地球・宇宙学:バブ・カライル(Babu Kalayil)(インド)

2018年2月27日掲載。

ワンポイント:・カライルは民間の超感覚的知覚(第六感)研究所の所長。2017年9月(47歳?)、第六感で2017年末までにインド洋に大きな地震・津波が発生すると予想し(つまり、ねつ造)、インドのモディ首相に伝えた。まともな科学者はこの予想を否定した。インド政府は無視したが、パキスタン当局は、予想を真剣に受け止め、各部署の役人に地震に対する標準的な対処作業に「即座に」取り掛かるよう指示した。どうして、メディアやパキスタン当局は似非科学に騙されるのだろう? 損害額の総額(推定)は5千万円(当てずっぽう)。

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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
4.日本語の解説
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文
7.白楽の感想
8.主要情報源
9.コメント
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●1.【概略】

バブ・カライル(Babu Kalayil、写真出典)は、インドのケララ州の物理学教授とある(自称? 真偽不明)。「超感覚的知覚と地球・宇宙予測のBK研究協会(BK Research Association for Extrasensory Perception and Earth and Space Prediction)」・所長で、超感覚的知覚(第六感)で地球・宇宙現象の予想をしていた。

超感覚的知覚(Extrasensory Perception)は、「五感や論理的な類推などの通常でありきたりの手段を用いずに、外界に関する情報を得る能力。 しばしばESP(イー・エス・ピー)とも呼ばれる」。(超感覚的知覚 – Wikipedia

「超感覚的知覚と地球・宇宙予測のBK研究協会」は公的組織ではない。つまり、まともな組織のまともな科学者ではなく、自称科学者である。超感覚的知覚(第六感)での予測は非科学的である。予測ではなく予想であって、白楽は、ねつ造とみなす。

2017年9月(47歳?)、2017年末までにインド洋に大地震発生と予想し、インドのモディ首相宛に文書で警告した。インド政府は全く無視したが、パキスタンの諜報機関ISI・(Inter-Services Intelligence)、そして、地震復旧再建局(ERRA: Earthquake Rehabilitation and Reconstruction Authority)は、カライルの予想を真剣に受け止め、各部署の役人に地震に対する標準的な対処作業に「即座に」取り掛かるよう指示した。

2018年2月26日現在、皆さんご存知のように、2017年末までにインド洋に大地震は発生しなかった。

超感覚的知覚と地球・宇宙予測のBK研究協会(BK Research Association for Extrasensory Perception and Earth and Space Prediction)の建物は見つからなかった。バブ・カライルの後ろがその敷地だろうか? 写真出典

  • 国:インド
  • 成長国:インド
  • 研究博士号(PhD)取得:ない(推定)
  • 男女:男性
  • 生年月日:不明。仮に1970年1月1日とする。見た目の年齢から判断
  • 現在の年齢:48 歳?
  • 分野:地球・宇宙学
  • 最初の不正予知:2001年(31歳?)
  • 発覚年:2018年(48歳?)
  • 発覚時地位:「超感覚的知覚と地球・宇宙予測のBK研究協会(BK Research Association for Extrasensory Perception and Earth and Space Prediction)」・所長
  • ステップ1(発覚):
  • ステップ2(メディア): 多数
  • ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①
  • 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし
  • 大学の透明性:該当せず(ー)
  • 不正:ねつ造
  • 不正予想数:数回
  • 時期:人生の初期から
  • 損害額:総額(推定)は5千万円(当てずっぽう)。内訳 → ①パキスタンの諜報機関ISI・(Inter-Services Intelligence)と地震復旧再建局、合わせて、5千万円(当てずっぽう)。
  • 職:どうやって生計を立てているのか不明
  • 処分: なし

●2.【経歴と経過】

学歴・職歴は不明

  • 生年月日:不明。仮に1970年1月1日とする。見た目の年齢から判断
  • xxxx年(xx歳):学歴・職歴は不明.。大学レベルの教育を受けていない? 生計手段は不明
  • 2017年9月(47歳?):2017年末までにインド洋に大きな地震発生と予想
  • 2018年1月1日(48歳?):上記予想が大ハズレ

●3.【動画】

【動画1】
ニュース動画:「31.December.2017 – Tsunami – Is It Real??? Full Details – YouTube」(英語)2分31秒。
Trendy Trapが2017/11/16 に公開

●4.【日本語の解説】

★2017年11月8日水曜日:宏観亭見聞録、「地震パニック、諜報機関が地震予知情報を流す ― パキスタン」

出典 → ココ(保存版)

2017年12月末までにインド洋で大地震と大津波が発生するとの地震予知情報をパキスタンの軍統合情報局(ISI)が関係機関に流し、パキスタン地震復興庁(ERRA)が警戒態勢に入るという騒ぎが起きています:

この大地震と大津波は、インドの Babu Kalayil という男性が超能力(第六感)によって予知し、9月20日付でインドのナレンドラ・モディ首相宛に文書で警告したもので、インド政府からは全く無視されたものでした:

●5.【不正発覚の経緯と内容】

★地震・津波の警告

2017年8月20日、物理学教授と記載されるインドのケララ州のバブ・カライル(Babu Kalayil)は、2017年12月31日までにインド洋に大きな地震、その後、大きな津波が来ると予知した。

https://bvido.xyz/video/h2a6FqiWZDQ/31-12-2017-end-of-the-world-tsunami-babu-kalayil-bn-tech
http://ryuma681.blog47.fc2.com/blog-entry-1046.html

2017年9月20日、インドのモデイ首相宛に、2017年12月31日までに大規模な地震がインド洋を襲うと警告した。

手紙には、近隣諸国にも影響は及ぶとある。影響は及ぶ近隣諸国は、インド、中国、パキスタン、日本、ネパール、バングラデシュ、タイ、インドネシア、アフガニスタン、スリランカとある。

https://www.boomlive.in/factchecking-predictions-of-an-earthquake-before-december-31-2017/

日本の首相にも警告手紙を送付したのかどうか、白楽は、把握していない。

インド政府はこの警告を無視したが、この手紙は隣国であるパキスタンの関係機関を動転させた。

パキスタン最大の諜報機関ISI・(Inter-Services Intelligence)、そして、地震復旧再建局(ERRA: Earthquake Rehabilitation and Reconstruction Authority)の関係者はパニックボタンを押したのである。
→ 2017年11月5日記事:Pak’s spy agency predicts quake, govt bodies go into disaster management mode

つまり、パキスタン当局はカライルの予想を真剣に受け止め、災害の可能性に対処する準備を始めた。 パキスタンの地震復旧再建局(ERRA)は、ソーシャル・メディアを使って、各部署の役人に地震に対する標準的な対処作業に「即座に」取り掛かるよう指示した。

https://fakopedia.com/fake-tsunami-prediction-indian-ocean-2017/

 

★地震予知法

バブ・カライル(Babu Kalayil)は、「2017年末までにインド洋に大地震発生」とどうやって予想したのか?

バブ・カライルは次のように述べている。

「私がビジョンを見ようとすると、私の脳と体は非常に熱くなり、その後、自然災害の一連の映像が見えます。映画のシーンのように私の頭の中でははっきりしています。 直感の助けを借りて、この自然災害がいつ起こるのかを知ることができます。自然災害への十分な予防措置を講じるためには、私のスキルは不可欠です」。

つまり、「夢のお告げ」である。似非科学である。「ねつ造」である。

★過去の実績

「過去の実績」として報道されている内容を以下に書くが、基本的に、眉唾と思って読んで欲しい。

【火星の水(2001年)】

2001年8月2日、バブ・カライル(Babu Kalayil)は火星に水があると予告した。1か月後、ハンガリーの科学者チームが火星に水の存在を報告した。
→ 2005 年9月6日記事:The Hindu : Kerala News : Of studying predictions

【スマトラ島沖地震 (2004年)】

2004年9月、バブ・カライル(Babu Kalayil)、数日間、夜、眠る前に、頭が熱くなったと感じ、耳に鳴る音が聞こえた。これらは、彼の「内なる目」を通して見えるビジョンの前兆で、 「その後、イメージを思い出してその意味を理解した」。

海岸に波が打ち寄せ大きな力で岸壁にぶつかるビジョンを見た。 「人々が波にのまれるのを見た」と彼は言う。 新聞に予知を伝えたが、マラヤラムのメディアは注目しなかった。

2004年12月26日、そして、スマトラ島沖地震が発生し、ケララ州をはじめとするインド南部そして日本に津波が襲った。

【ムラペリヤーダム (2015年)】

2011年9月17日の記事では、バブ・カライルは、インドのケララ州にある老朽したムラペリヤーダム(Mullaperiyar Dam)に問題が発生すると予言した。 「2015年までに、ダムがあるところに強い地震があり、ダムの一部が崩壊する」と彼は予言していた。

建造から122年も経つムラペリヤーダムの危険性は当局も把握していて、ムラペリヤーダム崩壊の恐れは最高裁判所でも争われている。
→ 2018年1月12日記事:Mullaperiyar dam conflict: Why Tamil Nadu and Kerala are at loggerheads

以下の動画は2011年の映画「Mullaperiyar Dam Breaking – Dam 999」の予告編(6分19秒)である。フィクションである。

このような状況下だから、特別な予知能力がなくても、そのうちダムが崩壊するだろうと、誰でも予想できる。

バブ・カライルは、「2015年までに大きな地震とダム崩壊」と予言し、その予言は大ハズレだった。

2018年2月26日現在、ダムは崩壊していない。

https://www.seeandsay.in/55634/tamil-nadu-accuses-kerala-causing-obstructions-mullaperiyar-dam

●6.【論文数と撤回論文】

省略

●7.【白楽の感想】

《1》似非科学

人々はどうして似非科学を信じるのだろうか?

バブ・カライルの与太話を、なぜメディアが取り上げたのか? ここでも取り上げていて何ですが、ここでは、ねつ造だと問題視して取り上げている。

メディアは基本的に、世間が騒いでいる事柄を記事・ニュースにする。それがビジネスだからだ。特に、人々がその記事・ニュースを買ってくれる公算が高ければ、つまり、記事・ニュースに商業的価値が高ければ、なおさら掲載する。しかし、似非科学を信じる、あるいは、信じさせる記事・ニュースは間違っている。メディアは取り上げるべきではない。さらに、そのようなメディアと似非科学の発信源を処罰すべきだ。

過去に以下のようなバカ騒ぎがあった。

  • 2000年問題 – Wikipedia・・・「西暦(グレゴリオ暦)2000年になるとコンピュータが誤作動する可能性があるとされた年問題である。結果としては直前にマスメディアで騒がれていたような生活に直結するほどの大きな混乱は一切起きずに終わった
  • 環境ホルモン – Wikipedia・・・「環境中に存在する化学物質のうち、生体にホルモン作用をおこしたり、逆にホルモン作用を阻害するもの。環境中の化学物質は当初考えられたような危険性を持っているとは考えにくい。極端な論者によれば、環境ホルモンは「人心を攪乱しただけだ」という主張もなされるようになっている

太陽黒点の経済活動への影響説・・・白楽は懐疑的です。

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●8.【主要情報源】

① 2017年9月27日のアレックス・カスプラック(Alex Kasprak)記者の「Snopes」記事:FACT CHECK: Massive Indian Ocean Earthquake and Tsunami Expected by the End of 2017?、(保存版不可)
② 2017年11月6日のヴィッキー・オリファント(Vickiie Oliphant)記者の「Express.co.uk」記事:Tsunami and earthquake to WIPE OUT Asia, man with ‘sixth sense’ predicts | World | News | Express.co.uk(保存版)
③ 2017年11月6日の「daily O」記事:Why Pakistan – even ISI – is taking Kerala man’s earthquake prediction seriously(保存版)
★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。

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