2019年ネカト世界ランキング

2020年1月1日掲載 

ワンポイント:2019年に世界中(含・日本)で起こったネカト関連事件から、特に重要な事件を選んだ(選者が)。ネカトだけでなく、学術界・健康科学界の重要な事件も含まれている。

 

  • 分野を記載していないのは生命科学。
  • カタカナ名の赤字は本ブログで解説済み。
  • ※印の事件は近日中に本ブログの記事にする予定。
  • 本記事は、更新日を示さずに上書きする。

★1.「The Scientist」誌の「2019年の論文撤回上位10論文」:2019年12月16日

出典:Top Retractions of 2019 | The Scientist Magazine®保存版

ランクした人は「撤回監視(Retraction Watch)」。

最も注目すべき撤回論文10報を示す。以下の番号は順位ではない。

  1. ヘバ・サマハ(Heba Samaha)(エジプト)、ナビル・アーメド(Nabil Ahmed)(米)
  2. エリン・ポッツ=カント(Erin N. Potts-Kant)(米)
  3. 学術誌「Journal of Fundamental and Applied Sciences (JFAS)」が一度に434報の論文を撤回した → ココ
  4. 「著者在順」:ミン・チョ、조민、(Min Cho)(韓国)
  5. 「間違い」:気象学:ラルフ・キーリング(Ralph Keeling)(米)
  6. アブデラメイネ・カイディ(Abderrahmane Kaidi)(英)
  7. 特殊事件「学問の自由侵害:被害者」:心理学:スーザン・ポケット(Susan Pockett)(ニュージーランド)
  8. 特殊事件「善行」:心理学:ジェシーヌ・ドライスバッハ(Gesine Dreisbach)(ドイツ)
  9. 化学:プリヤダルシ・ロイ・チョードリー(Priyadarshi Roy Chowdhury)、クリシュナ・バタキャリヤ(Krishna Bhattacharyya)(インド) 
  10. 「利益相反」:ハーバート・ベンソン(Herbert Benson)(米)

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★2.RealClearScience誌の「2019年の最大ガラクタ科学」:2019年12月17日

出典:The Biggest Junk Science of 2019 | RealClearScience保存版

ランクした人はロス・ポメロイ(Ross Pomeroy)。ポメロイは動物学者、生物保護学者でブログ「RealClearScience」のライター。学歴・職歴はよくわからない。
→ Ross Pomeroy | Author | RealClearScience

9件の最大ガラクタ科学。第5、6、7位を記事にする予定。

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★3.「科学と健康米国協議会(American Council on Science and Health)で公表した2019年の10最悪インチキ科学・インチキ健康話」:2019年12月26日

出典:Top 10 Junk Science And Bogus Health Claims ACSH Debunked In 2019、(保存版

  1. 米国のモンサント社のラウンドアップ訴訟の原告団弁護士・ティモシー・リテンブルク(Timothy Litzenburg)がラウンドアップ関連会社に2億ドル(約200億円)を恐喝し逮捕された:USRTK, Carey Gillam Collaborated with Monsanto Plaintiff Attorney Charged with Extortion | American Council on Science and Health
  2. 米国・公衆衛生局長官(Surgeon General of the United States)で麻酔科医であるジェローム・アダムス(Jerome Adams)は、タイレノールがオピオイドと同じくらい術後疼痛の管理に優れているというイランからのひどい論文を褒めちぎった。(米):Surgeon General Backpedals on Flawed Tylenol Study. Because of ACSH. | American Council on Science and Health
  3. 科学に弱い国民から企業が利益を得続けている。例えば、ホールフーズ社(Whole Foods)の肉、モレキュール社( Molekule)の空気清浄機、ウェブサイト「Mercola.com」の偽の健康製品サイトへの誘導などがある。 反撃するには、賢明になれ!(米)
  4. 米国のオピオイド(麻薬中毒)問題。オピオイド処方箋を制限しても命を救えない:Analyzing the Opioid Crisis: 65 Articles by Dr. Josh Bloom | American Council on Science and Health
  5. メディアが電子たばこの害を誇張:Everything Goes to Pot: Myths Are Driving FDA, CDC Vaping Policy | American Council on Science and Health
  6. 有名人の反ワクチン運動支援:Robert F. Kennedy, Jr. is Helping Spread Flu and Cervical Cancer | American Council on Science and Health
  7. 俳優のマーク・ラファロ(Mark Ruffalo)は、専門知識がないのに、化学、毒物学、疫学に関する重要な公衆衛生上の問題を議会で証言する:What the Hulk? 9/11 Truther Mark Ruffalo Testifies to Congress on Science | American Council on Science and Health 
  8. 赤身の肉は身体にいいのか、わるいのか?:The Red Meat Controversy: Where’s the Beef? | American Council on Science and Health
  9. 「Scientific American」誌の記事は信用できない。3例。①:Scientific American Says Vegetables Are Toxic, Sugary Snacks | American Council on Science and Health、②:Scientific American Says 5G Is Dangerous, Vegetables Are Junk Food | American Council on Science and Health、③:Scientific American Publishes Conspiratorial, Anti-Medical Rant Aimed at Dr. Jennifer Gunter | American Council on Science and Health
  10. 肥満対策としての砂糖税は効果なし:How Often Should You Step on the Scale? – Health Essentials from Cleveland Clinic

ランクした人はアレックス・ベレゾウ(Alex Berezow、写真出典https://www.acsh.org/profile/alex-berezow)。

ベレゾウは科学と政治の記者。2000-2004年、米国の南イリノイ大学カーボンデール校(Southern Illinois University, Carbondale)で学士号(微生物学)取得。2004-2010年、シアトルのワシントン大学(University of Washington)で微生物学の研究博士号(PhD)取得。現在、科学と健康米国協議会(American Council on Science and Health)の上級フェロー。「USA Today」「Wall Street Journal」「BBC」に記事を掲載。著書は2012年『Science Left Behind』、2017年『Little Black Book of Junk Science』(無料PDF版 → ココ

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★4.インベスト・リコーズ(Invest Records):「撤回して!:2019年の最悪な科学上の撤回」:2019年12月31日

出典:Take That Back: The Top Scientific Retractions of 2019 – Invest Records(リンク切れ)、(保存版)。ランクした人は不明(編集部)。

こちらを引用した方が良い → 上記と同じタイトルと文章:Take That Back: The Top Scientific Retractions of 2019 | Live Science、(保存版)。

151231 Christopher%20Wanjekランクした人は、クリストファー・ワンジェク(Christopher Wanjek、写真出典)。 ワンジェクはハーバード大学健康科学大学院の修士号をもつ米国の科学ライターで、『悪い医療(Bad Medicine)』(2003)(日本語訳なし)、『職場の食物(Food At Work)』(2005)(日本語訳なし)などの著書を出版している。

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★5.アイ・メディア・エシックス(iMediaEthics):「2019年の5大盗用」:2020年1月26日

出典:Top 5 Plagiarism & Attribution cases of 2019 – iMediaEthics、(保存版)。ランクした人は不明。

以下、学術界のみ抽出した

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日本がスポーツ、観光、娯楽を過度に追及する現状は日本の衰退を早め、ギリシャ化を促進する。今後、日本に飛躍的な経済の発展はない。科学技術と教育を基幹にした堅実・健全で成熟した人間社会をめざすべきだ。科学技術と教育の基本は信頼である。信頼の条件は公正・誠実(integrity)である。人はズルをする。人は過ちを犯す。人は間違える。その前提で、公正・誠実(integrity)を高め維持すべきだ。
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