2015年6月13日掲載、2026年2月24日(火)更新
【長文注意】。サルカールは、インド出身で、米国・ミシガン州のウェイン州立大学の教授(病理学)になった。NIHから総額1,342万ドル(約13億円)の研究費を得る有力な研究者だった。ところが、2013年11月9日(61歳)、「パブピア(PubPeer)」で論文中の図の不正加工が指摘された。丁度その頃、サルカールはウェイン州立大学からミシシッピ大学に移籍する話を進めていた。しかし、2014年6月19日(62歳)、「パブピア(PubPeer)」で論文不正が指摘されていることを理由にミシシッピ大学は、サルカールの採用を急に中止した。2014年8月(62歳)、サルカールは「パブピア(PubPeer)」の匿名者を開示するよう「パブピア(PubPeer)」を法的に訴えた。結局、敗訴したが、サルカールの研究人生は狂ってしまった。ネカト実行者はサルカール自身ではなく、複数の室員と思われるが、サルカールの41論文が撤回され、2026年2月23日現在、「撤回論文数」世界ランキングの第17位(番号は18番)である。サルカール事件は、「「The Scientist」誌の科学トップ・スキャンダル」の2014年・第2位の事件にもなった。2年前の2024年3月6日(72歳)、逝去。 国民の損害額(推定)は10億円(大雑把)。
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過:年代記(タイムライン)
5.事件の経緯
《1》不正発覚と内容
《2》脅迫と裁判
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
9.主要情報源
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●1.【概略】
フォジュルル・サルカール(Fazlul Sarkar、Fazlul H Sarkar、 写真出典)は、インド出身で、米国・ミシガン州のウェイン州立大学(Wayne State University)の著名な教授(病理学)になった。専門はがんの細胞生物学だった。2024年3月6日(72歳)、逝去。 → Fazlul Hoque Sarkar Obituary
サルカールは、がんにおける転写因子NF-κB(エヌエフ・カッパー・ビー、核内因子)の役割の研究などで、数百報の論文を出版し、その内、100回以上引用された論文は38報もある。米国・NIHから1,342万ドル(約13億円)の研究費を得ていた。
2013年11月9日(61歳)、「パブピア(PubPeer)」で論文中の図の不正加工が指摘された。
なお、「パブピア(PubPeer)」は匿名で運営されている出版後査読(post publication peer-review)サイトの1つで、2012年10月に発足した。
つまり、「パブピア(PubPeer)」は、発足してからほぼ1年が経った頃なので、スキルもそうだろうが、学術界の位置・評価なども安定しておらず、試行錯誤で運営していたと思う。
丁度その頃、サルカールはウェイン州立大学・教授からミシシッピ大学・医科大学院・薬学の教授に移籍する話を進めていた。
「パブピア(PubPeer)」で不正が指摘された翌日の2013年11月10日(61歳)、クレア・フランシスは、論文不正が指摘されている旨をウェイン州立大学(ミシシッピ大学ではない)の理事会事務局長に伝えた。
2014年5月19日(62歳)、サルカールはウェイン州立大学を辞職した。さらに、自宅売却の広告を出し、ミシシッピ大学が提供する宿舎に引っ越した。
しかし、1か月後の2014年6月19日(62歳)、論文不正を理由にミシシッピ大学は、サルカールの採用を急に中止した。
それで、結局、サルカールは路頭に迷う形になった。
2014年8月11日(62歳)、交渉の末、ウェイン州立大学に1年間のみ再雇用してもらった。
2014年8月(62歳)、サルカールは「パブピア(PubPeer)」を法的に訴えると脅迫し、同年10月(62歳)、匿名投稿者の身元を開示するよう実際に訴えた。開示させた情報を基に、損害賠償の裁判を起こす予定だった。
2015年3月5日(63歳)、しかし、 裁判官は、コメント投稿者のうち1名を除く全員の匿名性を保てる判決を下した。サルカールの敗訴だった。
この判決は、「パブピア(PubPeer)」に匿名で研究不正疑惑をコメントしても、法的に開示しなくて良いことになった名判決で、ネカトハンティング活動を擁護する記念碑的判決だった。
と同時に、この事件を通して、「パブピア(PubPeer)」は体制をいろいろと刷新し、投稿者の匿名を維持するシステムを強化した。
2015年8月、その流れで、非営利のPubPeer Foundation(パブピア基金)として再組織化し、それまで匿名だった運営側もブランドン・ステル(Brandon Stell)が責任者として所属や顔写真を公開し、学術界にリアルな姿を示すようになった。
話をサルカールに戻すと、サルカール の41論文が撤回され、2026年2月23日現在、「撤回論文数」世界ランキングの第17位(番号は18番)にランクされている。2018年12月25日時点や2019年4月27日時点ではトップ10入りしていて、第9位だった。
なお、サルカールの研究不正は、サルカール自身が実行者とは思えない。
研究室に不正文化が蔓延していて、多数の室員がネカトをしたと思われる。
サルカールは NIH・国立がん研究所から約13億円の研究費を獲得し、研究不正で41論文が撤回されているのに、研究公正局の案件になっていない。
サルカールの室員(ポスドク)だったジーウェイ・ワン、王志伟(Zhiwei Wang)は、2020年、研究公正局からクロと判定され、10年間の締め出し処分が科された。 → 「博士号はく奪」:ジーウェイ・ワン、王志伟(Zhiwei Wang)(米) | 白楽の研究者倫理
ジーウェイ・ワンは、サルカールの 41撤回論文中の29論文で共著者になっていた。
しかし、ジーウェイ・ワンだけがネカト実行者とは思えない。別のポスドク(?)のアミール・アフマド(Aamir Ahmad)は、サルカールの 41撤回論文中の13論文で共著者になっている。13撤回論文のうち10論文はジーウェイ・ワンも著者だが、3撤回論文はジーウェイ・ワンが著者に入っていない。
サルカール事件は、「「The Scientist」誌の科学トップ・スキャンダル」の2014年・第2位の事件である → 2014年ネカト世界ランキング | 白楽の研究者倫理
国民の損害額(推定)は10億円(大雑把)。
ミシガン州のウェイン州立大学(Wayne State University)。写真出典
国:米国- 成長国:インド
- 研究博士号(PhD)取得:インドのバナラス・ヒンドゥ大学(Banaras Hindu University)
- 男女:男性
- 生年月日:1952年1月26日。インドで生まれた(推定)
- 2024年3月6日(72歳):逝去:Fazlul Hoque Sarkar Obituary
- 分野:がん学
- 不正疑惑実行:1999~2014年(47~62歳)の16年間
- 不正疑惑実行時の地位:ウェイン州立大学・正教授
- 発覚年:2013年(61歳)
- 発覚時地位:ウェイン州立大学・正教授
- ステップ1(発覚):匿名者(クレア・フランシス?)が「パブピア(PubPeer)」 で論文の不正を指摘した
- ステップ2(メディア):「パブピア(PubPeer)」 、「Scientist」
- ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①ウェイン州立大学・調査委員会。②裁判所
- 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし。アメリカ自由人権協会が公開した(全文360ページ)。 → https://www.aclu.org/sites/default/files/field_document/2016.11.16_mi_appeals_pubpeer_motion_to_supplement_the_record.pdf
- 大学の透明性:大学はウェブ公表なし(✖)
- 不正:データ捏造・改ざん
- 不正論文数:41論文が撤回、「パブピア(PubPeer)」で83論文にコメント
- 時期:研究キャリアの中期・後期
- 職:移籍途中だったので実質的に失職
- 処分:なし
- 対処問題:
- 特徴:①2026年2月23日現在、「撤回論文数」世界ランキングの第17位(番号は18番)にランク。②他大学への移籍手続き中に研究不正が指摘され、移籍前の大学を辞職してたのに、移籍予定先から移籍中止。③ 「パブピア(PubPeer)」の匿名投稿者の開示を要求する裁判で敗訴。その結果、「パブピア(PubPeer)」は匿名性を強化した。④本人は研究不正実行者ではなく、複数の室員が実行者と思われる。⑤事件の詳細な年代記(タイムライン)が公表されている。
- 日本人の弟子・友人:不明
【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は10億円(大雑把)。
●2.【経歴と経過:年代記(タイムライン)】
「撤回監視」が年代記(タイムライン)を作成した。→ 2016年8月12 日記事:Meet the researcher with 13 retractions who’s trying to sue PubPeer commenters: Fazlul Sarkar – Retraction Watch
以下は上記の年代記を主軸に別情報を若干加えた。
- 生年月日:1952年1月26日。インドで生まれた(推定):Fazlul Hoque Sarkar Obituary
- 1971年(19歳):インドのコルカタ大学(カルカッタ大学、Calcutta University)で学士号取得:理学
- 1974年(22歳):インドのアリーガル・ムスリム大学(Aligarh Muslim University)で修士号取得:生化学
- 1978年(26歳):インドのバナラス・ヒンドゥ大学(Banaras Hindu University)で研究博士号(PhD)取得:生化学
- 1979~1982年(27~30歳):米国・ニューヨークのスローン・ケタリング記念癌研究所(Memorial Sloan Kettering Cancer Center)でポスドク
- 1982~1984年(30~32歳):同研究所・研究員
- 1984年(32歳):ミシガン州のオークランド大学(Oakland University)・助教授
- 1989年(37歳):ミシガン州のウェイン州立大学(Wayne State University)・準教授。後に正教授
- 1999~2014年(47~62歳):この16年間の83論文に「パブピア(PubPeer)」のコメントがある
- 2006~2013年(54~61歳):この8年間の41論文が後に撤回された
- 2011年10月18日(59歳):ウェイン州立大学・殊勲教授(Distinguished Professor)。ウェイン州立大学は、1959年以来、31人しか殊勲教授を授与していない
2011年11月23日(59歳):サルカール(Fazlul Sarkar)編集の著書『Nutraceuticals and Cancer』 (英語) が出版(右)- 2013年(61歳):米国のミシシッピ大学(University of Mississippi)・教授に移籍する話を進めた。:Wayne State professor to join pharmacy faculty – University of Mississippi Medical Center
- 2013年9月13日(61歳):ミシシッピ大学は採用条件を通知した。年俸$350,000(約3,500万円)。75万ドル(約7,500万円)のスタートアップ資金。2人の準教授の採用枠、複数の助教授と研究員の採用枠の提供。
- 2013年11月9日(61歳):「パブピア(PubPeer)」でデータねつ造が最初に指摘された
- 2013年11月10日(61歳):クレア・フランシスは、「パブピア(PubPeer)」 での指摘をウェイン州立大学(ミシシッピ大学ではない)の理事会事務局長に伝えた
- 2014年3月11日(62歳):ミシシッピ大学から7月1日に着任の正式書類を受け取った
- 2014年4月18日(62歳):ミシシッピ大学への移籍を了承し契約書にサインした
- 2014年5月15日(62歳):ミシシッピ大学の終身雇用権が認められた
- 2014年5月19日(62歳):ウェイン州立大学に辞表を提出し、辞職した。そして、自宅売却の広告を出し、ミシシッピ大学が提供する宿舎に引っ越した
- 2014年6月19日(62歳):ミシシッピ大学・医科大学院のラリー・ウォルカー所長(Larry Walker、Director of the National Center for Natural Products Research)から、ミシシッピ大学への採用を取り消すという手紙が郵送された
- 2014年6月20日(62歳):ウェイン州立大学に辞任を取り消すよう動いた
- 2014年8月11日(62歳):ウェイン州立大学は再任したが、任期は 2015 年 7 月 30 日までの 1 年間のみだった
- 2014年8月18日(62歳):「パブピア(PubPeer)」を脅迫した
- 2014年10月9日(62歳):「パブピア(PubPeer)」投稿者の開示を裁判に訴えた
- 2014年10月13日(62歳): 裁判官はPubPeer に召喚状を出し、11 月 10 日までにコメント投稿者の名前を明らかにするよう命じた
- 2015年3月5日(63歳): 裁判官は、コメント投稿者のうち1名を除く全員の匿名性を保てる判決を下した。サルカールの敗訴
- 2016年4月26日(64歳):ウェイン州立大学の退職者リストにサルカールが載っていた
- 2016年6月15日(64歳):サルカールの5論文が撤回された。この後、複数の論文が撤回された
- 2016年8月13日(64歳):サルカールはマレーシアのマラヤ大学(University of Malaya)・教授(?)に就任した
- 2016年11月17日(64歳): ウェイン州立大学の調査報告書が公開 → https://www.aclu.org/sites/default/files/field_document/2016.11.16_mi_appeals_pubpeer_motion_to_supplement_the_record.pdf
- 2024年3月6日(72歳):逝去:Fazlul Hoque Sarkar Obituary
●5.【事件の経緯】
【1.不正発覚と内容】
フォジュルル・サルカール(Fazlul Sarkar、Fazlul H Sarkar)は、NIH・国立がん研究所から1993~2015年の23年間に52件、計13,421,834ドル(約13億円)の研究費を獲得していた。巨額である。以下、2015年の2件を示す。 → RePORT ⟩ Fazlul H Sarkar

2026年2月23日現在、サルカールが 1999~2014年(47~62歳)に出版した83論文が「パブピア(PubPeer)」で疑惑視されている。
最初の指摘は、2013年11月9日(61歳)、サルカールの「 2006年3月のMol. Cancer Ther.」論文 が対象だった。以下にその論文(撤回された)ともう1つの論文(撤回されていない)を示す。83疑惑論文中の2 論文である。
★「2006年3月のMol. Cancer Ther.」論文
「2006年3月のMol. Cancer Ther.」論文の書誌情報を以下に示す。2018年10月1日撤回された。 → 撤回公告
- Down-regulation of Notch-1 contributes to cell growth inhibition and apoptosis in pancreatic cancer cells.
Wang Z, Zhang Y, Li Y, Banerjee S, Liao J, Sarkar FH.
Mol Cancer Ther. 2006 Mar;5(3):483-93. doi: 10.1158/1535-7163.MCT-05-0299.
Retraction in: Mol Cancer Ther. 2018 Oct;17(10):2268. doi: 10.1158/1535-7163.MCT-18-0524.PMID: 16546962
後述するジーウェイ・ワン、王志伟(Zhiwei Wang)が第一著者で、サンジーヴ・バネルジー(Sanjeev Banerjee)が第4著者である。
不正行為は、画像の使い回しである。
以下に見るように、メチャクチャに不正加工している。撤回は妥当ですね。
ーーー図1D ーーー
下図の左の図1Dが、右の実験条件が異なる別の論文の図2Cと同じである(赤矢印の列)。また、バンドの使いまわし(赤丸)もある(出典https://pubpeer.com/publications/16546962)。

ーーー図6D ーーー
下図の右の図6Dが、左の実験条件が異なる別の論文の図3Aと同じである(出典https://pubpeer.com/publications/16546962)。

ーーー図8A ーーー
下図の右の図8Aが、左の実験条件が異なる別の論文の図5Aと同じである(出典https://pubpeer.com/publications/16546962)。

ーーー図7Bーーー
下図の上の図7Bを横に縮めると、下の実験条件が異なる別の論文の図5Aと同じである(出典https://pubpeer.com/publications/16546962)。

不正加工が満載で、論文撤回は当然ですね。
★「2005年10月のCancer Res.」論文
「2005年10月のCancer Res.」論文の書誌情報を以下に示す。2026年2月23日現在、撤回されていない。
- Molecular evidence for increased antitumor activity of gemcitabine by genistein in vitro and in vivo using an orthotopic model of pancreatic cancer.
Banerjee S, Zhang Y, Ali S, Bhuiyan M, Wang Z, Chiao PJ, Philip PA, Abbruzzese J, Sarkar FH.
Cancer Res. 2005 Oct 1;65(19):9064-72. doi: 10.1158/0008-5472.CAN-05-1330.PMID: 16204081
後述するジーウェイ・ワン、王志伟(Zhiwei Wang)が第5著者で、サンジーヴ・バネルジー(Sanjeev Banerjee)が第一著者である。
不正行為は、画像の使い回しである。
以下に見るように、不正加工は明白である。学術誌はナゼ撤回しないのでしょうね。
ーーー図3Bと3D ーーー
左の図3Bと3Dの左側の2列が同じ画像である。3Dの2列は、右図に示すように3Bの2列を反転させたものだ。右図では、バンドだけでなく、同じ位置に周囲の複数のゴミ(黒い点)があるので、明白に同じ画像である(出典https://pubpeer.com/publications/16204081)。
最初に論文の図3を以下に示す(出典:原著論文)。
この図3は、上記の指摘点以外にも同様な不正加工がされていた(出典https://pubpeer.com/publications/16204081)。つまり、データ捏造・改ざんである。

●【2.脅迫と裁判】
★ ミシシッピ大学への移籍失敗
フォジュルル・サルカール(Fazlul Sarkar)の不正加工画像は、2013年11月9日(61歳)に最初に指摘された。
丁度その頃、サルカールはウェイン州立大学からミシシッピ大学・医科大学院(University of Mississippi Medical Center)・薬学の教授に移籍する話を進めていた。
不正が指摘される2か月前の2013年9月13日(61歳)、ミシシッピ大学はサルカールに採用の見込み条件を通知した。
その条件は、特別教授職への就任で年俸35万ドル(約3,500万円)、1万5千ドル(約150万円)の引っ越し費用、75万ドル(約7,500万円)の研究室開設初期費用が約束された。それに加え、2人の準教授の採用枠、複数の助教授と研究員の採用枠も提示された。かなり好待遇である。
採用の見込み条件の通知と同時に、ミシシッピ大学はサルカールの審査を始めた。
不正が指摘された翌日の2013年11月10日(61歳)、クレア・フランシスは、「パブピア(PubPeer)」 で論文の不正が指摘されていることをウェイン州立大学(ミシシッピ大学ではない)の理事会事務局長に伝えた。
以下、出来事を年代記(タイムライン)で示す。主語はサルカールである
- 2014年3月11日(62歳):ミシシッピ大学から7月1日に着任の正式書類を受け取った
- 2014年4月18日(62歳):ミシシッピ大学への移籍を了承し契約書にサインした
- 2014年5月15日(62歳):ミシシッピ大学の終身雇用権が認められた
- 2014年5月19日(62歳):ウェイン州立大学に辞表を辞職した。自宅の売却の広告を出し、ミシシッピ大学が提供する宿舎に引っ越した
- 2014年6月19日(62歳):ミシシッピ大学・医科大学院のラリー・ウォルカー所長(Larry Walker、Director of the National Center for Natural Products Research)から、ミシシッピ大学への採用を取り消すという手紙が郵送されてきた
- 2014年6月20日(62歳):ウェイン州立大学に辞任を取り消すよう動いた
- 2014年8月11日(62歳):ウェイン州立大学は再任したが、任期は 2015 年 7 月 30 日までの 1 年間のみとした

ミシシッピ大学(University of Mississippi)
―――別の人の日本語解説――――――
ミシシッピ大学への移籍ゴタゴタの日本語解説がある。
執筆者名不記載の「BioMedサーカス.com」の日本語の解説(2014年11月24日更新)がある。
白楽が書いても同じ内容になるので、少し長いけど、以下、それを修正引用した(BioMedサーカス.com – 医学生物学研究の総合ポータルサイト)(保存版)。
発表済みの論文について匿名で議論するパブピア(PubPeer)というサイトでの中傷的な書き込みにより、せっかくの採用内定を取り消されたとして、ある研究者が書き込みを行った人物の情報を開示するようパブピア(PubPeer)に求めている。しかし、パブピア側はこれに対して争う姿勢を見せいている。
この研究者は米国のウェイン州立大学(Wayne State University)のフォジュルル・サルカール(Fazlul Sarkar)という人物で、ミシシッピ大学からの終身雇用付きポジションの内定を獲得していた。しかし、ミシシッピ大学はパブピア上の書き込みを見て内定を取り消した。
サルカール氏は現在もウェイン州立大学に留まっており、2014年10月9日にその書き込みを行った人物を相手取って訴訟を起こし、パブピアに対して書き込みを行った人物のIPアドレス等の情報を開示するよう要請している。
その後、パブピアがこの要請に対して回答するのに2014年12月10日まで猶予が与えられることになった。パブピアの弁護士によれば、パブピアの管理者(匿名であるが自称若手研究者としている)は、書き込みは中傷ではないとしてサルカール氏の要請の根拠を却下する姿勢である。
このケースでパブピアを支援しているアメリカ自由人権協会(American Civil Liberties Union)のアレックス・アブド(Alex Abdo)氏は「パブピアは、合法的であれば、利用者たちは匿名で書き込みをする権利があると強く信じている」と言う。
サルカール氏の弁護士は、ミシシッピ大学にも訴訟を起こすつもりである。現在のところ、ミシシッピ大学がパブピアの書き込みをどう扱ったのかは不明である。しかし、同大のスポークスマンはサルカール氏に、この件に関する疑義に答えるよう要請したが、返答はなかったとしている。だが、サルカール氏の弁護士は、それに対して同意できないと表明している。(http://www.nature.com/news/peer-review-website-vows-to-fight-scientist-s-subpoena-1.16356)
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パブピア(PubPeer)は、法的に訴えるという脅迫を受けたのは、今回が初めてである(PubPeer – PubPeer’s first legal threat)。
★裁判
2014 年 10 月 9 日(62歳)、フォジュルル・サルカール(Fazlul Sarkar)は「パブピア(PubPeer)」に匿名でコメントしている投稿者の実名を開示するよう裁判所に訴えた。
「パブピア(PubPeer)」 へのコメントが原因でサルカールは大学教授の職を失った。
これら複数の匿名投稿者の身元を明らかにしてもらい、損害賠償の法的措置を取る意向だと、サルカールの弁護士は述べている。
裁判の詳細な過程を省略し結論を書くと、2015年3月5日(63歳)、ミシガン州ウェイン郡巡回裁判所は、「パブピア(PubPeer)で匿名の書き込みをしても違法ではない。投稿者の実名を開示する必要はない」と裁定した。サルカールの敗訴である(Judge: PubPeer Users Remain Anonymous | The Scientist MagazineR)。
白楽は、以下の資料を入手できた。
- 2014年10月13日、ミシガン州ウェイン郡巡回裁判所召喚令状(pdf):
http://blog.pubpeer.com/wp-content/uploads/2014/10/signed-Subpoena-PubPeer.pd
- 2014年10月9日、上記の関連訴状 (pdf):
http://blog.pubpeer.com/wp-content/uploads/2014/10/Filed-Complaint.pdf

パブピア(PubPeer)の弁護士をつとめたアメリカ自由人権協会(American Civil Liberties Union)のアレキサンダー・アブド(Alexander Abdo、写真出典)は、「パブピア(PubPeer)利用者が匿名で論文を議論する権利のために戦い続けよう」と述べている。
2016 年 11 月 17 日(64歳)、 アメリカ自由人権協会は、ウェイン州立大学の調査報告書(法廷文書の一部?)を入手し、公開した。
以下はその文書の冒頭部分(出典:同)。全文(360ページ)は → https://www.aclu.org/sites/default/files/field_document/2016.11.16_mi_appeals_pubpeer_motion_to_supplement_the_record.pdf
文書は360ページと膨大なので、白楽はごく一部を見ただけだ。「撤回監視(Retraction Watch)」の2016年11月17日の記事を情報源に、文書のポイントを以下に示す。
ウェイン州立大学の調査委員会は、2年間と長く、ほぼ毎週3~5時間、合計約90回、会合を開き調査を検討した。
サルカール研究室では、結論ありきに合わせたデータを作製、画像の不正加工、無関係な画像をピックアップしてデータとする、まともなコントロール実験の軽視など、いくつもの不適切な、あるいは無責任な研究慣行が蔓延していた。
研究室のメンバー全員ではないにしても、多くの室員が、画像のコピー、再利用、不正加工をしていたと、調査委員会は結論している。
画像のコピー、再利用、不正加工、ラベル張り替えは非常に多く、「間違えました。不注意でした」で説明できるレベルとはかけ離れている。また、たとえサルカー教授には欺く意図がなかったとしても、調査委員会はそれを信じることはできない。
さらに、サルカールの調査は難航したようだった。
調査委員会は、サルカールとそのチームが発見できなかったと主張していたオリジナルデータを複数発見している。中には、サルカールが複製データとして提出したデータもあったが、実際にはオリジナルデータだった。つまり、サルカールとそのチームは、調査時点で、どのデータが本物でどのデータが捏造されたものかを把握できなかった。実験ノートが機能的に役に立たない状況だった。
★朱に染まれば・・・
フォジュルル・サルカール(Fazlul Sarka)の研究不正は、サルカール自身が実行者とは思えない。
研究室に不正文化が蔓延していて、多数の室員がネカトをしたと思われる。
【その1】
サルカール自身は、研究公正局の案件になっていない。
しかし、ポスドクだった弟子のジーウェイ・ワン、王志伟(Zhiwei Wang、写真出典)は、2006~2013年の研究不正で、2020年、研究公正局からクロと判定され、10年間の締め出し処分が科された。 → 「博士号はく奪」:ジーウェイ・ワン、王志伟(Zhiwei Wang)(米) | 白楽の研究者倫理
ワン は、9件の研究費申請書、1本の博士論文、14報の発表論文、で約100個の画像をねつ造・改ざんしていた。
サルカールの 41撤回論文のうち、29論文の著者になっていた。
サルカールの指導下で取得したワン の研究博士号(PhD)も剥奪された。
ワンはサルカールの朱に染まったのか、サルカールがワンの朱に染まったのか?
【その2】
サルカールの別の室員(ポスドク?)のサンジーヴ・バネルジー(Sanjeev Banerjee、顔写真見つからない)は、サルカールの 41撤回論文のうち、33論文の著者になっていた。
研究公正局からクロと判定された上記ジーウェイ・ワンより、撤回論文数は4報も多い。
33撤回論文のうち28論文はジーウェイ・ワンとも共著だが、5撤回論文はジーウェイ・ワンが著者にはいっていない。
【その3】
サルカールの別の室員(ポスドク?)のアミール・アフマド(Aamir Ahmad、顔写真見つからない)は、サルカールの 41撤回論文のうち、13論文の著者になっていた。
13撤回論文のうち10論文はジーウェイ・ワンとも共著だが、3撤回論文はジーウェイ・ワンが著者にはいっていない。
【その4】
サルカールの他の室員にもネカト実行疑惑者がいるかもしれないが、省略。
●6.【論文数と撤回論文とパブピア】
★パブメド(PubMed)
2026年2月23日現在、パブメド(PubMed)で、フォジュルル・サルカール(Fazlul Sarkar、Fazlul H Sarkar)の論文を「Fazlul Sarkar[Author]」で検索した。この検索方法だと、2002年以降の論文がヒットするが、2002~2022年の21年間の430論文がヒットした。
2026年2月23日現在、「Retracted Publication」のフィルターでパブメドの論文撤回リストを検索すると、2006~2013年(54~61歳)の41論文が撤回されていた。
★撤回監視データベース
2026年2月23日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースで、フォジュルル・サルカール(Fazlul Sarkar、Fazlul H Sarkar)を「Sarkar, Fazlul H」で検索すると、53論文がヒットした。
★パブピア(PubPeer)
2026年2月23日現在、「パブピア(PubPeer)」では、フォジュルル・サルカール(Fazlul Sarkar)の論文のコメントを「authors:”Fazlul H Sarkar” OR authors:”Fazlul Sarkar”」で検索すると、1999~2014年(47~62歳)の83論文にコメントがあった。
●7.【白楽の感想】
《1》研究公正局
フォジュルル・サルカール(Fazlul Sarkar、Fazlul H Sarkar)は、NIH・国立がん研究所から1993~2015年の23年間に52件、計13,421,834ドル(約13億円)の研究費を獲得していた。
研究不正で41論文が撤回された。
ところが、研究公正局の案件になっていない。
どうして?
サルカール研究室に不正文化が蔓延していて、多数の室員がネカトをしていたらしい。サルカール自身が研究不正の実行者ではないと判断されたのだろう。
2020年、サルカールのポスドクだった弟子のジーウェイ・ワン、王志伟(Zhiwei Wang)が研究公正局からクロと判定され、10年間の締め出し処分が科された。 → 「博士号はく奪」:ジーウェイ・ワン、王志伟(Zhiwei Wang)(米) | 白楽の研究者倫理
これで、「よし」としたようだ。
《2》研究不正を防ぐ方法
フォジュルル・サルカール(Fazlul Sarkar、Fazlul H Sarkar)のデータ捏造・改ざん事件は、複数の室員(主にポスドク)がネカト実行者で、サルカールはデータ捏造・改ざんを知らなかったと思われる。
サルカール研究室では不正文化が蔓延していて、多くの室員がネカトをする泥沼研究室だったと指摘されている。
この場合、研究不正を防ぐには、どうすればよかったか?
また、今後、同じような研究不正を起こさせないためにはどうすべきか?
研究室を主宰者のサルカールはもっともっと研究公正に関心を持ち、研究室の環境を良くすることに注力すべきだった。
もちろん、研究室員が示した実験データを信用するのが基本だが、それなりの時間をかけて、室員とは実験データの議論をし、問題点を検討すべきだった。そうすれば、室員がデータ捏造・改ざんする可能性はかなりなくなったと思われる。
教授には室員である院生・ポスドクを育てる意識が必須である。研究成果をたくさん出して論文をたくさん出版することは研究キャリアを積むうえで重要だが、研究不正のクセを付けた研究者に育ったらアウトである。広い意味の人間形成・人格形成も研究者育成の一部で、勿論、その中に研究公正観の涵養も含まれる。
では、次の問題として、室員たちの研究不正を防ぐには、どうすればよかったか?
それなりの時間をかけて、実験データを室員と議論・検討をすべきだと書いたが、ココではそれ以上の議論をしない。
《3》噂段階で採用内定を取り消す
研究ネカトと所属大学に告発されると、米国では(日本も)、通常、所属大学が調査に入る。クロと結論すれば、ネカト者を処分する。
と同時に、健康福祉省(HHS)の資金支援を受けていれば、大学は調査結果を研究公正局に報告する。
研究公正局は大学の調査報告書を審査し、ほぼその結果を承認する。クロなら不正者の姓名・所属・不正行為を自分たちのサイト、および、連邦官報に公表する。
また、大学だけでなく、論文を掲載した学術誌・編集部も独自に調査し、クロと断定すれば論文を撤回する。
この3つ、つまり、大学、研究公正局、学術誌の調査が、おおむね公式な調査とされる。
今回の場合、ウェイン州立大学が調査し、学術誌も調査した(大学の調査結果を追認しただけかもしれないが)。
さて、今回、サルカールはウェイン州立大学からミシシッピ大学に移籍作業をしていて、研究不正騒動と重なった。
そして、研究不正をしたと公式な調査結果が出ていない段階で、ミシシッピ大学がサルカールの採用を取り消した。サルカールは既にウェイン州立大学を辞職していたので、路頭に迷う形になった。
このように、何ら公式な判定がされていない段階で、いわば、噂の段階で、噂を信じて採用と通知した人事をミシシッピ大学は覆した。
採用中止のタイミングや契約内容によっては、法的に不当な行為になるかもしれない。
しかし、大学のネカト調査は1~2年かかることが多い。研究公正局の判定は大学のあとなので、もっと遅い。
つまり、公的な判定は遅く、人事選考はそれを待っていられない。
では、研究者の世界では、採用過程の途中で研究不正疑惑(の噂)が発覚した場合、どうするのが適切なのだろうか?
内定を出す前なら、取り消してOKだろうか?
内定を出した後、内定者に研究不正(の噂)が発覚した時、内定を取り消した(取り消された)ほうが大学のダメージ(内定者のダメージ)は少ないのか? 法的にはどうなるか?
内定を出した後なら、採用したあとに解雇した(された)ほうが大学のダメージ(内定者のダメージ)は少ないのか?
どの過程であれ、発覚した時点で白紙に戻した方が双方のダメージは少ない気がする。
例えてみると(違うかもしれないけど)、婚約中に相手の欠点が発覚した場合、婚約を解消するほうが、結婚して、離婚するよりダメージは少ない。
ただ、噂段階、あるいは大学の調査中の場合、結論はシロかもしれない。
となると、「刑事裁判において、被告人は有罪判決が確定するまでは罪を犯していない人として扱わなければならないという原則のこと」(無罪推定とは? | 刑事事件の相談はデイライト法律事務所)という無罪推定の扱いをすべきなのか?
ここまでは、ミシシッピ大学の人事書類や契約内容を知らないで書いたが、本当に重要なのは、採用契約書の内容である。次項で、日本のケースを考えたい。
《4》教員人事書類、日本は不備・おかしい!
以前、読者から相談を受けたことを思い出した。
教員の採用・昇進の業績リストに、撤回論文を記載しないのは経歴詐称ではないかと。
日本の大学教員の採用・昇進の審査では、どの大学も、応募者のそれまでの「研究不正」や「性不正・アカハラ行為」を想定していないようだ。だから、応募書類にそれらの記載を求めていない。
これって、すごくヘンだと思う。
人事考査中でも教員採用後でも、「研究不正」や「性不正・アカハラ行為」をした研究者を教員に採用してしまう。
過去に「研究不正」や「性不正・アカハラ行為」をしたことが判明しても、解雇できない。
と思って、再度、調べてみた。
【明治大学】
読者から相談を受けた時、複数の大学の教員応募書類を調べた。
その中で、明治大学教務事務部の「履歴書、業績書の書類作成上の注意事項」が詳細で優れていると思った。ウェブ上で閲覧できるが、2025年版は7ページで、2024年版の8ページから1ページ減った(減った理由を白楽は知らない)。
明治大学の書類には、「記載内容について、虚偽の記載があった場合には、任用取り消しや 懲戒処分等の対象になり得ます」とある。
しかし、「撤回論文がある場合、記載せよ」という記述はない。
「賞罰には、刑事罰(科料・拘留・罰金・禁錮・懲役)のみでなく、これまでの勤務先における懲戒処分や分限処分を含みます。」とある。
が、「調査中の研究不正疑惑がある場合、記載せよ」という記述はない。
【東京大学】
東京大学の現在公募中の書類を見ると、「撤回論文がある場合、記載せよ」という記述どころか、業績リストの書き方の指示をしていない。
東京大学の統一履歴書フォーマットには「賞罰欄」がない。履歴書記入要領で、賞罰のことを触れていない。
履歴書記入要領に、「研究不正と確定、または、研究不正調査中の場合、記載せよ」という記述はない。
従って、研究不正と確定しても、研究不正調査中でも、履歴書への記載が求められていない。
東京大学は、文部科学省高等教育局長からの通知に従い、「学生」に対する性不正・アカハラ行為で「過去」に刑事罰、行政処分及び懲戒処分を受けた場合、申告するよう要請している。 → 学生に対するセクハラ・性暴力等を原因とする過去の刑事罰、行政処分及び懲戒処分にかかる申告書
いいんですけど、どうして「学生」だけなの? 教員・事務職員への性不正・アカハラ行為を問題視しない理由は?
それに、どうして「過去」だけなの? 「現在調査中」はOK? 「現在調査中」を問題視しない理由は?
こうやって、日本の大学教員の採用・昇進審査での履歴書、業績書を少し見ただけだが、「かなり」おかしい気がする。誰か、ちゃんと調べて、問題点を指摘し、改善を要請して欲しい。
《5》脅迫
サルカールが「パブピア(PubPeer)」を「脅迫」したとの記載があった。
「脅迫」に関心を持ったが、いわゆる犯罪としての「脅迫」には該当しないと思う。
ただ、「裁判に訴える」と言われた人が、「脅迫」だと感じることは、とても、よく理解できる。白楽も、そういうレベルの「脅迫」を何度も受けた。
なお、裁判に訴えると通知することと、実際に裁判に訴えることの両方とも、刑法上の「脅迫」ではない。
刑法第222条(脅迫)
- 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処する。
- 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
日本では、憲法第32条に、「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない」とある。自分の権利・自由の確保・救済を求めるために、誰でも裁判所に訴えることができる。
これは欧米でも同じだろう。
《6》裁判
「誰でも裁判所に訴えることができる」とはいえ、研究ネカトに裁判所が介入するのは良くないと白楽は思う。
学術詐欺の現状に米国の法律は追い付いていないが、米国は裁判官の裁量権が大きいのと裁判官の学術規範センスが優れているので、優れた判断をしているケースが多い。
一方、日本では法律や裁判官どころか、文部科学省の研究不正ガイドラインも、望ましい現実の学術規範とは、幾分、乖離している。
だから、学術界で妥当な処理ができるといいのだが、乖離しているのを学術界の裁量で判断して良いシステムになっていない。
そして大きな問題は、日本の学術界にもそういう人材はほとんどいない・育っていない・育てるシステムになっていない。
仕方なく、裁判になるが、学術界の感性・判断ができる裁判官を養成しないと、学術規範が歪む。
フォジュルル・サルカール(Fazlul Sarkar)。写真出典
●9.【主要情報源】
① 「撤回監視(Retraction Watch)」のサルカール事件記事群:Fazlul Sarkar Archives – Retraction Watch at Retraction Watch
② 2014年9月22日、ケリー・サーヴィック記者(Kelly Servick)の「Science」記事:Anonymous peer-review comments may spark legal battle | Science/AAAS | News
③ 2014年11月7日、「The Pathology Blawg」記事:Pathology researcher sues anonymous PubPeer.com commenters for defamatory comments | The Pathology Blawg(削除された?)
④ 2018年10月4日、「撤回監視(Retraction Watch)」の最新のサルカール事件記事 :Cancer researcher who once tried to sue critics is up to 40 retracted papers – Retraction Watch
⑤ ◎2016年8月12 日、マイケル・コジオル記者(Michael Koziol)のサルカール事件年代記(タイムライン)を書いた「撤回監視(Retraction Watch)」記事:Meet the researcher with 13 retractions who’s trying to sue PubPeer commenters: Fazlul Sarkar – Retraction Watch
⑥ 2016年10月19日、ボブ・グラント記者(Bob Grant)の「Scientist」記事:Investigation Finds Pathologist Guilty of Systemic Misconduct | The Scientist Magazine®
なお、「Scientist」はサルカール事件で以下の記事を掲載している。
- “PubPeer’s Appeal for Anonymity Continues,” The Scientist, January 21, 2016
- “Debating the Value of Anonymity,” The Scientist, October 5, 2015
- “PubPeer Founders Revealed,” The Scientist, August 31, 2015
- “Judge Wants Info on PubPeer Commenter,” The Scientist, March 23, 2015
- “Judge: PubPeer Users Remain Anonymous,” The Scientist, March 6, 2015
- “Top Science Scandals of 2014,” The Scientist, December 25, 2014
- “PubPeer Pushes Back,” The Scientist, December 11, 2014
- “Pathologist Sues PubPeer Users,” The Scientist, October 27, 2014
- “Setting the Record Straight,” The Scientist, October 2014
- “PubPeer: Pathologist Threatening to Sue Users,” The Scientist, September 22, 2014
- “Concerns Raised Online Linger,” The Scientist, August 25, 2014
- “PubPeer Threatened with Legal Action,” The Scientist, August 19, 2014
⑦ 2024年11月24日、スタンフォード大学の研究不正行為の事例 | ファズルル・サルカー | 科学での善行 :Instances of Scientific Misconduct | Fazlul Sarkar | Best Practices in Science
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★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。
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