8‐4 中国の王兆昱・記者の質問に白楽が回答

2023年7月31日掲載 

ワンポイント:中国科学院(自然科学分野の中国最高学府)に所属する中国科学新聞社の王兆昱・記者からの質問に、白楽が回答した。王兆昱・記者の了承を得て、その質問と白楽の回答、2023年7月27日掲載の中国語の記事サイト、その日本語訳を掲載した。

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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.なぜ日本ではリトラクションが多い?
2.学術的な不正行為に対する罰則は?
3.不正行為発生後、日本に帰国し、新たな教職に就くのは?
4.現在の日本の学術環境の最大の問題点は何?
5.中国語の記事
7.白楽の感想
9.主要情報源
10.コメント
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●【質問1】 リトラクション・ウォッチによると、最も撤回された研究者10人のうち5人が日本出身です。 なぜ日本ではリトラクションが多いのだと思いますか? また、その理由は何でしょうか?

【回答】

「リトラクション」、つまり、「論文撤回」が多いのかではなく、「多数論文撤回者」がなぜ多いのかという質問だと理解しました。

「多数論文撤回者」が多い理由は、日本に悪質なネカト者が多いと解釈する人がいますが、それは間違いです。

多くのネカト者は、軽い気持ちでネカトをする。そのネカトが発覚・処罰されるまで、2回、3回、・・・と、ネカト論文を出版し続ける。発覚・処罰されるまでの年月が長いと、ネカト論文数が増え、発覚・処罰後の撤回論文数は多くなる。

つまり、理由の第1は、発覚までの年月が長かったこと。言い換えると、日本の大学と学術界が研究ネカトに無関心・無見識なために、研究者のネカト行為を長年摘発してこなかった。また、摘発しても調査しなかったことです。

理由の第2として、調査しても、調査の結果、クロをシロと強弁して、ネカトではないとするネカト調査不正が横行していることです。

理由の第3として、調査の結果、ネカトだととわかっても、日本の大学と学術界はネカト者への処罰が甘すぎたことです。

①摘発されなし、②摘発されても、調査不正で庇われる。③クロとされても処罰が甘い。この3点セットで、日本の多くの研究者はネカトを深刻な不正と思わず、他の研究者がネカトをしているのに気がついても告発しない。

結果的にネカト行為が長年摘発されないことが常態化していた。

摘発・調査の結果、クロと判定された研究者の中で、特に多数の論文を出版していた研究者が、多数論文撤回者となったのです。

★ 藤井事件が示した事実

世界論文撤回数ランキング第2位の藤井善隆(Yoshitaka Fujii)を例に具体的に説明します。 → 「撤回論文数」世界ランキング | 白楽の研究者倫理

藤井善隆は日本の麻酔学者で、東京医科歯科大学、筑波大学、東邦大学の教員だった。

1993年(約30歳)から2011年(約48歳)の19年間に出版した多数の論文の内、172論文がネカトと認定され、撤回された。

それほど多量のネカト論文を出版していたのに、見つけたのは共同研究者でも上司でもなかった。それどころか、日本人ではなく、ドイツの研究者だった。それも最初のネカト論文出版の7年後である。

2000年4月、最初のネカト論文出版の7年後、ドイツのピーター・クランケ(Peter Kranke)らが、藤井の多数の論文に異常なデータがあると米国の麻酔学・学術誌『Anesthesia & Analgesia』に論文で指摘した。

ピーター・クランケ(Peter Kranke)らは、同時に、日本麻酔科学会、藤井が当時所属していた筑波大学にも通報した。しかし、学術誌(米国)も日本麻酔科学会も筑波大学も調査をしなかった。

2012年のNature ダイジェストの記事「20年発覚しなかった研究上の不正行為」に以下のようにある。

藤井は、研究の大量捏造を行い、研究参加者をでっち上げたことさえあった。ところが、共同研究者も研究助成機関も学術雑誌の編集者も、それに気付かなかった。というより、少なくとも誰も手を打たなかった。(出典:20年発覚しなかった研究上の不正行為 | Nature ダイジェスト | Nature Portfolio

ネカト調査がされなかったので、当然、藤井は処罰されなかった。

この時、自分の論文にネカト疑惑が持ち上がり、精査されたことを知った藤井は、その後、注意深くなった。

しかし、その後も、ネカト論文を毎年10報ほど出版し続けた。ここでの教訓は、「ネカトを指摘しただけではネカトを止めない。処罰しないと止めない」である。

ピーター・クランケらの指摘から約10年が経過した2010年前後、麻酔学の分野で、2009年に米国のスコット・ルーベン(Scott Reuben)、2010年にドイツのヨアヒム・ボルト(Joachim Boldt)など、大きなデータねつ造事件が発覚した。
 → スコット・ルーベン(Scott S. Reuben)(米)https://haklak.com/page_Scott_Reuben.html
 → ヨアヒム・ボルト (Joachim Boldt)(ドイツ)https://haklak.com/page_Joachim_Boldt.html

その前後の2009年に麻酔学・学術誌『Anaesthesia』・編集長に就任したスティーブ・イェンティス(Steve Yentis)は研究不正への関心が高く、2010年にネカト論文を精査する社説を書いた。

呼応した英国の麻酔科医・ジョン・カーライル(John Carlisle)が藤井の論文を精査し、2012年3月、再び、多数の異常なデータを論文で指摘した。

この時、ようやく、日本も対応した。

2012年6月29日、日本麻酔学会はその年の3月から3か月間、調査を行ない、藤井の172論文にデータねつ造があると結論し、公表した。 → 2012年6月28日:調査報告書.pdf 124ページ保存版

2012年8月30日、日本麻酔科学会は、藤井の除名処分を検討中に退会を許したという情けない理事会声明を発表した。 → https://anesth.or.jp/users/news/detail/5c6e3885-13ac-485b-98f2-0f53a50cc6ad保存版

藤井が当時所属していた東邦大学は、准教授だった藤井を2012年2月に解雇した。処罰を受けた藤井は、以後、ネカト論文を出版していない。

ただ、藤井に罰金や刑事罰は科されていない。博士号も医師免許も剥奪されていない。

藤井事件でわかるように、日本の大学・学術界はネカトに無関心だったし、処罰は甘かった。

「無関心」を再度整理するが、日本人研究者が藤井のネカトを指摘したのではなく。外国の研究者が指摘したのである。その上、日本は指摘されても、大学と学会は指摘を無視していたのである。

1回目の指摘で調査し処罰していれば、その後10年間に出版し続けた約100本(推定)のネカト論文は阻止できたに違いない。

藤井事件の当時、日本の学術界はネカト対処の知識も経験も不足していた、としよう。

それで、日本は藤井事件から大きく学び、ネカトへの関心が高まり、ネカト諸制度を改善し、学術界はまともに対応するようになったか?

残念ながら、全くそうならなかった。

日本は藤井事件からほぼ何も学んでいない。次の上嶋事件で説明しよう。

★上嶋事件が示した事実

世界論文撤回数ランキングの第3位は、昭和大学・講師の上嶋浩順(Hironobu Ueshima)で、藤井と同じ麻酔学者である。

上嶋の撤回論文数は123報である。この撤回論文は2014~2020年の7年間に出版した論文だった。

つまり、第3位の上嶋のネカト論文は、藤井事件の数年後から出版され始めている。

藤井と同じ東京都内、同じ私立大学・医学部、同じ麻酔学の分野、なので、上嶋及び上嶋の上司である大嶽浩司・教授、さらにはその周辺の研究者たちは藤井事件を知っていたはずである。

「知っていた」というレベルよりも、もっとずっと身近に感じていたはずだ。

また、2014年2月・3月に世界のマスメディアが報道した日本のネカト大事件がある。

日本の学術界だけでなく、日本社会全体、世界の学術界を震撼させ、自殺者も出した小保方晴子のデータねつ造事件である。

この状況なので、上嶋及びその周辺の研究者はデータねつ造が不正行為であることを十分に知っていたはずである。

ところが上嶋及びその周辺の研究者に対して、藤井事件や小保方事件は全く抑止力にならなかった。

藤井事件や小保方事件という大事件でさえも、日本はネカト諸制度を改善せず(できず)、日本の大学と学術界(少なくとも上嶋及びその周辺の研究者)のネカトへの無関心・無見識を改善できなかった。

上嶋は2014年から7年間もネカト論文を出版し続けた。

★第2理由

理由の第2として挙げた、大学のネカト調査不正は後述する。

★第3理由

理由の第3として挙げた、日本の大学と学術界がネカト者への処罰が甘い点について、少し加えておこう。

前述した米国のスコット・ルーベン(Scott Reuben)は6か月の禁固刑が科されたが、藤井も上嶋も刑事罰は受けていない。博士号も医師免許も剥奪されていない。事件後、医師として働いている。

この処罰の甘さが、ネカトは深刻な不正ではないというメッセージを、日本の大学院生・研究者・大学・学術界に送り続けている。

●【質問2】 日本では、学術的な不正行為に対してどのような罰則があるのでしょうか。 これらの仕組みをどのように評価しますか? 学ぶべき教訓は何ですか? また、改善すべき点は何でしょうか?

【回答】

★罰則

日本では、ネカト行為は法律で禁止された犯罪行為ではないので、刑事罰はなく、懲役という処罰はない。

ただ、盗用の場合、著作権法違反で刑事・民事事件になり、10年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金や損害賠償が科される場合はある。質問の本旨から少し外れるのでここでは論じない。

ネカト行為への罰則は、所属大学・研究所が科す罰則、研究助成機関が科す罰則、所属学会が科す罰則、出版社・学術誌が科す罰則の4つがある。後者2つの罰則はここでは論じない。

罰則の1つ目は、所属大学・研究所が科す罰則である。ネカトの程度に応じて、所属教員には「懲戒解雇」から「注意」等を科し、所属学部生・大学院生には「退学」や「停学」等を科し、出身大学院生には「学位剥奪」等を科しているが、どの大学も明確な基準を示していない。また、国が定めた全国統一基準の罰則はない。
 → 京都大学の例:https://www.jst.go.jp/jitsuyoka/jimu/files/nx2022/g07.pdf の第16条

罰則の2つ目は、研究助成機関が研究助成した研究プロジェクトでネカトがあった時、処罰する罰則がある。「授与した助成金の返還」、「今後数年の研究助成申請不可」などの処罰だが、研究者に深刻なダメージを与えない。
 → 資料:https://www.jst.go.jp/jitsuyoka/jimu/files/nx2022/g07.pdfの24条

処罰は「研究者がネカトをしないようにする」のが目的の1つなので、米国ではネカト者が研究業を廃業せざるを得ない処罰を科す。

ところが、日本の処罰は米国に比べ非常に甘く、懲戒解雇はまれである。日本の処罰はネカト者を学術界から排除する機能も作用もない。

例えば、2023年にデータねつ造・改ざんが発覚した宇宙航空研究開発機構の古川聡宇宙飛行士は実質的には無処分で、その後、業務を続けている。
 → 2023年4月28日の「NHK」記事:JAXA データ書き換え 再発防止策の履行を前提に研究再開目指す

国際基準と合わない現状からも、日本の処罰には大きな改善が必要である。

一般社会人が不正行為を犯せば処罰される。その処罰は大多数の一般人が健全な社会活動を営めるための処罰である。この処罰は大多数の研究者が健全な研究活動を営めるためにも有効である。

ネカト行為を犯した研究者への処罰は、一般人が犯した犯罪と同じ処罰を適用することが望ましい。

例えば、データねつ造論文で研究費を不正に得たり昇進した場合、他人をだまして金銭・地位を得ているので、詐欺罪などを適用し、刑事罰を与える。データねつ造論文に基づいた医療処置で健康被害が生じたり患者が死亡したら、業務上過失致死傷罪などを適用し、刑事罰を与える。もちろん、法律をネカト者向けに変える必要はある。

しかし。基本的に、一般人が犯した犯罪と同じ処罰を適用することで、研究者が健全な研究活動を営むことができる。

なお、研究は未知の世界を探索する行為なので、失敗や間違いが常に起こることは配慮すべきである。

とは言っても、自動車の運転をウッカリ「間違えて」、通行人を轢き殺した場合、「意図的ではない」とか「誠実な間違いだった」から許されるか? 

これは「あり得ない」。ところが、学術界では普通に「あり得る」のである。

なお、本回答では、処罰の問題点、教訓、改善点に対するこれ以上の回答は控える。

というのは、研究ネカトでは、処罰以前の問題が大きいからである。その点を以下に強調したい。

★大学のネカト調査不正

ほとんど指摘されていないが、日本には「大学のネカト対応怠慢・不作為」、さらには「大学のネカト調査不正」が横行している。

ネカト告発に対する大学の対応と調査は、隠蔽と不正という大きな闇でおおわれているのだ。

多くの社会人、それに研究者でさえも、大学はネカト告発に誠実に対応し、専門家が徹底的に慎重に調査し、社会に隠し立てせずに公表している、と思うようだが、そうなっていない。

日本の文部科学省の規則上、ネカト調査は、ネカト研究者の所属する大学・研究所が行なう。

大学・研究所は、所属する研究者をネカト犯と結論すると、自分の大学の評判が落ち、上記したように研究助成金を返還しなければならない。従って、被疑者の所属する大学・研究所がネカト調査を行なうこの規則が、そもそも、利益相反で理論的に異常である。

また、米国の各大学にはネカトを専門に扱う研究公正官がいるが、日本にはいない。そのこともあって、日本の大学・研究所はネカト対処に詳しい教員はまずいない。

大学・研究所は上層部の意向を忖度する普通の教員(ネカト対処の素人)を委員に任命し、ネカト調査を行なうケースが大半となる。つまり、「専門家が徹底的に慎重に調査」してはいない。

このように、日本のネカト調査は当初から構造上、大きな欠点を抱えている。

その中でも優れた対応・調査をする大学・研究所はあるが、そうでない大学・研究所が多数なのである。

以下は事実と推測をまじえて書く。

大学・研究所は、まず、ネカト調査をなるべくしない。しても、調査はおざなりである。かなりの頻度で、不正ではなかったと無理やり結論する。

調査は予備調査と本調査の2段階あるが、予備調査の結果を公表しない。本調査の結果を公表しても実態がわからない短文で公表する。ネカト者の所属や氏名を隠蔽する。調査委員名を記載しない。などなど、さまざまな手法で、情報を出さないようにしている。

隠蔽体質は顕著で、ネカトの原因を究明できる情報をほとんど公表しない。

大学・研究所は、意図的に「ネカト対応怠慢・不作為」「ネカト調査不正」をしているのだが、さらに悲しいことに、これを監視・是正する組織が日本には存在しない。監督官庁は介入しない(白楽が要請しても介入しなかった)。

「1の回答」で述べたように、日本は、「ネカトしても滅多に見つからないし、見つかっても調査はいい加減で、処罰は甘い。それで、ネカトした方が得」という状況だったし、現在も同じである。

大学院生・ポスドク・研究者の全員に、「ネカトすれば必ず見つかり、適正な調査が行なわれ、強い処罰が科され、ネカトするのは危険で大損だ」と認識させる制度に改善する必要がある。それが達成されるよう、摘発・調査・処罰システムを改善すべきということだ。

詳細は省くが、摘発・調査・処罰は、大学・研究所や学術界とは独立の上位または対等の機関で、捜査権を持つ組織(例えば麻薬取締部や警察)が担うのが妥当だろう。

●【質問3】 不正行為発生後、一部の日本人研究者は日本に帰国し、新たな教職に就き、新たな教育機関で繁栄することに成功しました。 これは、学歴詐称に対する寛容さを表しているのでしょうか? この現象の原因は何だと思いますか? また、どのような対策を講じるべきでしょうか。

【回答】

原因は、日本の大学・学術界が研究ネカトに無関心・無見識だからです。

確かに、欧米に比べ日本社会は犯罪者・悪行に寛容な面があります。特に、上級国民・大学教授・医師などに対して寛容です。ただ、ネカトの深刻な弊害を知ったうえで許すなら「寛容」ですが、日本の大学・学術界は研究ネカトに無関心で、ネカト行為は深刻な不正であるという「見識」がありません。それで、同僚がネカト者でも問題視しません。

ただ、教育を受ける大学院生・ポスドクは指導教授がネカト者だとわかったら、健全な精神を維持できるかどうか疑問です。

講じるべき対策としては、研究関連の業界全部にネカトへの「関心」を持たせ、ネカト行為は深刻な不正であるという「見識」を育成することです。

同時に、外国であれ日本国内であれ、ネカト前科のある研究者は、研究業務と研究者育成業務から排除する。つまり、大学教員や研究職には就業できない制度(制度化が難しければ、当面は、慣習や文化にする)ことです。

そのためにも、現在隠蔽されがちな情報を公開し、透明にすることも必要です。

●【質問4】 現在の日本の学術環境の最大の問題点は何だと思いますか?

【回答】

研究ネカトへの無関心・無見識は日本の学術環境の大きな問題です。同様に性不正やアカハラに対する無関心・無見識も大きな問題です。

ただ、「最大」の問題点を挙げるなら、学術環境の「環境」ではなく「学術」そのもの、つまり、日本の学術・科学技術に魅力がないことです。夢と希望を持てないことです。

日本政府や経済界が学術・科学技術を重視しない。日本社会が研究者を大事に扱わない。優れた子供・若い人は研究者になろうと思わない。日本の学術・科学技術に夢と希望をもてず、ますます急速に下降・衰退しつつあることが「最大」の問題です。

それなのに、日本政府や学術界は日本の学術・科学技術をどうするかという長期目標・計画・展望・戦略がない。教育は100年の計ですが、100年と言わなくても30年先までの長期目標・計画・展望・戦略がないことです。

●5.【中国語の記事】

中国語の記事「造假最狠的10位学者,竟有5位出自这一国家」は、2023年7月27日、以下の3つのサイトに掲載された。

日本語訳は以下の通り(白楽は無修正)。

中国科学新聞社の王兆昱・記者の但し書きは、「日本語版には誤りがあったり、誤解を招く恐れがある、ご容赦ください。私は日本語がまったくできないので、翻訳ソフトの助けを借りて訳していますが、不正確なところがあるかもしれません!」とある。そのつもりで読んでください。

230713 最も詐欺的な学者10人のうち5人がこの国の出身者である

 

●7.【白楽の感想】

《1》経緯

外国人の質問は、多くの場合、核心をついてくる。

今回、中国科学新聞社(ロゴ出典)の取材を、最初は、お断りした。

というのは、白楽ブログは日本語読解者を対象に日本語で書いているので、外国語で紹介されても、読者の役に立たないからである。

お断りしたのだが、王兆昱・記者は、「答えないでもいいし、選択的に答えてもいい」と、あきらめずに質問してきた。

その質問を読んで、核心をついた質問だと感心した。

王兆昱・記者に回答を送るかどうかは別にして、その質問に対して、自分なりの回答を書いて見ようと思ったのだ。

中国の研究環境を改善する仕組みを白楽は把握できていない。それで、中国に役立って欲しいと心から願うけど、むしろ、日本に役立つことを念頭に回答を書いた。

結局、王兆昱・記者に回答を送ったが、質問と回答を白楽ブログに掲載したいと、王兆昱・記者に依頼した。

快く許可を得られたので、今回、掲載した。

なお、しばらく前から、翻訳ソフトが随分発達してきたと感じている。

ということは、日本語者を対象に日本語で書いている白楽ブログだが、世界中の人々が翻訳ソフトで白楽ブログを読めるのかもしれない。

もちろん、「読める=読んでいる」とは思わないけど、反響として、複数人から外国語のメールをいただいている。

ブログを読んだ米国の教授から、東京に行くので会いたいという英語メールをいただいたこともある。

2023年7月28日、画面中央下部と右上(ウィジェット欄)に本ブログを、世界の100言語以上にクリック1つで翻訳できる「グーグル言語翻訳(Google Language Translator)」を導入した。

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日本の人口は、移民を受け入れなければ、試算では、2100年に現在の7~8割減の3000万人になるとの話だ。国・社会を動かす人間も7~8割減る。現状の日本は、科学技術が衰退し、かつ人間の質が劣化している。スポーツ、観光、娯楽を過度に追及する日本の現状は衰退を早め、ギリシャ化を促進する。今、科学技術と教育を基幹にし、人口減少に見合う堅実・健全で成熟した良質の人間社会を再構築するよう転換すべきだ。公正・誠実(integrity)・透明・説明責任も徹底する。そういう人物を昇進させ、社会のリーダーに据える。また、人口減を補う以上の移民を受け入れる。
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●9.【主要情報源】

① 中国科学新聞社: China Science Daily Media Group(CSDMG)-中国科学报社
★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。

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Yuki Toda
Yuki Toda
2023年8月9日 7:18 AM

大学の外に住む地域住民です。外圧がかかってよかったです。もう一つ外圧がありまして、アイヌ・琉球遺骨問題(100年前に京都大学等の人類学者が沖縄県等に行き、お墓から人骨を盗んで持ち帰り、研究資料とした。世界的にやっており、イギリスもポリネシアで同様のことをしていたようだ)について、米国人類学会から、「日本の人類学会は研究倫理に取り組んでいない」と怒られたようです。沖縄タイムスより。
https://news.yahoo.co.jp/articles/02424b722ec656fb7dcef165445b1289501ce1c7