平松 征洋 (Yukihiro Hiramatsu)たち(大阪大学)

2025年1月8日掲載最初 随時更新 【進行中/終了】

大阪大学・微生物病研究所・感染機構研究部門に所属する(していた?)研究者たちの「2022年のScience Advance」論文が、論文中の多数の図を支持するデータがないという理由で、2025年1月1日に撤回されました。データねつ造疑惑があります。既に着手されているかもしれませんが、適切な調査・対処をして下さるようお願い申しあげます。

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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.最終評価
2.通報・経緯
3.各段階の評価
4.疑惑者
5.疑惑論文
7.白楽の感想
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●1.【最終評価】

★ステップ

進行中/終了】
発覚 → 通報(allegation) → 通報対応 → 告発判断(assessment) → 予備調査(inquiry) → 本調査(investigation) → 認定(finding) → 行政措置(懲戒処分など)の裁定(adjudication) → 不服申立て(appeal)

★白楽の最終評価とコメント終了時に記述する

 

大阪大学・微生物病研究所。写真出典:https://www.miraikikin.osaka-u.ac.jp/project/biken

●2.【通報・経緯】

★通報

今回は、「論文撤回」案件で、著者の申し出で、論文が撤回されたので、論文著者たちは疑惑があることを知っている。

―――以下は白楽と大学とのやり取り(新→旧 順)ーーー

ーーー2025年1月8日、白楽の通報ーーー

大阪大学・微生物病研究所・感染機構研究部門に所属する(していた?)研究者たちの「2022年のScience Advance」論文が、論文中の多数の図を支持するデータがないという理由で、2025年1月1日に撤回されました。データねつ造疑惑があります。既に着手されているかもしれませんが、適切な調査・対処をして下さるようお願い申しあげます。

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通報先

大阪大学研究推進部研究推進課
kousei-mail@office.osaka-u.ac.jp

  • 通報(告発)先は、一般的に、学術誌、所属大学・研究機関、調査機関、メディア(新聞など)、ネカト・ウオッチャー(①撤回監視:リトラクション・ウオッチ:Retraction Watch、②パブピア:PubPeer、③より良い科学のために:For Better Science、など)、ネカト・ハンターがある。
  • ネカト疑惑者には直接、問い合わせしない方が良いとされている。
  • 一般的に、疑惑発見者は疑惑者の所属機関と学術誌に告発する。
  • かなりの割合で、学術誌はネカト調査で疑惑者の所属機関に連絡する。
  • 「パブピア(PubPeer)」は自動的に第一著者と連絡著者にコメントを伝える仕組みになっている。
  • 白楽は疑惑発見者ではないので、告発者というより通報者である。

★通報窓口のあらまし:大阪大学

ーーー日本語版ーーー

研究公正に向けた取組 - 大阪大学
https://www.osaka-u.ac.jp/ja/research/policy/researchintegrity

大阪大学研究推進部研究推進課
電話:06-6879-7031
E-mail:kousei-mail<a>office.osaka-u.ac.jp
※<a>を@に置き換えて送信してください。

ーーー英語版ーーー

英語で通報:可能。

上記日本語版の英語版があった。Emailアドレスが示されているので英語での通報は可能である。

Approaches to Research Integrity - Osaka University
https://www.osaka-u.ac.jp/en/research/policy/researchintegrity

驚いたことに、英語版の「申立書様式」である「Complaint form」は英語ではなく、日本語だった。

●3.【各段階の評価】

★通報:大阪大学:評価(優//可/不可/悪質/なし)とコメント

  1. 通報方法はわかり易く簡単で優れている。申立書様式(Word)は再考した方が良いと思うが、Emailアドレスが示されているので問題なく通報できる。外国人も英語で通報できる。

通報対応:評価(優//不可/悪質/なし)とコメント

●4.【疑惑者】

★疑惑データねつ造

★研究者の経歴・所属・地位など

代表として連絡著者を示した。

  • 研究者:平松 征洋(ヒラマツ ユキヒロ)
  • 部署:大阪大学 微生物病研究所 感染機構研究部門  分子細菌学分野/堀口研究室
  • 職位:助教
  • 写真出典

2024年3月に大阪大学を退職したらしい。
2025年1月7日現在、堀口研究室のメンバーにいない
平松征洋氏のresearchmapは削除されたようで、アクセスできない。 → https://researchmap.jp/yhiramatsu

●5.【疑惑論文】

★疑惑の具体例

2022年12月21日、以下に示す「2022年のScience Advance」論文を出版した。論文にはデータを示す8個の図、結果をイラストした1個のイラスト図、データを補佐する3個の付録図があった。

平松 征洋氏が連絡著者だった。

2025年1月1日、1個のイラスト図を除く、8個の図と3個の付録図を支持するデータがないという著者からの申し出で、「2022年のScience Advance」論文は撤回された。 → 撤回公告

論文は以下の研究助成を受けていたと記載されていた(英語部分)。もちろん、大阪大学からの研究費も使用していたはずである。

Funding: This work was supported by JSPS KAKENHI [grant numbers 19K16638 (to Y.Hi.), 20H03485 (to Y.Ho.), and 21K07003 (to Y.Hi.)], the Takeda Science Foundation (to Y.Hi.), the Chemo-Sero-Therapeutic Research Institute (to Y.Hi.), the Mother and Child Health Foundation (to Y.Hi.), and the Uehara Memorial Foundation (to Y.Hi.).

つまり、研究は文部科学省系・JSPSの3件の科研費「平松 征洋:19K16638、4,290千円」「堀口 安彦:20H03485、17,680千円」「平松 征洋:21K07003、 4,160千円」の研究費を使用していた。 → 小計:2,613万円

さらに、民間から「平松 征洋:武田科学振興財団・2021 年度武田報彰医学研究助成:金額不明」。「平松 征洋:一般財団法人 化学及血清療法研究所:金額不明」「平松 征洋:上原記念生命科学財団・2021年度 研究奨励金:200万円」の研究助成を受けた研究成果だった。

どんなデータなのか、参考までに論文の図を3個示す(出典:原著論文)が、どの部分がねつ造されたのかの記載はない。

グラフの数値のねつ造は簡単だが、電気泳動バンドや蛍光顕微鏡写真のねつ造は難しい。電気泳動バンドや蛍光顕微鏡写真は本物を使用したと思うが、情報がないのでわからない。

ーーーー参考:論文の図1ーーーー

 

ーーーー参考:論文の図6ーーーー

ーーーー参考:論文の図8ーーーー

●7.【白楽の感想】

《1》内部告発?

研究不正疑惑論文の連絡著者だった平松 征洋氏を代表として記載したが、実際のネカト行為者は共著者の誰かかもしれない。

もちろん、論文の著者は全員、実際のネカト行為者でなくとも、その論文に不正が見つかれば、不正者としての責任がある。中でも、研究室主宰者や連絡著者の責任は大きい。

また、誰が論文の問題点を指摘したのか、著者らが自発的に気が付いたのか不明である。本件は、「パブピア(PubPeer)」での指摘はない。

問題の図から推察を見ると、グラフ(の数値)をねつ造したと思われる。この場合、第三者は研究不正をほぼ見破れないので、共著者が気が付いて内部告発したと思われる。

2025年1月7日現在、パブメド(PubMed)で検索すると、平松 征洋氏は、 2012~2025年の14年間に32論文を出版している。うち、1論文は撤回公告なので、実質、31論文を出版している

平松 征洋氏がネカト者なら、これら31論文も精査した方が良い。

《2》他の日本人も指摘していた

記事をほぼ書き終えて気が付いた。

2025年1月7日、「ミスコン・プレイ 研究不正・盗用」も本件を指摘していた。

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★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。
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