7-125 架空著者:ドラガン・ロドリゲス(Dragan Rodriguez)

2023年9月23日掲載

白楽の意図:「偽造著者(forged authorship)」シリーズ。15~18報の論文を出版しているロドリゲスの所属は米国のケース・ウェスタン・リザーブ大学(Case Western Reserve University)である。しかし、ケース・ウェスタン・リザーブ大学(Case Western Reserve University)は、ドラガン・ロドリゲス(Dragan Rodriguez)という名前の人物は過去・現在、在籍していないと証言した。誰が、どんな目的・動機でロドリゲスを架空著者に設定したのか? レベッカ・ソーン(Rebecca Sohn)の「2023年8月の撤回監視」論文を読んだので、紹介しよう。

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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.日本語の予備解説
2.ソーンの「2023年8月の撤回監視」論文
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
8.主要情報源;
9.コメント
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【注意】

学術論文ではなくウェブ記事なども、本ブログでは統一的な名称にするために、「論文」と書いている。

「論文を読んで」は、全文翻訳ではありません。

記事では、「論文」のポイントのみを紹介し、白楽の色に染め直し、さらに、理解しやすいように白楽が写真・解説を加えるなど、色々と加工している。

研究者レベルの人が本記事に興味を持ち、研究論文で引用するなら、元論文を読んで元論文を引用した方が良いと思います。ただ、白楽が加えた部分を引用するなら、本記事を引用するしかないですね。

●1.【日本語の予備解説】

★「偽造著者(forged authorship)」シリーズ共通の文書

「撤回監視(Retraction Watch)」の記事のカテゴリーの1つに「forged authorship」がある。

この「forged authorship」を白楽ブログでは「偽造著者」と訳した。

従来の「著者(オーサーシップ)」問題は、以下の3点である。

  1. 研究に貢献していないのに共著者になる。共著者になった人はこのことを知っている
  2. 研究に貢献したのに共著者にされない
  3. 論文の著者欄に記載された共著者の順序が不適切

それで、白楽は「著者(オーサーシップ)」問題を「著者在順」問題と命名し明確化していた。

4‐3.著者在順(オーサーシップ、authorship)・代筆(ゴーストライター、ghost writing)・論文代行(contract cheating)

つまり、「著者在順」問題は数十年前からの古い問題で、基本的には、論文の共著者を不適切に示す(示さない)行為で、忖度、アカハラがベースで、著作権・名誉・金銭的損得などの問題になる。

「偽造著者(forged authorship)」は、次元が異なる著者問題に視点を合わせている。しかし、著者在順も含めた著者に関する全問題と捉えることもできる。

後で修正するかもしれないが、一応、以下のように考える。

「偽造著者(forged authorship)」は、特に、インターネット普及後に登場した問題で、著者在順での思考とは異なる手法・動機がある。

実行する人は金銭を得るのが動機と思えるが、白楽には動機がつかめないケースもある。

著者在順での思考とは異なる手法・動機は、以下のどれかだろう。

①論文工場で作った論文を売る(ビジネス)。買った人と執筆者は異なる。執筆者名は論文に載らないか、共著者になっている。
②乗取学術誌、捕食学術誌の質を上昇・維持するために実在の研究者を著者にした論文を出版する(ビジネス)。執筆者と論文の著者欄の人は異なる。
③出版論文数を高めるため論文を買い、自分が執筆していない論文を学術誌に掲載する(研究者)。
④被引用数を高めるために同上(研究者)。
⑤世界大学ランキングを上げるため、無断で高被引用者を共著者にした論文を出版する(大学)。
⑥愉快、イタズラ。狂気(金銭的な得はない)。

白楽は動機を十分掴めていないが、現在、以下の異常事態が発生している。

  1. 無許可共著・・・研究に貢献していない人を無許可で共著者にする。共著者にされた人はこのことを知らない
  2. なりすまし著者・・・実在する他人を単著者にした論文を出版する
  3. 架空著者・・・実在していない人を著者(単著・共著)にした論文を出版する ← 今回の事件

では、従来の「著者在順」と新手の「偽造著者(forged authorship)」は何が大きく異なるか?

著者の素性である。

前者は素性がわかる。

後者は素性が不明である。つまり、実際に執筆した人の「本当の氏名」「有効な連絡方法(電子メールなど)」「所属」が不明(含・虚偽)である。なお、素性がバレる場合もある。

●2.【ソーンの「2023年8月の撤回監視」論文】

★読んだ論文

2023年8月15日のレベッカ・ソーン(Rebecca Sohn、写真出典)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:Who are you, Dragan Rodriguez? Fifteen studies have the same fake author, sleuth finds – Retraction Watch

本論文は学術論文ではなくウェブ記事である。本ブログでは統一的な名称にするため論文と書いた。

方法論の記述はなく、いきなり、本文から入る。

●【論文内容】

★ケース・ウェスタン・リザーブ大学の研究者

ドラガン・ロドリゲス(Dragan Rodriguez)の所属は、米国のケース・ウェスタン・リザーブ大学(Case Western Reserve University)の電気工学・コンピュータ科学・学科(Department of Electrical Engineering and Computer Science)である。

ロドリゲスは2018年以降、15~18報の論文を出版した。研究テーマは「がんの検出」から「再生可能エネルギー」まで多岐にわたっている。

ロドリゲスの論文は、インパクトファクターが7を超える2つの学術誌「International Journal of Hydrogen Energy」と「Journal of Building Engineering」、インパクトファクターが11 を超える学術誌「Applied Energy」にも出版された。

以下に上記の3学術誌のロドリゲスの論文を各1報示す。

  1. Increasing of fuel cell economic benefits by optimal participation strategy with energy storages and other distributed resources and considering uncertainties and various markets” 
    International Journal of Hydrogen Energy, 
    December 2018
    Zehui Shao, Arash Hosseinian Ahangarnejad, Ali Monazzah, Yongsheng Rao, Dragan Rodriguez
  2. Optimization of zero-energy building by multi-criteria optimization method: A case study
    Journal of Building Engineering
    , July 2021
    Neng Zhu, Xiangzhe Liu, Qi Dong, Dragan Rodriguez
  3. Hybrid forecasting model based on long short term memory network and deep learning neural network for wind signal
    Applied Energy, December 2018
    Yong Qin, Kun Li, Zhanhao Liang, Brendan Lee, Fuyong Zhang, Yongcheng Gu, Lei Zhang, Fengzhi Wu, Dragan Rodriguez

そして、ロドリゲスの論文は合計 232回引用された。

★ドラガン・ロドリゲス(Dragan Rodriguez)は架空?

ところが、ケース・ウェスタン・リザーブ大学(Case Western Reserve University)は、ドラガン・ロドリゲス(Dragan Rodriguez)という名前の人物は大学に在籍していない(いなかった)と証言した。

そもそも、ケース・ウェスタン・リザーブ大学にはロドリゲスが所属していると主張した「電気工学・コンピュータ科学・学科Department of Electrical Engineering and Computer Science」は存在しない。若干異なる「電気、コンピュータ、システム工学科Department of Electrical, Computer and Systems Engineering」なら存在する。

「存在する」学科である「Department of Electrical, Computer and Systems Engineering」の教員・スタッフにロドリゲスの名前はない → Faculty and Staff | Case School of Engineering | Case Western Reserve University

以下は、ケース・ウェスタン・リザーブ大学(Case Western Reserve University)・工学部(Case School of Engineering)の動画: https://engineering.case.edu/about

★論文工場絡み?

2023年初頭、ロシアのネカトハンターであるアレクサンダー・マガジノフ(Alexander Magazinov 、写真出典)は、引用カルテルの調査をしている時、ロドリゲスの論文に遭遇した。

ロドリゲスの論文は、エリザベス・ビックが「イランの論文工場」と呼んだ不正グループと関係していた。 → The Iranian Plant Paper Mill – Science Integrity Digest

イランのイスラム・アザド大学(Islamic Azad University)の研究者・マジド・カヤトネザド(Majid Khayatnezhad)は「イランの論文工場」に関与していると思われるが、カヤトネザドは引用カルテルで利益を得ていない、と主張している。

カヤトネザドはトルコのアンカラ・ユルディリム・ベヤズット大学(Ankara Yildirim Beyazit University)の研究者・ノラディン・ガディミ(Noradin Ghadimi、写真出典)と共著者になることが多い。

マガジノフは、ガディミの論文を異常に多く引用した論文を調べているうちに、ロドリゲスの論文に行きついた。

マガジノフの解析によると、ロドリゲスの論文が引用した論文著者名を、回数の多い順に並べると、以下になる。

227 Ghadimi, Noradin
63 Razmjooy, Navid
23 Jermsittiparsert, Kittisak
21 Darvishan, Ayda
19 Abedinia, Oveis
19 Ghiasi, Mohammad
18 Mohammadi, Mohsen
16 Yu, Dongmin

つまり、ロドリゲスの論文はノラディン・ガディミ(Noradin Ghadimi)をダントツに多く引用している。

ということは、ガディミがロドリゲスの論文を出版している本当の執筆者で、その論文で自分(ガディミ)の論文を引用する、という引用ビジネスの疑念が生じる。

従来の「著者在順」問題では、研究に貢献していないのに共著者にするオノラリー・オーサーシップ(honorary authorship、名誉著者)、ギフト・オーサーシップ(gift authorship、贈呈著者)、ゲスト・オーサーシップ(gest authorship、客員著者)、儀礼上のオーサーシップ、などが、クログレイ行為として指摘されている。

「著者在順」問題の場合、論文の本当の執筆者の身元をごまかすことはない。

ところが、ロドリゲス事件では論文の本当の執筆者は不明である。[白楽注:上記のマガジノフの解析を素直に受け取れば、ノラディン・ガディミ(Noradin Ghadimi)だと思うが、証拠はない]

そして、ロドリゲスは架空人物である。

ロドリゲスが共著者になった15論文で、ロドリゲスは一度も連絡著者になっていない。有効な電子メールアドレスも持っていない。もちろん、有効な電子メールアドレスを持っていなくても、論文の共著者になれる。

ケース・ウェスタン・リザーブ大学(Case Western Reserve University)に在籍していないので、大学のウェブサイトにロドリゲスのプロフィールは掲載されていない。

確認のため、マガジノフはケース・ウェスタン・リザーブ大学に問い合わせた。

すると、研究公正担当副学長補佐のトレイシー・ウィルソン=ホールデン(Tracy J. Wilson-Holden、写真出典)は次のように回答した。

ケース・ウェスタン・リザーブ大学の記録を徹底的に検討した結果、ドラガン・ロドリゲスは教職員、博士研究員、学生、ボランティアとしてケース・ウェスタン・リザーブ大学のメンバーではありません。過去にメンバーだったこともありません。ロドリゲスは所属偽装しているに違いありません。

マガジノフは、ロドリゲス論文を掲載した学術誌に、ウィルソン=ホールデンの「ロドリゲスの所属偽装」回答の電子メールを添付して、論文撤回を要請した。

なお、ロドリゲスの電子メールアドレスは、どの大学、研究所、研究者のプロフィール、ウェブサイトにも掲載されていないので、「撤回監視(Retraction Watch)」もロドリゲスに連絡できていない。

マガジノフも、ロドリゲスに連絡する方法が見つからないと述べている。

とはいえ、ロドリゲス論文の共著者の何人かは、誰がロドリゲスを共著者に加えたかなど、ロドリゲスが論文の共著者になったいきさつを知っているハズだ。しかし、「撤回監視(Retraction Watch)」の問い合わせに共著者の誰も返事してこなかった。

マガジノフがロドリゲス問題を伝えた学術誌は、この問題を調査しているとマガジノフに伝えている。

しかし、それ以降、何も返答してこない。そして、どの論文も撤回されていない。

★共著者は中国

「撤回監視(Retraction Watch)」のコメント欄に、「サンドラ(Sandra)」がロドリゲス論文の共著者の所属を調べた、というコメントがあった。

41人の共著者のうち、37人が中国人だった。以下、37人の最初の10人の名前・所属・国を示す。

  1. Liu, Bo. Wuchang University of Technology, Wuhan, China
  2. Chang, Zuzheng. Weifang Engineering Vocational College, Qingzhou, China
  3. Chen, Jie. Wuhan Lingyun Building Decoration Engineering Co., Ltd, Wuhan, China
  4. Ding, Huan. Nanyang Institute of Technology, Nanyang, China
  5. Dong, Qi. The National Police University for Criminal Justice, Baoding, China
  6. Du, Qian. Shenzhen Bureau of Geology, Guangdong, China
  7. Gu, Yongcheng. Dongguan University of Technology, Dongguan, China
  8. He, Baina. Shandong University of Technology, Zibo, China
  9. Huang, Guichun. Shandong University of Technology, Zibo, China
  10. Huang, Qirui. Nanyang Institute of Technology, Nanyang, China

ということは、本当の執筆者はトルコのノラディン・ガディミ(Noradin Ghadimi)だと仮定すると、ガディミは論文工場で論文を作り、その論文を中国人だけに売っていた、ということなのだろう(白楽の推察です)。

●6.【論文数と撤回論文とパブピア】

データベースに直接リンクしているので、記事を閲覧した時、リンク先の数値は、記事執筆時の以下の数値より増えていると思います。

★スコーパス(Scopus)

2023年9月22日現在、スコーパス(Scopus)で、ドラガン・ロドリゲス(Dragan Rodriguez)の論文を「Rodriguez, Dragan」で検索した。2019~2023年の5年間の15論文がヒットした。

★撤回監視データベース

2023年9月22日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースでドラガン・ロドリゲス(Dragan Rodriguez)を「Dragan Rodriguez」で検索すると、0論文が撤回されていた。

★パブピア(PubPeer)

2023年9月22日現在、「パブピア(PubPeer)」では、ドラガン・ロドリゲス(Dragan Rodriguez)の論文のコメントを「”Dragan Rodriguez”」で検索すると、2019~2023年の16論文にコメントがあった。

●7.【白楽の感想】

《1》フェイクの応酬 

ドラガン・ロドリゲス(Dragan Rodriguez)事件では、パブピアで6,400件以上コメントしているネカトハンターの「Rhipidura albiventris」が、「マジド・カヤトネザド(Majid Khayatnezhad)に多数の協力者がいる」とコメントした。

すると、ネカトハンターのスマット・クライド(写真出典)が「この Rhipidura albiventris は、ネカトハンターのRhipidura albiventris とは別人です」とコメントした。

すると、今度は、パブピアで15,500件以上のコメントを書いているネカトハンターの「Hoya camphorifolia」もコメントした。

ネカトハンターのスマット・クライド(Smut Clyde)は今度も「このHoya camphorifoli は、ネカトハンターのHoya camphorifoliとは別人です」とコメントした。

そして、パブピアで7,200件以上のコメントを書いているネカトハンターの「 Actinopolyspora Biskrensis」もコメントした。

強豪ネカトハンターの3人がコメントし、ネカトハンターのスマット・クライド(Smut Clyde)が「本物ではない」とコメントした。

4人の誰が「本物」で誰が「なりすまし」なのか、白楽にはわからない。

インターネットでは、「なりすまし」は比較的容易である。名前だけでは信用できない。

スマット・クライド(Smut Clyde)が「本物」なら、強豪ネカトハンター3人のコメントが「なりすまし」となる。この場合、スマット・クライドは、「なりすまし」をどうやって見破ったのかわからない。

白楽のような昭和人類は、どーすりゃ、いいの? である。

アー、イヤイヤ、実は少し推察している。

「Hoya camphorifolia」は、スマット・クライド(Smut Clyde)のパブピア名(白楽の推定)なので、自分が書いていないコメントを「Hoya camphorifolia」名で掲載されれば、スマット・クライドは「なりすまし」だと直ぐわかる。ただ、他の2人はどうして判明したかワカラナイ。

《2》意図

本当の執筆者が誰であれ、架空人物であるドラガン・ロドリゲス(Dragan Rodriguez)を共著者に加える意図が、白楽にはわからない。腑に落ちない。

論文工場で作った論文を売る時、買った時、架空人物を共著者にする必要はないハズだ。

白楽が読めていない闇の部分があるようで、どうも、気になる。

《3》論文撤回 

ドラガン・ロドリゲス(Dragan Rodriguez)は15~18報の論文を出版しているが、1報も撤回されていない。

ロドリゲスは架空人物なので、本当の執筆者が所属する大学・研究所は不明である。

白楽は、ノラディン・ガディミ(Noradin Ghadimi)が本当の執筆者だと思うが、もしそうなら、ガディミは不正に手を染めているので、自分が執筆者であるとは言わないし、追及されても、否定するだろう。

また、ガディミは被引用ビジネスの顧客であって、本当の執筆者はガディミではなく、別人かもしれない。

そして、本当の執筆者は、大学・研究所などに所属していないかもしれない。

この場合、ネカトを調査をする正当な機関がない。それで、論文撤回が要請されない。

一方、学術誌は自誌で調査し、論文撤回することができる。

ロドリゲス論文を掲載した学術誌に、ネカトハンターのマガジノフが、ロドリゲス論文の撤回を要請している。

しかし、「学術誌のネカト対処怠慢」は多く、ロドリゲスが出版した学術誌は論文を撤回していない。

《4》排除方法 

「撤回監視(Retraction Watch)」のコメント欄で、シアトルのワシントン大学の研究者であるメアリー・キューナー(Mary Kuhner、写真出典)が架空著者の排除方法を提案している(2023 年 8 月 17 日午後 9 時 36 分)。

一部の高級学術誌でしているように、学術誌・編集部は「すべて」の共著者に連絡し、連絡できない場合、出版プロセスを停止することだと、提案している。

これは架空著者を大幅に排除するかなりの解決策になると白楽も思う。マー、イタチごっこだろけど。

ただ、架空著者はごく少数しかいない(推定)。学術誌側の被害はとても小さい。キューナー提案での排除方法の経費は膨大になる。現実的な方法ではない、ということだ。

《5》架空著者

「架空著者はごく少数しかいない(推定)」と書いたけど、実数は掴めていない。実数を掴むのは難しいだろう。

国家レベルで実数把握に乗り出すとは思えない。それで、一網打尽に掴む優れた方法(コンピュータ・ソフトなど)を、誰かさんが、開発して欲しい。

現状は、個人や小グループが、事例を1つ、また1つ、と見つけて報告している(データベースはないと思う)。

最近みつけた事例を1つ示す。

2023年9月18日、《1》で言及したネカトハンターのスマット・クライド(Smut Clyde)は、以下の論文の赤枠で囲った4人を架空著者だと指摘した。 → ココ

《6》白楽の改革案

架空著者を排除するのが目的ではないが、結果的に大幅に排除できる方法を、白楽は、だいぶ前から提唱している → https://haklak.com/page_authorship_ghostwriting.html#link5 の「《2》白楽の改善案:貢献度数の導入」

論文の著者は、実際に執筆した人を「著者」にしているのではなく、論文に貢献した人を「著者」にしている。

それで、以下をする。

論文投稿時に、論文への貢献度を1~10の整数にし、著者欄の各著者名の後に示す。貢献度数の合計を10とする。1未満の貢献をした人は著者欄にリストしない。「謝辞」に記す。

そうすれば、架空著者を入れると他の著者の貢献度が下がるので、論文に貢献していない人を著者欄に記載しなくなる。

この方法を導入しても、学術誌側への新たな負担・経費はとても少なくて済む。

《7》架空人物

実在していない架空人物の顔写真をクリック1つで作成できるサイトがある。 → https://thispersondoesnotexist.com/

そのサイトで、今回、以下の男女2人を作ってみた。

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日本の人口は、移民を受け入れなければ、試算では、2100年に現在の7~8割減の3000万人になるとの話だ。国・社会を動かす人間も7~8割減る。現状の日本は、科学技術が衰退し、かつ人間の質が劣化している。スポーツ、観光、娯楽を過度に追及する日本の現状は衰退を早め、ギリシャ化を促進する。今、科学技術と教育を基幹にし、人口減少に見合う堅実・健全で成熟した良質の人間社会を再構築するよう転換すべきだ。公正・誠実(integrity)・透明・説明責任も徹底する。そういう人物を昇進させ、社会のリーダーに据える。また、人類福祉の観点から、人口過多の発展途上国から、適度な人数の移民を受け入れる。
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●8.【主要情報源】

① 2023年8月15日のレベッカ・ソーン(Rebecca Sohn)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:Who are you, Dragan Rodriguez? Fifteen studies have the same fake author, sleuth finds – Retraction Watch

★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。

●9.【コメント】

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