「アカハラ」:建築学:ヒシャム・エルカディ(Hisham Elkadi)(豪、英)

2020年3月16日掲載 

ワンポイント:教員が教員にアカハラ。エルカディはエジプト生まれ・育ちで、2009 – 2014年(48-53歳)にオーストラリアのディーキン大学(Deakin University)・学部長だった時にアカハラ(人種、肌の色、国籍。つまり人種差別)の被害を受けた。裁判に訴え大学と示談成立。2014年(53歳)に英国のサルフォード大学(University of Salford)・建築学部・学部長に移籍したが、今度は逆に、その大学で、スタッフへのアカハラ加害者になった(自尊心を傷つける、エコヒイキ、怒鳴る、自分に異議を唱える人への嫌がらせなど)。サルフォード大学からの処分なし。国民の損害額(推定)は2億円(大雑把)。

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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
8.主要情報源
9.コメント
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●1.【概略】

ヒシャム・エルカディ(Hisham Elkadi、写真出典)は、エジプトで生まれ育ち、英国のサルフォード大学(University of Salford)・建築学部・学部長で、専門は建築学である。

2009 – 2014年(48-53歳)にオーストラリアのディーキン大学(Deakin University)・学部長だった時にアカハラ(人種、肌の色、国籍。つまり人種差別)の被害を受けた。

裁判に訴え大学と示談成立。

2014年8月(53歳)に英国のサルフォード大学(University of Salford)・建築学部・学部長に移籍したが、今度は逆に、その大学で、スタッフへのアカハラ加害者になった(自尊心を傷つける、エコヒイキ怒鳴る、自分に異議を唱える人への嫌がらせなど)。

サルフォード大学からは処分なし。サルフォード大学は調査していない(多分)。

2020年3月15日(59歳)現在、サルフォード大学(University of Salford)・建築学部・学部長の地位を維持している。

エルカディ事件は刑事事件になっていない。

オーストラリアのディーキン大学(Deakin University)。写真出典

英国のサルフォード大学・建築学部(University of Salford – School of the Built Environment)。写真出典

  • 成長国:エジプト
  • 研究博士号(PhD)取得:英国のリバプール大学
  • 男女:男性
  • 生年月日:1961年1月10日
  • 現在の年齢:60 歳
  • 分野:建築学
  • 日本人の弟子・友人:不明

★アカハラ被害

  • 国:オーストラリア
  • アカハラ被害行為年:2014年(53歳)
  • 加害者:上司であるディーキン大学のジェーン・デン・ホランダー学長(教授、Jane den Hollander)
  • 社会に公表年:2014年(53歳)
  • 社会に公表時地位:ディーキン大学・学部長
  • ステップ1(発覚):裁判に訴えた
  • ステップ2(メディア):新聞「Geelong Independent」の報道。他のメディア報道なし
  • ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①裁判所。示談成立
  • 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし。大学は調査していない
  • 大学・処分のウェブ上での公表:なし。大学は調査していない
  • 大学の透明性:機関以外が詳細をウェブ公表(⦿)
  • 不正:アカハラ(人種、肌の色、国籍。つまり人種差別)
  • 時期:研究キャリアの後期
  • 職:事件後に発覚時の地位を続けられなかった(Ⅹ)
  • 処分:解雇? 移籍

★アカハラ加害

  • 国:英国
  • アカハラ行為年:2014年(53歳)
  • 社会に公表年:2016年(55歳)
  • 社会に公表時地位:サルフォード大学・学部長
  • ステップ1(発覚):第一次追及者は「Bullying of Academics in Higher Education」記事
  • ステップ2(メディア):「Bullying of Academics in Higher Education」記事。他のメディア報道なし
  • ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①サルフォード大学が調査したかどうか不明
  • 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし。調査したかどうか不明
  • 大学・処分のウェブ上での公表:なし。調査したかどうか不明
  • 大学の透明性:機関以外が詳細をウェブ公表(⦿)。大学は調査したかどうか不明
  • 不正:アカハラ(自尊心を傷つける、エコヒイキ、怒鳴る、自分に異議を唱える人への嫌がらせなど)
  • 被害者数:スタッフが被害者だが、1人か複数か不明
  • 時期:研究キャリアの後期
  • 職:事件後に発覚時の地位を続けた(〇)
  • 処分:なし

【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は20億円(大雑把)。

●2.【経歴と経過】

主な出典:①:Hisham Elkadi | Deakin University – Academia.edu、②:(2) Professor Hisham Elkadi | LinkedIn

  • 国籍:オーストラリア系英国
  • 生年月日:1961年1月10日、エジプトで生まれた
  • 1978-1983年(17-22歳):エジプトのアレクサンドリア大学(University of Alexandria)で学士号取得:建築学
  • 1983-1985年(22-24歳):同大学で修士号取得:建築学
  • 1985-1988年(24-27歳):英国のリバプール大学(University of Liverpool)で研究博士号(PhD)を取得
  • 1985 – 1992年(24-31歳):エジプトのアレクサンドリア大学(University of Alexandria)・助教授、その後、準教授
  • 1992 – 1996年(31-35歳):アラブ首長国のアラブ首長国連邦大学(Univ. of U.A.E.)・準教授
  • 1996 – 1999年(35-38歳):英国のプリマス大学(University of Plymouth)・上級講師
  • 1999 – 2003年(38-42歳):オーストラリアのニューカッスル大学(University of Newcastle)・教授
  • 2003 – 2009年(42-48歳):英国のアルスター大学(Ulster University)・教授
  • 2009 – 2014年(48-53歳):オーストラリアのディーキン大学(Deakin University)・学部長
  • 2014年(53歳):アカハラ被害
  • 2014年8月(53歳):英国のサルフォード大学(University of Salford)・建築学部・学部長
  • 2014年(53歳):アカハラ加害
  • 2020年3月15日(59歳)現在:サルフォード大学・建築学部・学部長の地位を維持している:(200314保存版

●5.【アカハラ発覚の経緯と内容】

★アカハラ被害者

2014年(53歳)、ヒシャム・エルカディ(Hisham Elkadi)は、オーストラリアのディーキン大学(Deakin University)・学部長から、英国のサルフォード大学(University of Salford)・建築学部・学部長に、唐突に、移籍した。

実は、ディーキン大学・学部長時代、ディーキン大学のジェーン・デン・ホランダー学長(教授、Jane den Hollander、写真出典)から、アカハラ(人種差別言動)されていた。そのことで、エルカディはデン・ホランダー学長を裁判所に訴えた。

エルカディ学部長は、デン・ホランダー教授が昇進の会議でエルカディのアクセントと肌の色に言及し、人種、肌の色、国籍を理由に、つまり人種差別(アカハラ)で、昇進を拒否されたと主張している。

なお、エルカディ学部長がディーキン大学から移籍した前後からディーキン大学・建築学部の雰囲気が悪化していて、その原因は、エルカディ学部長が建築学部の教員をイジメたからだと、報道された。本記事では、ディーキン大学のエルカディ学部長をアカハラ被害者としたが、加害者でもあったようだ。

2015年7月23日、エルカディとディーキン大学と裁判は示談で決着した。示談の内容は公表されていないが、エルカディは解雇されたらしい。 → 2015年7月23日の「Geelong Advertiser」記事:Deakin University settles Hashim Elkadi’s discrimination claim | Geelong Advertiser

★アカハラ加害者

2014年(53歳)、ヒシャム・エルカディ(Hisham Elkadi、写真出典)は、オーストラリアのディーキン大学(Deakin University)・教授から英国のサルフォード大学(University of Salford)・建築学部・学部長に移籍した。

ディーキン大学ではアカハラ被害を受けていたが、ナント、サルフォード大学では加害者になったのである。

サルフォード大学・建築学部のスタッフが、エルカディ学部長からイジメられていた。2014年8月にエルカディが学部長に就任してから、スタッフのモラルは急速に低下した。

スタッフの不満を聴取し事態を緩和するために、第三者の監査委員会を設置するなどの是正措置が急務だ、と外部から指摘されたほどである。

エルカディ学部長のアカハラ行為+問題行為は、次のとおり。

  • スタッフへのイジメと嫌がらせ(bullying and harassment)
  • 会議でスタッフの自尊心を傷つける
  • スタッフを差別しエコヒイキする
  • 自分に異議を唱える人、または彼が脅威と考える人への嫌がらせ
  • スタッフに通知せずにオフィスを長時間不在にする・・・問題行為
  • 不透明な公費使用・・・問題行為
  • 十分な相談なしに建築学部の管理・・・問題行為

建築学部のスタッフは、仕事への士気が低下し、やる気をなくした。退職者数と退職を考えている人の数が記録的に高くなると予測された。

★サルフォード大学の調査と処分

白楽が把握できなかっただけかもしれないが、サルフォード大学はエルカディ学部長のアカハラ行為を調査した形跡がない。従って、処分もしていない。

2020年3月15日(59歳)現在、エルカディはサルフォード大学・建築学部・学部長の地位を維持している:(200314保存版

●6.【論文数と撤回論文とパブピア】

★論文数

省略

★撤回論文データベース

2020年3月15日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回論文データベースでヒシャム・エルカディ(Hisham Elkadi)を「Hisham Elkadi」で検索すると、0論文がヒットし、0論文が撤回されていた。

★パブピア(PubPeer)

2020年3月15日現在、「パブピア(PubPeer)」では、ヒシャム・エルカディ(Hisham Elkadi)の論文のコメントを「Hisham Elkadi」で検索すると、0論文にコメントがあった。

●7.【白楽の感想】

《1》詳細は不明

ヒシャム・エルカディ(Hisham Elkadi)の受けたアカハラ行為は、人種、肌の色、国籍を理由にした人種差別なのはわかるが、具体的にはどんな言動だったのか、不明である。

エルカディがサルフォード大学(University of Salford)・建築学部・学部長として、スタッフしたアカハラ行為は、具体的には記載されている。しかし、被害者の情報がない。

エルカディ事件では、被害時も加害時も、「どの状況で、どうして?」がわからない。これでは、予防策に役立たない。

《2》技術力の証明

話しはズレる。

オーストラリアのディーキン大学や英国のサルフォード大学の建造物の写真を見ていると、日本の建築・デザインの実力はつくづくダメだと感じてしまう。

日本の建築・デザインが世界的にどれほど優れているか、白楽は専門家ではないので素人の感想になる。

2012年に建設した東京スカイツリーは人工の建造物として高さが世界2位だ。どうして、1位じゃないの?

それに、中国やカナダのような遊びがない。以下の文章と写真の出典。 → スカイツリーは何位? 展望台のある世界の電波塔 高さTop10 |

中国の広州塔は地上450mと地上488mの地点に外へ出られる展望デッキがあり、展望台がある地点の高さでは実質世界一を誇ります。このほか地上450mには水平に回る観覧車、地上485m地点から約30mの垂直落下を楽しむ絶叫マシンなどアトラクションが満載。かなり値が張りますが、他にはない遊びにチャレンジしたい人はぜひ!

投稿者:Jacqueline C

カナダのCNタワーを一躍有名にしたのが、地上356mの屋外遊歩道を命綱のみで歩く「エッジウォーク」。体重を外側にかけて、わざと身を乗り出すように端を歩くスリリングな体験は、日本ではできない貴重なものです。

投稿者:MAITEAFRIKANA

日本は地震国だが、世界一の高層建築物を設計・制作し、その利便性・安全性・堅牢性はもちろん、デザインの美しさ、遊び的発想の意外さ、を実物で示すべきだ。

そして、日本の大学はさらにダメだと感じてしまう。世界の大学の建物とデザインを見れば、どう見たって日本の建築・デザインは一流とは思えない。

大学の建築学科で教授に就任したら、精魂つぎ込んだ学内の建物を1棟、その新任教授に設計・制作してもらう。その建物で建築・デザインの優秀さを証明し、国民にも外国にも訴える。というのは、どうでしょう。

そんなことをしたら、日本の大学教授の建築・デザインが二流だということがバレてしまう? 

アカハラから、ズレてしまった。

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日本がスポーツ、観光、娯楽を過度に追及する現状は日本の衰退を早め、ギリシャ化を促進する。今後、日本に飛躍的な経済の発展はない。科学技術と教育を基幹にした堅実・健全で成熟した人間社会をめざすべきだ。科学技術と教育の基本は信頼である。信頼の条件は公正・誠実(integrity)である。人はズルをする。人は過ちを犯す。人は間違える。その前提で、公正・誠実(integrity)を高め維持すべきだ。
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●8.【主要情報源】

① 2015年5月29日のノエル・マーフィー(Noel Murphy)記者の「Geelong Independent」記事:Deakin turmoil deepens with new bully claims | Geelong Independent
② 2016年10月25日の「Bullying of Academics in Higher Education」記事:Hisham Elkadi
★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。

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