2015年2月26日掲載、2024年7月25日更新【長文注意】
ワンポイント:ハンは韓国で生まれ育ち、43歳頃に渡米し、事件を起こした2009~2013年(52~ 56歳)の4年間は、米国のアイオワ州立大学(Iowa State University)・助教授だった。2013年12月23日(56歳)、研究公正局はハンが研究室内の発表、7回の国内および国際シンポジウム、助成金申請書とその研究進捗報告書でデータをねつ造していたと発表し、3年間の締め出し処分を科した。ところが、半年後の2014 年6月(57歳)、データねつ造で、ハンは逮捕された。2015年7月1日(58歳)、裁判所は、ハン に4年9か月の実刑、罰金720万ドル(約7億2千万円)を科した。国民の損害額(推定)は15億円(大雑把)。
この事件は、白楽指定の重要ネカト事件である:データねつ造で4年9か月の実刑、罰金720万ドル(約7億2千万円)という刑事処罰が科された有名な事件である。
ーーーーーーー 目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
4.日本語の解説
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
9.主要情報源
10.コメント
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●1.【概略】
ドンピョウ・ハン(ドンピュー・ハン、ハン・ドンピョ、Dong-Pyou Han、한동표、写真出典)は、韓国で生まれ育ち、米国のアイオワ州立大学(Iowa State University)・助教授になった。専門は感染病(エイズワクチンの開発)だった。
2009年(52歳)、ハンはデータねつ造をし始めた。
当然ながら、他の研究者から、研究結果を追試できない、とクレームがついた。
2013年1月(56歳)、ハンの上司のマイケル・チョー(Michael Cho)がハンのデータねつ造疑惑をアイオワ州立大学に通報した。
アイオワ州立大学は、研究担当副学長補佐で研究公正官(Research Integrity Officer )のシャーロット・ブロンソン(Charlotte Bronson)を軸に調査委員会を設け、調査した。
2013年8月(56歳)、アイオワ州立大学・調査委員会は、ハンがデータをねつ造したと特定した。
2013年12月23日(56歳)、発覚から11か月後、研究公正局(ORIロゴ出典)は、アイオワ州立大学(Iowa State University)・助教授だったハンが、データをねつ造していたと発表した。
データねつ造は、2010~2012年の3年間の研究室内の発表、7回の国内および国際シンポジウム、助成金申請書P01 AI074286-03、-04、-05、-06、R33 AI076083-04、U19 AI091031-01、-03、R01 AI090921-01とその研究進捗報告書で行なわれていたとした。
研究公正局はハンに3年間の締め出し処分を科した。3年間の処分は普通の処分である。
2013年12月26日、ハン事件は、「国際ビジネス・タイムス(ibtimes)」誌が選んだ2013年度・7大科学スキャンダルの1つになった → 2013年12月26日記事:7 Scientific Scandals Of 2013: From A Retract。
ところが、話はここで終わらなかった。
半年後の2014 年6月(57歳)、データねつ造で、ハンは逮捕された。
この逮捕は、アイオワ州選出の共和党の上院議員・チャック・グラスリー(Chuck Grassley)が、研究公正局の処分が甘すぎると、指摘したためと言われている。
2015年7月1日(58歳)、アイオワ州デモイン(Des Moines)の連邦裁判所は、ハン に4年9か月の実刑、罰金720万ドル(約7億2千万円)、刑期終了後の3年間の保護観察を科した。
ハンの国選弁護士・ジョー・ヘロルド(Joe Herrold)は、「ハンは法的には米国永住権を持っているが、刑期を終えたのちは、韓国に強制送還され、2度と米国に入国できないだろう。ハンの妻と2人の子供は米国国籍を持っているので、別居することになる」と述べている。
2024年7月24日(67歳)現在、ハンは刑期を終え、韓国に強制送還され、韓国在住なのだろうか? 消息は不明である。
アイオワ州立大学(Iowa State University)。写真出典:https://www.youtube.com/watch?v=HM3MoRyKCGs&t=1s
- 国:米国
- 成長国:韓国
- 研究博士号(PhD)取得:韓国のxx大学
- 男女:男性
- 生年月日:1957年x月xx日、韓国で生まれる。仮に、1957年1月1日生まれとする。2014年7月2日の新聞記事に57歳とあったので
- 現在の年齢:67 歳
- 分野:感染病(エイズワクチン開発)
- 不正行為:2009~2013年(52~ 56歳)の4年間
- 不正行為時の地位:アイオワ州立大学・助教授
- 発覚年:2013年(56歳)
- 発覚時地位:アイオワ州立大学・助教授
- ステップ1(発覚):ハンの上司のマイケル・チョー(Michael Cho)がデータねつ造ではないかと大学に通報
- ステップ2(メディア):「Huffington Post」、「Science」、「Nature」、「撤回監視(Retraction Watch)」
- ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①アイオワ州立大学・調査委員会。②研究公正局。~2013年12月23日。③裁判所。~2015年7月1日
- 大学・調査報告書のウェブ上での公表:ある。 → 2013-10-15.inquiry Report
- 大学の透明性:研究公正局のクロ判定(〇)
- 不正:ねつ造・改ざん
- 不正論文数:1論文。撤回
- 時期:研究キャリアの後期
- 職:研究職を続けられなかった(Ⅹ)
- 処分:解雇。刑務所刑。罰金
- 対処問題:刑事処罰の是非
- 特徴:ネカト者とされた研究者が逮捕され刑務所刑。罰金
- 日本人の弟子・友人:不明
【国民の損害額】 国民の損害額:総額(推定)は15億円(大雑把)。
●2.【経歴と経過】
経歴は主に、(1):Dipak DAS Obituary – West Hartford, CT | Hartford Courant、(2): 。
- 1957年x月xx日:韓国で生まれる。仮に、1957年1月1日生まれとする。2014年7月2日の新聞記事に57歳とあったので
- 19xx年(xx歳):韓国(?)のxx大学で研究博士号(PhD)取得
- 1999年(42歳):韓国・延世大学(Yonsei University)・医学部・生化学教室の教員(または研究員)として在籍していた
- 2001年(44歳):米国・NIHの国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)の分子微生物学研究室のマイケル・チョー(Michael Cho)研究室の研究員として在籍していた
- 20xx年(xx歳):マイケル・チョー(Michael Cho)がケース・ウェスタン・リザーブ大学(Case Western Reserve University)に移籍したのに伴い移籍し、マイケル・チョー(Michael Cho)研究室の研究員(助教授?)
- 2009年(52歳):研究不正を始めた。2008年に始めたという記事もある
- 2009年(52歳):マイケル・チョー(Michael Cho)がアイオワ州立大学(Iowa State University)に移籍したのに伴い移籍し、助教授
- 2013年1月(56歳):不正研究が発覚する
- 2013年秋(56歳):アイオワ州立大学・調査委員会が報告書を公表
- 2013年10月4日(56歳):アイオワ州立大学を解雇
- 2013年12月23日(56歳):研究公正局がクロと結論した調査報告書を公表
- 2014 年6月(57歳):逮捕され、アイオワ州デモイン(Des Moines)の連邦裁判所で裁判
- 2015年1月16日(58歳):司法取引し、有罪を認めた
- 2015年7月1日(58歳):アイオワ州デモイン(Des Moines)の連邦裁判所で、4年9か月の実刑、罰金720万ドル(約7億26万円)、刑期終了後の3年間の保護観察が科された
- 2024年7月24日(67歳)現在:韓国に帰国したのかどうかを含め、状況不明
●3.【動画】
【動画1】
「Dong-Pyou Han」を「ドンピュー・ハン」と呼んでいる。
ニュース動画:「Former Iowa State University Scientist Given Prison Sentence For Research Fraud – Dailymotion」、(英語)1分05秒
2015/07/02 に公開。以下のサイトまたは図をクリック
https://www.dailymotion.com/video/x2wdsgn
【動画2】
2014年10月21日、デビィト・フィッツパトリック(David Fitzpatrick)とドリュー・グリフィン(Drew Griffin)の「CNN」の記事の動画:Government prosecutes alleged scientific fraud on AIDS research – CNN.com
以下、2024年7月24日現在、削除されている。
●4.【日本語の解説】
★2017年5月25日:スネハ・クルカルニ(Sneha Kulkarni)(エディテージ・インサイト):「研究不正を犯罪行為とみなすべきか?」
2015年にドンピョウ・ハン(Dong-Pyou Han)氏の研究不正事件が大々的に報道されました。
アイオワ州立大学の生物医学研究者であった同氏は、米政府の助成を受けたHIVワクチン研究の結果を不正に操作したとして、懲役57ヶ月および720万ドルの罰金に処されました。研究の整合を監督する米研究公正局(ORI)は、今後3年間にわたってハン氏に対する連邦政府助成金の支給を禁ずるという処分を下しました。
しかし、不正行為が深刻であったため、チャールズ・グラスリー(Charles Grassley)上院議員が厳重な処罰を要求し、最終的にはハン氏に刑罰が課されることとなりました。この件はマスコミの注目を集め、学術界では「科学的不正行為を犯罪行為とみなすべきか?」という議論が巻き起こりました。
続きは、原典をお読みください。
★ 2015年7月4日 :Hanatelevi(ウィキペディア日本語版):「ハン・ドンピョ」
ハン・ドンピョ(朝鮮語: 한동표)は、在米韓国人[1]の科学者。ソウル特別市生まれ。
アイオワ州立大学助教授を2013年に退職。HIVワクチン研究の実験結果をでっち上げ、アメリカ国立衛生研究所から1900万ドル(約23億円)の研究費を受け取っていたことが発覚した[2]。2015年7月1日に、懲役4年6月の実刑判決と750万ドル(約9億2000万円)の返還命令を受けた[3]。
続きは、原典をお読みください。
★2015年7月3日:著者名不記載(Record China)(翻訳・編集/北田):「韓国人元教授に懲役刑、米大学でエイズワクチンの研究結果を操作=「ここ20年で最悪のねつ造事件」
2015年7月3日、中国新聞網によると、AP通信は1日(現地時間)、米国の連邦裁判所がアイオワ州立大学生物医学科の元教授ハン・ドンピョ被告に対し、懲役4年6カ月、受け取った750万ドル(約9億2000万円)の返還命令を下したと伝えた。
続きは、原典をお読みください。
●5.【不正発覚の経緯と内容】
★獲得研究費
ドンピョウ・ハン(Dong-Pyou Han)は、自分が研究代表者としてNIHから1つも研究費を獲得していなかった。 → RePORT ⟩ Dong-Pyou Han
しかし、ボスのマイケル・チョー教授(Michael Cho)は多額の研究費を獲得していた。 → RePORT ⟩ CHO, MICHAEL W
★研究人生
ドンピョウ・ハン(Dong-Pyou Han)は、韓国で研究博士号(PhD)を取得し、韓国・延世大学(Yonsei University)・医学部・生化学教室の教員(または研究員)になっていた。
2000年(43歳)前後、渡米し、NIHの国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のマイケル・チョー(Michael Cho、写真出典)研究室の研究員になった。
マイケル・チョーは、1994年、ユタ大学(University of Utah)で研究博士号(PhD)を取得し、途中の経過を省くが、NIHの国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)の分子微生物学研究室(Laboratory of Molecular Microbiology)の室長(?)になっていた。
マイケル・チョーは、ケース・ウェスタン・リザーブ大学(Case Western Reserve University)・教授に栄転した。ハンはマイケル・チョーの移籍に伴い移動した。
2009年(52歳)、チョーはオハイオ州のケース・ウェスタン・リザーブ大学(Case Western Reserve University)からアイオワ州立大学(Iowa State University)に栄転した。この時、ハンは、チョーに随伴して移動し、アイオワ州立大学・助教授になった。
★研究不正
ドンピョウ・ハン(Dong-Pyou Han)は、マイケル・チョー教授の下で、エイズワクチンの開発研究をしていた。
2010年(53歳)、ハンは、エイズウイルス(HIV-1)のgp41糖タンパク質の一部であるgp41-54ペプチドを用いてエイズワクチンの開発に成功したと発表した。
つまり、gp41-54ペプチドを抗原としてウサギに注射し、エイズの抗血清をウサギに作らせた。この抗エイズ血清は、広範なエイズウイルスに反応し、エイズウイルスの働きを阻害した。画期的なことは、この方法をヒトに適用し、ヒトのエイズワクチンとして応用できることだった。
エイズウイルス。写真出典 Credit: National Institute of Allergy and Infectious Diseases
2010年~2012年、この研究成果を研究室ミーティングでなんども発表し、全米のシンポジウムや国際シンポジウムで7回発表した。
2012年9月13日、論文を「Retrovirology」誌に発表した(Retrovirology 2012, 9(Suppl 2):P362 doi:10.1186/1742-4690-9-S2-P362)。ハンが第一著者である。フル論文ではなく、学会のポスター発表要旨である。
- Eliciting broadly neutralizing antibodies against HIV-1 that target gp41 MPER.
Han D, Habte H, Qin Y, Takamoto K, LaBranche C, Montefiori D, Cho MW.
Retrovirology. 2012;9(Suppl 2):362. doi: 10.1186/1742-4690-9-S2-P362. http://www.retrovirology.com/content/9/S2/P362.
一方、マイケル・チョーは、連邦政府・NIHの研究費を何年にもわたり獲得し、その総額は1,900万ドル(約19億円)に及んでいた。その内、ハンが貢献した研究成果により、エイズワクチン開発が有望とみなされて獲得した額は約1,000万ドル(約10億円)だった。NIHの研究課題番号は、P01 AI074286-03、-04、-05、-06;R33 AI076083-04;U19 AI091031-01と-03; R01 AI090921-01である。
しかし、上記したウサギ抗エイズ血清は、実は、驚いたことに、エイズウイルスに反応しなかったのである。これが、大スキャンダルになった。
ハンは、検査する時に、エイズウイルスに反応することが知られているエイズ患者の抗血清、あるいは、ウサギの抗HIV-1 gp120・抗血清(エイズウイルスに反応する)を、自分が造ったウサギ抗エイズ血清に意図的にまぜていたのだった。
抗血清はウサギ由来でもヒト由来でも見た目には全く区別がつかないし、混ぜても何ら異常なことは起こらない。だから、一見、ヘンな操作がされたとは誰も気が付かない。
ハンの話だと、2009年8月11日、共同研究者に自分が作成したウサギ抗エイズ血清のサンプルを送った時、後で、間違えたことに気が付いた。これが、不正をする切っ掛けとなった最初の出来事で、不正のすべての出発だった、とハンは述べている。
実験室では、エイズウイルスに反応することが知られているエイズ患者の抗血清、また、ウサギの抗HIV-1 gp120・抗血清(エイズウイルスに反応する)を頻繁に扱っていた。
自分が造ったウサギ抗エイズ血清に、何かの折に「間違えて」エイズ患者の抗血清の一部を混入してしまった、とハンは言う(真偽は不明。白楽が思うに、普通は意図的な混入しかあり得ない)。
しかし、「間違い」と気が付いた時、既に、共同研究者は、その間違い抗血清で画期的なデータをだしていて、研究結果に大興奮していた。ハンは、今さら、間違いでしたと、チョー教授に伝えることができなかった。
そして、それ以後、問題が発覚するまでの数年間、ウサギ抗エイズ血清を意図的に細工するようになった、とハンは述べている。
当然、他の研究者から、研究結果を追試できない、とクレームがついた。
科学的知識としては、ウサギ抗エイズ血清にヒト血清が混入しているかどうかは、その気になれば、簡単に判定できる。
2013年1月(56歳)、ハンの上司のマイケル・チョー(Michael Cho)がハンのデータねつ造疑惑をアイオワ州立大学に通報した。
アイオワ州立大学は、研究担当副学長補佐で研究公正官(Research Integrity Officer )のシャーロット・ブロンソン(Charlotte Bronson)を軸に調査委員会を設け、調査した。
2013年秋、ハンは、大学に手紙を書き、データねつ造を自白した。「ねつ造は2009年頃から始めました。研究結果がよりよく見えてほしかったのです。ねつ造は自分一人で行ないました。私は愚か者でした。ひきょう者で、素直ではありませんでした」。
2015年10月15日(56歳)、調査委員会は、ハンがデータをねつ造したと結論した。
以下は調査委員会の報告書の冒頭部分(出典:同)。全文(46ページ)の出典は → 2013-10-15.Inquiry Report – Redacted – Reduced Size
アイオワ州立大学・調査委員会は、ドンピョウ・ハン(Dong-Pyou Han)がデータをねつ造し、そのねつ造を単独で行なったと発表した。上司・マイケル・チョー教授(Michael Cho)は無罪となった。前列右がドンピョウ・ハン(Dong-Pyou Han)。前列左はマイケル・チョー教授(Michael Cho)。写真出典 (Photo: Iowa State University)
★研究公正局
2013年12月23日(56歳)、アイオワ州立大学の調査結果を受け、研究公正局はドンピョウ・ハン(Dong-Pyou Han)がデータをねつ造していたと発表した。発覚から11か月後、大学の報告から4か月後なので、研究公正局の対応はとても迅速だった。
データねつ造は、2010~2012年の3年間の研究室内の発表、7回の国内および国際シンポジウム、助成金申請書P01 AI074286-03、-04、-05、-06、R33 AI076083-04、U19 AI091031-01、-03、R01 AI090921-01とその研究進捗報告書で行なわれていたとした。
ねつ造した研究成果は、NIHの3つのグラントP01 AI074286, R33 AI076083, U19 AI091031に助成されていたが、これらのグラントの研究代表者はボスのマイケル・チョー教授(Michael Cho)だった。ドンピョウ・ハンはそのグラントから給料をもらっていた。アイオワ州立大学はドンピョウ・ハンの給料分の50万ドル(約5千万円)をNIHに返還することを了承した。
研究公正局はドンピョウ・ハンに3年間の締め出し処分を科した。3年間の処分は普通の処分である。
★逮捕と裁判
上記したように、ドンピョウ・ハンは、研究公正局から3年間の締め出し処分を科された。3年間の処分は普通の処分である。
ところが、話はここで終わらなかった。
半年後の2014 年6月(57歳)、データねつ造で、ハンは逮捕された。
アイオワ州南地区の米連邦検事であるニコラス・クラインフェルド(Nicholas Klinefeldt)がハンを起訴した。有罪なら、1件当たり、最高5年の刑務所での服役および25万ドル(約2,500万円)の罰金になる罪状が4件あった。
アイオワ州デモイン(Des Moines)の連邦裁判所で、裁判が行われた。
ハンがデータねつ造した研究は、連邦政府機関のNIHから1,900万ドル(約19億円)の研究助成を受けていた(書面ではチョー教授が受けていた)。この、研究費申請書類の内容が虚偽だという罪である。
この裁判と訴追の裏には、アイオワ州選出の共和党の上院議員・チャック・グラスリー(Chuck Grassley、写真出典)の動きがあった。グラスリー上院議員は医療詐欺・研究不正の処罰に熱心な議員である。
グラスリー上院議員は、ハンに支給した研究助成金を政府は取り戻すことができるか、とNIHに問い合わせた。
2014 年5月9日、NIH所長のフランシス・コリンズ(Francis Collins)は、グラスリー上院議員に次のように回答した。
「研究助成金の中からアイオワ州立大学がハンの給料として支払った496,832ドル(約4,968万円)は返還すべきですと、アイオワ州立大学に伝えてあります。ただ、アイオワ州立大学以外の最近の事件では、研究費の返還を要求していません」。
そして、アイオワ州立大学・相談役のポール・タナカ(Paul Tanaka)は、496,832ドル(約4,968万円)を政府に返還したと述べた。
ハンは、大学を解雇された後、オハイオ州に住んでいたが、交通事故で負傷し、裁判が最初の予定より遅れた。
2014年7月(57歳)、ハンは、アイオワ州デモイン(Des Moines)の連邦裁判所に出頭し、4件の罪に対し無罪を主張した。 → 2014年7月2日記事:AIDS Scientist Dong-Pyou Han Pleads Not Guilty To Faking Study。
しかし、もし有罪なら、1件あたり、最高5年の刑務所での服役および25万ドル(約2,500万円)の罰金になる。4件とも有罪なら、最高20年の刑務所での服役および100万ドル(約1億円)の罰金が科せられる可能性がある。
保釈金を払い、ハンは保釈された。次回の審理は2014年9月2日に予定された
★4年9か月の実刑、罰金720万ドル(約7億2千万円)
2015年1月16日(58歳)、ハンは、司法取引(plea agreement)し、有罪を認めた。司法取引の内容は2015年1月21日時点では公表されていなかった。 → 2015年1月21日の記事:Former ISU researcher to plead guilty in federal court – Iowa State Daily: Academics(リンク切れ)
法廷文書によると、ハンは、保釈中の身だが、その後しばらく、健康上の理由で、アイオワ州まで運転してくることができず、司法取引の裁判記録が作成できなかった、とある。
2015年2月15日、裁判記録が作成された(PDF)。以下はその冒頭部分(出典:同)。全文(14ページ)の出典は → 不明(ゴメン。白楽はダウンロードしていた)
ハンの国選弁護人・ジョー・ヘロルド(Joe Herrold)は、ハンのために優秀な韓米語通訳者を探す時間と、その韓米語通訳者が韓国から米国に来る経費はハンが支払うのだが、その適切な値段の飛行機をさがす時間を要求した。
2015年3月2日(58歳)、審理再開した(推定)。
2015年7月1日(58歳)、審理の結果、結局、アイオワ州デモイン(Des Moines)の連邦裁判所で、4年9か月の実刑、罰金720万ドル(約7億2千万円)、刑期終了後の3年間の保護観察が科された。
以下は裁判記録(判決)の冒頭部分(出典:同)。全文(1ページ)の出典は → 不明(ゴメン。白楽はダウンロードしていた)
以下、同じ日付の別の裁判記録の冒頭部分(出典:同)。全文(6ページ)の出典は → https://retractionwatch.com/wp-content/uploads/2015/07/sentencing-2.pdf
2015年9月1日(58歳)、ハンは判決に不服で控訴した。
以下、裁判記録の冒頭部分(出典:同)。全文(22ページ)の出典は → https://retractionwatch.com/wp-content/uploads/2016/01/han-appeal-brief.pdf
2016年1月11日(59歳)、裁判所は控訴を棄却した。
以下、裁判記録の冒頭部分(出典:同)。全文(2ページ)の出典は → https://retractionwatch.com/wp-content/uploads/2016/01/han-appeal-denial.pdf
結局、ハンに、4年9か月の実刑、罰金720万ドル(約7億2千万円)、刑期終了後の3年間の保護観察が確定した。
ハンの国選弁護士・ジョー・ヘロルド(Joe Herrold)は、「ハンは法的には米国永住権を持っているが、刑期を終えたのちは、韓国に強制送還され、2度と米国に入国できないだろう。ハンの妻と2人の子供は米国国籍を持っているので、別居することになるだろう」と述べている。
左はハンの国選弁護人のジョー・ヘロルド(Joe Herrold)、中央はドンピョウ・ハン(Dong-Pyou Han)。2014年7月、写真出典(Photo: Associated Press file photo)。
★「Nature」の記事【主要情報源⑥】
研究ネカトで刑事訴追されるのは稀である。
研究公正局の元・科学調査官であるアラン・プライス(Alan Price)は、「ハンのように悪質度が“中”の研究ネカトで刑事訴追になるのは異常である。そもそも、ほとんどの研究ネカトは、刑事訴追が望ましいとは思えない。今回は、グラスリー上院議員が研究ネカト問題を深く憂慮し、何とかしたいと思っていた時にハンの事件に遭遇したのだろう」と述べている。
米国政府各省庁のほとんどの研究助成機関〈科学庁(NSF)を含む〉には、監査総監室(Office of Inspector Gene ral)があり、監察総監(Inspector General)がいる。監察総監は研究ネカトを含む「研究上の不正行為」を調査する権限を持っている。また、監察総監は研究助成金を引き戻したり、受領を差し止めたり、刑事訴追に持ち込むことが可能である。
ところが、健康福祉省だけは、権限が分散していて、研究公正局には調査権+アルファしかない。調査の結果、クロの場合、研究費申請を数年間不可にできるだけである。
研究公正局は、研究助成金の返還要求をしたり、受領を差し止めたり、刑事訴追に持ち込むことはできない。刑事訴追に持ち込むには、司法省または健康福祉省の監察総監(Inspector General)に依頼するしかない。
そして、健康福祉省の監察総監(Inspector General)は医療詐欺事件に手一杯で、研究ネカト事件を処理する余裕はない。
もっとも、研究公正局の前局長のデイヴィッド・ライト(David Wright、写真出典)は、研究ネカトの刑事訴追に否定的である。
「刑事訴訟するメリットはなんなのでしょう。はっきりしません。研究ネカトでクロなら、研究費の申請が数年間できないペナルティが従前より科されています。そのペナルティで研究者としてのキャリアは終わります。申請不可以上のペナルティとして刑事訴訟し、刑務所に投獄した時、さらに何が得られるのでしょうか? 疑問です」。
★その後
上記したように、ハンの国選弁護人・ジョー・ヘロルド(Joe Herrold)は、「ハンは法的には米国永住権を持っているが、刑期を終えたのちは、韓国に強制送還され、2度と米国に入国できないだろう。ハンの妻と2人の子供は米国国籍を持っているので、別居することになるだろう」と述べている。
2024年7月24日(67歳)現在、ハンは刑期を終え、韓国に強制送還され、韓国在住なのだろう。消息は不明である。
2013年12月26日、ハン事件は、「国際ビジネス・タイムス(ibtimes)」誌が選んだ2013年度・7大科学スキャンダルの1つになった → 2013年12月26日記事:7 Scientific Scandals Of 2013: From A Retract。
中央がドンピョウ・ハン(Dong-Pyou Han)。手前はハンの国選弁護人・ジョー・ヘロルド(Joe Herrold)。写真(Charlie Neibergall/AP/PA)出典
●【ねつ造・改ざんの具体例】
ハンがデータねつ造した論文は1報だけである。それもフル論文ではなく、学会のポスター発表要旨である。
gp41-54ペプチドを注射することでエイズウイルスへの抗体ができる。ハンはウサギで実験し、ヒトにも応用できると発表した。つまり、エイズワクチンの開発に成功したと発表した。
実際は、gp41-54ペプチドをウサギで実験しても、エイズウイルスへの抗体はできなかった。
それを胡麻化して、2010~2012年の3年間の研究室内の発表、7回の国内および国際シンポジウム、助成金申請書P01 AI074286-03、-04、-05、-06、R33 AI076083-04、U19 AI091031-01、-03、R01 AI090921-01とその研究進捗報告書で、エイズウイルスへの抗体ができたとした。
●6.【論文数と撤回論文とパブピア】
データベースに直接リンクしているので、記事を閲覧した時、リンク先の数値は、記事執筆時の以下の数値より増えていると思います。
★パブメド(PubMed)
2024年7月24日現在、パブメド(PubMed)で、ドンピョウ・ハン(Dong-Pyou Han)の論文を「Dong-Pyou Han[Author]」で検索した。この検索方法だと、2002年以降の論文がヒットするが、0論文がヒットした。
「Han DP[Author]」で検索すると、1981~2024年の55年間の204論文がヒットした。ハンは2014 年6月(57歳)に逮捕されているが、「Han DP[Author]」はその後も論文を発表しているので、本記事のハンとは異なる人の論文が多数含まれていると思われる。
それで「Han DP[Author] AND Cho M[Author]」 で検索した。すると、2001~2010年の11年間の9論文がヒットした。
2024年7月26日現在、「Retracted Publication」でパブメドの論文撤回リストを検索すると、0論文が撤回されていた。
★撤回監視データベース
2024年7月24日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースでドンピョウ・ハン(Dong-Pyou Han)を「Dong-Pyou Han」で検索すると、2012年9月12日の1論文が撤回されていた。
「2012年9月のRetrovirology」論文(Retrovirology 2012, 9(Suppl 2):P362 doi:10.1186/1742-4690-9-S2-P362)が2014年2月6日に撤回されている。
この論文はフル論文ではなく、学会のポスター発表要旨である。
- Retraction: eliciting broadly neutralizing antibodies against HIV-1 that target gp41 MPER. Han D, Habte H, Qin Y, Takamoto K, LaBranche C, Montefiori D, Cho MW.
Retrovirology. 2014 Feb 6;11:16. doi: 10.1186/1742-4690-11-16.
なお、この撤回論文は、日本人名のTakamoto Kと共著である。白楽はこの人の経歴を調べていない。
★パブピア(PubPeer)
2024年7月24日現在、「パブピア(PubPeer)」では、ドンピョウ・ハン(Dong-Pyou Han)の論文のコメントを「Dong-Pyou Han」で検索すると、0論文にコメントがあった。
●7.【白楽の感想】
《1》成功の誘惑
以下は憶測である。
ハンは、韓国に生まれ育ち、韓国の大学で研究生活を送り、40歳を過ぎてから渡米し、米国・研究機関の研究者になった。母国の両親・親戚・友人は、世界的に大活躍していると思っていたに違いない。しかし、50代になっても助教授で、学問の成果はさほどない。自分のボスは年下である。徐々に精神が歪んできた。
ねつ造が発覚した時、「最初は、間違えて血清を混ぜてしまった」と述べているが、これは言い訳だろう。最初から、後先考えずに、華々しい研究人生を夢見て、悪魔のささやきに魔がさして、意図的に混ぜたに違いない。
しかし、コトは甘くはなかった。この手のデータねつ造はどう考えてもバレる。
エイズワクチンの開発に成功したと発表すれば、ワクチンはモノ(物質)なので、モノがなければ不審に思われる。そしてモノがない。代用品はきかない。バレた。
当面バレないように、意図的に抗血清を混入し続けた。ワクチン開発に成功したと嘘をつき通すため、意図的に混入した抗血清を使い続けた。それで、研究成果をねつ造データで塗り固め、負の連鎖泥沼に陥ったのだろう。
このような研究ネカトをどう防げるか?
マイケル・チョー教授は、上司とは言え、ハンは助教授で独立した研究者だ。実験ノートをもってこさせてデータをチェックするのは難しい。もしもってこさせても、この場合、抗血清の混入を記載していない。実験ノートをチェックしても不正を見つけることができない。
今回の件は他の研究室が追試できなかったことから調査が入った。
本人がねつ造を自白したから、ねつ造が明るみに出たが、一般的に、追試できない研究結果はヤマほどあり、その大半は研究ネカトではない。単なる「間違い」や「思い違い」である。
どう考えても研究ネカトしかないと思えるケースでも、多くの場合、本人は自白しない。そうなると、研究ネカトと断定するのはとても難しい。
とはいえ、15年以上、一緒に研究してきたマイケル・チョー教授にも何らかの責任があるだろう。
《2》生きていけるか?
以下も憶測である。
ハンは、健康に問題がある。研究職への復帰はあり得ない。裁判に巨額のお金を使った。そして、判決は、4年9か月の実刑、罰金720万ドル(約7億2千万円)、刑期終了後の3年間の保護観察が科された。
ハンの国選弁護人・ジョー・ヘロルド(Joe Herrold)は、「ハンは法的には米国永住権を持っているが、刑期を終えたのちは、韓国に強制送還され、2度と米国に入国できないだろう」と述べている。
この状態で、58歳のハンが生きていくのは大変だろう。支えてくれる家族・親族・友人と資産の両方が十分であっても、仕事・夢・生きがいを見つけるのは大変である。
資産が不十分で、しっかり支えてくれる家族・親族・友人がいなければ、白楽なら自殺してしまうだろう。
《3》刑務所刑と罰金
白楽の意見は、日本でも研究ネカトを刑事訴訟すべきだと思う。
多くのネカト事件は、何億円もの公金を無駄に使って、意図的にネカトをしている。研究ネカトで増やした論文を業績とし、本来、他の研究者が採用・昇進したはずの地位・名声を不当に奪っている。
研究ネカト行為は、自分の利益のためだけに数億円~数十億円もの研究費・人材育成費を無駄にし、学術体系を混乱し、社会に不幸をまく、まったく自己本位な行為である。
日本は処分が甘すぎる。
デイヴィッド・ライトは「研究費の申請が数年間できないペナルティ」で十分だと主張しているが、そうだろうか?
デイヴィッド・ライトは「刑務所に投獄した時、さらに何が得られるのでしょうか?」と疑問視しているが、米国でも日本でも、厳罰を科すことが最大の抑止力になる。
というわけで、「刑務所に投獄」しなくてもいいけど、その代わり、財産5割没収や損害額の3~10倍返還など、金銭的な刑罰が妥当だと思う。
研究ネカトは多くの場合、悪いと知っていて行なう故意犯である。故意犯に対して、刑罰を与えなければ、どうやって研究ネカトを防止できるのだろう。
さらに言えば、「目には目を」では足りない。「目には目と耳を」の3~10倍罰にすべきだ。
JRで不正乗車すると、料金の3倍の割り増し金を取られるそうだ。 → 鉄道運輸規程 第19条第1項
500万円の研究費を不正に得たのが発覚した時、500万円を返還するので済むなら、実質の損害がない。不正が見つからなければ、500万円が得で、見つかってもプラス・マイナスがゼロで得はしないが、損もしない。
これでは不正を奨励しているようなものだ。
支給した額の3~10倍を返還させる(賠償金として支払わせる)のが妥当だと思う。
何倍かは支給した額と悪質度で判定する。例えば、以下のようだ。
500万円の研究費不正なら3~10倍の返金。つまり、千5百万円~5千万円の返金。
5千万円以上の研究費不正なら3~10倍の返金で、最低でも1億5千万円を返金してもらう。
日本では多くの場合、移籍した研究者、退職した研究者に対して何も処罰を与えないが、その場合でも、賠償金として徴収する。
《4》法の下の平等
ハン事件を書いていて、この事件は法の下の平等に欠ける2つの状況を示している。
1つ目は、多くの研究者はネカト事件で刑事罰を受けていないのに、ハンは4年9か月の実刑、罰金720万ドル(約7億2千万円)を科された。
新しい法律が制定され、その最初の適用例だったということではない。
ハン事件以降、研究者はネカト事件で刑事罰を受けるようになったわけでもない。
これはおかしい。法の下の平等に大きく欠ける。
米国の学術界や法律家が、このことを問題視しないのも、おかしい。
2つ目は、研究者はウソついて多額のお金を得ても、通常は、刑事罰を受けない。しかし、他の多くの職業では刑事罰を受ける。
ハンはウソをついて米国政府から約1,000万ドル(約10億円)の研究費を獲得した。
刑事罰を科されたが、研究者としては珍しい。
研究者のウソ(データねつ造・改ざん)は、そのことで、研究費・昇進・賞などを得るので、一般的に言えば、詐欺でホワイトカラー犯罪である。リタ・ファリア(Rita Faria)著の『ネカトはホワイトカラー犯罪(Research Misconduct as White-Collar Crime)』という本もある(白楽未読)。
米国のホワイトカラー犯罪での量刑基準は複雑のようだが、例えば、医療詐欺(Healthcare fraud)だと、不正請求した額に見合う罰金と、数年~終身の懲役刑が科される。 → Federal Sentencing Guidelines | Penalties | Criminal Defense
それなのに、多くの研究者はウソをついてお金を得ても刑事罰を受けない(ハン事件は例外)。コレって、法の下の平等に大きく違反しないか?
もちろん、このチグハグさは、日本でも同じで、ウソついて、研究費・昇進・賞などを得ても、研究者は刑事罰を受けない。
なんか、おかしくないか? 法の下の平等に大きく違反しないか?
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日本の人口は、移民を受け入れなければ、試算では、2100年に現在の7~8割減の3000万人になるとの話だ。国・社会を動かす人間も7~8割減る。現状の日本は、科学技術が衰退し、かつ人間の質が劣化している。スポーツ、観光、娯楽を過度に追及する日本の現状は衰退を早め、ギリシャ化を促進する。今、科学技術と教育を基幹にし、人口減少に見合う堅実・健全で成熟した良質の人間社会を再構築するよう転換すべきだ。公正・誠実(integrity)・透明・説明責任も徹底する。そういう人物を昇進させ、社会のリーダーに据える。また、人類福祉の協力もあり、人口過多の発展途上国から、適度な人数の移民を受け入れる。
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●9.【主要情報源】
① ウィキペディア、英語版:Dong-Pyou Han – Wikipedia, the free encyclopedia。日本語版:ハン・ドンピョ – Wikipedia
② 2013年12月23日の研究公正局:Case Summary: Han, Dong-Pyou | ORI – The Office of Research Integrity。2013年12月23日の米国の連邦官報(Federal Register): Federal Register | Findings of Research Misconduct
③「撤回監視(Retraction Watch)」記事群:dong-pyou han Archives – Retraction Watch at Retraction Watch
④ ◎2014年7月2日、デビィト・ピット(David Pitt)記者の「Huffington Post」記事:AIDS Scientist Dong-Pyou Han Pleads Not Guilty To Faking Study
⑤ 2014年7月5日のレイチェル・バーンスタイン(Rachel Bernstein)の「Science」記事:HIV researcher found guilty of research misconduct sentenced to prison | Science | AAAS
⑥ 2015年7月1日、サラ・リードン(Sara Reardon)の「Nature」記事:Nature 523, 138–139 (09 July 2015), DOI: doi:10.1038/nature.2015.17660:US vaccine researcher sentenced to prison for fraud : Nature News & Comment
⑦ トーマス・オドンネル(Thomas R. O’Donnell)の「Iowa Science Interface」記事:ISU research fraud probe staked out faked results | Iowa Science Interface
⑧ 2013年12月23日、トニー・リーズ(Tony Leys)の「Des Moines Register Staff Blogs」の記事:ISU researcher quits amid allegations of AIDS-research fraud involving millions of federal dollars | Des Moines Register Staff Blogs
⑨ 2014年10月21日、デビィト・フィッツパトリック(David Fitzpatrick)とドリュー・グリフィン(Drew Griffin)の「CNN」の記事。【動画あり:2024年7月24日現在、リンク切れ】:Government prosecutes alleged scientific fraud on AIDS research – CNN.com
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