セクハラの具体例は、以下の記事が主な出典である。
→ 2018年7月19日のハンナ・ドレイファス(Hannah Dreyfus)記者の週刊誌「The New York Jewish Week」記事:Harassment Allegations Mount Against Leading Jewish Sociologist | Jewish Week
★タラ・ボグナー(Tara Bognar)(当時28歳)
2018年現在、ニューヨーク市の38歳の公立学校の先生であるタラ・ボグナー(Tara Bognar、写真出典)は、もし自分が男だったら、キャリアパスは違っていただろうと思っている。
2008年(58歳)、スティーヴン・コーエン(Steven M. Cohen)は、ユダヤ共同体の政策研究に関するデータベースを構築するために、米国・スタンフォード大学の中にバーマン・ユダヤ人政策アーカイヴ (Berman Jewish Policy Archive at Stanford University)を創設し、所長になった。
その時、コーエン教授は、ボグナーともう1人の若い男性を雇い、アーカイブ研究所を立ち上げた。
ボグナーは、2007年にカナダのマギル大学(McGill University)で弁護士資格(LLB/BCL)を取得し、人生で最初の専門職として、コーエン教授の研究助手(program assistant)として働き始めた。この時、ボグナーは28歳だった。
しばらくして、コーエンが「触り魔」であることをボグナーは知ることになった。そして、コーエンは「厄介で、ゾットするほどイヤらしいやり方で、一線を越え始めた」。
コーエンはスタッフ会議の間、ボグナーの膝、背中、肩、太ももに手を置き、会議中ずっと、ボグナーの身体を触るというセクハラをはじめたのである。コーエンはまた、男性の同僚には決して聞かないような性生活の内容についてボグナーに聞いてきた。
アーカイブ研究所でボグナーと一緒に働いた男性の同僚は、コーエンのセクハラ行為を目撃していた。彼は「コーエンは、スタッフ会議中、定期的にボグナーの身体を触っていました。また、コーエンは、過去の恋愛関係、過去の性行為、出産計画についてボグナーにしつこく聞いていました。そして、コーエンは、これらの質問を社会学と人口統計学という専門的な興味から発したのだと正当化していたんです」、と記者に語った。
ボグナーは彼女の上司が彼女の膝、背中、肩、太ももを触るのを我慢できなかった。3年後、ユダヤ社会学とは別の世界で生きることにし、研究助手を辞めた。
★ケレン・マッギニティ(Keren McGinity)(当時43歳)
ケレン・マッギニティ(Keren McGinity、写真出典)はブランダイス大学(Brandeis University)・教授で専門はアメリカ研究である。
マッギニティは、コーエンにセクハラされたと主張した5人のうちの1人である。
マッギニティはコーエンに受けたセクハラ行為を記事にした。
→ 2018年6月21日のケレン・マッギニティ(Keren McGinity)の記事:American Jewry’s #MeToo Problem: A First-Person Encounter | Jewish Week
2011年12月19日(61歳)、事件はワシントンDCのグランドハイアットで開催されたユダヤ人研究学会(Association for Jewish Studies:AJS)の年会で起こった。
コーエンはその学会のスター学者だった。コーエンは講演の素晴らしさに加え、若い学者を良く指導することが知られていた。
マッギニティは当時43歳で、大学の任用期間の終わりが近づいていて、次の研究職を探していた。
コーエンは転職について1対1の専門的なアドバイスをするからと、マッギニティをイタリア料理店のキャンドルライト・ディナーに誘った。ディナーの後、コーエンはマッギニティに性生活に関する個人的な質問をしながら、ホテルの部屋までついてきた。部屋の前で、マッギニティは「さよなら」と言った。すると突然、コーエンは、マッギニティを壁に押しつけて彼女の首に無理やりキスをした。
事件後、マッギニティは、「ヒドイ!」とコーエンに抗議のメールをした。
★匿名A(当時20代後半)
2011年のユダヤ人研究学会・年会でコーエンからセクハラを受けたもう1人の女性がいる。コクハラを恐れて匿名を希望した。
当時、20代後半の院生で、ユダヤ人研究学会主催の若手学術研究者のネットワークイベントに参加した。彼女はコーエンに自己紹介をすると、コーエンは名札をシゲシゲと見つめ、名札のついている左胸に手を出して胸を触った。
彼女は、ショックを受け、急に身を後ろ引いたはずみで床に転んでしまった。そばにいた人たちは何が起こったのかと駆け寄った。同僚の1人は「何をされたんだ?」と聞いてきた。もう一人の同僚は、「コーエンは女性の間では「むかつく奴」と知られているんだから、冗談として笑い飛ばせ」と言った。
★匿名B(当時38歳)
1992年(42歳)にコーエンに性的暴行を受けたと述べた当時38歳の組織コンサルタント(64歳)はプライバシー上の理由から匿名を希望した。
彼女はフェローシップに参加していた。コーエンは、当時、エルサレムのヘブライ大学・教授で、彼女のプロジェクト・アドバイザーだった。
彼女はある作家についての話をするためにコーエンの研究室でコーエンに会った。コーエンは作家に対処する良い方法はマスターベーションすることなので、マスターベーションすべきだと言ってきた。彼女はコーエンの言ったことを無視して、彼女の研究についての話を続けた。
その少し後、彼女はコーエンの研究室で電話をかけた。彼女が電話をしていると、コーエンは彼女の後ろに来て、彼女のパンツをおろして彼女に抱きついた。
彼女は叫んだ。「あなた、狂っているの? 何をしてるの? キャリアと家庭を台無しにしたいの?」。コーエンは笑っているだけだった。
彼女はプログラム監督官に何が起こったかを話した。すると、プログラム監督官は、無情にも「文句があるなら、裁判で訴えてください」と言ったのである。そして、驚いたことに、彼は、「コーエン教授には妻子がいる。コーエン教授の人生を台無しにするな!」と強い口調で叫んだのである。
★カリン・アヴィーヴ(Caryn Aviv)
カリン・アヴィーヴ(Caryn Aviv、写真出典)は、社会学と人類学の博士号を取得し、2018年現在、コロラド大学ボルダー校(University of Colorado at Boulder)・上級講師である。
アヴィーヴは2009年にユダヤ人LGBTQ組織の全国調査に協力するなど、長年、複数の研究プロジェクトでコーエンと共同研究をし、コーエンに協力してきた。
アヴィーヴは「コーエンは米国ユダヤ人社会学の中で常に多額の研究助成金を受領している唯一の学者でした。大規模な研究を遂行する資金を持っていました。この分野の若い学者の誰れであれ、コーエンと一緒に仕事をしなければ、すぐにキャリアが行き詰まることになりました。コーエンは米国ユダヤ人社会学の学界の門番でした」と述べている。
アヴィーヴはコーエンの性的標的にされなかった。アヴィーヴはレズビアンだと記者に語ったが、レズビアンだからコーエンの性的標的にされなかったのかもしれない。
ただ、アヴィーヴは、記者に語るうちにセクハラ発言を受けたことを思い出した。コーエンに性生活のことを聞かれたこと、レズビアンはどうやって妊娠するのか、その際の実の父親はどう選ぶのか、などセクハラ発言を受けたことを思い出した。
その時、アヴィーヴは「そのような質問を私にしてはいけません。他の誰に対してもしてはいけません」とコーエンに言い返したことを思い出した。
その時、アヴィーヴはコーエンと一緒に仕事をしたくないと思ったが、ユダヤ人学術界での彼の存在の大きさはそれを「不可能に近い」ものにした。
★匿名C(当時約40歳)
1980年代(30代)、コロンビア大学フェローだった匿名C(女性)は当時約40歳で結婚していて2人の子供がいた。
ユダヤ人社会学の研究界は狭い世界で、当時、コーエンは「キャンパス内のすべてのユダヤ人女性・院生/研究者とセックスしている」という評判だった。彼女は十分警戒していなかった。
2人は共著で学術論文を書いていた。
ある日、学術論文の作業をするからと、コーエンのアパートに来るように言われた。彼女がアパートのドアをノックしたとき、コーエンは「いま、下着以外は何も着ていない」と答えた。
後から思うに、彼女はその時、帰るべきだったと悔やんだが、「私はこれまでそのようなことに対処できたし、その時も対処できると思った」。それで、部屋に入った。
彼女はリビングルームに座ってコーエンと一緒に論文執筆の作業を始めたとき、コーエンは彼女に性的なことをして欲しいと懇願した。今となっては、彼女はコーエンが言ったことを正確に思い出せないが、コーエンは彼女とセックスしたがっていたことは明白だった。彼女は拒否したが、退席せずに論文執筆の作業を終了するために残った。
そのセクハラ事件後、彼女は2度と共著の論文を執筆していない。
なお、彼女は彼女に起こったセクハラ事件を他の女性に語り、警告することはしなかった。
●6.【論文数と撤回論文】
論文数と撤回論文は調べていない。
スティーヴン・コーエン(Steven M. Cohen)の主な論文を、ウィキペディア英語版「Steven M. Cohen – Wikipedia」で見つけ、以下に貼り付けた。
かなり多作である。活発に論文を発表している。
Selected Research on Changing Jewish Leadership, Values, and Practices
- “Interview with Steven M. Cohen – Highly Engaged Young American Jews: Contrasts in Generational Ethos“, Jerusalem Center for Public Affairs, September 15, 2010
- Cohen, Steven M.. Kelman, Ari Y.. “Uncoupled: How our Singles are Reshaping Jewish Engagement“. Jewish Identity Project of Reboot. 2008
- Cohen, Steven M.. “Changes in American Jewish Identities: From Normative Constructions to Aesthetic Understandings – Interview with Steven M. Cohen“. Changing Jewish Communities, No 30. Jerusalem Center for Public Affairs (JCPA). 16 March 2008
- Cohen, Steven M., Landres, J. Shawn, Kaunfer, Elie, & Shain, Michelle. Emergent Jewish communities and their participants: Preliminary findings from the 2007 National Spiritual Communities Study. New York: S3K Synagogue Studies Institute and Mechon Hadar. 2007.
- Cohen, Steven M.. Kelman, Ari Y.. “The Continuity of Discontinuity: How Young Jews Are Connecting, Creating, and Organizing Their Own Jewish Lives“. 21/64. 2007
- Benjamin, Mara. Cohen, Steven M.. Wertheimer, Jack. “Peoplehood in the Next Gen“. Sh’ma: A Journal of Jewish Responsibility. Jewish Family & Life (JFL Media). October 2006: 2–4.
- Cohen, Steven M.. Kelman, Ari Y.. “Cultural Events and Jewish Identities: Young Adult Jews in New York“. UJA-Federation of New York. February 2005
- Cohen, Steven M.. “Changing Conceptions of Jewish Collectivity Among Young Adult Jews and Their Implications for Jewish Education: A Dual Research Project“. Jewish Agency for Israel. Department of Jewish-Zionist Education. Research and Development Unit. 25 August 2002
- Cohen, Steven M.. Eisen, Arnold. “The Sovereign Self: Jewish Identity in Post-Modern America“. Jerusalem Letter/Viewpoints No. 453. Jerusalem Center for Public Affairs (JCPA). 1 May 2001
Selected Research on Changing Connections to Israel
- Cohen, Steven M.. Kelman, Ari Y.. “Beyond Distancing: Young Adult American Jews and Their Alienation from Israel“. Jewish Identity Project of Reboot. 2007
- Abrams, Sam. Cohen, Steven M.. “Israel Off Their Minds: The Diminished Place of Israel in the Political Thinking of Young Jews“. 27 October 2008
- Chazan, Barry. Cohen, Steven M.. “What We Know About American Jewish Youth and Young Adults: Some Implications for Birthright Israel“. Journal of Jewish Communal Service. Jewish Communal Service Association of North America. 2000
- Cohen, Steven M.. “Did American Jews Really Grow More Distant from Israel (1983-1993)? A Re-consideration“. Magnes Press (Jerusalem). 1996
- Cohen, Steven M.. Israel in the Private Sphere of Jewish Identity“. Charles R. Bronfman Centre for the Israel Experience. January 1996
- Cohen, Steven M.. “Attitudes of American Jews Toward Israel and Israelis: The 1983 National Survey of American Jews and Jewish Communal Leaders“. Institute on American Jewish-Israeli Relations. September 1983
Selected Scholarship on Intermarriage and Jewish Continuity
- Cohen, Steven M.. “Seeking a Third Way to Respond to the Challenge of Intermarriage“. Central Conference of American Rabbis (CCAR). March 2008
- Cohen, Steven M.. “A Tale of Two Jewries: The “Inconvenient Truth” for American Jews“. Steinhardt Foundation for Jewish Life. November 2006
- Cohen, Steven M.. “Engaging the Next Generation of American Jews: Distinguishing the In-Married, Inter-Married, and Non-Married“. Journal of Jewish Communal Service. Jewish Communal Service Association of North America. 2005
- Cohen, Steven M.. “Non-Jews in Jewish Families“. American Jewish Committee (AJC). 2005
- Cohen, Steven M.. “The Conversion Illusion” in Jewish Identity and Religious Commitment: The North American Study of Conservative Synagogues and Their Members, 1995-6. Jewish Theological Seminary of America (JTS) Press. 1997: 29-35
- Cohen, Steven M.. “Intermarriage and the Jewish Future“. American Jewish Committee (AJC). 1997: 10-19.
- Cohen, Steven M.. “Why Intermarriage May Not Threaten Jewish Continuity“. Moment Magazine. December 1994
以下は、スティーヴン・コーエン(Steven M. Cohen)の主張に対する批判論文である。批判論文がこんなにあるということは、コーエンの主張が大きく注目されているということだ。
- Weiner, Julie. “Steven M. Cohen Promotes “Meaningless Jewish Associations”“, The New York Jewish Week: In the Mix, December 14, 2010.
- Case, Ed. “What I Would Like To Be Thankful For“. InterfaithFamily.com:Network Blog. November 24, 2010.
- Berkenwald, Leah. ““Being welcoming” is an end unto itself“. Jewish Women’s Archive: Jewesses With Attitude. August 12, 2010
- Golin, Paul. “Continued Confusion About Intermarriage“. Jewcy.com, August 5, 2010
- Weiner, Julie. “Steven M. Cohen: The Single Greatest Threat To Intermarried Jews? (Just Kidding, Steve — Please Don’t Sue For Libel!)” The New York Jewish Week: In the Mix, July 28, 2010
- Olitzky, Kerry M. Case, Ed. “There is Still Work to Be Done on Welcoming Intermarried Families.” EJewish Philanthropy, August 10, 2010
- Golin, Paul. “Cohen Is Splitting the Jewish Community“. The Jerusalem Post (Online Edition). Jewish Outreach Institute, The Jerusalem Post. 7 February 2007
●7.【白楽の感想】
《1》処罰されない
コーエン事件は、著名研究者が数十年にもわたりセクハラしてたという困った事件である。
セクハラは犯罪である(sexual harassment is illegal:Sexual harassment – Wikipedia)。
ところが、スティーヴン・コーエン(Steven M. Cohen)は、処罰されていない。ナンカ、おかしくないか? 勿論、大学教授を辞職したが、それだけである。
これではヤリ得である。
《2》「セクハラ」加害者の匿名・顕名:日米差
以下の文章は、著名な生命科学者のセクハラ事件で書いた内容・文章と同じである。
→ 犯罪「セクハラ」:インダー・ヴェルマ(Inder Verma)(米) | 研究倫理(ネカト)
日本と比べると、米国のセクハラ事件は、事件を本気で解決しようとする気合が感じられる。
日本では、セクハラをした大学教員は匿名だから、それと知らずに、他大学が採用してしまう。採用し、解雇し、裁判で負けた。最初から採用すべきではないでしょう。教授1人の年間給与が1000万円として、裁判費用、大学のダメージなどが計1000万円、合計2000万円ほどの損害でしょうか?
前任校で「セクハラ行為があった」などと認定されたために、新たな勤務先の都留文科大(山梨県都留市)から解雇されたのは不当だとして、同大元教授の40歳代男性が同大に解雇無効などを求めた訴訟で、東京地裁立川支部(太田武聖裁判官)は21日、男性の主張を認め、同大に解雇期間中の賃金の支払いを命じる判決を言い渡した。
判決などによると、男性は宮崎大(宮崎市)を2012年3月に退職、同年4月から都留文科大に勤務していた。男性が宮崎大を退職後、同大は「在職中にセクハラ行為などがあり、懲戒解雇に相当する」と公表。男性は事実関係を争っていたが、都留文科大は宮崎大の公表内容を理由に、男性を解雇した。
(「「前任校でセクハラ」教授解雇、大学に無効判決」、2014年04月22日 Yomiuri Shimbun)
日本の大学では、被害者を守るためという口実でセクハラ教員を匿名にする。そのことで、実際は、加害者を守り、支援し、セクハラ行為の再犯を促進しているかのようである。セクハラ事件を本気で解決し、再発を防ごうとしているようには思えない。
→ 日本のネカト・クログレイ事件一覧 | 研究倫理(ネカト)の【日本の研究者のセクハラ・アカハラ・パワハラ事件一覧】
《3》隠れた被害者
以下の文章は、著名な生命科学者のセクハラ事件で書いた内容・文章と同じである。
→ 犯罪「セクハラ」:インダー・ヴェルマ(Inder Verma)(米) | 研究倫理(ネカト)
スティーヴン・コーエン(Steven M. Cohen)は、8人の女性に、1980年代-2018年(30代-68歳)の30数年間にわたってセクハラをしていた。
この裏に、新聞記事には書かれてない、イヤ、書けない(多分)忌まわしい事実があると思われる。つまり、コーエンの性的欲求に屈した被害女性がかなりいると思えることだ。
セクハラ行為をうまく拒絶できた女性は今回告発できただろうが、拒絶できなかった女性は表に立ちたくないだろう。そういう女性が何十人もいるに違いない。
コーエンが30数年間にわたってセクハラをし続けたということは、その間、失敗よりも成功する回数が多かったからに違いない。ある程度成功したからコーエンはセクハラをし続けたのだろう。ことごとく失敗すれば、途中でやめたに違いない。
ということは、メディアが公表している事態よりも現実は深刻だと思われる。
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日本がもっと豊かに、そして研究界はもっと公正になって欲しい。正直者が得する社会に!
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●8.【主要情報源】
① ウィキペディア英語版:Steven M. Cohen – Wikipedia
② ◎2018年7月19日のハンナ・ドレイファス(Hannah Dreyfus)記者の週刊誌「New York Jewish Week」記事:Harassment Allegations Mount Against Leading Jewish Sociologist | Jewish Week、(保存版)
③ 2018年7月20日の「Haaretz.com」記事:Prominent Jewish sociologist accused of sexual misconduct by several women – Jewish World – Haaretz – Israel News | Haaretz.com、(保存版)
④ 2018年7月26日の「Detroit Jewish News」記事:Misconduct Alleged – Detroit Jewish News、(保存版)
★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。
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