「セクハラ」:経済学:ジョセフ・ペトリー(Joseph Petry) (米)

2021年4月28日掲載 

ワンポイント:冤罪事件。ペトリーはイリノイ大学アーバナシャンペーン校(University of Illinois at Urbana-Champaign)の教授(男性)で、シャンペーン市長に立候補したこともあるので地元の有名人。2018年(55歳)、19歳の女性学生(学部2年生)のサマー・ナクヴィ(Summer S. Naqvi)は、良い成績と引き換えに、ペトリー教授からセックスを要求された(Sex-For-Grade)と、大学に通報した。2019年5月(56歳)、ペトリー教授は、イリノイ大学アーバナシャンペーン校がセクハラ調査をやめる代わりに退職するという示談に応じ、退職した。ところが、ナクヴィが主張した「成績セックス(Sex-For-Grade)」の要求はウソだったことがバレた。2020年6月(57歳)、ペトリー教授は、イリノイ大学アーバナシャンペーン校に約7億9千万円の損害賠償を要求する裁判を起こした。記事執筆時点で裁判の決着はついていない。国民の損害額(推定)は2億円(大雑把)。

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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
5.セクハラ発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
8.主要情報源
9.コメント
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●1.【概略】

ジョセフ・ペトリー(Joseph Petry、Joseph A. Petry、Joe Petry、写真左、出典)は、イリノイ大学アーバナシャンペーン校(University of Illinois at Urbana-Champaign)・教授で、専門は経済学だった。

2014年(51歳)、ペトリー教授はシャンペーン市長に立候補したので、地元の有名人である。

2018年9月(55歳)、ペトリー教授は、彼のオフィスで19歳の女性学生(学部2年生)のサマー・ナクヴィ(Summer S. Naqvi、上の写真右)に、前年度に取得した成績をもっと良い成績「A」に変更するよう要求されたが断った。

2018年xx月(55歳)、ナクヴィは反発して、良い成績と引き換えにペトリー教授がセックスを要求した(Sex-For-Grade)と大学に通報した。なお、この「Sex-For-Grade」の適切な日本語訳が見つからないので、「成績セックス」と訳した。

一方、ペトリー教授は社交メディアでナクヴィが自分の大学の学生とは知らずに交流していた。その交流で、ナクヴィの写真を送ってくれと依頼した。このことは認めた。しかし、成績セックス(Sex-For-Grade)を要求していないと否定した。

2019年5月31日(56歳)、ペトリー教授はしかし、イリノイ大学アーバナシャンペーン校がセクハラ調査をやめる代わりに退職するという示談に応じ、退職した。

ところが、ナクヴィがペトリー教授から成績セックス(Sex-For-Grade)を要求されたのはウソだったことが、ペトリー教授の退職の頃に、バレた。つまり、セクハラは冤罪だった。ナクヴィはその証拠(ねつ造証拠)を隠滅しようと刑事事件を起こし、逮捕された。

ペトリー教授が辞任し、ナクヴィが逮捕されてから1年がたった2020年6月11日(57歳)、ペトリー教授は、2019年の辞任合意に違反したとして、イリノイ大学アーバナシャンペーン校に790万ドル(約7億9千万円)の損害賠償を求める契約違反訴訟を起こした。

2021年4月27日(58歳)現在、訴訟は10か月経過したが、審理は継続中だと思われる。白楽は経過(判決?)を把握していない。

イリノイ大学アーバナシャンペーン校(University of Illinois at Urbana-Champaign)。Photo by Joyce Seay-Knoblauch。写真出典

  • 国:米国
  • 成長国:米国
  • 研究博士号(PhD)取得:イリノイ大学アーバナシャンペーン校
  • 男女:男性
  • 生年月日:不明。仮に1963年1月1日生まれとする。2019年に56歳と新聞記事にあった
  • 現在の年齢:58歳
  • 分野:経済学
  • セクハラ行為:2018年(55歳)の数か月
  • 最初に訴えられた:2018年(55歳)
  • 社会に公表年:2019年(56歳)
  • 社会に公表時地位:イリノイ大学アーバナシャンペーン校・教授
  • ステップ1(発覚):第一次追及者は被害者の19歳の女性学生(学部2年生)のサマー・ナクヴィ(Summer S. Naqvi)で大学に公益通報
  • ステップ2(メディア):「Chronicle of Higher Education」紙と地元の多数のメディア
  • ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①イリノイ大学アーバナシャンペーン校・調査委員会。 ②裁判所
  • 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし
  • 大学・処分のウェブ上での公表:なし
  • 大学の透明性:大学以外が詳細をウェブ公表(⦿)
  • 不正:セクハラ。良い成績と引き換えにセックスを要求する「成績セックス(Sex-For-Grade」。ウソ
  • 被害者数:1人の女性学生だが、ウソ
  • 時期:研究キャリアの後期
  • 職:事件後は退職(Ⅹ)
  • 処分:退職
  • 日本人の弟子・友人:不明

【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は2億円(大雑把)。

●2.【経歴と経過】

出典:Joe Petry | LinkedIn

  • 生年月日:不明。仮に1963年1月1日生まれとする。2019年に56歳と新聞記事にあった。
  • 19xx年(xx歳):米国のイリノイ大学アーバナシャンペーン校(University of Illinois at Urbana-Champaign at Urbana-Champaign)で学士号取得:経済学
  • 1986-1991年(23-28歳):同大学で研究博士号(PhD)を取得:開発経済学および国際経済学
  • 1991-2001年(28-38歳):シティ銀行(Citi)などに勤務。金融アナリスト
  • 2001-2019年(38-56歳):イリノイ大学アーバナシャンペーン校(University of Illinois at Urbana-Champaign)・教授
  • 2014年(51歳):シャンペーン市長に立候補したが、落選
  • 2018年(55歳):女性学生・ナクヴィにセクハラと訴えられた
  • 2019年2月4日(56歳):セクハラ調査の中止で5月31日に退職するとした
  • 2019年4~5月(56歳):セクハラ被害者の女性学生・ナクヴィが社交メディアでセクハラを告発した
  • 2019年5月2日(56歳):セクハラ被害者の女性学生・ナクヴィがセクハラのデッチ挙げの証拠隠滅がらみで逮捕された
  • 2019年5月31日(56歳):イリノイ大学アーバナシャンペーン校を退職(retire)した
  • 2020年6月11日(57歳):イリノイ大学アーバナシャンペーン校・理事会に790万ドル(約7億9千万円)の契約違反訴訟を起こした

●3.【動画】

【動画1】
「altCensored」のセクハラ事件の説明動画:「She Didn’t Get an A, so She Tried to Destroy」(英語)11分31秒。
2019年5月15日に公開 以下をクリック
https://altcensored.com/watch?v=1l_eYamKDL8

●5.【セクハラ発覚の経緯と内容】

★ジョセフ・ペトリー(Joseph Petry)の人生

ジョセフ・ペトリー(Joseph Petry)はイリノイ大学アーバナシャンペーン校アーバナシャンペーン校(University of Illinois at Urbana-Champaign)で研究博士号(PhD)を取得し、いくつかの銀行に勤め、2001年(38歳)、イリノイ大学アーバナシャンペーン校(University of Illinois at Urbana-Champaign)の正教授になった。

2014年(51歳)、シャンペーン市長に立候補したので、妻の写真(出典)もウェブに掲載されている。

つまり、セクハラ事件を起こした時、ペトリーは結婚していた。住んでいるシャンペーン市の著名人だった。なお、子供の情報は見つからなかった。

★セクハラ事件

2018年9月(55歳)、ペトリー教授は、彼のオフィスで19歳の女性学生(学部2年生)のサマー・ナクヴィ(Summer S. Naqvi、写真出典)と会った。

この時、「ナクヴィは、前年度に取得した成績を変更するように私に熱心に訴えていました。それで、私は再履修して、よい結果になれば、成績Aを付けますと彼女に言いました。その後、私はナクヴィとは会っていません」、と述べた。

ところが、ナクヴィはペトリー教授の対応に不満で、良い成績と引き換えにセックスを要求された(Sex-For-Grade)とイリノイ大学アーバナシャンペーン校に告発した。

2019年2月4日(56歳)、イリノイ大学アーバナシャンペーン校はナクヴィの告発を真に受けてセクハラの調査をしていたが、ペトリー教授が2019年5月31日(56歳)に退職することで調査をやめるという示談に応じた。

2019年4月27日(56歳)、イリノイ大学アーバナシャンペーン校はペトリー教授の退職を公表し、2019年5月31日(56歳)、ペトリー教授は退職した。

ただ、イリノイ大学アーバナシャンペーン校はペトリー教授の退職は「家族の緊急事態」が原因と公表し、セクハラが原因だとは公表しなかった。

ペトリー教授の退職はセクハラが理由ということを大学が公表しないことにナクヴィは不満だった。

2019年4月9日(56歳)、それで、ペトリー教授の退職の18日前、ナクヴィは、「skitzzxo」という仮名で、以下のような内容の文章を社交メディア「Reddit」で公表した。

 → 2019年4月9日:Answered: Where is Petry? : UIUC

ジョー・ペトリー(前シャンペーン市長候補、経済統計学および財務教授)が休暇を取っている理由は「家族の緊急事態」または「突然の入院」ではありません。大学は隠蔽していますが、彼がセクハラ事件を起こし、大学が調査しているためです。私は被害者です。セクハラ文章と写真を大学警察に提出しました。ペトリーは私に写真を送るように要求し、お金と引き換えにセックス、そして経済統計学の成績A +と引き換えにセックス(Sex-For-Grade)を求めてきました。私が大学警察に訴えたので、彼の妻は、さまざまな社交メディアを通して膨大な量のメッセージを私に送ってきて、嫌がらせをしています。

2019年5月5日、ナクヴィは本名の「Sunny Naqvi」で、上記と同じ内容の文章を社交メディア「facebook」で公表した。

以下は「facebook」の冒頭部分(出典:同)。全文は →  → 2019年5月5日:Sunny Naqvi – I want to share what happened to me because… | Facebook

実は、ペトリー教授は退職する前の数週間、大学にいかず、講義もしなかった。その理由を、「家族の緊急事態」または「突然の入院」のためだと、イリノイ大学アーバナシャンペーン校は公表していた。

ナクヴィは、大学がペトリー教授のセクハラを隠蔽しているので、社交メディアで訴えたと述べている。

ペトリー教授は社交メディアでナクヴィと写真を共有し、通信したが、授業が終わって9か月後だったし、ナクヴィが元学生だったとは知らなかった、と反論した。

ペトリー教授の学部の授業では、1クラスの受講学生はとても多く、少なくとも1,000人はいたらしい。

それで、ペトリー教授はナクヴィが元学生だと知らなかったのはあり得る、と新聞は述べている。

そして、成績セックス(Sex-For-Grade)を要求したことはないと、ペトリー教授はセクハラ発言を否定した。

ただ、社交メディアで写真を送ってと言った事、不慣れな社交メディアで若い女性と交流した自分がバカだったとは認めている。

★サマー・ナクヴィ(Summer S. Naqvi)のセクハラでっちあげ証拠隠滅事件

2019年5月2日、ペトリー教授が退職する4週間前、社交メディアでナクヴィがペトリー教授のセクハラを暴露したころ、一転して、大学警察は、ナクヴィ(21歳)とウィリアム・ファレル(William T. Farrell、写真出典)(23歳)を、他人の住居に不法侵入し他人を拘束した容疑で起訴したと発表した。

ナクヴィは、ペトリー教授から受けたセクハラの証拠(実は、ねつ造した証拠)をナクヴィの元ボーイフレンドのコンピュータとスマホに保存していた。

そのファイルを削除しないと、セクハラの証拠がねつ造だとバレてしまう。

それで、ナクヴィは、現在のボーイフレンドのファレル(William T. Farrell)をそそのかして、元ボーイフレンドのアパートを訪れ、無理やり部屋に入り、元ボーイフレンドのコンピュータとスマホからねつ造情報を削除するよう要求した。

ところが、元ボーイフレンドは削除を拒否した。それで2人は揉みあいになった。

元ボーイフレンドがファレルの尻ポケットのナイフを取りあげ、部屋の隅に放り投げた。すると、ナクヴィがそのナイフを拾ってきて、ファレルに渡した。ファレルが元ボーイフレンドの喉にナイフをあてて脅している間、ナクヴィは元ボーイフレンドのコンピュータとスマホからねつ造情報を削除した。幸いなことに、元ボーイフレンドは肉体的な傷をつけられなかった。

2019年5月7日、元ボーイフレンドが警察に訴え、事件の5日後、ナクヴィとファレルは逮捕された。

★ペトリー教授が約7億9千万円要求の裁判

ペトリー教授が辞任し、ナクヴィとファレルが逮捕されてから1年がたった。

2020年6月11日(57歳)、ペトリー教授は、2019年の辞任合意に違反したとして、イリノイ大学アーバナシャンペーン校に790万ドル(約7億9千万円)の契約違反訴訟を起こした。

以下は法律事務所「Webber & Thies 社」がペトリー教授の了承のもとに公開した法的文書の冒頭部分(出典:同)。全文39頁は → https://www.wcia.com/wp-content/uploads/sites/44/2020/06/2020-06-11-Press-Release-attachments.pdf

以下は上記の法的文書による。

イリノイ大学アーバナシャンペーン校はペトリー教授の辞任と引き換えに、彼に対するセクハラ調査を中止するという約束で示談契約をした。

ところが、大学はこの約束をした数日後、セクハラ調査を継続したいとペトリー教授に打診した。ペトリー教授はその変更を拒否した。しかし、大学は契約した法的義務を無視し、セクハラ調査を続けた。

ところが、ナクヴィのセクハラ告発はウソだったのだ。ナクヴィがペトリー教授を脅迫して成績を変更しようとして失敗した結果、復讐したのだ。

大学は、ナクヴィのセクハラ告発がウソの主張とウスウス気がついて、セクハラ調査を続けたらしい。

ナクヴィのセクハラ告発がウソだと確信し、ペトリー教授は大学の性不正規則に違反していないことを認めるまで、大学は、ほぼ1年間、セクハラ調査を続けた。

故意にペトリー教授との示談合意に違反してでも、セクハラ調査を進めることで、大学は、セクハラ告発に弱いという批判を避けることを優先したのだ。

しかし、大学がセクハラ調査を継続した結果、複数の新聞、雑誌、テレビ、オンライン、社交メディアがニュース記事としてペトリー教授のセクハラ事件を報道した。

そのために、ペトリー教授は、雇用機会の喪失、評判の低下、精神的苦痛など、大学が契約違反したことで大きな被害を被った。

イリノイ大学アーバナシャンペーン校を辞任した後、ペトリー教授は、10回以上も学術研究職に応募し、30回以上も民間部門の求人に応募したが、まともに相手にされなかった。ほとんどの場合、何も返事してくれないという扱いを受けた。

ペトリー教授が要求した損害賠償の大部分は、2019年の56歳から2038年の75歳までの収入に基づく520万ドル(約5億2千万円)の賃金損失である。

2021年4月27日(58歳)現在、ペトリー教授がイリノイ大学アーバナシャンペーン校に対して起こした訴訟の結論を、白楽は把握していない。3か月前の2021年1月27日の「WCIA」記事では、訴訟は継続中だとあった。 → 2021年1月27日の「WCIA」記事:Lawsuit against UI continues | WCIA.com

【セクハラの具体例】

上記したので省略。

●6.【論文数と撤回論文とパブピア】

省略

●7.【白楽の感想】

《1》性不正の冤罪

ペトリー事件で、ペトリー教授は良い成績と引き換えにセックスを要求した(Sex-For-Grade)として19歳の女性学生・ナクヴィに訴えられた。

大学はロクな調査もせず、女性学生・ナクヴィのウソの訴えを真に受けて、ペトリー教授を退職に追いやった。

国によって異なるだろうが、米国、そして日本では、性不正の冤罪は何%くらいあるのだろうか?

性不正の冤罪が起こる多くの理由は、調査を担当する大学事務員・教員の偏見が大きいためだろう。そして、無知・無能も大きい。

大学事務員・教員は性不正事件に遭遇することはマレである。現在のシステムでは担当者が事件の対処方法を知らない、無知・無能というケースが大半だろう。結果として、ズサンな対応・調査になる。そして、間違った判定をしてしまう。

今回のペトリー事件では、学生のウソの訴えを確信するまで、数か月かかったようだが、その前に、告発された教授を辞職に追いやっている。

女性学生・ナクヴィがというより、イリノイ大学アーバナシャンペーン校がペトリー教授の人生を滅茶苦茶にしてしまった。

今回、ペトリー教授は損害賠償金として790万ドル(約7億9千万円)を要求する裁判を大学に対して起こしている。

日本で、性不正の冤罪で、教員が損害賠償を求めて妥当な裁判を起こす時、妥当な金額はいくらになるのか、白楽は把握していない。そもそも、そのような裁判がどれだけあったのかを把握していない。

どれほどあるのだろうか?

《2》成績セックス(Sex-For-Grade)  

米国の性不正の事件を調べると、良い成績と引き換えにセックスを要求されたという成績セックス事件にそこそこ出くわす。アフリカ(2019年10月7日のBBC動画)、インドにも類似の成績セックス事件が起こっている。

日本では、この成績セックス事件を全く聞かない。「あるけど」聞かないのか、「ないから」聞かないのか、よくわからない。

白楽は、日本の女性大学に約30年勤務していたが、そういう話を1度も見聞きしていない。日本にはほとんどない事件だと思われる。

ただ、白楽の場合、「セックスを要求していない」と証明する準備も設備も心構えもなかった。学生との会話をイチイチ記録していなかったし、今でも、する人はいないだろう。

だから、もし、女性学生から成績セックスを要求されたと訴えられたら、反論の証拠がない。

その場合、どうなる(なった)のだろう?

《3》日本は先進国と価値観を共有していない

日頃から感じていることだが、ペトリー事件ではハッキリしているので、ここで述べよう。

日本の主要メディアの貧困さである。

「日本は先進国と同じ価値観を共有している」というが、ネカト事件や性不正・アカハラ事件では、日本は米国とは大きく異なる対処をしている。多分、先進国の中では極めて異質だろう。「同じ価値観を共有している」とはとても言えない。

ペトリー事件は米国のセクハラ事件だが、ペトリー教授の名前・顔写真が公表されている。被害者(後に加害者)の19歳の女性学生・サマー・ナクヴィ(Summer S. Naqvi)の名前・顔写真も公表されている。

加害者・被害者がハッキリ公表されているので、事件を具体的に知ることができる。

ところが、日本は、性不正事件で加害者・被害者の名前は公表されない。顔写真などトンデモナイ状況である。

被害者の名前を公表しなくてもいいけど、加害者の名前は是非公表すべきである。

公表しないために、大学は学生の安全ではなく、加害教員を守っていることになる。結局、加害教員は別の女性学生を再び性的暴行しやすくなる。事件のほとぼりが冷めた頃、実際に再犯事件を起こした例がある。

大学は性的加害教員を保護し、キャンパス内で性的犯罪を促進しているかのようだ。所属する学生・院生・教職員の安全を守っていない。

それにしても、日本は大学だけでなく社会全体が隠蔽体質になってしまった。

日本はどうして事実に直面しない・できない、異常な軟弱社会になってしまったのだろうか?

これでは、事の本質を見ていくことが難しい。「某大学の某氏がセクハラしました」などの記事が多い。しかし、この報道は誰のためなのだ。こんな情報を報道する意味はほとんどない。報道の基本は「5W1H」でしょう。 → 【メディアポ】新聞記者の仕事 記事の原則は5W1H

性不正事件ではなく、ネカトやクログレイでも隠蔽報道をする。例えば、以下だ。

2021年4月10日の「撤回監視(Retraction Watch)」は、新潟大学の二重投稿事件のニュースで、「大学は科学者の名前をあげなかった(Officials did not name the scientist)」と批判的に書いている。 → Weekend reads– Retraction Watch

日本の主要メディアは、しっかり取材し記事にすることをせず、大学の発表や警察の発表をそのまま伝えるだけになってしまった。

新聞記者は自分で取材し、綿密でダイナミックな記事を、どうして書かないのだろう?

メディアが「社会の木鐸」になっていない。これでいいんだろうか?

こんなありさまだから、残念だけど、学術界のネカト事件報道は表面的で、問題の解決にあまり役立たない。国民に事実を伝えていない。

2021年4月20日発表の「世界報道自由度ランキング」で、2021年は日本は67位である。 → Japan | RSF(解説:世界報道自由度ランキング2021/日本は67位!? | よろず堂通信

韓国と比較する意味はないけど、韓国は42位で、韓国よりかなり悪い。

日本は欧米先進国とはかけ離れたランクにいる「報道不自由国」だ。

「報道不自由国」だと、報道の力を借りてネカト問題を解決するのは難しい。

なんとかならないのだろうか?

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日本がスポーツ、観光、娯楽を過度に追及する現状は日本の衰退を早め、ギリシャ化を促進する。日本は、40年後に現人口の22%が減少し、今後、飛躍的な経済の発展はない。科学技術と教育を基幹にした堅実・健全で成熟した人間社会をめざすべきだ。科学技術と教育の基本は信頼である。信頼の条件は公正・誠実(integrity)である。人はズルをする。人は過ちを犯す。人は間違える。その前提で、公正・誠実(integrity)を高め維持すべきだ。
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●8.【主要情報源】

① 2019年5月8日のピエール・アルール(Pierre Alleur)記者の「False Victim of Sexual Misconduct」記事:Summer Sundas Naqvi | False Victim of Sexual Misconduct
② 2019年5月10日のキャサリン・マンガン(Katherine Mangan)記者の「Chronicle of Higher Education」記事:Student Who Accused Professor of Sex-for-Grades Harassment Is Arrested on Related Charge保存版
③ 2019年5月14日のグレッグ・パイパー(Greg Piper)記者の「College Fix」記事:She accused a professor of offering a better grade for sex. Then she tried to destroy evidence. | The College Fix
④ 2020年2月26日のメアリー・シェンク(Mary Schenk)記者の「news-gazette」記事:Ex-UI students charged in May incident facing new allegations | Courts-police-fire | news-gazette.com
⑤ 2020年6月12日のデブラ・プレッシー(Debra Pressey)記者の「news-gazette」記事:Ex-professor accused of sexual harassment files $7.9 million lawsuit against UI | University-illinois | news-gazette.com 、保存版https://archive.ph/wip/Gos1C
⑥ 2020年6月22日のポール・キャロン(Paul Caron)記者の「TaxProf Blog」記事:Former Economics Professor Files $7.9 Million Lawsuit Against University Of Illinois For Damages To His Reputation From Baseless Grades-For-Sex Investigation
⑦ 2020年6月24日のヘザー・ロビンソン(Heather Robinson)記者の「Daily Illini」記事:Former professor seeks $7.9 million in lawsuit against University | The Daily Illini
⑧ 2021年1月27日の「WCIA」記事:Lawsuit against UI continues | WCIA.com
⑨ 2021年4月にジョセフ・ペトリー(Joseph Petry) 本人のウェブサイトを開設: Joseph Petry

★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。

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