ヤヒヤ・アブデュラヒ(Yahya Abdulahi)(米)

ワンポイント:1996年に研究公正局が盗用・データ不正と発表した男性研究員の詳細不明事件

【概略】
Lost_or_Unknown_svgヤヒヤ・アブデュラヒ(Yahya Abdulahi、顔写真未発見)は、エチオピアで研究博士号(PhD)を取得した男性である(推定)。米国・クラーク・アトランタ大学(Clark Atlanta University)・研究員で、専門は環境生物だった。医師ではない。

1996年(42歳?)、研究公正局がアブデュラヒの盗用とデータ不正を発表した。3年間の締め出し処分(debarment)を科した。

ヤヒヤ・アブデュラヒ(Yahya Abdulahi)なお、クラーク・アトランタ大学(Clark Atlanta University)は、元々、黒人の大学だった。サイトを見ると、現在も黒人が多い。

ヤヒヤ・アブデュラヒ(Yahya Abdulahi)2クラーク・アトランタ大学(Clark Atlanta University)。写真出典

  • 国:米国
  • 成長国:エチオピア?
  • 研究博士号(PhD)取得:あり
  • 男女:男性
  • 生年月日:不明。仮に1954年1月1日生まれとする。1981年4月の最初の論文発表を27歳とした
  • 現在の年齢:70 歳?
  • 分野:環境生物
  • 最初の不正論文発表:1995年?(41歳?)
  • 発覚年:1995年?(41歳?)
  • 発覚時地位:米国・クラーク・アトランタ大学・研究員
  • 発覚:
  • 調査:①クラーク・アトランタ大学・調査委員会。②研究公正局。~1996年8月9日
  • 不正:盗用とデータ不正
  • 不正論文数:1報。研究費申請書
  • 時期:研究キャリアの中期
  • 結末:辞職(推定)

【経歴と経過】
ほとんど不明

  • 生年月日:不明。仮に1954年1月1日生まれとする。1981年4月の最初の論文発表を27歳とした
  • 19xx年(xx歳):xx大学で研究博士号(PhD)を取得した
  • 19xx年(xx歳):米国・クラーク・アトランタ大学(Clark Atlanta University)・研究員
  • 1996年8月9日(42歳?):研究公正局がアブデュラヒの盗用とデータ不正を発表した

【不正発覚の経緯と内容】

研究公正局の報告(【主要情報源】①)によると以下のようである。

「Journal of Environmental Health」の論文の文章と概念に盗用があった。なお、研究公正局の報告には論文の書誌情報が記載されていない。

白楽が調べると、「Journal of Environmental Health」誌にはアブデュラヒが著者の論文はない。ということは、原稿段階で不正が発覚し、論文は出版されていないのだろう。

研究公正局の報告によると、アブデュラヒの研究費申請書は、「説明」「背景」「意義」「重要性」「研究デザインと方法」「文献引用」の部分で広範に盗用がみつかった。「予備研究」セクションでは、盗用・データ不正があった。

研究費申請書なので、第三者は具体的な不正内容を把握できない。

【論文数と撤回論文】

2016年5月5日現在、パブメド(PubMed)で、ヤヒヤ・アブデュラヒ(Yahya Abdulahi)の論文を「Abdulahi Y [Author]」で検索すると、1981年と1982年の「Ethiop Med J.」誌の3論文と1991年の米国・アトランタの科学研究所(Science Research Institute)の1論文の計4論文がヒットした。

「Ethiop Med J.」論文の原典を見ていないので、著者のその時の所属はわからない。1981年と1982年に「Ethiop Med J.」誌に発表していることから、アブデュラヒは、このときはエチオピアにいたと思われる。

2016年5月5日現在、撤回論文はない。

【白楽の感想】

《1》詳細は不明

以下、別の記事にも書いたのと同じ文言です。

この事件の詳細は不明です。

どうして盗用をしたのか? どう発覚したのか? 研究機関はどんな改善策を施したのか? 事例分析し、研究ネカトシステムの改善につながる点、学べる点は何か?

全くわかりません。

ブログでは、比較的、情報が得られる事件を解説しているが、実は、この事件のように、詳細が不明なことが多い。事件が報道された時点では、もっと情報があったと思われるが、適切に分析し記録を残さないと霧散してしまう。

【主要情報源】
① 1996年8月9日の研究公正局の報告:NIH Guide: FINDINGS OF SCIENTIFIC MISCONDUCT
★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。

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