7-41.はよ作れ米国・研究政策委員会

2019年6月29日掲載

白楽の意図:米国のネカト対策として、全米アカデミーズは30年間に4度も全米レベルの研究政策委員会(research-policy board)を設置するよう勧告している。この委員会は、研究助成機関、研究者、全米の研究大学・研究機関の3者が統一的なネカト・クログレイ基準を設け、一貫した施策の実行を討議する委員会で、政府組織ではない。出版規範委員会(Committee on Publication Ethics)のような共同体らしい。シーケー・ガンセイラス(C. K. Gunsalus)らは、設置は「今でしょう!」と主張している。その「2019年2月のNature」論文を読んだので、紹介しよう。【白楽の手紙】:公正研究推進協会・浅島誠・理事長へ。

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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.論文概要
2.書誌情報と著者
3.日本語の予備解説
4.論文内容
5.関連情報
6.白楽の感想
7.白楽の手紙
8.コメント
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【注意】「論文を読んで」は、全文翻訳ではありません。ポイントのみの紹介で、白楽の色に染め直してあります。

●1.【論文概要】

論文に概要がないので、省略。

●2.【書誌情報と著者】

★書誌情報

★著者

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の全米研究倫理センター(NCPRE:National Center for Professional and Research Ethics, University of Illinois at Urbana–Champaign)があるCoordinated Science Laboratory。写真出典:http://bretl.csl.illinois.edu/magpie

【動画1】
2018年 Center for Bright Beams Annual Meetingでの講演動画:「Fostering Integrity in Research by C. K. Gunsalus – YouTube」(英語)1時間15分00秒。
Center for Bright Beamsが2018/07/18に公開

●3.【日本語の予備解説】

米国の政府機関である研究公正局は、ネカト調査・対策に大きく貢献している。しかし、問題は多い。そして、米国のネカト調査・処分は、各省庁で大きく異なるという欠陥を露呈している。例えば、健康福祉省(HHS:Department of Health and Human Services)傘下の研究公正局はネカト者を実名発表するが、科学庁(NSF:National Science Foundation)は匿名発表である。

確かに米国のネカト対策はバラバラである。縦割りの行政の悪しき例である。

米国では、研究分野全体に適用できる統一的なネカト・クログレイ基準が必要である。

●4.【論文内容】

【1.序論】

厳密な研究公正を促進しようとすると、米国の大学・研究機関は身動きが取れなくなります。善行は簡単ではなく、大学教員はトップダウンの指示に抵抗する傾向があります。そのため、頻繁に会議を行ない、方策を練り、教員の信頼を得ようとする方法は最適とは言えません。このようなやり方は、最悪の場合、ネカト行為を助長する可能性があります。

例えば、2017年4月、マサチューセッツ州ボストンにあるブリガム・ウィメンズ病院(Brigham and Women’s Hospital)は、NIHから助成された幹細胞研究の詐欺疑惑を解決するため、1,000万米ドル(約10億円)を支払うことになりました。ブリガム・ウィメンズ病院は30報以上の論文撤回を要請し、100人以上の治験者を含む臨床試験のデータを見直しました。より良い医療をもたらすハズの研究助成金が浪費されたのです。
→ ピエロ・アンバーサ(Piero Anversa)(米) | 研究倫理(ネカト、研究規範)

良質で公正な研究文化を築くには、学術界全体の話し合いが必要です。学術研究は、資金提供者、学術誌、学術管理者、学会、研究者の複雑なシステムで成り立っています。そして、研究者は、主宰研究者、スタッフ、ポスドク、院生の階層構造になっています。各階層グループの利益は重なり合い、対立し、相互作用は制約されます。

米国では、研究の質と公正を保つためのシステムとして、過去70年間にわたって、非効率的で一貫性のないシステムが構築されてきました。臨床試験、実験動物、データ、研究費、利益相反などの監視はメカニズムが重複しているのに、異なるメカニズムとして扱われてきました。

私たち著者は、米国の研究システムの改善を主導してきた専門家として、これらのいくつかは、異なるメカニズムで扱うのは最適ではないと考えています。研究への投資から最高の利益を得るためには、良質で公正な研究文化を築くことに焦点を絞る必要があります。必要なのは、分野横断的な議論ができ、権威ある政策を策定できるフォーラムです。

そのフォーラムとして、私たちは、堅牢で質の良い全米レベルの研究政策委員会(research-policy board)の設立を提案します。

【2.繰り返される勧告】

全米レベルの研究政策委員会(research-policy board)というアイデアは新しいものではありません。ここ30年の間、全米アカデミーズ(米国科学工学医学アカデミー、NASEM:National Academies of Science, Engineering, and Medicine)は、少なくとも4つの報告書で、独立に、研究政策委員会(research-policy board)の設立を勧告してきました。

全米アカデミーズの委員たちは、科学を促進しつつ、かつ、研究公正を効率的に推進するベストな方法を議論してきました。

各委員会は、研究公正の改善と効率的な研究推進のために、各10人以上の専門家が1年半から5年間の年月にわたって調査・議論・報告書作成に労力を費やしました。本論文の著者たちも委員として議論に加わり、報告書を執筆しています。そして、それぞれの報告書が求めた解決策は驚くほどよく似ていました。

1992年、最初の報告書が発表され、常設の研究政策委員会(standing advisory board)の設置を勧告しました。

2017年、最初の報告書から25年後ですが、この報告書も同じように常設の研究政策委員会・設置の勧告を繰り返しています。

2018年、全米アカデミーズは生物医学分野の若手に特に焦点を当てた協議会(council)を設立するよう議会に勧告しました。

2016年の報告書は、連邦政府の研究助成機関と大学・研究機関は長い間パートナーと見なされてきたが、問題が発生した時、両者が実際に討議する正式な組織が存在しないことを指摘し、報告書はそのような正式な組織として、研究政策委員会(RPB:research policy board)の創設を勧告しました。

研究ネカトの損害は、大学・研究機関と政府の調査費用だけで、1年で1億1000万米ドル(約110億円)だと2010年に算出されています(Michalek, A. M., Hutson, A. D., Wicher, C. P. & Trump, D. L. PLOS Med. 7, e1000318 (2010))。研究政策委員会(RPB:research policy board)を設置する方がはるかに安価で、調査がより効率的になります。

研究政策委員会を政府機関にしない方がよいと考えています。ネカト調査を行なっている既存の機関(例えば、研究公正局)は、政府機関になっているため、縦割り行政の制約を受け、すべての研究分野を掌握する権限がありません。

また、研究助成金を必要とする研究者は政府機関と利害関係が深く、研究公正の価値観を構築する方法について、これらの既存のネカト調査機関と率直に議論することができません。特に、若手研究者、倫理学者、教育・研究システムが未発達な発展途上国から米国に来た研究者など、は難しいでしょう。

では、なぜ今まで、研究政策委員会は設立されてこなかったのか?

理由の1つは、全米アカデミーズの委員会・委員は報告書を作成し、公開し、勧告すると役目が終ります。多くの場合、全米アカデミーズの委員会は、学術界に問題が生じると設置され、分析・検討され、改善策が立てられ、報告書がまとめられます(たとえば、1992年の報告書の経緯は次のようでした。著名な研究者がネカトで告発された。調査が終了したが、その調査がおかしいと大騒ぎになり、議会の公聴会があった。それで、委員会が設置された)。そして、報告書が完成する頃には、急務だったハズの問題は、状況が変化し、色あせてしまっているのです。

【3.研究政策委員会の業務】

★ 研究政策委員会の業務

研究政策委員会の業務は何ですか?

研究政策委員会は、信頼のおける研究が効率的に推進されるための中心的な組織です。以下に「研究政策委員会の優先業務」を示すが、それ以外に、著者在順への対処、査読の質の向上、研究者を責任ある研究行動に導く教育、研究運営の合理化、研究環境の評価も含まれます。

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「研究政策委員会の優先業務」

  • 資金提供者、研究者、大学・研究機関運営者の間の整合性と情報交換を促進する。
  • 大学・研究機関の研究公正に関する研究環境を評価し、研究公正を高めるためのリソースを提供する。
  • すべての大学・研究機関に適用する研究公正基準を設け、善行のあり方を確立する。
  • 大学・研究機関のネカト行為の調査と争議・不和に関するガイドラインを作成する。
  • ネカト専門家をチェックし、外部調査委員・候補者のリストを作成する。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

大学・研究機関のネカト事件の経験は各大学・研究機関よって大きく異なります。特にまれにしか発生しない大規模なネカト事件では特にそうです。そのため、ネカト調査はしばしば長期的になりかつ不適切になりがちです。そして、研究公正を高めるために、各大学・研究機関は学習とデータ収集を始めるのですが、途中で挫折します。

大学・研究機関のネカト調査にアドバイスしてきた私たち専門家から見ると、大学・研究機関は意図しない同じ失敗を何度も繰り返しています。時には同じ大学・研究機関が同じ失敗を繰り返しています。

米国の200以上の大学・研究機関は研究中心の大学・研究機関です。ところが、それぞれが単独で、無計画にそして非効率的に研究公正を計画します。資金が潤沢な大学・研究機関は、他の大学・研究機関が設置した研究公正室(research-policy office)を真似て、研究公正室を設置しました。

ウェブサイトの研究公正に関する情報資源は衰退しています。また各連邦機関は彼ら省庁の方針に限定したガイダンスだけを提供しています。

本論文で設置を提唱している研究政策委員会は、全米の大学・研究機関に必要な情報を効率的かつ公平に提供する組織です。研究公正に関する情報資源の信頼できる収納場所であり、日常的な情報交換の拠点にもなります。

2017年の報告書(以下)では、研究政策委員会は、時節にかなったトレーニング教材、ネカト専門家およびネカト弁護士の紹介、および内部調査に必要な外部委員を組織化し派遣すると述べています。

さらに重要なことには、ネカト問題が発生した時、研究政策委員会は、大学・研究機関の運営者に権威ある総合的なノウハウを提供することで、大学・研究機関はネカト対処作業を必要最小限にできます。研究環境の健全性を事前に評価することもします。なお、著者のうちの2人は、そのような事前評価ツールの1つを開発し、検証し(BCM)、公表する(CKG)してきました。

懐疑論者は、研究政策委員会の設置は無駄な会議をする官僚組織をさらに増やすだけだと主張するでしょう。すでに作成された取り組むべき課題や研究公正報告書の山を考えると、研究政策委員会の設置によって意味のある変化が引き起こされることを多くの人は疑うでしょう。つまり、ネカト、研究詐欺、有害な研究慣行、ズサンなどの問題を解決しようとする努力は、反発を招く危険性があります。

★ 成功した共同体(コンソーシアム)

しかし、厄介な研究公正問題をうまく対処した共同体(コンソーシアム)の例があります。

例えば出版規範委員会(Committee on Publication Ethics)は、論文撤回や著者在順のモメゴトをうまく対処し、それらを取り扱うガイドラインを確立しました。それは学術誌・編集者が誤った決定をしないように導き、研究者をより公平に扱い、文献引用を適切に行なうことを強化するのに大変役に立ってきました。

また、アメリカ科学振興協会(AAAS)、アメリカ大学協会Association of American Universities )、大学院審議会(Council of Graduate Schools )などの団体も重要な貢献をしています。これらの共同体は、大学・研究機関が自身の研究公正を評価するのに役立つ研究公正政策の問題点や標準データを収集し提供しています。

他の古くからある組織は、私たちが研究政策委員会(RPB)の業務と提案している機能を果たしています。

たとえば、インフラガード(InfraGard )は、重要な国内インフラと主要なリソースを保護するために情報交換を推進する米国の非営利団体です。

米国国家規格協会 (American National Standards Institute)は、業務用厨房からプログラミング言語に至るまで、自発的合意基準(voluntary consensus standards)を開発しました。

スマートグリッド相互運用委員会(スマートグリッド相互運用性パネル:Smart Grid Interoperability Panel – Wikipedia)は、送電に関する標準の開発を調整しています。

これらの機関は、公的機関と私的機関の両方の関係者が参加しています。多くは公的資金で始め、それからメンバーシップ支援など、大部分が自立的になることを可能にする資金メカニズムを確立しました。

他の国々はすでに私たちが研究政策委員会に想定している役割を果たす先駆け(イニシアチブ)を追求しています。

2018年に開始した英国再現性ネットワーク(UK Reproducibility Network)は、研究者が実験計画を改善しデータを利用できるようにするのを助ける訓練、インフラストラクチャー、ネットワークを確立するために資金提供者、学術誌、提携大学で構成されています。

日本の公正研究推進協会(APRIN)は、研究公正に関する調査を実施するためのチェックリストを発行しました。それは、2017年の米国の報告書に基づいていますが、30年前にアメリカ科学振興協会(AAAS)と米国内の組織が行なった調査・分析作業の成果です。

カナダでは、その3つの連邦研究助成機関が設置した「責任ある研究行動委員会(Panel on Responsible Conduct of Research)」が、大学・研究機関のネカト調査を審査し、研究公正を促進しています。

オーストラリアでは、オーストラリア研究評議会(Australian Research Council)と国立健康医学研究評議会(National Health and Medical Research Council)が設立した独立機関であるオーストラリア研究公正委員会(Australian Research Integrity Committee)が同様の機能を果たしています。

2018年6月、英国議会は、研究公正を高め、透明性を高めるための全国監視委員会(national oversight committee)の設置を勧告する報告書を発表しました。

オーストリア、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツなどの国々でも同様の取り組みが行なわれています。

米国がこのような動きに従わないので、国際的な学術リーダーシップから落ちこぼれて始めているのかもしれません。

★ 米国の研究政策委員会(RPB)

米国の研究政策委員会(RPB)は、委員会としてネカト調査を行なうこと、大学や他の組織が行なったネカト調査を監督すること、をしません。

米国の研究政策委員会の役割は、研究の信頼性を損なうネカト行為やその他の悪しき慣行の発生を減らすために大学・研究機関と協力することです。

研究政策委員会(RPB)は、学術誌、資金提供者、大学・研究機関運営者、個々の研究者のネカト関連作業を支援します。また、費用対効果の高い、合理化された研究プロセス、より公平でより効果的なコストパフォーマンスの高い実施方法、およびセクシャルおよびジェンダー・ハラスメントを排除する方法を見つけます。

最初のステップとして、米国科学アカデミーは2019年4月の年次総会で科学の信頼性に関する総会を開催します。これは、米国の学術界のリーダーにとって、研究公正に関する国内委員会の役割について議論する最初の機会となるでしょう。

フォローアップとして、2019年末に2日間の関係者の会議を開催し、どのような形式の実体が必要なのか、何をすべきなのか、どのような支援が必要なのか、そしてどのような承認の下で運営するのかを決定します。招待者には、学術誌・編集者、大学・学長、科学庁(NSF)およびNIHが含まれます。

科学には多くの有害な動機がありますが、今までは、それに対抗するための組織的な力はほとんどありませんでした。約30年前に最初に勧告された研究政策委員会(RPB)は科学と科学者の両方に利益をもたらすでしょう。私たちは今それを設置するために行動しなければなりません。

●5.【関連情報】

① 2017年4月21日の粥川準二の「ユレイタス学術英語アカデミー」記事:「責任ある研究活動」のために諮問委員会を

英語圏では、研究不正の防止に向けた取り組みについて、深い議論が続いています。

2017年4月11日、アメリカの有力な学術団体「米国科学・工学・医学アカデミー(NASEM: The National Academy of Sciences Engineering Medicine)」は、研究不正防止に向けた提言をまとめた報告書『研究公正の育成(Fostering Integrity in Research)』を公表しました。

報告書をまとめたのは同アカデミーの「科学・工学・医学および公共政策・グローバル問題に関する委員会」の「責任ある科学に関する委員会」です。284項におよぶ報告書には、11項目の勧告がまとめられています。本文中には、2014年に日本で騒動になった「STAP細胞事件」も言及されており、「付録」には、米デューク大学のがん研究者アニル・ポッティによる捏造事件など、悪名高い研究不正の事例5件も紹介されています。

『サイエンス』は、11項目の勧告のなかでも4番目に述べられている「研究公正諮問委員会(RIAB : Research Integrity Advisory Board)」の設立に着目しています。

報告書はそのことを次のようにまとめています。

学問分野やセクターを問わず、研究公正を育成することを目的とする継続的かつ組織的な注意を促すために、独立した非営利団体として「研究公正諮問委員会(RIAB : Research Integrity Advisory Board)」を設立すべきである。このRIABは、研究者や研究機関、研究資金提供機関、規制当局、ジャーナル(学術雑誌)、学会など、研究におけるすべての利害関係者と協同して、研究不正や有害な影響をもたらす研究行為に対処するための専門知識やアプローチを共有する。またRIABは、研究環境を評価したり研究行為や基準を改善したりする努力を促すことによって、研究公正を育成する。
(勧告4、182頁より)

以下略

●6.【白楽の感想】

《1》ウ~ン?

シーケー・ガンセイラス(C. K. Gunsalus)らは、本論文で、研究助成機関、研究者、全米の研究大学・研究機関の3者が統一的なネカト・クログレイ基準を設け、一貫した施策を実行するための討議をする研究政策委員会が必要だと主張している。

どうだろう? その委員会の設置で、米国のネカトは改善されるのだろうか?

時代は、性不正・アカハラをネカトに含めるよう急速に動いている。性不正の一部は従来から警察が介入していた。この際、ネカトも犯罪とみなす方がネカト対策は効果的で、調査(捜査)は、警察がすべきではないのだろうか?

犯罪なら、ネカト・クログレイ基準は全米で統一されるだろう。

●7.【白楽の手紙】

《1》公正研究推進協会・浅島誠理事長へ

シーケー・ガンセイラス(C. K. Gunsalus)らが本論文で全米レベルの研究政策委員会(research-policy board)を設置するよう主張している。参考組織として、日本の例として公正研究推進協会を挙げている。それで、以下の手紙をしたためた。
ーーーーーーーーーー

公正研究推進協会・浅島誠理事長へ

ご無沙汰しています。

一般財団法人・公正研究推進協会が日本の院生・研究者に研究倫理関連教材を提供していることはそれなりの効果はあると思います。しかし、エリザベス・ウェージャーらが指摘しているように、ネカト防止に研究倫理教育の効果は薄いと思います(例えば、2016年6月7日の粥川準二(かゆかわじゅんじ)の「論文翻訳ユレイタス」記事:研究不正 を防ぐための倫理教育に効果はあるか?)。

公正研究推進協会は日本の研究倫理改善のユニークな組織です。もっと多様な活動をすることで、日本のネカト問題の改善に取り組んで下さるようお願い申し上げます。

研究倫理教育の効果が薄いのは何故か?

浅島先生は十分ご存知だと思いますが、それは、教育が義務で受け身だからです。義務で受け身である限り、知識は身につきませんし、深まりません。視点を180度変えて、自分で学習したくなる、積極的に学んでみたくなる仕組みを設定すべきです。つまり、目標を用意するのです。

例えば、研究倫理士の等級合格を目標とさせるのです。そして、公正研究推進協会はこの等級認定を通して、研究倫理の知識・基準を普及するということです。いかがでしょう。

以下のようです。

研究倫理士1級:所属組織を越えて「研究倫理」を扱える資格。
「研究倫理」に関して高等教育機関で授業を担当できる。講演できる。ネカト事件の調査委員になれる。
資格:「研究倫理」に関して著書または研究論文・発表またはブログがあり、「研究倫理」分野での10年以上の活動実績がある。
資格:公正研究推進協会に申請し認定された者。

研究倫理士2級:所属組織内の「研究倫理」を扱える資格。
大学・研究機関、企業、研究関連組織の研究公正官になれる。
資格:研究倫理士2級試験合格者。

研究倫理士3級:「研究倫理」の基本知識を習得したレベル。
大学・研究機関、企業、研究関連組織に複数人いることが望ましい。副研究公正官になれる。
資格:研究倫理士3級試験合格者。

日本経営倫理士協会が経営倫理士の資格を認定しています。他組織もそれなりの資格を認定しています。そのような方式を導入するということです。

では、成功を祈ります。

白楽ロックビル
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日本がもっと豊かに、そして研究界はもっと公正になって欲しい(富国公正)。正直者が得する社会に!
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★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。

●8.【コメント】

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