ミカル・オパス(Michal Opas)(カナダ)

2015年5月5日掲載、2025年7月25日更新

ワンポイント:オパスはトロント大学医学部教授。2015年(66歳?)、「2008年のJ Cell Biol.」論文がデータ捏造・改ざんで撤回。撤回2年前、ネカトハンターのクレア・フランシスが研究不正を学術誌に指摘。オパスは“間違い”を認め、大学院生エヴァ・サボ(女性)がデータを提供したと述べた。トロント大学は調査せず、2人は処罰されなかった。国民の損害額(推定)は約1億円。

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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
9.主要情報源
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●1.【概略】

220px-MichalOpasミカル・オパス(Michal Opas、写真出典)は、カナダのトロント大学(University of Toronto)・医学部・実験医学/病理生物学科・教授。医師免許は持っていない。専門は細胞運動、細胞接着、細胞骨格の細胞生物学。

2013年2月15日(64歳?)、有名なネカトハンターのクレア・フランシス(Clare Francis)が、学術誌「J Cell Biol.」・編集部にオパスの「2008年のJ Cell Biol.」論文のねつ造・改ざんを指摘した。

2015年(66歳?)、「2008年のJ Cell Biol.」論文は撤回された。

オパスは明言を避けているが、ネカト実行者は論文の第一著者で院生のエヴァ・サボ(Eva Szabo)と思われる。

トロント大学はネカト調査をせず、オパスもエヴァ・サボも処罰されなかった。

エヴァ・サボはその後、マックマスター大学(McMaster University)・助教授になったが、別の論文でのネカトが発覚し、2019年6月、辞職(解雇?)した。 → エヴァ・サボ(Eva Szabo)(カナダ) | 白楽の研究者倫理

2025年7月24日(76歳?)現在、オパスはトロント大学・教授職を維持している。

トロント大学は、事件当時でも2025年現在でも、「Times Higher Education」の大学ランキングでカナダ第1位の大学である(World University Rankings 2025 | Times Higher Education (THE))。

トロント大学・医学部(Temerty Faculty of Medicine, University of Toronto)。写真出典

  • 国:カナダ
  • 成長国:ポーランド
  • 研究博士号(PhD)取得:ポーランド科学アカデミー(Polish Academy of Sciences)
  • 男女:男性
  • 生年月日:不明。仮に、1949年1月1日生まれとする
  • 現在の年齢:76歳?
  • 分野:細胞生物学
  • 不正論文発表:2008年(59歳?)
  • 不正論文発表時地位:トロント大学(University of Toronto)医学部・実験医学/病理生物学科・教授
  • 発覚年:2015年(66歳?)
  • 発覚時地位:トロント大学(University of Toronto)医学部・実験医学/病理生物学科・教授
  • ステップ1(発覚):ネカトハンターのクレア・フランシス(Clare Francis)が学術誌「J Cell Biol.」・編集部に通報
  • ステップ2(メディア):「パブピア(PubPeer)」、「撤回監視(Retraction Watch)」
  • ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①学術誌「J Cell Biol.」・編集部の調査。②トロント大学はネカト調査をしなかった
  • 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし
  • 大学の透明性:調査していない、発表なし・隠蔽(✖)。
  • 不正:ねつ造・改ざん
  • 不正論文数:2報撤回
  • 時期:研究キャリアの後期
  • 職:事件後に発覚時の地位を続けた(〇)
  • 処分:なし
  • 対処問題:大学怠慢
  • 特徴:院生のエヴァ・サボ(Eva Szabo)がネカト犯と思われるが、明確にせず。エヴァ・サボは他大学・助教授になったが、他論文での不正も発覚し、大学を辞職(解雇?)。甘い処分で社会に迷惑をかけた
  • 日本人の弟子・友人:不明

【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は1億円(大雑把)。

●2.【経歴と経過】

主な出典:Michal Opas | Laboratory Medicine and Pathobiology

  • 19xx年x月x日:ポーランドで生まれる。仮に、1949年1月1日生まれとする
  • 1973年(24歳?):ポーランドのワルシャワ大学(Warsaw University)で、細胞生物学の修士号を取得
  • 1977年(28歳?):ネンキ実験生物学研究所(Nencki Institute of Experimental Biology)で研究し、ポーランド科学アカデミー(Polish Academy of Sciences)から研究博士号(PhD)を取得。専攻は細胞生物学
  • 1981年(32歳?):カナダのトロント大学のポスドク
  • xxxx年(xx歳):トロント大学(University of Toronto)・医学部・実験医学/病理生物学科・教授
  • 2015年(66歳?):不正研究が発覚する
  • 2025年7月24日(76歳?)現在:トロント大学(University of Toronto)・教授職を維持:Michal Opas | Laboratory Medicine and Pathobiology

●5.【不正発覚の経緯と内容】

【研究内容】

opas,%20michalミカル・オパス(Michal Opas、写真出典)は、初期には、アメーバ―を材料に、干渉反射顕微鏡、ホログラフィック顕微鏡、蛍光顕微鏡、共焦点顕微鏡など各種光学顕微鏡を使用し、細胞運動の細胞生物学を研究していた。

その後、培養細胞を材料に、細胞接着、細胞運動に関連するタンパク質・カルレティキュリン(calreticulin)の生化学・細胞生物学を研究している。

カルレティキュリンは小胞体(しょうほうたい、endoplasmic reticulum)に局在するタンパク質である。

小胞体は、細胞内の板状あるいは網状の生体膜で、タンパク質の合成やプロセシング、輸送という機能が主としてあげられる。

小胞体は、また、カルシウムの貯蔵や放出をすることで、細胞内のカルシウム濃度を調節している。

小胞体のカルシウムの貯蔵や放出は、小胞体にあるカルシウム結合タンパク質・カルレティキュリン(calreticulin)が担っている(カルシウムホメオスタシス制御)。

カルレティキュリン(calreticulin)は分子量46 kDaのタンパク質で、1974年に骨格筋で発見されたが、非筋細胞にもあり、真核生物に広範に存在している。1989年にcDNAクローニングがなされ一次構造(アミノ酸配列)が解明され、同年、Smith & Kochがカルレティキュリン(calreticulin)と命名した。

f1_mendlovic_ksmカルレティキュリンのドメイン構造と機能(出典:Calreticulin | Learn Science at Scitable)。

【不正発覚・調査の経緯】

★論文撤回

2015年1月12日(66歳?)、学術誌「J Cell Biol.」・編集部が、オパスの「2008年のJ Cell Biol.」論文にねつ造・改ざんがあることを指摘し、オパスの了承を得て論文を撤回した。

7年前の論文の研究ネカトを学術誌・編集部が、“突然“、撤回を指摘するのはヘンである。

学術誌「J Cell Biol.」・編集部はノーコメントだが、実は、撤回2年前の2013年2月15日、ネカトハンターのクレア・フランシス(Clare Francis)が学術誌「J Cell Biol.」・編集部に、オパスの「2008年のJ Cell Biol.」論文にデータねつ造・改ざんがあると指摘していた。

その通報を基に、学術誌「J Cell Biol.」・編集部が調査し、オパスに問い合わせたのだ。

オパスは論文の4つの図(1 C、3 C、 7 A, 7 E)に“間違い”があったことを認めた。図4 D 、図7 Fにも問題があったと答えている(Calreticulin inhibits commitment to adipocyte differentiation)。

EvaSzabo[1]論文には著者が5人いるが、これら図の“間違い”の責任は第一著者のエヴァ・サボ(Eva Szabo)、あるいは最終著者である自分(オパス)にあり、他の3人にはないとオパスは答えた。

オパスは、学術界を混乱させて申しわけないと謝罪している。

白楽の印象としては、“間違い”ではなく「ねつ造・改ざん」でネカト実行者はエヴァ・サボ(Eva Szabo)だと思われる。

しかし、オパスは、サボだけに罪をなすりつけず、研究室主宰者の自分に監督責任があったとした。

なお、エヴァ・サボ(Eva Szabo、写真同)は、2013年1月、カナダのマックマスター大学(McMaster University)の助教授に就任した。 →  Eva Szabo, MSc, MBA, PhD, BCMAS | LinkedIn

しかし、その後、別の論文でのネカトが発覚し、2019年6月、マックマスター大学を辞職(解雇?)した。 → エヴァ・サボ(Eva Szabo)(カナダ) | 白楽の研究者倫理

20150520_eva_szabo

★クレア・フランシス(Clare Francis)の指摘

再掲するが、論文撤回の2年前の2013年2月15日、有名なネカトハンターのクレア・フランシス(Clare Francis)が学術誌「J Cell Biol.」・編集部に「2008年のJ Cell Biol.」論文のねつ造・改ざんを指摘した。

少し長いけどクレア・フランシスの電子メール文を英語のママ、全文引用しよう(出典:【主要情報源】①)。

なお、英文を読み解く必要はありません、全体を眺めてください。クレア・フランシスの指摘の詳細さを伝えるのが主眼です。

———-引用開始———-
From: clare francis
Date: Fri, Feb 15, 2013 at 1:53 AM
Subject: concerns image confusion J Cell Biol. 2008 Jul 14;182(1):103-16.
To: Liz Williams
Cc: redacted@rockefeller.edu

concerns J Cell Biol. 2008 Jul 14;182(1):103-16. doi: 10.1083/jcb.200712078. Epub 2008 Jul 7.
Calreticulin inhibits commitment to adipocyte differentiation.
Szabo E, Qiu Y, Baksh S, Michalak M, Opas M.

Source

Department of Laboratory Medicine and Pathobiology, Institute of Medical Sciences, University of Toronto, Toronto, Ontario M5S 1A8, Canada.

Figure 1.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/core/lw/2.0/html/tileshop_pmc/tileshop_pmc_inline.html?title=Click%20on%20image%20to%20zoom&p=PMC3&id=2447897_jcb1820103f01.jpg

Figure 1C. PPARgamma2 panel. Light, vertical streak between the bands in the middle lanes.

L32 panel. Splicing between the middle lanes.

No splicing in the aP2 panel.

Figure 1E. CRT panel. The band in the left lane looks like it is one its own rectangle of background.?

Figure 3.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/core/lw/2.0/html/tileshop_pmc/tileshop_pmc_inline.html?title=Click%20on%20image%20to%20zoom&p=PMC3&id=2447897_jcb1820103f03.jpg

Figure 3C. Left-most PPARgamma2 panel. Suspect that the band in the right-most lane has been spliced in. The band has a vertical, straight left edge.

I think that the 3rd and 4th GAPDH panels in the left set of indiviual GAPDH panels are vertically compressed versions of the bands in the middle GAPDH panel above and to the right of them.

Left L32 Panel. Splicing between the 1st and 2nd lanes. Vertical dark streak. Possible splicing between 3rd and 4th lanes.

I think that the band in the L7crt-/- lane of the +BAPTA-AM L32 panel is very likely the same as the band in the L7 lane of the Untreated L32 panel. Note the dark area just above the left ends of the bands.

Figure 4.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/core/lw/2.0/html/tileshop_pmc/tileshop_pmc_inline.html?title=Click%20on%20image%20to%20zoom&p=PMC3&id=2447897_jcb1820103f04.jpg

Figure 7D. I suspect that the bands in the right C/EBPalpha panel are vertically compressed versions of the bands in the right PPARgamma2 panel. I am aware that bands of proteins about the same molecular weight may be similar, but not the same. The distribution of signal with the C/EBPalpha and PPARgamma 2 bands is very similar.

The GAPDH panels that accompany the C/EBPalpha and the PPARgamma2 panels contain quite different bands so it is odd that the bands in the PPARgamma2 and E/CBPalpha panels should be similar even.

Figure 7E.

The left-most (Untreated) figure 7E L32 panel is highly reminiscent (likely the same) as the left (Untreated) L32 panel in figure 3E, yet the genotypes are different. Note the dark area just above the left ends of in the bands in the left lanes of both panels and the general distribution of light areas with the other bands.

I think that the band in the G45-/- lane of the KN-62 treated figure 7E L32 panel is the same as the band in the L7 lane of the +BAPTA-AM L32 panel in figure 3E. Note the white squiggle, almost like a signature above and just to the right of the middle of the bands.

L7+/- lane 7E is same as L7crt-/- lane 3E.

L7-/- lane 7E is same as WT lane 3E.

Within figure 7E L32 panels.
KN-62 treated L7+/- lane is same as Untreated CGR8+/+ lane.
KN-62 treated CGR8+/+ lane is?same?as Untreated G45-/- lane.

I think that the images are at the point where they do not make sense.

———-引用終了———-

【研究不正の具体例】

★「2008年のJ Cell Biol.」論文

以下に書誌情報を示す。論文は2015年1月に撤回された。

撤回した2008年の論文は、胚性幹細胞と前脂肪細胞3T3-L1のカルレティキュリン欠損細胞を作り、カルレティキュリンを欠損していない正常細胞と比較した論文である。欠損細胞と正常細胞を比較し、カルレティキュリンが脂質合成を制御していることを示した。

学術誌「J Cell Biol.」・編集部が指摘した不正データの一部を以下に示す。オパスも不適切だったことを認めている。

以下は、図1 Cである。

Fig 1C

上図(図1 C)の不正点:上から3段目・4段目のPPARγ2パネルとGAPDHパネルは、左の2レーンが右の2レーンと別の実験なのに、同一の実験のように切り貼りして提示した。そういわれれば、バンドの端がカットされているかなあと思う程度だ。最初に発見した人は、とても優れた鑑識眼の持ち主だ。

以下は、図3 Cである。

Fig 3C

上図(図3 C)の不正点:GAPDHパネルの「Untreated」の 1列目と2列目のバンドは、 3列目と4列目のバンドと同じ。そういわれても・・・、白楽には同じに見えないけど・・・。ただ、他のパネルではバンド間に切れ目がないけど、上から3段目のC/EBPαと上から4段目のGAPDHパネルには切れ目がある。これは、切り貼りしたバンドで、同一実験データとは思えない。

●6.【論文数と撤回論文とパブピア】

★パブメド(PubMed)

2025年7月24日現在、パブメド(PubMed)で、ミカル・オパス(Michal Opas)の論文を「Michal Opas[Author]」で検索した。この検索方法だと、2002年以降の論文がヒットするが、2002~2025年の24年間の43論文がヒットした。

2025年7月24日現在、「Retracted Publication」のフィルターでパブメドの論文撤回リストを検索すると、2論文が撤回されていた。

★撤回監視データベース

2025年7月24日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースでミカル・オパス(Michal Opas)を「Michal Opas」で検索すると2論文が撤回されていた。この2論文はエヴァ・サボ(Eva Szabo)と共著だった。

★パブピア(PubPeer)

2025年7月24日現在、「パブピア(PubPeer)」では、ミカル・オパス(Michal Opas)の論文のコメントを「”Michal Opas”」で検索すると、8論文にコメントがあった。

8論文のうち7論文はエヴァ・サボ(Eva Szabo)と共著だった。

●7.【白楽の感想】

《1》エヴァ・サボ(Eva Szabo)

ミカル・オパス(Michal Opas)はネカト実行者を明言していないが、院生のエヴァ・サボ(Eva Szabo)がネカト実行者だと推察できるように発言した。

この時、しっかり指摘し学術界からエヴァ・サボを排除しなかったため、エヴァ・サボは2007年に博士号を取得し、ポスドクを経て、2013年1月にマックマスター大学(McMaster University)・助教授になった。

その後、エヴァ・サボの疑惑論文が複数指摘され、パブピアで10論文にコメントがある。今回の論文の他に1論文が撤回された。

結局、2019年6月、サボ(42歳と推定)はマックマスター大学を辞職(解雇?)した。 → エヴァ・サボ(Eva Szabo)(カナダ) | 白楽の研究者倫理

甘い処分をしたトロント大学に責任があると思う。

《2》「J Cell Biol.」は厳格 

学術誌「J Cell Biol.」は研究ネカトに対して先駆的かつ模範的な学術誌である。2004年に、ウェスタンブロットや細胞画像のねつ造・改ざんの基準を具体的に示し、無料公開した(ねつ造・改ざんの具体例:細胞生物学)。

mike_rossner当時の編集部長だったマイク・ロスナー(Mike Rossner、写真出典)の見識の高さが大きく貢献している。彼が研究ネカトをしっかり取り締まったので、その後、「J Cell Biol.」誌は、図やデータが公正、厳格で優れているという評判を得た。

一般的には、ネカトやクログレイへの対処にいい加減な学術誌はたくさんある。

研究分野・手法・内容など研究哲学・内容に学術誌の特徴があってもよいが、ネカトやクログレイに対して、全部の学術誌は統一基準で運営すべきだ。

そうなると、ネカトやクログレイへの対処を各学術誌・編集部に任せるのではなく、もっと上位組織、あるいは学術誌協会などが、統一基準を設けるべきだろう。現在は、出版規範委員会(COPE)がこの役割を担っているが、問題も多い。

なお、マイク・ロスナーの「2024年8月のRetraction Watch」論文は興味深い。 → 7-161 不正画像対処の米国の20年 | 白楽の研究者倫理

《3》クレア・フランシス(Clare Francis) 

クレア・フランシス(Clare Francis)は、有名なネカトハンターだが、男性なのか女性なのかを含め、その素性は2025年7月現在も明かされていない。ユニークだ。

日本は、10年ほど前には、「論文捏造&研究不正 (JuuichiJigen)」など、匿名のネカトハンターが活躍した。

しかし、2025年7月現在、日本には、ネカトハンターが全くいない。世界では約50人いると言われているが、日本にはいない。

匿名でのハンティング活動には利点欠点の両面がある。

日本では、告発者への攻撃・報復が異常と思えるほど激しい。また、告発者は保護されないので、現実的には、匿名でのネカトハンティング活動は仕方ない。

本来、告発は社会システムの改善を目的に親切心で活動する人なので、社会は告発者を賞賛すべきだが、攻撃・報復するなど異常である。

研究不正を摘発する最初の一歩は告発でしかない。告発しなければ、すべての研究不正は闇の中なのである。このシステムに問題はあるが、現状はそうなっている。それなのに、日本は告発者を推奨・育成しないから、日本の告発はとても少ない。悪がはびこる。

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日本の人口は、移民を受け入れなければ、試算では、2100年に現在の7~8割減の3000万人になるとの話だ。国・社会を動かす人間も7~8割減る。現状の日本は、科学技術が衰退し、かつ人間の質が劣化している。スポーツ、観光、娯楽を過度に追及する日本の現状は衰退を早め、ギリシャ化を促進する。今、科学技術と教育を基幹にし、人口減少に見合う堅実・健全で成熟した良質の人間社会を再構築するよう転換すべきだ。公正・誠実(integrity)・透明・説明責任も徹底する。そういう人物を昇進させ、社会のリーダーに据える。また、人類福祉の観点から、人口過多の発展途上国から、適度な人数の移民を受け入れる。
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●9.【主要情報源】

① 2015年1月16日のキャット・ファーガソン(Cat Ferguson)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:Fat cell paper earns unusually detailed retraction – Retraction Watch at Retraction Watch
② 2020年2月20日のアダム・マーカス(Adam Marcus)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:‘Those unfortunate events:’ Second retraction for stem cell scientist in Canada accused of misconduct – Retraction Watch
③ 2015年当時、ウィキペディア英語版があった。それで、白楽が日本語版を作った。しかし、その後、英語版は削除された:Michal Opas – Wikipedia, the free encyclopedia