スティーブン・ニューマスター(Steven Newmaster)(カナダ)

2022年3月16日掲載
本記事は白楽ブログの1000本目の記事です

ワンポイント:ゲルフ大学(University of Guelph)のスター教授のニューマスターは、ハーブサプリメントをDNAバーコード分析(DNA barcoding)した「2013年のBMC Medicine」論文で食品成分検証の権威になった。2021年5月10日、ところが、弟子で米国のスタンフォード大学(Stanford University)・ポスドクになっていたケン・トンプソン(Ken Thompson)が、ニューマスター教授と共著の「2014年3月のBiodivers Conserv」論文にデータ疑念があるとウェブサイトの「Eco-Evo Evo-Eco」に公表した。2022年2月2日、チャールズ・ピラー(Charles Piller)記者が「Science」誌で、ニューマスター教授のデータねつ造、データ操作、盗用、利益相反、経歴詐称の不正を詳細に報じた。ニューマスター教授はすべての不正を否定している。ゲルフ大学は調査結果を公表しておらず、ニューマスター教授を処分していない。国民の損害額(推定)は20億円(クロと想定した場合。大雑把)。

【追記】
・2022年6月1日:大学は調査の結果、無罪と判定:Controversial supplements researcher not guilty of misconduct, Canadian university concludes | Science | AAAS

ーーーーーーー
目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
4.日本語の解説
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
9.主要情報源
10.コメント
ーーーーーーー

●1.【概略】

スティーブン・ニューマスター(Steven Newmaster、Steven G. Newmaster、ORCID iD:?、写真出典)は、カナダのゲルフ大学(University of Guelph)・教授で医師免許はない。専門は食品科学(植物学)である。

2013年(43歳?)、ハーブサプリメントをDNAバーコード分析(DNA barcoding)した研究成果を「2013年のBMC Medicine」論文として出版し、食品成分検証の権威になった。

翌、2014年(44歳?)、指導した学部生のケン・トンプソン(Ken Thompson)を第一著者とする「2014年3月のBiodivers Conserv」論文を出版した。

2021年5月10日(51歳?)、トンプソンとの論文出版の7年後、米国のスタンフォード大学(Stanford University)・ポスドクになっていたトンプソンが、「2014年3月のBiodivers Conserv」論文にはデータの疑念があると、ウェブサイトの「Eco-Evo Evo-Eco」に公表した。

2022年2月2日(52歳?)、チャールズ・ピラー(Charles Piller)記者が「Science」誌で、上記論文を含めニューマスター教授の多数の出版物・講演を精査し、ニューマスター教授は多数のデータねつ造、データ操作、盗用、利益相反、経歴詐称をしていると、その不正を詳細に報じた。

ニューマスター教授はすべての不正を否定している。ゲルフ大学は調査結果を公表しておらず、ニューマスター教授を処分していない。

2022年3月15日(53歳?)現在、ゲルフ大学はネカト調査中で、シロ・クロの結論を発表していない。ニューマスター教授がネカト者なのかどうかは公式には不明である。

ただ、ゲルフ大学はニューマスター教授を守り、事実を隠蔽していると指摘されている。つまり、調査結果が発表されても信用できないとする見方もある。

ゲルフ大学(University of Guelph)。写真出典

  • 国:カナダ
  • 成長国:カナダ
  • 医師免許(MD)取得:なし
  • 研究博士号(PhD)取得:アルバータ大学
  • 男女:男性
  • 生年月日:不明。仮に1970年1月1日生まれとする。1992年に学士号を取得した時を22歳とした
  • 現在の年齢:52 歳?
  • 分野:食品科学
  • 不正論文発表:2011~2014年(41~44歳?)の4年間
  • 発覚年:2021年(51歳?)
  • 発覚時地位:ゲルフ大学・教授
  • ステップ1(発覚):第一次追及者はケン・トンプソン(Ken Thompson)で、トンプソンはニューマスター研究室出身で米国のスタンフォード大学(Stanford University)・ポスドクになっていた。ウェブサイトの「Eco-Evo Evo-Eco」にニューマスター教授と共著の「2014年3月のBiodivers Conserv」論文の疑念を公表した
  • ステップ2(メディア):「サイエンス」、「パブピア(PubPeer)」、レオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)のブログ、多数のメディア
  • ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①学術誌「サイエンス」・編集部。②ゲルフ大学・調査委員会
  • 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし
  • 大学の透明性:発表なし・メディア取材に非協力・隠蔽(✖)
  • 不正:データねつ造、データ操作、盗用、利益相反、経歴詐称
  • 不正論文数:3報以上、多数
  • 時期:研究キャリアの中期から
  • 職:事件後に研究職(または発覚時の地位)を続けた(〇)
  • 処分:なし
  • 日本人の弟子・友人:不明

【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は20億円(大雑把)。

●2.【経歴と経過】

主な出典:①:(4) Dr Steven Newmaster | LinkedIn、②:Steven Newmaster | Department of Integrative Biology

  • 生年月日:不明。仮に1970年1月1日生まれとする。1992年に学士号を取得した時を22歳とした
  • 1992年(22歳?):カナダのゲルフ大学(University of Guelph)で学士号取得:植物学
  • 1995~1999年(25~29歳?):アルバータ大学(University of Alberta)で研究博士号(PhD)を取得:植物学
  • 2000~2002年(30~32歳?):オンタリオ森林研究所(Ontario Forest Research Institute)・ポスドク
  • 2001年(31歳?):カナダのゲルフ大学(University of Guelph)・教授
  • 2021年5月(51歳?):不正研究が発覚する
  • 2022年3月15日(52歳?)現在:ゲルフ大学・教授職を維持:Steven Newmaster | Department of Integrative Biology、(220315保存版

●3.【動画】

以下は事件の動画ではない。

【動画1】
「スティーブン・ニューマスター」と紹介。
研究紹介動画:「U of G Research Behind COVID-19 Rapid Test Kits for Patients and Surfaces – YouTube」(英語)3分46秒。
University of Guelphチャンネル登録者数 2140人が2020/06/24 に公開

【動画2】
講演動画:「Steven Newmaster, NHP Research Alliance. Keynote – YouTube」(英語)2分00秒。
ConferenceCast.tvチャンネル登録者数 365人が2021/01/31 に公開

●4.【日本語の解説】

★2022年2月4日:とりさん@biochem_fan

★2022年2月4日:うさぎ林檎@Fully Pfizered💉💉

●5.【不正発覚の経緯と内容】

★食品成分検証の権威

2013年(43歳?)、スティーブン・ニューマスター(Steven Newmaster)は、食品成分検証の権威と称されるようになった重要な「2013年のBMC Medicine」論文を発表した。

この論文に記載されているDNA作業の多くは、インド出身でニューマスター研究室の植物学者であるスーブラマニヤム・ラグーパシー(Subramanyam Ragupathy 、写真出典同)(最後著者)が行なった。

この論文では、12社の44製品のハーブサプリメントをDNAバーコード分析(DNA barcoding)している。この技術は、遺伝子配列の一部を使って、問題のDNAが属する種を識別する方法である。

別の論文のDNAバーコード分析(DNA barcoding)図:出典 → Kunming genetic symposium promotes DNA barcoding | GoKunming

これら12社のハーブサプリメントのうち、代替品、汚染物質、充填剤を使用せずに、表示に示された材料だけしか含まれていない製品は2社のハーブサプリメントだけだった。

つまり、市販されているハーブサプリメントの多くは、ラベルに記載されていない成分を含んでいて、健康に有害な汚染物質も含まれていた、と結論した。

当時、「2013年のBMC Medicine」論文は、ニューヨークタイムズなど多くのメディアの注目を集め、サプリメント業界に衝撃を与えた。

ニューマスター教授が指摘した危険なハーブサプリメントはスーパーマーケットの商品棚から撤去された。

この論文が発表された翌日には、ニューマスター教授は食品成分検証の権威になっていた。

そこで、彼は、サプリメントメーカーが自社製品の認証を求められる認証会社を設立した。

2017年(47歳?)、ニューマスター教授は、サプリメント認証技術の向上を目的として、ベンチャー企業のナチュラル・ヘルス・プロダクツ・リサーチ・アライアンス社(Natural Health Products Research Alliance: NHPRA)を設立し、数百万ドル(数億円)の資金を得た。

★発覚:ケン・トンプソン(Ken Thompson)

2014年3月(44歳?)、ニューマスター教授は、上記の「2013年のBMC Medicine」論文を発表した翌年の2014年、学部生のケン・トンプソン(Ken Thompson、写真出典)が第一著者の「2014年3月のBiodivers Conserv」論文を出版した。

2021年5月10日(51歳?)、論文出版の7年後、ブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia)の院生を経て、米国のスタンフォード大学(Stanford University)・ポスドクになっていたトンプソンは、「2014年3月のBiodivers Conserv」論文のデータに疑念があると、ウェブサイトの「Eco-Evo Evo-Eco」に公表した。 → 2021年5月10日:Eco-Evo Evo-Eco: Wish to register a complaint

疑念を一言で言えば、「DNAバーコード分析(DNA barcoding)は信用できません」ということだ。疑念を感じてから公表までの過程を、上記サイトの彼の文章で示すと以下のようだ。

私はしばらくの間、悩み、何も言えないほど恐れていました。

しかし、似たような最近の事件を知り、ようやく、事件の真相を探ろうと思うようになりました。

出版規範委員会(COPE)のガイドラインに精通している人々に相談したら、ゲルフ大学に調査を依頼するようにとアドバイスを受けました。

2020年2月、私はゲルフ大学に調査するよう依頼しました。

ところが、約8か月間、ゲルフ大学は調査を拒否したのです。私は追加の情報を送信しました。それでも、ゲルフ大学は調査する理由がないとの回答でした。しかし、調査しない回答をいくら読んでも、納得できる説明をではありませんでした。

それで、私は、次に、論文を掲載した学術誌「Biodivers Conserv」に調査を依頼しました。数か月後、シュプリンガー・ネイチャー社(Springer Nature)の研究公正グループ(Research Integrity Group)は、ゲルフ大学がすでに結論を出しているため、彼らは調査しないとの返事をしてきました。

ゲルフ大学と学術誌の両方がまともな調査をしてくれなかったのです。それで、問題点の詳細を公表するしかないと、思いました。

私は、問題点の詳細を議論するため、論文原稿としてまとめました。その原稿をプレプリントとしてbioRxivに投稿し、同時に正式な査読のためのコメントを提出しました。

しかし、BioRxivは、規則上、別の論文へのコメント投稿を受理できないと通知してきました。それで、私はその論文原稿を自分のプラットフォームに公開しました。[白楽注:数行後にサイトを示す]

問題点を公開した理由は、もう1つあります。

ゲルフ大学とシュプリンガー・ネイチャー社は、研究公正基準を維持できていないと心から感じているからです。

彼らは問題に誠実に対応していないので、そこに公表してもらうのと、事実をねじ曲がられてしまうかもしれない。それで、そのような恐れのないサイトで公表したのです。

2021年5月、トンプソンは「パブピア(PubPeer)」にも問題点を公表した:PubPeer

以下はトンプソンのプラットフォームに公表した論文の冒頭部分(出典:同)。全文(3ページ)は → https://www.dropbox.com/s/qddufbt4hyczdm3/thompson_newmaster_comment.pdf?dl=0

2021年10月27日、トンプソンが問題点を指摘した5か月後、「2014年3月のBiodivers Conserv」論文は撤回された。 → 2021年10月27日の撤回公告:Retraction Note | SpringerLink

撤回公告に次の記述がある。

データソースと再現性に関する懸念が提起され、連絡著者の要請で、この論文を撤回しました。

論文出版後にデータの有効性が確認できませんでした。具体的には、次のとおりです。

3点指摘されている。[白楽が省略]

2人の著者の内の1人・ケン・トンプソンは、この撤回に同意しています。
もう1人の著者のスティーブン・ニューマスターは、この撤回に関する編集者や出版社からのいかなる連絡にも応答してくれませんでした。

★専門家8人

ケン・トンプソンが勇気をもって提起した論文の疑念に、勇気を持った研究者が賛同し、雪玉は転がった。

2021年6月(51歳?)、論文出版から8年後、トロント大学(University of Toronto)・教授などの専門家8人は、トンプソンが疑惑を指摘した論文とは異なるニューマスター教授の「2013年のBMC Medicine」論文に問題があると告発する43頁の文書をゲルフ大学に送った。[白楽注:白楽は43頁の文書を入手できなかった]

論文の2人の共著者もこの文書に署名していた。

2人は、論文の基礎となったデータは不完全、不正、または盗用された情報に基づいていると説明し、ニューマスター教授にだまされたと主張した。

彼らはまた、論文で金銭的利害関係を開示しなかったとニューマスター教授を非難した。

ところが、ニューマスター教授は、ゲルフ大学を通して、すべての告発を否定している。

★「サイエンス」誌の調査

「サイエンス」誌は独自に調査した。

その結果、ニューマスター教授(写真出典)の不正は3論文だけでないことがわかった。

ニューマスター教授の論文、講演、スライド、教育ビデオ、研究者や研究機関へのインタビューなど、数千ページに渡る文書を調査した結果、それらには、ねつ造、データ操作、盗用があることがわかった。

つまり、彼の業績に誇張やねつ造もあったし、他の研究者のデータを彼自身のものとする盗用もあった。

ゲルフ大学は、2021年8月から、ニューマスター教授のネカト調査をしているらしい。

しかし、「サイエンス」誌の問い合わせには、機密保持規則をたてに、調査についての回答を拒否している。

ゲルフ大学の管理者は、学内の研究者にニューマスター教授の研究を詮索しないよう繰り返し圧力をかけているとの話だ。

また、ゲルフ大学は2020年にトンプソンが要請したネカト調査を却下している。

「DNAバーコードの父(father of DNA barcoding)」と呼ばれるゲルフ大学のポール・エベール教授(Paul Hebert、写真出典)は、次のように批判している。

「2013年のBMC Medicine」論文は、欺瞞と研究不正が織り込まれています。大学は私が理解できない理由で後ろ向きの対処をを選択しました。ねつ造工場主と同じ大学の建物にいるのは心がかき乱されます。

ニューマスター教授は自分のウェブサイトに「2000~2002年にオーストラリアのCSIRO研究所でポスドク」と記載していた。ところが、「サイエンス」誌がオーストラリアのCSIRO研究所に問い合わせると、そのような在籍記録はないとの返事だった。その点を指摘すると、ウェブサイトからその経歴を削除した。つまり、ニューマスター教授は経歴詐称をしていた。

詐称した経歴のウェブサイト:2020年9月26日保存 の「Education」をクリック
修正した経歴のウェブサイト:2022年2月2日保存 の「Education」をクリック

彼の履歴書(現在は削除されている)には、カナダ自然科学工学研究評議会(NSERC)から研究助成金が5年間で198,000ドル(約1980万円)と記載されていた。

「サイエンス」誌がカナダ自然科学工学研究評議会に問い合わせると、研究助成金は1年間で11,500ドル(約115万円)だった。つまり、17倍も誇張していた。

さらに、カナダ自然科学工学研究評議会から別の研究助成金を240,000ドル(約2400万円)獲得していた主張していたが、実際は、40,000ドル(約400万円)だった。ここでも6倍も誇張していた。

以下、詳細を省くが、ニューマスター教授はねつ造、データ操作、盗用、利益相反、経歴詐称をしていたと「サイエンス」誌が指摘している。

【盗用の具体例】

ニューマスター教授はねつ造、データ操作、盗用、利益相反、経歴詐称をしていたと指摘されている。

ゲルフ大学は調査結果を公表していない。

ニューマスター教授はすべての不正を否定している。

2022年2月2日のチャールズ・ピラー(Charles Piller)記者の「Science」記事が指摘した盗用を以下に3点示す。 → This scientist accused the supplement industry of fraud. Now, his own work is under fire | Science | AAAS

――――――――――以下は1点目

――――――――――以下は2点目

――――――――――以下は3点目

2020年5月19日の動画Rapid Cannabis Cultivar Identification and Purity Verification – Association of Food and Drug Officials(2022年2月xx日に視聴したが、2022年3月15日現在削除されていた)で、以下の他人の図を自分の図のように盗用して使った。

この動画は「YouTube の https://www.youtube.com/watch?v=KCluz43lNtw」でも視聴できた。しかし、2022年3月15日現在削除されていた。研究紹介動画:「Rapid Cannabis Plant Identification-」(英語)1時間00分32秒。AFDOチャンネル登録者数 1280人が2020/05/22 に公開。17分少し前にでてくるスライド

●6.【論文数と撤回論文とパブピア】

★パブメド(PubMed)

2022年3月15日現在、パブメド(PubMed)で、スティーブン・ニューマスター(Steven Newmaster、Steven G. Newmaster)の論文を「Steven Newmaster[Author]」で検索した。この検索方法だと、2002年以降の論文がヒットするが、2008~2021年の14年間の60論文がヒットした。

2022年3月15日現在、「Retracted Publication」のフィルターでパブメドの論文撤回リストを検索すると、0論文が撤回されていた。

★撤回監視データベース

2022年3月15日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースでスティーブン・ニューマスター(Steven Newmaster、Steven G. Newmaster)を「Steven G. Newmaster」で検索すると、本記事で問題にした「2014年のBiodivers Conserv」論文・1論文が2021年10月27日に撤回されていた。

★パブピア(PubPeer)

2022年3月15日現在、「パブピア(PubPeer)」では、スティーブン・ニューマスター(Steven Newmaster、Steven G. Newmaster)の論文のコメントを「Steven Newmaster」で検索すると、本記事で問題にした2論文を含め2011~2014年出版の3論文にコメントがあった。

●7.【白楽の感想】

《1》カリスマ教授 

スティーブン・ニューマスター教授(Steven Newmaster、写真出典)の不正は、データねつ造、データ操作、盗用、利益相反、経歴詐称と盛りだくさんである。

チャールズ・ピラー(Charles Piller)記者の「Science」記事はその不正を詳細に記載している。白楽の本記事では、ウンザリして、要点しか書かなかったが、よくこんなにと思うほどの不正百貨店である。

ところが、ニューマスター教授は不正を全部否定している。但し、ゲルフ大学を通して伝えるだけで、学術誌からの問い合わせには返事をしない。メディア記者の問い合わせにも返事をしない。

これだけネカトを突き付けられても、無反応と言うケースは珍しい。

思うに、完全にクロなのだろう。そして、精神を病んでしまったのだろう。

それにしても、ニューマスター教授を何度も何度もかばうゲルフ大学も異常で、とてもオカシイ。

《2》不正の初期

ニューマスター教授はしかし、どうして、これほどネカトをしてしまったのか?

どうすれば防げたのか?

「研究上の不正行為」は、初めて不審に思った時、徹底的に調査することだ。

初期に不正の兆候があったハズだ。

しかし、白楽には、こうすればこの事件を防げたという案を思いつけない。

《3》告発者を顕彰

ケン・トンプソン(Ken Thompson)はネカト被災者だが、自分の指導教授だったニューマスター教授を、勇気をもって、最初に告発した。

トンプソンを顕彰すべきだ。

白楽は、この事件を防ぐ案を思いつけないが、トンプソンを顕彰することで、今後、似たような事件の発覚を促進できるだろう、少しは。

ケン・トンプソン(Ken Thompson):https://www.science.org/content/article/when-his-suspicions-went-unanswered-biologist-decided-disavow-his-own-study

ーーーーーーー
日本がスポーツ、観光、娯楽を過度に追及する現状は日本の衰退を早め、ギリシャ化を促進する。日本は、40年後に現人口の22%が減少し、今後、飛躍的な経済の発展はない。科学技術と教育を基幹にした堅実・健全で成熟した人間社会をめざすべきだ。科学技術と教育の基本は信頼である。信頼の条件は公正・誠実(integrity)である。人はズルをする。人は過ちを犯す。人は間違える。その前提で、公正・誠実(integrity)を高め維持すべきだ。しかし、もっと大きな視点では、日本は国・社会を動かす人々が劣化している。どうすべきなのか?
ーーーーーー
ブログランキング参加しています。
1日1回、押してネ。↓

ーーーーーー

●9.【主要情報源】

① 2021年6月15日のマーティン・エンセリンク(Martin Enserink)記者の「Science」記事:When his suspicions went unanswered, this biologist decided to disavow his own study | Science | AAAS
② ◎2022年2月2日のチャールズ・ピラー(Charles Piller)記者の「Science」記事:This scientist accused the supplement industry of fraud. Now, his own work is under fire | Science | AAAS保存版
③ 2022年2月4日のローザ・クリード(Rosa Kleed)記者の「TurnedNews」記事:Validity of Canadian researcher’s work questioned in Science – TurnedNews.com
④ 2022年2月4日の記事:BMC journal launches investigation of 2013 Newmaster paper that sparked NY AG affair
⑤ 〇2022年2月4日のレオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)のブログ記事:Schneider Shorts 4.02.2022 – Infallibly Fragile Male Ego – For Better Science
⑥ 2022年2月15日のグレイム・マクノートン(Graeme McNaughton)記者の「Star」記事:U of Guelph researcher under investigation after allegations of using ‘missing, fraudulent, or plagiarized’ data | The Star
⑦ 以下に示すように、たくさんのニュース記事がある

★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。

●コメント

注意:お名前は記載されたまま表示されます。誹謗中傷的なコメントは削除します

Subscribe
更新通知を受け取る »
guest
0 コメント
Inline Feedbacks
View all comments