2026年6月9日(火)掲載
パインズはメリーランド大学の学長であり、学内の反ユダヤ主義的な活動への対応を巡り批判を受けていた黒人研究者である。2024年9月17日(60歳)、彼が22年前の2002年(38歳、準教授だった時)に出版した論文に盗用疑惑があることを、デイリー・ワイヤー紙のルーク・ロージアック記者が指摘した。
メリーランド大学は国際法律事務所ロープス・アンド・グレイ社(Ropes & Gray)に調査を依頼し、約1年後の2025年12月12日(61歳)、パインズ学長の疑惑を「不正なし(シロ)」と判定した。しかし、大学側は調査報告書を非公開とし、情報開示請求も拒否するなど、過剰とも言える隠蔽姿勢を見せている。
盗用の事実は明白であるにもかかわらず、大学トップの研究不正調査が歪められた形だ。ただし、一連の告発の背景に政治的な動機(悪意)があったことも否めない。この問題による国民の損害額(推定)は、大雑把に見積もって1億円に上るとみられる。
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想(含・AI川柳)
9.主要情報源
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●1.【概略】

ダリル・パインズ(Darryll Pines、Darryll J. Pines、ORCID iD:?、写真出典)は黒人の航空工学者で、現在は米国のメリーランド大学(University of Maryland)の学長を務めている。
2024年9月17日(60歳)、デイリー・ワイヤー紙のルーク・ロージアック(Luke Rosiak)記者が、パインズが22年前に出版した2002年の論文に盗用があるとする記事を掲載した。
メリーランド大学(University of Maryland)。写真出典
- 国:米国
- 成長国:米国
- 研究博士号(PhD)取得:マサチューセッツ工科大学
- 男女:男性
- 生年月日:1964年8月28日
- 現在の年齢:61歳
- 分野:航空工学
- 不正論文発表:2002、2006年(38、42歳)
- ネカト行為時の地位:メリーランド大学・準教授
- 発覚年:2024年(60歳)
- 発覚時地位:メリーランド大学・学長
- ステップ1(発覚):第一次追及者はデイリー・ワイヤー紙のルーク・ロージアック記者(Luke Rosiak)。同紙にて報道
- ステップ2(メディア):「デイリー・ワイヤー」、「Inside Higher Ed」、「Plagiarism Today」、「New York Times」、「パブピア(PubPeer)」など多数のメディアが報道
- ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①メリーランド大学から依頼を受けた国際法律事務所ロープス・アンド・グレイ社(Ropes & Gray)が調査
- 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし
- 大学の透明性:実名報道されているものの、調査報告書は非公開・隠匿(Ⅹ)
- 不正:盗用
- 不正論文数:2報
- 盗用ページ率:
- 盗用文字率:2002年論文は約33%
- 時期:研究キャリアの中期
- 職:事件後に研究職(または発覚時の地位)を続けた(〇)
- 処分:なし
- 対処問題:大学隠蔽
- 特徴:学長の盗用
- 日本人の弟子・友人:不明
【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は1億円(大雑把)。
●2.【経歴と経過】
主な出典:(1) Finding Aid to The HistoryMakers ® Video Oral History with Darryll Pines、(2) Darryll Pines – Wikipedia
- 生年月日:カリフォルニア州で1964年8月28日に生まれた
- 1986年(22歳):カリフォルニア大学バークレー校(University of California, Berkeley)で学士号取得:機械工学
- 1988年(24歳):マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)で修士号取得:機械工学
- 1992年(28歳):同大学で研究博士号(PhD)を取得:機械工学
- 1995年(31歳):メリーランド大学(University of Maryland)の助教授に就任、のちに、準教授
- 2002年(38歳):後に盗用と指摘された論文出版
- 2006年(42歳):のちに盗用と指摘されるもう1報の論文を出版
- 2006年(42歳):同大学・宇宙工学科・学科長
- 2009年(45歳):同大学・工学部の教授および学部長に就任
- 2019年(54歳):全米工学アカデミー・会員に選出
- 2020年7月1日(55歳):メリーランド大学・学長に就任
- 2024年9月17日(60歳):過去の盗用が発覚
- 2024年xx月(60歳):メリーランド大学が研究不正調査を国際法律事務所ロープス・アンド・グレイ社(Ropes & Gray)に依頼
- 2025年12月12日(61歳):調査終了を受け、メリーランド大学は「研究不正は認められない」と結論
●3.【動画】
以下は事件の動画ではない。
【動画1】
監視カメラ動画:「Quantum Now with UMD President Darryll Pines at Quantum World Congress 2025 – YouTube」(英語)16分12秒。
Connected DMV(チャンネル登録者数 603人) が2025/09/22に公開
●5.【不正発覚の経緯と内容】
★研究人生

ダリル・パインズ(Darryll Pines、Darryll J. Pines、写真出典)は、マサチューセッツ工科大学(MIT)で航空宇宙工学の研究博士号(PhD)を取得した黒人研究者であり、現在はメリーランド大学の学長を務めている。
宇宙船の航行や人力ヘリコプターといったテーマに関する論文を250報以上出版しており、航空工学の有力な研究者として知られている。
2019年(54歳)には、全米工学アカデミーの会員にも選出された。
2020年7月1日(55歳)、同大学の工学部長を11年間務めたのち、学長に就任した。
ここで本題から少し逸れるが、2023年10月、ニューヨーク・ポスト紙がハーバード大学のクローディン・ゲイ(Claudine Gay)学長による盗用疑惑を報じた。ゲイ学長は黒人女性であり、大学内における反ユダヤ主義的な活動に対して寛容すぎるとして批判を浴びていた人物である。
政治学:クローディン・ゲイ(Claudine Gay)(米) | 白楽の研究者倫理
2024年1月2日、ゲイ学長はハーバード大学・学長を辞任した。この時期、ゲイ氏を含め、反ユダヤ主義活動や大学における多様性推進(DEI)活動に関わる黒人などの複数の学者が、相次いで盗用を指摘されていた。
2024年9月17日(60歳)、この一連の騒動の終盤に、同じく反ユダヤ主義活動に寛容であると批判されていた黒人のパインズ学長にも盗用疑惑が浮上した。具体的には、彼が22年前の2002年に出版した論文の盗用が告発されたのである。
盗用自体は事実であったとしても、この告発の意図は、純粋に研究公正を高めるためというより、盗用を攻撃材料として利用しようとする政治的な動機が背景にあったものと思われる。
★発覚とその後
2024年9月17日(60歳)、デイリー・ワイヤー紙のルーク・ロージアック記者(Luke Rosiak 、写真出典)は、ダリル・パインズが2002年に発表した約5,000語の論文が、1996年のウェブサイトの記事から約1,500語を盗用していたと報じた。 → 2024年9月17日記事:University of Maryland President Copied Rocket Science Paper From Aussie Student
2002年当時、パインズはメリーランド大学(University of Maryland)の準教授だった。
疑惑の論文はパインズとリミング・サルヴィーノ(Liming Salvino、写真出典)の共著であり、学術誌「Smart Structures and Materials」に掲載されたものだった。→ 論文:Health monitoring of one dimensional structures using empirical mode decomposition and the Hilbert-Huang Transform | Request PDF
一方、盗用されたとされる元の文章は、当時オーストラリアのモナシュ大学(Monash University)の学生だったジョシュア・アルトマン(Joshua Altmann)が1996年に発表した論文である。 → Surfing the Wavelets
パインズの論文には、アルトマンの論文への言及や引用文献の記載は一切なかった。そればかりか、脚注の記述はページ番号に至るまでアルトマンの論文と完全に一致していた。
ロージアック記者が作成した盗用比較図(左がパインズの論文、右がアルトマンの論文)では、重複するテキストが黄色くハイライトされているが、全体がほぼ黄色に染まっており、盗用の事実は明白である。
以下の盗用比較図は、元記事ではわかりやすいのにここに示すと鮮明さに欠けた。元記事をご覧ください → University of Maryland President Copied Rocket Science Paper From Aussie Student

★さらなる盗用(ChatGPTの利用)
パインズ学長は、2023年10月7日にパレスチナの武装勢力ハマスが1200人のイスラエル人を虐殺した事件の「1周年」となる2024年10月7日に、反イスラエル団体「パレスチナ正義のための学生会」がキャンパスの大部分を占拠して集会を行うことを許可した。
この決定に対し、パインズ学長は自己擁護のための声明文を発表したが、その文章が「ChatGPTの回答をそのままコピー&ペーストしたものではないか」との疑惑が浮上した。
ルーク・ロージアック記者は、デイリー・ワイヤー紙でこれも「盗用」であると追及した。 → 2024年9月9日:ルーク・ロージアック記者(Luke Rosiak)の「デイリー・ワイヤー」記事:University Of Maryland President Plagiarized From ChatGPT To Justify Anti-Israel Oct. 7 Rally
以下に、盗用比較図を示す。
ロージアック記者が提示した比較図(左がChatGPTの出力、右がパインズ学長の声明文)でもいくつかの文言が一致していた。元記事は →University Of Maryland President Plagiarized From ChatGPT To Justify Anti-Israel Oct. 7 Rally
([白楽の感想]:ただし、これをもって一般的な意味での「学術的盗用(研究不正)」と呼ぶには、やや無理がある)

★パインズの反応
パインズ学長は、自身の論文においてその研究分野で一般的に頻用されている表現を使用したことは認めたものの、研究不正レベルの「盗用」については一貫して否定した。
★大学は無罪と結論
デイリー・ワイヤー紙の取材に対し、メリーランド大学のケイティ・ローソン広報担当者(Katie Lawson、写真出典)は、パインズ学長が他人の文章を流用した事実自体は否定しなかったものの、処分が下される可能性は低いと言及し、以下のように述べた。
「歴史的・技術的なレビューにおいて、過去の研究の枠組みを示すために特定の表現を頻用することは珍しくありません。この共通理解をベースに、新しい技術の応用が可能になります。パインズ博士とサルヴィーノ博士は、ヒルベルト位相の新しい応用を検証する際、そのように表現しました。導入部分(イントロダクション)で慣習的あるいは一般的な表現を用いることは、データの信頼性や研究結果の真実性を損なうものではありません」
これに対しロージアック記者が、「では、メリーランド大学の学生や教職員が他人の文章を流用する際、出典を明記する必要はないのですか? また、明記しなかった場合はどうなるのですか?」と問い詰めたところ、ローソン広報担当者は回答を拒否した。
2024年12月頃、メリーランド大学は、大学から独立した外部機関である国際法律事務所ロープス・アンド・グレイ社(Ropes & Gray)に一連のネカト調査を委託した。
それから約1年が経過した2025年12月12日(金)、同法律事務所は「2つの論文に他者が発表した文章の一部が含まれていることは事実だが、パインズ学長にその文章の掲載に関する責任(不正の意図)はない」と結論づけた。つまり、大学側はパインズ学長の研究不正疑惑を正式に「シロ」と判定したのである。
★隠蔽への批判
しかし、メリーランド大学は調査報告書を非公開としただけでなく、調査の具体的なプロセスについても一切明らかにしなかった。
地元紙「ボルチモア・バナー」のエリー・ウルフ記者が、メリーランド州の州法(情報公開法)に基づき調査報告書の開示を請求したものの、大学側は「調査報告書は人事記録に該当するため、情報公開の対象外である」として、開示を拒否した。
このため、パインズ学長のどの論文や文書が調査されたのか、誰がどのような基準で検証したのか、そしてどのようなロジックで「不正なし」という結論を導き出したのかは、外部からは全く不透明な状態にある。
さらに、大学がロープス・アンド・グレイ法律事務所に支払った調査費用も公表されていない。当初、19万9,000ドル(約1,990万円)が支払われ、契約の上限額は60万ドル(約6,000万円)と報じられていることから、実際には数十万ドル(数千万円規模)の公的・学内資金が投入されたと推察される。
●【研究不正の具体例】
ダリル・パインズ(Darryll Pines、Darryll J. Pines)の盗用疑惑の具体例については上記で詳しく述べたため、ここでは再掲しない。なお、メリーランド大学の公式結論では「盗用(研究不正)はなかった」となっている。
●6.【論文数と撤回論文とパブピア】
データベースに直接リンクしているので、記事閲覧時、リンク先の数値は、記事執筆時の以下の数値より増えている(ことがある)。
★論文数
ダリル・パインズ(Darryll Pines)は250論文以上出版した。 → Pines Elected to National Academy of Engineering | Department of Electrical and Computer Engineering
★撤回監視データベース
2026年6月9日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースでダリル・パインズ(Darryll Pines、Darryll J. Pines)を「Darryll Pines」で検索すると、 0論文が撤回されていた。
★パブピア(PubPeer)
2026年6月9日現在、「パブピア(PubPeer)」では、ダリル・パインズ(Darryll Pines、Darryll J. Pines)の論文のコメントを「Darryll Pines」で検索すると、2論文にコメントがあった。
●7.【白楽の感想】
《1》AI川柳
- トップだと クロをシロへと 色変える
(学長クラスの大物が当事者になると、大学の自浄作用が働かず、判断が歪められてしまう) - 告発の 裏に潜んだ 政治劇
(盗用自体は客観的事実だとしても、告発のタイミングや背景に、大学の多様性推進(DEI)や反ユダヤ主義への対応を攻撃しようとする政治的意図が見え隠れする) - 身内より 外部の捜査で ネカト裁つ
(根本的な解決策は、大学自身に調査をさせるのではなく、捜査権を持つ独立した政府機関(第三者機関)が厳格に調査を行なうべきという指摘)
《2》学長と大学の歪み
メリーランド大学のダリル・パインズ学長(Darryll Pines)の論文や文章において、大規模なテキストの重複があったことは、提示された盗用比較図を見れば客観的には明白である。それにもかかわらず、メリーランド大学は「研究不正ではない」と結論した不可解な事件である。
外部の法律事務所に調査を依頼し、数千万円もの巨額の費用を投じて作成されたはずの調査報告書を、メリーランド大学は完全に隠蔽した。メディアによる情報開示請求すらも拒絶した。その対応は、著しく透明性を欠いていると言わざるを得ない。
第三者の目から見れば「これはまずい」と誰もが思うような状況であっても、大学の上層部はそれを問題視しない。
学長クラスの大物が研究不正に問われた際、調査や判断が歪んでしまうのは日本も米国も同様である。学術界が自らの手でその歪みを正せないのを見るにつけ、大学の自浄作用や科学の自律性というものの限界を感じざるを得ない。
ダリル・パインズ(Darryll Pines)、写真出典
《3》研究不正を防ぐ方法
ダリル・パインズ学長のようなケースを防ぐには、どうすればよかったのだろうか。また、今後同様の事態を起こさせないためにはどうすべきか。
本ブログで共通して掲げている「研究不正を防ぐポイント」(以下)の中から、今回の事件において特に重要と考えられるのは、「②大学院での(学術)規範教育の徹底」「③研究不正を軽視する学長を特別視せず厳格に処罰する」「⑦大学の研究不正隠蔽を糾弾する」の3点である。
―― 研究不正を防ぐポイント(ブログ共通)――
生物(人間を含む)の行動原理が「種と畑(遺伝と環境)」であるように、研究不正の行動原理も「個人と環境(システムを含む)」の掛け合わせで説明できる。
基本にあるのは「個人」の性向や体質、すなわち「ズルや不正をしてでも得をしよう、効率よく成功しよう」という歪んだ人生観である。それが、特定の「環境やシステム」に置かれたときに、研究不正という形で発露する。
では、「個人」と「環境」のどちらの寄与度が大きいかと言えば、白楽は「個人」の寄与度が大きいと考えている。なぜなら、全く同じシステムや厳しい環境の中に置かれても、大多数の研究者は決して研究不正に手を染めないからである。
ここで言う「個人」とは、不正を実行した本人だけを指すのではない。研究室のボス(教授など)、学術誌の編集長、大学の調査委員、学長、さらには担当大臣や政治家といった「個人」の思考法・姿勢・言動も、不正の発生やその後の処理に決定的な影響を与える。これらは本来、不正実行者を取り巻く「環境」の一部であるが、それを動かしているのは個々の人間の倫理観(規範観)であるため、極めて重要である。
一方で「環境(システム)」を構成する要素には、以下のようなものがある。
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規則・制度:法律、政府ガイドライン、大学や学術誌の規則、調査の仕組み、処罰の有無、情報の透明性
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構造的要因:「発表しなければ生き残れない(publish or perish)」の圧力、雇用制度、研究費獲得競争、受賞制度
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文化・体質:業績評価のメトリックス偏重、不正への寛容、匿名性や隠蔽体質、告発者への報復、メディア(そして国民)の関心の低さ
大学院生やポスドクなどの若い研究者にとって、最も影響力の大きい「環境」は、研究室のボスや先輩である。トップが不正を容認したり、そそのかしたりする言動をとれば、周囲もそれに同調して不正を行なう確率が跳ね上がる。同様に、中堅や上級の研究者(教授など)であっても、「研究費を獲得したい」「昇進したい」「メンツを守りたい」という強い執着があると、自己への甘さや魔が差したという一瞬の隙から、軽い気持ちで不正に手を染めてしまう。
研究不正を防ぐ根本は「ネカトを許さない文化」の構築であるが、対策も「個人」と「環境」に分けて考える必要がある。
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「個人」への対策: ① 家庭や初等・中等教育における厳格な倫理観・道徳教育の育成。 ② 大学・大学院、特に所属研究室における学術規範(インテリティ)教育としつけの徹底。
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「環境(システム)」への対策: ③ 研究不正を軽視する有力な学者、学会の重鎮、高名な研究者を特別視せず、厳格に処罰する。また、不正を黙認した指導者も同等に処罰する(厳罰化の徹底)。 ④ 一般社会やメディアが、研究不正に対してより厳しい監視の目を向けるシステムと文化を築く。 ⑤ ネカトの監視・告発を促進するシステムを構築し、告発者を徹底的に保護する。 ⑥ ネカト告発者に対する報奨金制度を導入する。
そして何より、根本的な解決策の1つとして、⑦ 大学自身にネカト調査をさせるのではなく、麻薬取締部や労働基準監督署のような捜査権を持つ独立した政府機関が調査を行なうべきだと考える。
現状、そのような第三者機関がないために、大学は身内の不正を隠蔽し、調査を拒否し、クロをシロへと捻じ曲げ、関係者を脅迫するという暴挙に出る。大学のトップや研究所の理事長自身が当事者となった場合、調査が泥沼化するのは必然である。
その他にも、⑧ 研究倫理専門の学者を育成すること、規範意識の低い人物を昇進させない仕組みを作ること、そして法改正によって研究不正を刑事罰の対象にすることなど、やるべき改革は山積している。
―― ここまでブログ共通 ――
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★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。
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●9.【主要情報源】
① ウィキペディア英語版:Darryll Pines – Wikipedia
② 2024年9月17日のルーク・ロージアック記者(Luke Rosiak)の「デイリー・ワイヤー」記事:University of Maryland President Copied Rocket Science Paper From Aussie Student
③ 2024年9月19日のジョナサン・ベイリー(Jonathan Bailey)記者の「Plagiarism Today」記事:Understanding the Darryll Pines Plagiarism Allegations – Plagiarism Today
④ 2024年9月20日のステファニー・ソール(Stephanie Saul)記者の「New York Times」記事:University of Maryland to Review Plagiarism Claims Against President Darryll J. Pines – The New York Times
⑤ 2024年10月24日のジョシュ・ムーディ(Josh Moody)記者の「Inside Higher Ed」記事:Author argues Maryland president “clearly” plagiarized
⑥ 2025年12月15日のジョナサン・ベイリー(Jonathan Bailey)記者の「Plagiarism Today」記事:UMD President Darryll Pines Cleared of Plagiarism – Plagiarism Today
⑦ 2025年12月16日のジョシュ・ムーディ(Josh Moody)記者の「Inside Higher Ed」記事:College Park President Cleared of Plagiarism Claims
⑧ 2025年12月13日のステファニー・ソール(Stephanie Saul)記者の「New York Times」記事:University of Maryland President Cleared of Plagiarism – The New York Times
⑨ 2026年1月8日のジョナサン・ベイリー(Jonathan Bailey)記者の「Plagiarism Today」記事:UMD’s $600,000 Plagiarism Blunder – Plagiarism Today
⑩ Reddit:U-Md. president asks for independent review after plagiarism allegations : r/maryland