ボリス・ジヴォトフスキー(Boris Zhivotovsky)、ヘリン・ノーバーグ(Helin Norberg)(スウェーデン)

2023年7月10日掲載 

ワンポイント:ジヴォトフスキーはカロリンスカ医科大学(Karolinska Institute)・教授で、部下のノーバーグは助教授だった。2015年6月(ジ67歳?)、共著の「2008年11月のOncogene」論文の画像に重複使用が指摘され2年後に撤回された。「2011年9月のJ Cell Sci」論文のネカトも指摘されたが、2017年8月、カロリンスカ医科大学はシロと結論した。しかしどう見てもネカトで、2017年10月、学術誌は懸念表明を付けた。ジヴォトフスキーにはパブピアで17論文が疑念視されている。カロリンスカ医科大学がシロと結論した「大学のネカト調査不正」事件で、ネカト者は不明で、誰も処分されていない。論文は1報撤回されただけ。国民の損害額(推定)は1億円(大雑把)。

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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
8.白楽の手紙
9.主要情報源
10.コメント
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●1.【概略】

ボリス・ジヴォトフスキー(ボリス・ジボトフスキー、Boris Zhivotovsky、ORCID iD:?、写真出典)は、ロシア出身で、スウェーデンのカロリンスカ医科大学(Karolinska Institute)・環境医学部(Institute of Environmental Medicine)・教授になった。医師免許は持っていない。専門は細胞生物学である。

「Karolinska Institute」を「カロリンスカ研究所」と訳す日本人は多いが、同じ人が「Massachusetts Institute of Technology」を「マサチューセッツ工科研究所」とは訳さない。「マサチューセッツ工科大学」と訳す。「Institute」は学術的な施設、研究所,大学、協会などである。「Karolinska Institute」の実質は医科大学なので、白楽は「カロリンスカ医科大学」または「カロリンスカ大学」と訳す。

ヘリン・ノーバーグ(Helin Norberg、Helin Vakifahmetoglu-Norberg、Helin Vakifahmetoglu、ORCID iD:?、写真出典)は、スウェーデンのカロリンスカ医科大学(Karolinska Institute)・助教授(当時)で、専門は細胞生物学である。ジヴォトフスキーの教え子で部下だった。

本事件では、ジヴォトフスキーを中心に、ノーバーグを脇役として記事にした。年齢は断らない限り、ジヴォトフスキーの年齢である。

2015年6月xx日(67歳?)、匿名者が「2008年11月のOncogene」論文の図の疑念をパブピアで指摘した。 ヘリン・ノーバーグ(Helin Norberg、旧姓・Vakifahmetoglu)は第2著者で、ボリス・ジヴォトフスキー(Boris Zhivotovsky)は第4著者だった。

2016年7月4日(68歳?)、3か月後、「2008年11月のOncogene」論文は訂正された。

2017年2月13日(69歳?)、訂正版にもネカトが見つかり、結局、論文は撤回された。

その後、ジヴォトフスキーとノーバーグの共著の「2011年9月のJ Cell Sci」論文も図の重複使用が指摘された。

2017年8月23日(69歳?)、カロリンスカ医科大学・ネカト調査報告書は「2011年9月のJ Cell Sci」論文のネカトを調査し、ネカトはないと報告した。

しかし、「2011年9月のJ Cell Sci」論文で、他の図の重複使用が指摘され、シャロン・アーマド編集長(Sharon Ahmad)は論文に懸念表明を付けた。

カロリンスカ医科大学・ネカト調査委員会は無能なのか、意図的にクロをシロとしたのかわからないが、その後もまともな調査をしていない。

2023年7月9日(75歳?)現在、ネカト者がジヴォトフスキーなのか、ノーバーグなのか、他の研究者なのか不明のままである。大学または著者からの依頼がないので、学術誌側は論文撤回しないままである。

論文を信じる読者が被害をこうむるので、編集長権限で撤回すればいいのにと、白楽は思う。

白楽は、本事件を、「大学のネカト調査不正」事件とみなした。

カロリンスカ医科大学(Karolinska Institute)。Pressfoto: Janos Kovacs。写真出典

★ボリス・ジヴォトフスキー(Boris Zhivotovsky)を主体に

  • 国:スウェーデン
  • 成長国:ロシア
  • 医師免許(MD)取得:なし
  • 研究博士号(PhD)取得:ロシア、レニングラードのレントゲン学放射線医学中央研究所
  • 男女:男性
  • 生年月日:不明。仮に1948年1月1日生まれとする。1975年に研究博士号(PhD)を取得した時を27歳とした
  • 現在の年齢:76歳?
  • 分野:細胞生物学
  • 不正論文発表:1997~2021年(49~73歳?)の24年間
  • ネカト行為時の地位:カロリンスカ医科大学・上級研究員、同・教授
  • 発覚年:2015年月(67歳?)
  • 発覚時地位:カロリンスカ医科大学・教授
  • ステップ1(発覚):第一次追及者(詳細不明)はパブピアで指摘
  • ステップ2(メディア):「パブピア(PubPeer)」、「撤回監視(Retraction Watch)」、レオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)
  • ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①学術誌・編集部。②カロリンスカ医科大学・調査委員会はシロと結論
  • 大学・調査報告書のウェブ上での公表:大学以外がウェブで公表 → https://retractionwatch.com/wp-content/uploads/2017/09/UFPS01_Aulan_-Nobels-v%c3%a4g-6_-plan-6_-rum-677_3150_001-2.pdf
  • 大学の透明性:実名報道だが機関のウェブ公表なし(△)、[機関以外が詳細をウェブ公表(⦿)]
  • 不正:ねつ造・改ざん
  • 不正論文数:パブピアで17論文。1報が撤回。
  • 時期:研究キャリアの初期から
  • 職:事件後に研究職(または発覚時の地位)を続けた(〇)
  • 処分:なし
  • 日本人の弟子・友人:不明

【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は 1億円(大雑把)。

●2.【経歴と経過】

★ボリス・ジヴォトフスキー(Boris Zhivotovsky)

主な出典:(1)Academy of Europe: CV、(2)Academy of Europe: Zhivotovsky Boris保存版

  • 生年月日:不明。仮に1948年1月1日生まれとする。1975年に研究博士号(PhD)を取得した時を27歳とした
  • 19xx年(xx歳):xx大学(xx)で学士号取得
  • 1975年(27歳?):ロシア、レニングラードのレントゲン学放射線医学中央研究所(Central Research Institute of Roentgenology and Radiology)で研究博士号(PhD)を取得:放射線生物学
  • 1975 – 1989年(27 – 41歳?):同研究所の分子放射線生物学部(Laboratory of Molecular Radiobiology)・研究員、後に、上級研究員、さらに上級研究員 (Docent)
  • 1989年(41歳?):同研究所で博士号(Dr.Sc.)を取得:生化学
  • 1989 – 1992年(41 – 44歳?):ロシア、サンクトペテルブルクのレントゲン学放射線医学中央研究所(Central Research Institute of Roentgenology and Radiology)の分子放射線生物学部(Laboratory of Molecular Radiobiology)・主任(准教授)
  • 1991 – 1994年(43 – 46歳?):スウェーデンのカロリンスカ医科大学(Karolinska Institute)・毒性部門、客員研究員
  • 1994 – 2002年(46 – 54歳?):同大学・毒性部門・上級研究員
  • 1997 – 2021年(49 – 73歳?):この24年間に出版された17論文がパブピアで疑念視
  • 2002年(54歳?):同大学・毒性部門・教授
  • 2015年6月(67歳?):ネカト被指摘
  • 2017年8月23日(69歳?):カロリンスカ医科大学・ネカト調査報告書はシロと結論
  • 20xx年(xx歳):同大学・毒性部門・名誉教授
  • 2023年7月9日(75歳?)現在:同大学・毒性部門・名誉教授:Boris Zhivotovsky | Medarbetare

●5.【不正発覚の経緯と内容】

★ネカト発覚:「2008年11月のOncogene」論文

2015年6月xx日(67歳?)、匿名者が「2008年11月のOncogene」論文の図の疑念をパブピアで指摘した。ヘリン・ノーバーグ(Helin Norberg、旧姓・Vakifahmetoglu、写真出典?)が第2著者、ボリス・ジヴォトフスキー(Boris Zhivotovsky)が第4著者である。

以下に示すように、図5Cが「2006年5月のOncogene」論文の図3Aと同じなのだ。

「2006年5月のOncogene」論文では、ノーバーグが第1著者、ジヴォトフスキーが最後著者である。

2016年2月、この論文の図6Aは図S2と同じだとも指摘された。出典:https://pubpeer.com/publications/6ED40D17EBDDE39C1E566D51E32298#3

2016年4月、「2008年11月のOncogene」論文の最後著者のクラス・ウィマン教授(Klas Wiman、写真出典)とジヴォトフスキーが連名で、パブピアに次のような返事をした

ご指摘いただきありがとうございます。ご指摘の問題に対処するために、私たちは生データに戻り、また、いくつかの実験を繰り返しました。それらのデータを学術誌に送り、論文を訂正するよう依頼しました。

2016年7月4日、3か月後、「2008年11月のOncogene」論文は訂正された。 → 訂正公告

2017年2月13日、訂正版にもネカトが見つかり、結局、論文は撤回された。

★「2011年9月のJ Cell Sci」論文:ネカト発覚→訂正

上記したように、「2008年11月のOncogene」論文のネカトが指摘され、論文が撤回された。

その過程で、ボリス・ジヴォトフスキー(Boris Zhivotovsky)の他の論文にもネカトがあるのではないかと詮索された。

そして、見つかったのである。

ネカトの法則:「ネカトはネカト常習者の研究スタイルなので、他論文でもネカトしている」。

「2011年9月のJ Cell Sci」論文に重複画像が見つかった。

この論文は、ヘリン・ノーバーグ(Helin Norberg)が第2著者、ボリス・ジヴォトフスキー(Boris Zhivotovsky)が最後著者である。

2015年11月xx日(67歳?)、匿名者が図4Cに画像の重複使用があるとパブピアで指摘した。

以下の図4Cに示すように、黄緑色の画像が同じ。画像の出典:https://pubpeer.com/publications/BEC132A717BC817C1E3A6F2FEB4BAD?

2016年5月1日、論文は訂正された。 → 訂正公告

★「2011年9月のJ Cell Sci」論文:2016年10月に別の指摘

上述したように、2016年5月1日、「2011年9月のJ Cell Sci」論文は訂正されたが、この論文は訂正で済まなかった。

2016年10月、パブピアで図1Aが問題だと指摘されたのだ。

―――図1A、出典:原著論文―――

原著論文の図1Aを見ても、どこに問題があるのか、白楽はわからなかった。

―――図1A、出典:パブピアでの指摘―――

2016年10月、パブピアで問題点が指摘された。出典:https://pubpeer.com/publications/BEC132A717BC817C1E3A6F2FEB4BAD#5

上図は図1Aの明るさを上げてある。それでも、とても、とても、見にくい。

かろうじて、青色点線に囲まれた図が同じ図らしいことがわかる。

とても、とても、とても見にくい。

見つけた人は天才的です。

図の作成者は、こんな何も写っていないような画像だから、見つからないと思って、意図的に同じ図をつかったのでしょうね。

★大学の調査:シロ

ところが驚いたことに、2017年8月23日、カロリンスカ医科大学・ネカト調査委員会はシロと報告した。

以下は2017年8月23日のカロリンスカ医科大学・ネカト調査報告書(3頁、スウェーデン語)の冒頭部分(出典:同)。全文は → https://retractionwatch.com/wp-content/uploads/2017/09/UFPS01_Aulan_-Nobels-v%c3%a4g-6_-plan-6_-rum-677_3150_001-2.pdf

上記のネカト調査報告書はスウェーデン語で英語版がない。もちろん、日本語版もない。それで、奥の手の「DeepL」で日本語に翻訳し、その要点箇所を以下に貼り付けた。「DeepL」 → https://www.deepl.com/ja/translator/files

そして、結論として、

とある。

つまり、繰り返すけど、カロリンスカ医科大学・ネカト調査委員会はシロと報告した。

この報告書を見ると、2016年10月7日、レオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)がカロリンスカ医科大学に通報したのを受け、カロリンスカ医科大学はネカト調査を始めた。

シュナイダーはエライ!

★「2011年9月のJ Cell Sci」論文:懸念表明

2017年3月21日、「J Cell Sci」編集長のシャロン・アーマド(Sharon Ahmad、写真出典)は、2016年10月のパブピアの指摘を検討していた。

その最中、2017年8月23日にカロリンスカ医科大学・ネカト調査委員会はシロと結論した。アーマド編集長はその結論に納得できなかった。

2017年10月1日、アーマド編集長は編集長の権限で論文に懸念表明を付けた。 → 懸念表明

論文の図1Aの一部に懸念が提起されました。

カロリンスカ医科大学のネカト調査では研究不正はないとの結論でした。しかし、図1Aのデータに問題点が指摘され、学術誌・編集部でも問題だとの結論になりました。それで、懸念表明をつけました。

2023年7月9日現在、「2011年9月のJ Cell Sci」論文は撤回されていないが、他の図でも問題が指摘されている。

指摘の一部を示す。2017年9月、「#8 Tylodelphys clava」がパブピアで図S1Dに重複画像があると指摘した。以下の赤色枠の図だが、白楽はどこが重複なのか、わからない。

明るさを上げると、以下のように2つの図は同じ画像だということがわかる。

下図でも見にくいけど、見つけた人は天才的ですね。

★「2002年1月のOncogene」論文

上記してきたように、「2008年11月のOncogene」論文のネカトが指摘され、論文が撤回された。さらに、撤回されていないが、「2011年9月のJ Cell Sci」論文のネカトも指摘された。

さらに他の論文でもネカト論文があるのではないかと詮索された。

2015年10月、「2002年1月のOncogene」論文のネカトが指摘された。ボリス・ジヴォトフスキー(Boris Zhivotovsky)の論文だが、ヘリン・ノーバーグ(Helin Norberg)は共著者に入っていない。

以下に示すように、図2Aの黄色枠に画像の重複使用があった。以下の画像出典:https://pubpeer.com/publications/11791177

2017年7月10日、上図は以下の図に訂正された。 → 訂正公告

訂正公告によると以下のようだ。

カロリンスカ医科大学の規則では、すべての研究記録を10年間保管する必要がある。この図の元データは15年前で、その写真は保管庫に残っていなかった。

それで、U1285細胞とH82細胞の両方についてすべての実験を繰り返した。論文の結論を再現でき、新しい実験で得られた図を前回の論文の訂正版に示した。

著者は、「読者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます」と謝罪した。

【ねつ造・改ざんの具体例】

上記したので省略。

●6.【論文数と撤回論文とパブピア】

★パブメド(PubMed)

2023年7月9日現在、パブメド(PubMed)で、ボリス・ジヴォトフスキー(Boris Zhivotovsky)の論文を「Boris Zhivotovsky[Author]」で検索した。この検索方法だと、2002年以降の論文がヒットするが、2002~2023年の22年間の205論文がヒットした。

「Zhivotovsky B」で検索すると、1975~2023年の49年間の356論文がヒットした。

「Zhivotovsky B AND Norberg」で検索すると、2007~2017年の11年間の16論文がヒットした。

2023年7月9日現在、「Retracted Publication」のフィルターでパブメドの論文撤回リストを検索すると、「2016年12月のOncogene」・1論文が撤回されていた。ヘリン・ノーバーグ(Helin Norberg)は共著者ではない。

★撤回監視データベース

2023年7月9日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースでボリス・ジヴォトフスキー(Boris Zhivotovsky)を「Boris Zhivotovsky」で検索すると、 2論文が訂正、2論文が懸念表明、1論文が撤回されていた。

「2008年11月のOncogene」論文が、2017年2月13日に撤回された。

★パブピア(PubPeer)

2023年7月9日現在、「パブピア(PubPeer)」では、ボリス・ジヴォトフスキー(Boris Zhivotovsky)の論文のコメントを「Boris Zhivotovsky」で検索すると、1997~2021年(49~73歳?)の17論文にコメントがあった。

17論文の内、ヘリン・ノーバーグ(Helin Norberg)が共著の論文は「2011年9月のJ Cell Sci」論文だけだった。

ヘリン・ノーバーグ(Helin Norberg、Helin Vakifahmetoglu-Norberg、Helin Vakifahmetoglu)の論文のコメントを「Helin Norberg」で検索すると、9論文にコメントがあった。

クラス・ウィマン教授(Klas Wiman)の論文のコメントを「Klas Wiman」で検索すると、7論文にコメントがあった。7論文の内、ボリス・ジヴォトフスキー(Boris Zhivotovsky)やヘリン・ノーバーグ(Helin Norberg)の共著論文は1報もなかった。

●7.【白楽の感想】

《1》大学のネカト調査不正 

カロリンスカ医科大学・ネカト調査委員会は無能なのか、意図的にクロをシロとしたのか?

どちらにせよ、カロリンスカ医科大学への信頼と権威は失墜する。

ジヴォトフスキー事件は「大学のネカト調査不正」事件でもある。

「J Cell Sci」のシャロン・アーマド編集長(Sharon Ahmad)は、カロリンスカ医科大学がシロと結論した1か月少々後に、論文のに懸念表明を付けた。

エライ!

《2》懸念表明(Expression of Concern) 

「2011年9月のJ Cell Sci」論文の疑念で、カロリンスカ医科大学・ネカト調査委員会がシロと結論したのは2017年8月23日。

その結論に納得できなかったアーマド編集長が、編集長権限で論文に懸念表明を付けたのは、1か月少々後の2017年10月1日。

これは偉いが、その後、6年弱経過した2023年7月9日現在、「懸念表明(Expression of Concern)」が付いたままで、論文を撤回していない。片手落ちである。

「懸念表明(Expression of Concern)」が付いていると、この論文は信用できるのか・できないのか、読者は迷う。そして、著者は宙ぶらりんである。

可及的速やかに、シロクロつけるべきだ。

EoCの期間が長いと著者は生殺し状態だし読者は引用していいかわからん等でみんなツラいから早めに対処しようぜとか (4年以上EoC状態ってのもあります),EoCも含めちゃんときっちり引用したほうがいいのでEoCもDOI付きで出版しよう(2021年12月9日記事:Expression of Concernって?|Yuki Yamada保存版

多くの学術誌はわかっていないようだ。

「懸念表明(Expression of Concern)」というのは、「ネカト調査中」と捉えるべきなのである。だから、すみやかに「ネカト調査」を終え、シロクロつけ、「懸念表明(Expression of Concern)」を外す。

「懸念表明(Expression of Concern)」は「客から不良品とクレームがついた」という表示なので、店頭に並べて売ってはいるけれど、いま点検中です。「点検中のわけあり」でも買いたい人には売るけど、「一般には、買わないでね」という状況でしょ。

それを6年弱も放置して、学術誌の体をなしていない。とてもヘンです。

不良個所を直して売るか、回収するか、即刻決めるべきでしょう。「ネカト調査」なので、即刻と言っても無理だろうが、1年(あるいは2年)が妥当な期限でしょう

《3》不明

ネカトの法則:「ネカトはその人の研究スタイルなので、糾弾されるまでの他論文でもネカトしている」。

ボリス・ジヴォトフスキー(Boris Zhivotovsky)は356報の論文を出版している(パブメド)。パブピアでは17論文にコメントしているが、もっとたくさんの論文でネカトしている公算が高い。

しかし、カロリンスカ医科大学はまともなネカト調査をしない。

所属大学がしないとなると、現在のシステムでは、公式なネカト調査はされない。

個人で活動するネカトハンターを除くと、よほどの理由がない限り、所属大学以外の公的組織は調査しない、からだ。

それで、ジヴォトフスキーはどれだけネカト論文を出版しているのか、不明のままだ。

そして、ネカト者がジヴォトフスキーなのか、ノーバーグなのか、他の研究者なのかも不明のままである。

ボリス・ジヴォトフスキー(Boris Zhivotovsky)、https://www.rscf.ru/news/medicine/gibel-vo-spasenie-opukholevye-kletki-dovedut-do-samoubiystva/
https://archive.md/wip/kWZz3

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●9.【主要情報源】

① 2016年11月11日のレオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)のブログ記事:Mass investigation of 9 senior scientists at Karolinska Institutet – For Better Science
② 2017年3月13日のビクトリア・スターン(Victoria Stern)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:Huh? Cancer paper gets retracted because of its correction – Retraction Watch
③ 2017年6月16日のビクトリア・スターン(Victoria Stern)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:Journal flags cancer paper from Karolinska researchers – Retraction Watch
④ 2017年9月1日のレオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)のブログ記事:Karolinska embarrasses itself to save two professors – For Better Science
⑤ 2017年9月28日のビクトリア・スターン(Victoria Stern)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:“No wrongdoing had occurred,” says Karolinska, following investigation of cancer research – Retraction Watch
★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。

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