ウトラ・ラジャマニ(Uthra Rajamani)(米)

2018年12月28日掲載

ワンポイント:ラジャマニは南アフリカ共和国の育ちで、南アフリカ共和国のステレンボッシュ大学(Stellenbosch University)で研究博士号(PhD)を取得し、2012年(30歳?)に渡米した。ウエストバージニア大学(West Virginia University)、次いで、カリフォルニア大学デービス校(University of California – Davis)のポスドクを経て、2014年12月(32歳?)、米国のシダーズ・サイナイ医療センター(Cedars-Sinai Medical Center)のポスドクになった。2018年12月19日、研究公正局は、シダーズ・サイナイ医療センター・ポスドク時代の「2017年のNat Commun」論文で、ラジャマニ(36歳?)がウエスタンブロット画像の改ざんをしたと発表した。1年間の締め出し処分を科した。国民の損害額(推定)は6億1,600万円。

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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
4.日本語の解説
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
8.主要情報源
9.コメント
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●1.【概略】

ウトラ・ラジャマニ(Uthra Rajamani、写真)は、南アフリカ共和国のステレンボッシュ大学(Stellenbosch University)で研究博士号(PhD)を取得し、2012年(30歳?)に渡米し、ウエストバージニア大学(West Virginia University)、次いで、カリフォルニア大学デービス校(University of California – Davis)のポスドクを経て、2014年12月(32歳?)、米国のシダーズ・サイナイ医療センター(Cedars-Sinai Medical Center )のポスドクになった。医師免許はなく、専門は糖尿病、神経変性、心血管疾患、メタボリックシンドロームである。

2018年12月19日(36歳?)、研究公正局は、ラジャマニが「2017年のNat Commun」論文でウエスタンブロット画像の改ざんをしたと発表した。2018年11月28日から1年間の締め出し処分を科した。

研究公正局がネカトと発表した3日後の2018年12月22日、パブピア(PubPeer)はラジャマニの別の3つの論文にデータねつ造・改ざんがあると指摘した。

ラジャマニは、2010年に人生で最初に出版した論文で既にデータねつ造・改ざんをしていたのである。つまり、根っからのネカト者と思われる。但し、研究公正局は「2017年のNat Commun」論文しか問題にしていない。ネカト調査の問題点がここに露呈している。

シダーズ・サイナイ医療センター(Cedars-Sinai Medical Center)。写真出典

  • 国:米国
  • 成長国:南アフリカ共和国
  • 医師免許(MD)取得:なし
  • 研究博士号(PhD)取得:南アフリカ共和国のステレンボッシュ大学(Stellenbosch University)
  • 男女:女性
  • 生年月日:不明。仮に1982年1月1日生まれとする。2009年12月に研究博士号(PhD)を取得した時を27歳とした
  • 現在の年齢:42 歳?
  • 分野:糖尿病
  • 最初の不正:2010年(28歳?)(推定)
  • 発覚年:2018年(36歳?)(推定)
  • 発覚時地位:米国のシダーズ・サイナイ医療センター・ポスドク
  • ステップ1(発覚):研究室のボスであるドゥルヴ・サリーン準教授(Dhruv Sareen)が見つけた(推定)。
  • ステップ2(メディア):
  • ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①シダーズ・サイナイ医療センター・調査委員会。②研究公正局
  • 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし
  • 大学の透明性:研究公正局でクロ判定(〇)
  • 不正:改ざん
  • 不正数:4件(推定)
  • 時期:研究キャリアの初期
  • 職:事件後に解雇(?)
  • 処分:NIHから1年間の締め出し処分
  • 日本人の弟子・友人:不明

【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は6億1,600万円。内訳 ↓

  • ①研究者になるまで5千万円。
  • ②大学・研究機関が研究者にかけた経費(給与・学内研究費・施設費など)は年間4500万円。研究博士号(PhD)取得後8年間なので損害額は3億6000万円。
  • ③外部研究費。研究成果の改ざんだが、研究費の損額は不明。1年間1000万円として、研究博士号(PhD)取得後8年間なので損害額は8000万円。
  • ④調査経費。第一次追及者の調査費用は100万円。大学・研究機関の調査費用は1件1,200万円、研究公正局など公的機関は1件200万円。学術出版局は1つの学術誌あたり100万円で1つの学術誌なので100万円。小計で1,600万円
  • ⑤裁判経費は2千万円。裁判はなかったので損害額は0円。
  • ⑥論文撤回は1報当たり1,000万円、共著者がいなければ100万円。撤回論文は1報の予定で共著者がいるので1,000万円。
  • ⑦アカハラ・セクハラではない。損害額は0円。
  • ⑧研究者の時間の無駄と意欲削減+国民の学術界への不信感の増大は1億円。
  • ⑨健康被害:損害額は0円とした。

●2.【経歴と経過】

主な出典:①:Reviewer – Uthra Rajamani | University of California | 237、②:Rajamani Uthra | LinkedIn

  • 生年月日:不明。仮に1982年1月1日生まれとする。2009年12月に研究博士号(PhD)を取得した時を27歳とした
  • 2009年12月(27歳?):南アフリカ共和国のステレンボッシュ大学(Stellenbosch University)で研究博士号(PhD)を取得
  • 2010年3月-2011年2月(28 – 29歳?):南アフリカ共和国のステレンボッシュ大学(Stellenbosch University)・ポスドク
  • 2011年4月-2012年8月(29 – 30歳?):南アフリカ共和国のワズール・ナタール大学(University of KwaZulu-Natal)・ポスドク
  • 2012年9月-2013年9月(30 – 31歳?):米国のウエストバージニア大学(West Virginia University)・ポスドク
  • 2013年9月-2014年12月(31 – 32歳?):米国のカリフォルニア大学デービス校(University of California – Davis)・ポスドク
  • 2014年12月(32歳?):米国のシダーズ・サイナイ医療センター(Cedars-Sinai Medical Center )・ポスドク
  • 2017年8月(35歳?):後で問題となる「2017年のNat Commun」論文を出版
  • 2018年(36歳?):ネカトが発覚し、シダーズ・サイナイ医療センター・ポスドクを解雇された(推定)
  • 2018年12月19日(36歳?):研究公正局がネカトでクロと発表。締め出し期間は2018年11月28日から1年間

【受賞】

  • 2009年:南部アフリカ生理学協会のウィンダム賞(Wyndham Award)
  • 2010年:ステレンボッシュ大学の優秀ポスドク賞(Best award for research as a post-doctoral fellow)
  • 2010年:アストラ・ゼネカ(Astra Zeneca)が口頭発表で第2位と表彰
  • 2010年:「Mail&Guardian」の南アフリカの200人の若手達成者(200 Young South African achievers)の一人に選出
  • 2012年5月:南アフリカのヨハネスブルグのIKUSASAから「非市民の科学への貢献」賞

●3.【動画】

以下は事件の動画ではない。

【動画1】
自己紹介動画:「ステレンボッシュ大学・心臓代謝研究グループの出身者・ウトラ・ラジャマニ(CMRG Alumni Uthra Rajamani) – YouTube」(英語)2分11秒。
CMRG Cardic Metabolic Research Groupが2017/12/13 に公開

●4.【日本語の解説】

ネカト事件の解説はない。ネカト論文である「2017年のNat Commun」論文の研究結果についての解説があった。

★2017年08月21日:美容経済新聞:食品添加物の防腐剤が肥満につながる

出典 → ココ、(保存版

食品防腐剤がヒトのホルモンに影響し、肥満を促進しているかもしれないという研究結果が8月9日、米国ロサンゼルスにあるシダーズ=シナイ・メディカル・センターの公式サイトに掲載された。論文は「Nature Communications」オンラインで発表されている。

この研究で試験されたのは内分泌かく乱物質として知られている化学物質3種。栄養素を保護し脂肪の腐敗を防ぐために食品に添加される抗酸化物質のブチルヒドロキシトルエン(BHT)、調理器具やカーペットなどに見られるポリマーのパーフルオロオクタン酸(PFOA)、水溶性で海産物への蓄積が懸念されている塗料に多く使用される化合物のトリブチルスズ(TBT)である。

研究者らは、ヒト幹細胞から作ったホルモン産生組織を用いて、これらの化学物質への慢性的な曝露が消化器系から脳へのシグナル伝達を妨げ、「満腹」がわからなくなる可能性を示した。同センター准教授Dhruv Sareen博士は「これらの化学物質のそれぞれが腸と脳との間を伝達するホルモンを傷つけていることがわかった。テストされた3種類の化学物質のうち、BHTは最も有害な影響をもたらした」と述べた。さらに、今回の研究に使用された新しい試験システムは、化学物質の健康評価が安価に安全にできる可能性があり、Clive Svendsen博士は「これは、内分泌かく乱物質がヒトホルモン系を傷つけ、米国における肥満研究へどのように寄与できるかを実質的に改善する画期的な研究である」と述べている。

以下略

●5.【不正発覚の経緯と内容】

★「2017年のNat Commun」論文

2014年12月(32歳?)、ウトラ・ラジャマニ(Uthra Rajamani)は、米国のシダーズ・サイナイ医療センター(Cedars-Sinai Medical Center )のポスドクになった。ボスはドゥルヴ・サリーン準教授(Dhruv Sareen)だった。

ウトラ・ラジャマニ(Uthra Rajamani)とドゥルヴ・サリーン準教授(Dhruv Sareen)。写真出典:https://www.cedars-sinai.edu/Research/Research-News/Cedars-Science/2015/Research-Day-Draws-Record-Posters-Big-Crowd.aspx(リンク切れ)

2017年8月(35歳?)、後に問題となる「2017年のNat Commun」論文を発表した。

この論文は、食品防腐剤がヒトのホルモンに影響し、肥満を促進しているかもしれないという研究結果(出典、2017年08月21日:美容経済新聞:食品添加物の防腐剤が肥満につながるだったので、論文は多数のメディアの関心を引いた。
→ Altmetric – Endocrine disruptors induce perturbations in endoplasmic reticulum and mitochondria of human pluripotent stem cell derivatives

★研究公正局

ネカト発覚の経緯は不明である。

白楽の推定では、論文発表後、数か月以内に、研究室のボスであるドゥルヴ・サリーン準教授(Dhruv Sareen、写真)がデータねつ造・改ざんを見つけたと思われる。

その後、シダーズ・サイナイ医療センターが調査し、その結果を研究公正局に伝えた。

2018年12月19日(36歳?)、研究公正局は、ウトラ・ラジャマニ(Uthra Rajamani)が「2017年のNat Commun」論文でウエスタンブロット画像の改ざんをしたと発表した。この論文の研究は、NIHのグラント「UL1 TR000124」の助成を受けていた。研究公正局は、ラジャマニに2018年11月28日から1年間の締め出し処分を科した。

ウトラ・ラジャマニ(Uthra Rajamani)は、異なる内分泌攪乱化学物質(EDC)で処理した細胞が異なるタンパク質を発現したことを、ウエスタンブロット画像です示した。ところが、異なる画像であるハズの図3d、図4b、図6aの3つの図で同じ画像を重複使用した。

具体的に、図3d、図4b、図6aを順番に示そう。

図3d(右の図)の画像では、「Cell Stem Cell 22:698-712, 2018」の図3dのウエスタンブロット画像の標識を変えて、「2017年のNat Commun」論文の図3dに再使用した。2018年の論文の画像を2017年の論文に使用とあり、年は前後する。なにかの事情で「Cell Stem Cell 22:698-712, 2018」論文の出版に年月がかかったのだろう。

図4b(左の図)のpNF-kB p65、NF-kB p65、p50 、p105、p100の画像が改ざん画像だとある。眺めていると、同じように見えるバンドもあるけど、見ているだけでは、コレだと断定しにくい。

図6a(右の図)のpNF-kB p65、NF-kB p65、p50 、p105、p100の画像も改ざん画像だとされた。これも、眺めていると、同じように見えるバンドもあるけど、見ているだけでは、コレだと断定しにくい。

★研究公正局の発表後

2018年12月19日、研究公正局は、ウトラ・ラジャマニ(Uthra Rajamani)が「2017年のNat Commun」論文でウエスタンブロット画像の改ざんをしたと発表した。

その3日後の2018年12月22日、パブピア(PubPeer)は別の3つの論文でラジャマニのデータねつ造・改ざんを指摘した。以下に示す。

【2010年のAm J Physiol Cell Physiol.論文】

出典:PubPeer – Hyperglycemia-mediated activation of the hexosamine biosynth…

南アフリカ共和国のステレンボッシュ大学(Stellenbosch University)・ポスドク時代の論文である。ラジャマニの人生で最初の論文である。

図4Biiの赤枠で示したウエスタンブロット画像が同じである。また、赤矢印で示したところで切り貼りしている。さらに、図1Fの赤矢印で示したバンドが左右と異なる。

【2013年のPhysiol Rep論文】

出典:PubPeer – Evidence for the involvement of NADPH oxidase in adenosine r…

米国のウエストバージニア大学(West Virginia University)・ポスドク時代の論文である。

図3の赤枠で示したウエスタンブロット画像が同じである。

【2014年のJ Diabetes Res論文】

出典:PubPeer – Hyperglycemia induces Toll-like receptor-2 and -4 expression…

米国のカリフォルニア大学デービス校(University of California – Davis)・ポスドク時代の論文である。

図2の赤枠で示したウエスタンブロット画像が同じである。

ウトラ・ラジャマニ(Uthra Rajamani)のネカトはどれもウエスタンブロット画像のねつ造・改ざんである。

そして、遅くとも2010年(28歳?)には、ウエスタンブロット画像のねつ造・改ざんが行なわれていたのである。

●6.【論文数と撤回論文とパブピア】

2018年12月27日現在、パブメド(PubMed)で、ウトラ・ラジャマニ(Uthra Rajamani)の論文を「Uthra Rajamani [Author]」で検索した。2010~2018年の9年間の10論文がヒットした。

「Rajamani U[Author]」で検索すると、1996~2018年の23年間の18論文がヒットした。本記事で問題にしている研究者の論文も含まれていると思われる。

2018年12月27日現在、「Rajamani U[Author] AND Retracted」でパブメドの論文撤回リストを検索すると、0論文が撤回されていた。

なお、「2017年のNat Commun」論文は撤回申請を出すとのことなので、いずれ撤回されるだろう。

★パブピア(PubPeer)

2018年12月27日現在、「パブピア(PubPeer)」はウトラ・ラジャマニ(Uthra Rajamani)の3論文にコメントしている:PubPeer – Search publications and join the conversation.

●7.【白楽の感想】

《1》ネカトが染みついている

2018年12月19日(36歳?)、研究公正局は、米国のシダーズ・サイナイ医療センター(Cedars-Sinai Medical Center )・ポスドクだったウトラ・ラジャマニ(Uthra Rajamani、写真)が、「2017年のNat Commun」論文でネカトをしたと発表した。

ラジャマニは南アフリカ共和国の育ちで、南アフリカ共和国のステレンボッシュ大学(Stellenbosch University)で研究博士号(PhD)を取得し、2012年(30歳?)に渡米した。

パブピア(PubPeer)の指摘によれば、南アフリカ共和国のステレンボッシュ大学(Stellenbosch University)・ポスドク時代の2010年の論文でウエスタンブロット画像をねつ造・改ざんしている。この論文はラジャマニの人生で最初の論文である。

その後、米国のウエストバージニア大学(West Virginia University)・ポスドク時代の「2013年のPhysiol Rep」論文、米国のカリフォルニア大学デービス校(University of California – Davis)・ポスドク時代の「2014年のJ Diabetes Res」論文でも同じようにウエスタンブロット画像をねつ造・改ざんしている。

そして、米国のシダーズ・サイナイ医療センター(Cedars-Sinai Medical Center )・ポスドク時代の「2017年のNat Commun」論文でも、味をしめて、ウエスタンブロット画像のねつ造・改ざんをした。このネカトで研究公正局に通報され、クロ判定をされた。

ラジャマニは、証拠があるだけでも、8年間もデータねつ造・改ざんをしていた。

法則:「ネカト癖は研究キャリアの初期に形成されることが多い」。

多分、ラジャマニのほぼ全部の論文にネカトがあるに違いない。

研究公正局はシダーズ・サイナイ医療センター・ポスドク時代の「2017年のNat Commun」論文しかネカトを指摘していないが、他にもあると予見しただろう。しかし、調査は基本的に被疑者の所属機関が行なう。ウエストバージニア大学もカリフォルニア大学デービス校も1年ほどしか滞在していないポスドクのネカト調査をしたくないだろう。研究公正局はもっとしたくない。それで、追及しない(推測)。

その結果、締め出し期間は1年間である。この処分の軽さだと、ラジャマニは研究界に舞い戻ってくる可能性が高い。困ったもんだ。

《2》ババを引いた

ラジャマニはどのような状況でネカトをしたのか、わからない。しかし、根っからのネカト者としよう。それで、白楽の疑問が解ける。

ラジャマニはポスドクとして1年余りで各大学を転々としている。

  • 南アフリカ共和国のステレンボッシュ大学(Stellenbosch University)に1年間
  • 南アフリカ共和国のワズール・ナタール大学(University of KwaZulu-Natal)に1年5か月
  • 米国のウエストバージニア大学(West Virginia University)に1年1か月
  • 米国のカリフォルニア大学デービス校(University of California – Davis)に1年4か月

思うに、各大学のボスはラジャマニのデータ異常に気が付いていた。それで、通常、ポスドク期間は2~3年間なのに、1年余りでラジャマニを放逐した。あるいは、ねつ造・改ざんがバレそうになって、ラジャマニ本人が自発的に大学を移動したのかもしれない。

米国のシダーズ・サイナイ医療センター(Cedars-Sinai Medical Center )では、どういうわけか、ポスドクを3年間も続けた。それで、ついに、ネカトが明白に発覚した。ボスがねつ造・改ざんをシダーズ・サイナイ医療センターに通報し、研究公正局が出動する事態に至った。

シダーズ・サイナイ医療センターはババを引いたというわけだ。

法則:「ネカトでは早期発見・適切処分が重要である」。

南アフリカ共和国のステレンボッシュ大学の最初の論文で、ボスのファーディル・エソップ教授(Faadiel Essop、写真出典)が、ラジャマニのネカトをしっかり見つけ、注意または処分すべきだった。

《3》若い時に受賞

ラジャマニは2009年の27歳(?)から2012年の30歳(?)まで3報しか論文を出版していないが、以下に示すようにたくさんの賞を受賞した。これらの受賞の対象である研究論文はネカト論文だろう。

  • 2009年:南部アフリカ生理学協会のウィンダム賞(Wyndham Award)
  • 2010年:ステレンボッシュ大学の優秀ポスドク賞(Best award for research as a post-doctoral fellow)
  • 2010年:アストラ・ゼネカ(Astra Zeneca)が口頭発表で第2位と表彰
  • 2010年:「Mail&Guardian」の南アフリカの200人の若手達成者(200 Young South African achievers)の一人に選出
  • 2012年5月:南アフリカのヨハネスブルグのIKUSASAから「非市民の科学への貢献」賞

つまり、ネカトすれば賞がもらえるような内容の論文を書くことができる。これは事実である。

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●8.【主要情報源】

① 研究公正局の発表:(1)2018年12月19日:Case Summary: Rajamani, Uthra | ORI – The Office of Research Integrity、(2)2018年12月26日:Federal Register:Findings of Scientific Misconduct
② 経歴:Rajamani Uthra | LinkedIn
③ 2018年12月20日のアイヴァン・オランスキー(Ivan Oransky)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:Former Cedars-Sinai scientist committed misconduct in food preservatives-obesity paper – Retraction Watch
★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。

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