2024年9月5日掲載
ワンポイント:ネカトハンターのチェシャー(Cheshire)が追及してから2年後の2024年5月29日(79歳?)、研究公正局は、アルバニー薬学健康科学大学(Albany College of Pharmacy and Health Sciences)・教授だったムーサが、2報の発表論文の7画像をねつ造・改ざんしていたと発表した。2024年5月15日から4年間の監督期間(Supervision Period)処分を科した。4年間の監督期間(Supervision Period)処分は少し重い処分である。なお、ムーサはエジプトで生まれ育ち、エジプトの大学学部を卒業後、米国のオハイオ州立大学で研究博士号(PhD)を取得した。その後、米国のデュポン社(DuPont)で17年間の研究員を経て、アルバニー薬学健康科学大学(Albany College of Pharmacy and Health Sciences)・教授になった。記事執筆時点では、10論文が撤回され、「パブピア(PubPeer)」で75論文にコメントがある。国民の損害額(推定)は10億円(大雑把)。
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
9.主要情報源
10.コメント
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●1.【概略】
シェイカー・ムーサ(Shaker Mousa、Shaker A. Mousa、 ORCID iD:、写真出典)は、エジプトで生まれ育ち、エジプトの大学学部を卒業後、米国のオハイオ州立大学で研究博士号(PhD)を取得した。その後、米国のデュポン社(DuPont)で17年間の研究員を経て、アルバニー薬学健康科学大学(Albany College of Pharmacy and Health Sciences)・教授になった。専門は薬理学である。
2022年7月(77歳?)、Actinopolyspora biskrensis氏(有名なネカトハンターであるチェシャーCheshireのパブピア名)が「パブピア(PubPeer)」でムーサの「2013年12月のNanomedicine (Lond)」論文の画像重複を指摘した。
その後もチェシャー(Cheshire)がネカトを追及し、2024年9月4日現在、ムーサの10論文が撤回され、「パブピア(PubPeer)」で75論文にコメントがある。
アルバニー薬学健康科学大学がネカト調査を終え、クロと判定したと思われる2023年7月(78歳?)、ムーサはアルバニー薬学健康科学大学を退職(retired)した(させられた)。
2024年5月29日(79歳?)、発覚から2年後、研究公正局(ORIロゴ出典)は、アルバニー薬学健康科学大学(Albany College of Pharmacy and Health Sciences)・教授だったムーサが、2報の発表論文の7画像をねつ造・改ざんしていたと発表した。
2024年5月15日(79歳?)から4年間の監督期間(Supervision Period)処分を科した。4年間の監督期間(Supervision Period)処分は少し重い処分である。
アルバニー薬学健康科学大学(Albany College of Pharmacy and Health Sciences)。写真出典
- 国:米国
- 成長国:エジプト
- 医師免許(MD)取得:なし
- 研究博士号(PhD)取得:米国のオハイオ州立大学
- 男女:男性
- 生年月日:不明。仮に1945年1月1日生まれとする。1970年に最初の論文をエジプトの学術誌に出版した時を25歳とした
- 現在の年齢:79 歳?
- 分野:薬理学
- 不正論文発表:2003~2023年(58~78歳?)の21年間
- ネカト行為時の地位:アルバニー薬学健康科学大学・教授
- 発覚年:2022年(72歳?)
- 発覚時地位:アルバニー薬学健康科学大学・教授
- ステップ1(発覚):第一次追及者はネカトハンターのチェシャー(Cheshire)
- ステップ2(メディア):「パブピア(PubPeer)」、レオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)のブログ、「撤回監視(Retraction Watch)」
- ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①アルバニー薬学健康科学大学・調査委員会。②研究公正局
- 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし
- 大学の透明性:研究公正局でクロ判定(〇)
- 不正:ねつ造・改ざん
- 不正論文数:研究公正局は2報の発表論文。2024年9月4日現在、10論文が撤回、「パブピア(PubPeer)」で75論文にコメント
- 時期:研究キャリアの後期
- 職:事件後に研究職(または発覚時の地位)を続けられなかった(Ⅹ)
- 処分:NIHから 4年間の監督期間(Supervision Period)処分
- 対処問題:大学調査ズサン、研究公正局調査ズサン
- 特徴:処罰が甘い
- 日本人の弟子・友人:不明
【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は10億円(大雑把)。
●2.【経歴と経過】
主な出典: C.V. of Prof. S.A. Mousa
- 生年月日:不明。仮に1945年1月1日生まれとする。1970年に最初の論文をエジプトの学術誌に出版した時を25歳とした
- 19xx年(xx歳?):1970年に最初の論文をエジプトの学術誌に出版。その時の所属であるエジプトのアイン シャムス大学(Ain Shams University)で学士号を取得したと推定
- 1983年(38歳?):米国のオハイオ州立大学(Ohio State University)で研究博士号(PhD)を取得:薬理学
- 1984年(39歳?):米国のケンタッキー大学(University of Kentucky)・ポスドク
- 1985~1987年(40~42歳?):米国のデュポン・ラジオファーマシューティカルズ社(Dupont Radiopharmaceuticals)・研究員
- 1987~1989年(42~44歳?):デュポン・クリティカル社(Dupont Critical)・上級研究員
- 1989~1991年(44~46歳?):デュポン・メルク ファーマシューティカルズ社(DuPont Merck Pharmaceuticals)・上級研究員
- 1993~2001年(48~56歳?):デュポン社(DuPont)・研究フェロー
- 1998年(53歳?):ワイドナー大学(Widener University)・経営学修士号(MBA)を取得
- 2002年(57歳?):アルバニー薬学健康科学大学(Albany College of Pharmacy and Health Sciences)・教授
- 2003~2023年(58~78歳?):この21年間に出版した75論文に「パブピア(PubPeer)」でコメントがある
- 2005~2021年(60~76歳?):この17年間に出版した10論文が2022~2024年に撤回された
- 2022年7月(77歳?):不正が発覚
- 2023年7月(78歳?):アルバニー薬学健康科学大学を退職(retired)
- 2024年5月29日(79歳?):研究公正局がネカトと発表
●3.【動画】
以下は事件の動画ではない。
【動画1】
インタビュー動画:「Shaker A. Mousa – Mideast Davos Debates 2009- YouTube」(英語)0分37秒。
thedavosquestionが2009/05/16に公開
【動画2】
研究紹介動画:「بعض فوائد بول الإبل علميا – الدكتور موسى شاكر Mousa Shaker – YouTube」(アラビア語、英語)3分45秒。
الباحثون المسلمونが2017/04/26に公開
●5.【不正発覚の経緯と内容】
★研究人生
シェイカー・ムーサ(Shaker Mousa、写真出典)はエジプトで生まれ育ち、エジプトの大学学部を卒業後、1983年(38歳?)、米国のオハイオ州立大学で研究博士号(PhD)を取得した。
1985~2001年(40~56歳?)の17年間、米国のデュポン社(DuPont)で研究員・主任研究員を務め、2002年(57歳?)、アルバニー薬学健康科学大学(Albany College of Pharmacy and Health Sciences)・教授になった。
アルバニー薬科健康科学大学の研究担当副プロボスト(Vice Provost for Research)にもなった。
ムーサは、抗血管新生、抗血栓薬、抗インテグリン薬、非侵襲的診断などで200件以上の米国および国際特許を保有している。
米国で成功した金持ちである。
★獲得研究費
シェイカー・ムーサ(Shaker Mousa、Shaker A. Mousa)は、NIHから2007~2021年の15年間に19件、計6,825,893ドル(約6億8千万円)の研究費を獲得していた。 → RePORT ⟩ Shaker A. Mousa
以下に最新の4件を示す(出典は上記)
★ネカト発覚
2022年7月(77歳?)、Actinopolyspora biskrensis氏(有名なネカトハンターであるチェシャーCheshireのパブピア名)が「パブピア(PubPeer)」でムーサの「2013年12月のNanomedicine (Lond)」論文の画像重複を指摘した。
- Tetraiodothyroacetic acid-conjugated PLGA nanoparticles: a nanomedicine approach to treat drug-resistant breast cancer.
Bharali DJ, Yalcin M, Davis PJ, Mousa SA.
Nanomedicine (Lond). 2013 Dec;8(12):1943-54. doi: 10.2217/nnm.12.200. Epub 2013 Feb 28.
2009年の論文の図5A(左図)を上記論文の図3A(右図)に流用した。
下図の出典:https://pubpeer.com/publications/08B9F69210C010F574B92EC02C9E07
これが、ネカト発覚の発端である。
その後、類似の画像重複が多数見つかっている。
2024年9月4日(79歳?)現在、「パブピア(PubPeer)」では、ムーサの75論文にコメントがある。
★2人の娘と不正論文
シェイカー・ムーサ(Shaker Mousa)と妻・へバ(Heba)の間に5人の子供がいる。
ムーサは、以下に示すように、3人の娘と共著論文があり、2人の娘が研究不正に関与していた。
長女のシャイマー・ムーサ(Shaymaa Mousa、写真出典)は父親と同じアルバニー薬学健康科学大学の所属で以下の「2017年のMolecules」論文の共著者(Mousa SS)になっているが、この論文は画像の重複が指摘された。2024年9月4日現在、論文は撤回されていない。
- Fluorinated Analog NMR s of Organosulfur Compounds from Garlic (Allium sativum): Synthesis, Chemistry and Anti-Angiogenesis and Antithrombotic Studies.
Block E, Bechand B, Gundala S, Vattekkatte A, Wang K, Mousa SS, Godugu K, Yalcin M, Mousa SA.
Molecules. 2017 Nov 28;22(12):2081. doi: 10.3390/molecules22122081.
上記論文の図5(左図)は、2005年の自分たちの論文の図1(右図)を流用していた。
下図の出典:https://pubpeer.com/publications/D78D2B4FF6976B4C1A1F15A7BDEF56
この論文は、他にも重複画像が指摘されている。
なお長女シャイマーは、現在、生命科学者ではなく、IBM社のコンサルタントである。 → Shaymaa Mousa | LinkedIn
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次女のサラ・ムーサ(Sarah Mousa、写真出典)も、父親と共著論文を出版している。以下の「2005年3月のNutr Cancer」論文だが、この論文ではネカト疑惑が指摘されていない。
- Effect of resveratrol on angiogenesis and platelet/fibrin-accelerated tumor growth in the chick chorioallantoic membrane model.
Sarah S Mousa , Shaymaa S Mousa, Shaker A Mousa
Nutr Cancer. 2005;52(1):59-65. doi: 10.1207/s15327914nc5201_8.
次女サラは、その後、ハーバード大学ケネディスクールで公共政策の修士号を取得し、現在、生命科学者ではなく、社会政策と都市政策を専門とするコンサルティングの仕事をしている。 → Sarah Mousa | World Economic Forum
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末娘ディーナ・ムーサ(Deena Mousa、写真出典)は高校生の時、1年間、父親のアルバニー薬学健康科学大学の研究室助手として働き、父親と共著で3論文を出版している。しかし、以下の「2020年3月のInt J Nanomedicine」論文は画像の重複で、2022年8月11日に撤回された。
- Nanoformulated Bioactive Compounds Derived from Different Natural Products Combat Pancreatic Cancer Cell Proliferation.
Mousa DS, El-Far AH, Saddiq AA, Sudha T, Mousa SA.
Int J Nanomedicine. 2020 Mar 31;15:2259-2268. doi: 10.2147/IJN.S238256. eCollection 2020.
上記論文の図5(下の左図)は、2017年の自分たちの論文(長女シャイマーの項で示した論文)の図5(下の右図)を流用していた。下図の出典:https://pubpeer.com/publications/AB75419E9AAB844CDA74964D642904
末娘ディーナは、その後、イェール大学で学士号(倫理学)を取得し、現在、生命科学者ではなく、コンサルティングの仕事をしている。 → Deena Mousa | LinkedIn
★研究公正局
2024年5月29日(79歳?)、発覚から2年後、研究公正局はムーサが2報の発表論文の7画像をねつ造・改ざんしていたと発表した。
2024年5月15日から4年間の監督期間(Supervision Period)処分を科した。4年間の監督期間(Supervision Period)処分は少し重い処分である。
2報の発表論文は以下の通り。研究公正局の発表をそのまま貼り付けた。2005年と2013年(50歳? と58歳?)の2論文である。
- Tetraiodothyroacetic acid-conjugated PLGA nanoparticles: a nanomedicine approach to treat drug-resistant breast cancer. Nanomedicine (Lond) 2013 Dec;8(12):1943-54. doi: 10.2217/nnm.12.200 (hereafter referred to as “Nanomedicine (Lond) 2013”)
- The proangiogenic action of thyroid hormone analogue GC-1 is initiated at an integrin. J. Cardiovasc. Pharmacol. 2005 Sep;46(3):356-60. doi: 10.1097/01.fjc.0000175438.94906.a0 (hereafter referred to as “J. Cardiovasc. Pharmacol. 2005”).
★論文購入?
以下のムーサの「2020年4月のInt J Nanomedicine」論文は2022年7月5日に撤回された。
- Antiviral Activity of Chitosan Nanoparticles Encapsulating Curcumin Against Hepatitis C Virus Genotype 4a in Human Hepatoma Cell Lines.
Loutfy SA, Elberry MH, Farroh KY, Mohamed HT, Mohamed AA, Mohamed EB, Faraag AHI, Mousa SA.
Int J Nanomedicine. 2020 Apr 22;15:2699-2715. doi: 10.2147/IJN.S241702. eCollection 2020.
撤回公告によると、図8ABのウェスタンブロット画像(以下、出典原著)が重複していた。
2021年2月に論文が訂正されたが、それでもデータに問題があった。
編集部が元データの提出を要求したが、ムーサは、元データを提出しなかった。それで、論文撤回になった。
レオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)は、この論文は論文工場製だと指摘している。
というのは、この学術誌「Int J Nanomedicine」は、米国のノースイースタン大学のトーマス・ウェブスター教授(Thomas Webster)が創刊編集長だった。
ところが、ウェブスター教授はデタラメ論文の出版で大学を辞職、「Int J Nanomedicine」編集長を解任された。 → 化学工学:トーマス・ウェブスター(Thomas Webster)(米)、ヤン・シェン(沈雁、Yan Shen)(中国) | 白楽の研究者倫理
シェイカー・ムーサ(Shaker Mousa)は多数論文出版者である。
そのうちのかなりの数の論文は、エジプトにある論文工場製の論文を購入したのだろうと、シュナイダーは述べている。
●【ねつ造・改ざんの具体例】
上記したので省略。
ただ、10論文が撤回され、「パブピア(PubPeer)」で75論文にコメントがあるので、上記は、ネカト箇所のごく一部である。
●6.【論文数と撤回論文とパブピア】
データベースに直接リンクしているので、記事閲覧時、リンク先の数値は、記事執筆時の以下の数値より増えている(ことがある)。
★パブメド(PubMed)
2024年9月4日現在、パブメド(PubMed)で、シェイカー・ムーサ(Shaker Mousa、Shaker A. Mousa)の論文を「Shaker Mousa [Author]」で検索した。この検索方法だと、2002年以降の論文がヒットするが、2000~2024年の25年間の456論文がヒットした。
「Mousa SA」で検索すると、1985~2024年の40年間の673論文がヒットした。
「Mousa S」で検索すると、1970~2024年の55年間の858論文がヒットした。
2024年9月4日現在、「Retracted Publication」でパブメドの論文撤回リストを検索すると、10論文が撤回されていた。
★撤回監視データベース
2024年9月4日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースでシェイカー・ムーサ(Shaker Mousa、Shaker A. Mousa)を「Shaker A. Mousa」で検索すると、2論文が訂正、10論文が撤回されていた。
2005~2021年に出版した10論文が2022~2024年に撤回された。
★パブピア(PubPeer)
2024年9月4日現在、「パブピア(PubPeer)」では、シェイカー・ムーサ(Shaker Mousa、Shaker A. Mousa)の論文のコメントを「”Shaker A. Mousa” OR “Shaker Mousa”」で検索すると、2003~2023年(58~78歳?)の75論文にコメントがあった。
●7.【白楽の感想】
《1》ズサンな調査
研究公正局は、シェイカー・ムーサ(Shaker Mousa、写真出典)の2論文の不正しか指摘していない。
しかし、既にムーサの2005~2021年(60~76歳?)の17年間に出版した10論文が撤回され、「パブピア(PubPeer)」では2003~2023年(58~78歳?)の21年間に出版した75論文にコメントがある。
研究能力があるとは思えない実の娘3人を共著にした生命科学の研究論文を数報も出版し、学術論文を私物化している。
ムーサは、NIHから2007~2021年の15年間に19件、計6,825,893ドル(約6億8千万円)の研究費を得ていた。
どう考えても、これらNIH研究費申請書にデタラメ論文のデータを記載しているだろう。研究公正局は、どうしてそれらを指摘しないのだ。指摘して、研究費を返納してもらうべきだろう。
アルバニー薬学健康科学大学(Albany College of Pharmacy and Health Sciences)の調査がズサンだったとしても、その報告書を受け取った研究公正局は、アルバニー薬学健康科学大学に、もっとしっかり調査するよう行政指導すべきだった。
こんなズサンな調査のまま、調査を終え、発表してしまうなんて、研究公正局の仕事ぶりにガッカリするばかりである。
《2》処罰が大甘
シェイカー・ムーサ(Shaker Mousa)は、2005~2021年(60~76歳?)の10論文が撤回され、「パブピア(PubPeer)」で2003~2023年(58~78歳?)の75論文にコメントがある。 → ネカト漬けのような悪徳研究者である
NIHから2007~2021年の15年間に19件、計6,825,893ドル(約6億8千万円)の研究費を獲得していた。 → 膨大なお金を無駄にした国賊ともいえる。
ネカトが発覚し、アルバニー薬学健康科学大学がネカト調査を終え、クロと判定したと思われる2023年7月(78歳?)、ムーサはアルバニー薬学健康科学大学を退職(retired)した(させられた)。 → この年なら退職しても損害なし
研究公正局は、2024年5月15日から4年間の監督期間(Supervision Period)処分を科した。 → もう、研究する必要がないので、痛くもかゆくもない
ムーサの処罰は大甘だ。
実質的に何の処罰も科していない。
「撤回監視(Retraction Watch)」記事に「処罰が軽すぎ」とコメントしている人がいたけど、白楽もそう思う。これじゃ、ネカトした方が得です。
日本も処罰が大甘だけど、米国も、ねつ造・改ざんした研究者にどうして大甘な処罰を科すのだろう? これでは、ネカト抑止力にならない。むしろ、奨励してしまう。
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日本の人口は、移民を受け入れなければ、試算では、2100年に現在の7~8割減の3000万人になるとの話だ。国・社会を動かす人間も7~8割減る。現状の日本は、科学技術が衰退し、かつ人間の質が劣化している。スポーツ、観光、娯楽を過度に追及する日本の現状は衰退を早め、ギリシャ化を促進する。今、科学技術と教育を基幹にし、人口減少に見合う堅実・健全で成熟した良質の人間社会を再構築するよう転換すべきだ。公正・誠実(integrity)・透明・説明責任も徹底する。そういう人物を昇進させ、社会のリーダーに据える。また、人類福祉の観点から、人口過多の発展途上国から、適度な人数の移民を受け入れる。
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●9.【主要情報源】
① 研究公正局の報告:(1)2024年5月29日:Case Summary: Mousa, Shaker | ORI – The Office of Research Integrity。(2)2024年6月4日の連邦官報:2024-12167.pdf 。(3)2024年6月4日の連邦官報:Federal Register :: Findings of Research Misconduct。(4)2024年6月12日:NOT-OD-24-141: Findings of Research Misconduct
② 2022年7月11日のレオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)のブログ記事:Shaker Mousa – NY pharma gangsta’ – For Better Science
③ 2024年5月29日のエイブリー・オラル(Avery Orrall)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:Pharmaceutical researcher faked data in two papers, says federal watchdog – Retraction Watch
④ 2024年5月31日のレオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)のブログ記事:Schneider Shorts 31.05.2024 – Historic heavy rain and flooding – For Better Science
⑤ 研究公正局の現在・処分者リスト:PHS Administrative Action Report
★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。
●コメント
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