キスレイ・ロイ(Kislay Roy)、ジャガット・カンワー(Jagat Kanwar)(豪)

2022年9月15日掲載 

ワンポイント:ロイは、インドのベッロール工科大学(Vellore Institute of Technology)で修士号を取得後、オーストラリアのディーキン大学(Deakin University)のカンワー教授(インド出身)の指導下で研究博士号(PhD)を取得し、同研究室のポスドクになった。2016年11月(ロイ31歳?)、「2016年7月のFront Pharmacol.」論文の画像重複が指摘され、論文はその後撤回された。4年後の2020年10月16日(カンワー 54歳?)、カンワー教授はディーキン大学・教授を辞職し、インドに帰国した。ディーキン大学が明示しないので、ネカト者はロイなのか、カンワー教授なのか、カンワー教授の妻・ルピンダー・カンワー(Rupinder Kanwar)なのか、わからない。ただ、ロイの問題論文は4報なのに、カンワーの問題論文は12報もある。国民の損害額(推定)は10億円(大雑把)。

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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
9.主要情報源
10.コメント
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●1.【概略】

キスレイ・ロイ(Kislay Roy、ORCID iD:?、写真出典)は、インドのベッロール工科大学(Vellore Institute of Technology)で修士号を取得後、オーストラリアのディーキン大学(Deakin University)で研究博士号(PhD)を取得し、同大学のポスドクになった。専門は生物工学(眼科医薬品開発)である。

ディーキン大学の指導者はジャガット・カンワー教授(Jagat R Kanwar、写真出典、(保存版))で、妻のルピンダー・カンワー(Rupinder Kanwar)も共同研究者である。

カンワー教授と妻のルピンダー・カンワーがネカト行為にどれほど絡んでいるのか不明だが、2020年10月16日(カンワー 54歳?)、カンワー教授はディーキン大学を辞職しインドに帰国した。

本記事は、キスレイ・ロイを中心に、カンワー教授を準主役に記載した。

2016年11月(31歳?)、「2016年7月のFront Pharmacol.」論文に画像重複があると指摘されたが、第一次追及者は不明である。

この5か月前、カンワーはオーストラリアのディーキン大学を後にして、ノルウェーのベルゲン大学(University of Bergen)のポスドクになっていた。しかし、上記論文及びネカト論文はディーキン大学・ポスドク時代の論文なので、本記事ではネカト発覚時の地位をディーキン大学・ポスドクとした。

2017年6月(32歳?)、学術誌「Front Pharmacol」は、画像重複の指摘を受け論文を撤回した。

「撤回監視(Retraction Watch)」がディーキン大学に問い合わせたが、「ネカト調査のことはノーコメント」と答えている。

それで、画像重複のネカト犯はキスレイ・ロイ(Kislay Roy)なのか、指導教授のジャガット・カンワー(Jagat Kanwar)なのか、妻のルピンダー・カンワー(Rupinder Kanwar)なのか、わからない。

撤回監視データベースや「パブピア(PubPeer)」で調べると、キスレイ・ロイ(Kislay Roy)の問題論文は4報なのに、ジャガット・カンワー(Jagat Kanwar)の問題論文は12報もあり、キスレイ・ロイよりジャガット・カンワーの方がクロの度合いが濃い。

白楽の憶測では、ディーキン大学はネカト調査をした。その途中、あるいは最終結果で、キスレイ・ロイとジャガット・カンワーを「ほぼクロ」あるいは「クロ」と判定した。

ディーキン大学は、キスレイ・ロイとジャガット・カンワーに大学から退去するように、ネカト調査過程のどこかで調停和解したと思われる。調停和解の条件として、ネカト調査を中止、あるいはネカト調査結果を外部に公表しないと密約した。それで、大学は「ネカト調査のことはノーコメント」を通しているのだろう。

社会の模範的組織であるべき大学の説明責任と透明はどこにいった? 大学の隠蔽工作は、オーストラリアでも多いし、汚い。

ディーキン大学(Deakin University)。写真出典

ディーキン大学・分子医学研究戦略研究センター(Deakin University · Molecular and Medical Research Strategic Research Centre)。写真出典

★キスレイ・ロイ(Kislay Roy)、ジャガット・カンワー(Jagat Kanwar)

  • 国:オーストラリア
  • 成長国:インド
  • 医師免許(MD)取得:なし
  • 研究博士号(PhD)取得:オーストラリアのディーキン大学(ロイ)、インドの医学教育研究大学院(カンワー)
  • 男女:男性
  • 生年月日:
  • 現在の年齢:
  • 分野:生物工学(眼科医薬品開発)
  • 不正論文発表:2015~2017年
  • 発覚年:2016年(31歳?)
  • 発覚時地位:ディーキン大学・ポスドク(ロイ)、教授(カンワー)
  • ステップ1(発覚):第一次追及者(詳細不明)が学術誌に公益通報
  • ステップ2(メディア):「パブピア(PubPeer)」、「撤回監視(Retraction Watch)」、「Australian」
  • ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①学術誌・編集部。②ディーキン大学は調査に関してノーコメントだが、調査したと白楽は推定した
  • 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし
  • 大学の透明性:隠蔽(✖)
  • 不正:ねつ造・改ざん
  • 不正論文数:
  • 時期:
  • 職:事件後に研究職(または発覚時の地位)を続けられなかった(Ⅹ)
  • 処分:公式には処分なし
  • 日本人の弟子・友人:不明

【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は10億円(大雑把)。

●2.【経歴と経過】

★キスレイ・ロイ(Kislay Roy)
主な出典:(1) Kislay Roy | LinkedIn

  • 生年月日:不明。仮に1986年1月1日生まれとする。2004年に大学・学部に入学した時を18歳とした
  • 2004~2007年(18~22歳?):インドのガーデンシティ大学(Garden City University)で学士号取得:生物工学
  • 2007~2009年(22~24歳?):インドのベッロール工科大学(Vellore Institute of Technology)で修士号取得:応用微生物学
  • 2010~2014年(25~29歳?):オーストラリアのディーキン大学・分子医学研究戦略研究センター(Deakin University · Molecular and Medical Research Strategic Research Centre)で研究博士号(PhD)を取得:
  • 2013年11月~2016年5月(28~31歳?):同大学・ポスドク
  • 2016年6月~2017年2月(31~32歳?):ノルウェーのベルゲン大学(University of Bergen)・ポスドク
  • 2016年7月(31歳?):後で問題される「2016年7月のFront Pharmacol.」論文を出版
  • 2016年11月(31歳?):不正研究が発覚
  • 2017年6月(32歳?):「2016年7月のFront Pharmacol.」論文が撤回
  • 2017年3月~2018年7月(32~33歳?):オーストラリアのディーキン大学(Deakin University)・ポスドク
  • 2018年(33歳):オーストラリアのインヴィトロ・テクノロジーズ社(In Vitro Technologies)・営業販売
  • 2022年3月(37歳):オーストラリアのTechnical Sales Specialist

★ジャガット・カンワー(Jagat Kanwar)
主な出典:(1):(2) Jagat Kanwar | LinkedIn、(2):Editor – Jagat R. Kanwar | Deakin University

  • 生年月日:不明。仮に1966年1月1日生まれとする。1993年に研究博士号(PhD)を取得した時を27歳とした
  • xxxx年(xx歳):インドのxx大学(xx)で学士号取得
  • 1993年(27歳?):インドのチャンディガルにある医学教育研究大学院(PGIMER:Postgraduate Institute of Medical Education and Research)で研究博士号(PhD)を取得
  • xxxx年(xx歳):ニュージーランドのオークランド大学(Auckland University)・研究員 10年以上
  • 2006年(40歳?):オーストラリアのディーキン大学(Deakin University)・準教授
  • 2014年1月~2020年10月16日(48~54歳?):同大学・教授
  • 2016年7月(50歳?):後で問題される「2016年7月のFront Pharmacol.」論文を出版
  • 2016年11月(50歳?):研究不正が発覚
  • 2017年6月(51歳?):「2016年7月のFront Pharmacol.」論文が撤回
  • 2020年10月16日(54歳?):ディーキン大学(Deakin University)・教授を辞職。学部長の通知:https://retractionwatch.com/wp-content/uploads/2020/11/Rogers-email.pdf
  • 2020年12月~2021年5月(54~55歳?):インドの全インド医科大学・ボーパール校(All India Institute of Medical Sciences (AIIMS), Bhopal)・教授
  • 2022年9月14日(57歳?):所属不明

●3.【動画】

以下は事件の動画ではない。

【動画1】 
動画:「Australia PR Citizenship Job – YouTube」(英語)1分41秒。
Career Counsellor Pawan Solanki(チャンネル登録者数 254人)が2020/02/01に公開

●5.【不正発覚の経緯と内容】

★インド出身チーム

キスレイ・ロイ(Kislay Roy)はインドのベッロール工科大学(Vellore Institute of Technology)で修士号を取得後、オーストラリアのディーキン大学・分子医学研究戦略研究センター(Deakin University · Molecular and Medical Research Strategic Research Centre)で研究博士号(PhD)を取得した。その後、ディーキン大学でポスドクをした。

ディーキン大学・分子医学研究戦略研究センターの指導者はジャガット・カンワー教授(Jagat R Kanwar)である。

カンワー教授とカンワー教授の妻・ルピンダー・カンワー(Rupinder Kanwar)もインド出身である。

2016年9月18日の記事でカンワー教授と妻・ルピンダー・カンワーの研究成果が紹介されていた。 → Indians make breakthrough in prostate cancer treatment – The Sunday Guardian Live

この紹介記事では、2人は、抗悪性腫瘍剤のドキソルビシン(doxorubicin)をタンパク質のラクトフェリン(lactoferrin)と結合させることで、前立腺がんを治せるという論文を発表した、と称賛されている。

★発覚の経緯

2016年11月、カンワー教授とカンワー教授の妻・ルピンダー・カンワーが共著者になっているキスレイ・ロイ(Kislay Roy)の「2016年7月のFront Pharmacol.」論文に画像重複があると指摘された。誰が指摘したのかは不明である。

以下が「2016年7月のFront Pharmacol.」論文の書誌情報で、疑惑指摘の7か月後の2017年6月21日に撤回された。

2017年6月21日の撤回公告:Retraction: Ophthalmic Combination of SurR9-C84A and Trichostatin-A Targeting Molecular Pathogenesis of Alkali Burn – PMC

撤回公告によると、学術誌「Front Pharmacol」は、2016年11月(論文出版4か月後)、画像重複があるとの告発を受けた。それで、画像重複の件を著者に問い合わせた。すると、著者(多分、カンワー教授)は人為的な「間違い」だと説明した。

2017年5月(32歳?)、パブピアでも画像重複が指摘された。学術誌への指摘から6か月後だが、論文撤回の1か月前である。白楽が思うに、最初に画像重複を学術誌に指摘した人が、学術誌「Front Pharmacol」が対応しないので、業を煮やしてパブピアに投稿したのだと思う。

2017年6月21日(32歳?)、学術誌「Front Pharmacol」は、画像重複が「間違い」か「ネカト」かどうかの判定をしないまま、論文を撤回した。

★他の論文

撤回論文は1報だが、実は、キスレイ・ロイの数報の論文に画像重複があった。

それで、人為的な「間違い」ではなく、人為的な「ねつ造」だと思われる。

キスレイ・ロイの2015年の博士論文は出版されていないが、入手した「Australian」紙の記者は、博士論文にも画像重複をあったと指摘している。

また、以下の「2017年5月のFront Pharmacol.」論文にも画像重複と数値データの異常があった。

2017年5月にパブピアが画像重複と数値データのを指摘した。

以下に示すが、1つ目の異常は、図1のラットの画像が未処理と処理(NaOH)が同じだったことだ。

2つ目の異常は、表2の数値に「5」が多用されていたことだ。数値をねつ造した可能性が高い。

以下の画像出典:https://pubpeer.com/publications/C77A7C664EE3AA389D041C96FA31B8

★ネカト者は誰?

後述するように撤回監視データベースや「パブピア(PubPeer)」で調べると、キスレイ・ロイ(Kislay Roy)の問題論文は4報なのに、ジャガット・カンワー(Jagat Kanwar)の問題論文は10報や12報もあった。

単純に受け取ると、ジャガット・カンワーがネカト単独犯で、一部をキスレイ・ロイとの共著論文でもネカトをした可能性が高い。あるいは、ジャガット・カンワーはネカト単独犯ではなく、ロイが共犯かも知れない。

「撤回監視(Retraction Watch)」がディーキン大学に本件に事を問い合わせたが、ディーキン大学は「ネカト調査のことはノーコメント」と答えている。

なお、2020年10月16日(54歳?)、ジャガット・カンワーはディーキン大学(Deakin University)・教授を辞職し、インドに帰国している。

カンワーがディーキン大学を去ることが、ディーキン大学医学部長が学内スタッフに伝えている。 → https://retractionwatch.com/wp-content/uploads/2020/11/Rogers-email.pdf

その通知文には、なぜカンワーがディーキン大学を去るのか、何も説明していない。

白楽の憶測では、ディーキン大学はネカト調査をした。その途中、あるいは最終結果で、キスレイ・ロイとジャガット・カンワーを「ほぼクロ」あるいは「クロ」と判定した。

ディーキン大学は、キスレイ・ロイとジャガット・カンワーに大学から退去するように、ネカト調査過程のどこかで調停和解したと思われる。調停和解の条件として、ネカト調査を中止、あるいはネカト調査結果を外部に公表しないと密約した。それで、大学は「ネカト調査のことはノーコメント」を通しているのだろう。

というわけで、ネカト犯はキスレイ・ロイ(Kislay Roy)なのか、指導教授のジャガット・カンワー(Jagat Kanwar)なのか、妻のルピンダー・カンワー(Rupinder Kanwar)なのか、わからない。

社会の模範的組織であるべき大学の説明責任と透明はどこにいった? 大学の隠蔽工作は、オーストラリアでも多いし、汚い。

★その後の人生

キスレイ・ロイ(Kislay Roy)の「2016年7月のFront Pharmacol.」論文が2016年11月に画像重複が指摘され、2017年6月(32歳?)に撤回された。

その前後の2016年6月~2017年2月(31~32歳?)、キスレイ・ロイはオーストラリアからノルウェーのベルゲン大学(University of Bergen)のポスドクになっていた。

ポスドク機関が8か月と中途半端なのは、ネカトが発覚し、ベルゲン大学から解雇されたため、早期帰国になったのだと思われる。

古巣のオーストラリアのディーキン大学(Deakin University)に戻るが、結局、学術研究者を廃業して、オーストラリアの企業で働くようになった。

学術研究者を廃業したのは、ネカトと関係していると白楽は思う。

一方、指導教授のジャガット・カンワー(Jagat Kanwar)は、2020年10月16日(カンワー 54歳?)、ディーキン大学(Deakin University)・教授を辞職し、インドに帰国した。多分、妻のルピンダー・カンワーも一緒に帰国したと思う。

2020年12月(54歳?)、ジャガット・カンワーはインドの全インド医科大学・ボーパール校(All India Institute of Medical Sciences (AIIMS), Bhopal)・教授に就任し、生化学科長になった。

ところが、5か月後の2021年5月(55歳?)、全インド医科大学・ボーパール校を辞職している。

この辞職は、実際は解雇かも知れない。

ディーキン大学はネカトがあったことを全インド医科大学・ボーパール校に伝えた。あるいは、全インド医科大学・ボーパール校が ジャガット・カンワーの論文撤回を報じている2020年11月9日の「撤回監視(Retraction Watch)」記事に気がついたためだろう。

つまり、就任5か月後、履歴書の不誠実記載(ネカト不記載)で、解雇されたのだろうと、白楽は推察している。

【ねつ造・改ざんの具体例】

「2017年5月のFront Pharmacol.」論文のネカトは上述したので、別の論文のを以下に示す。

★「2016年7月のFront Pharmacol.」論文

「2016年7月のFront Pharmacol.」論文の書誌情報を以下に示す。2017年6月21日に撤回された。

図4Aの一部(以下)は別の論文で使用された画像とまったく同じと指摘された。著者は「間違い」だったと主張した。

以下のパブピアの図の出典:https://pubpeer.com/publications/26337D627D6CC25A05CD0C1F4A7978?

●6.【論文数と撤回論文とパブピア】

キスレイ・ロイ(Kislay Roy)を中心に記載した。

★パブメド(PubMed)

2022年9月14日現在、パブメド(PubMed)で、キスレイ・ロイ(Kislay Roy)の論文を「Kislay Roy[Author]」で検索した。この検索方法だと、2002年以降の論文がヒットするが、2010~2019年の10年間の26論文がヒットした。

26論文の内20論文が「Kanwar RK」と共著で、23論文が「Kanwar JR」と共著ある。

2022年9月14日現在、「Retracted Publication」のフィルターでパブメドの論文撤回リストを検索すると、1論文が撤回されていた。

「2016年7月のFront Pharmacol.」論文が2017年6月21日に撤回された。

★撤回監視データベース

2022年9月14日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースでキスレイ・ロイ(Kislay Roy)を「Kislay Roy」で検索すると、 2論文が訂正、1論文が懸念表明、1論文が撤回されていた。

1報の撤回論文は「2016年7月のFront Pharmacol.」論文が2017年6月21日に撤回された。

2022年9月14日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースでジャガット・カンワー(Jagat Kanwar)を「Jagat R Kanwar」で検索すると、 6論文が訂正、2論文が懸念表明、2論文が撤回されていた。

キスレイ・ロイ(Kislay Roy)の問題論文は4報なのに、ジャガット・カンワー(Jagat Kanwar)の問題論文は10報もある。

★パブピア(PubPeer)

2022年9月14日現在、「パブピア(PubPeer)」では、キスレイ・ロイ(Kislay Roy)の論文のコメントを「Kislay Roy」で検索すると、4論文にコメントがあった。

ジャガット・カンワー(Jagat Kanwar)の論文のコメントを「Jagat Kanwar」で検索すると、12論文にコメントがあった。

つまり、キスレイ・ロイ(Kislay Roy)の問題論文は4報なのに、ジャガット・カンワー(Jagat Kanwar)の問題論文は12報もある。

●7.【白楽の感想】

《1》インド 

インド出身の研究者が「また」ネカト事件を起こした、というのが白楽の感想である(偏見入りでスミマセン)。

「撤回監視(Retraction Watch)」がディーキン大学に問い合わせたが、ディーキン大学はネカト調査したかどうか答えていない。白楽は、ディーキン大学はネカト調査をしたと推定している。

ディーキン大学は隠蔽体質が強く、ネカトの事に触れられたくない。それで、「ネカト調査のことはノーコメント」を通している。

2015年のキスレイ・ロイ(Kislay Roy、写真出典)の博士論文もネカト論文であることが濃厚である。まともに調査すれば、クロと判定され、博士号剥奪になるだろう。でも、ディーキン大学は騒ぎたくない。隠蔽したい。

2022年9月14日現在、キスレイ・ロイの博士号は剥奪されていない。

ジャガット・カンワー教授(Jagat Kanwar)と妻のルピンダー・カンワー(Rupinder Kanwar):出典:https://www.biovoicenews.com/indian-scientist-couple-at-deakin-university-bring-ray-of-hope-to-prostate-cancer-patients/

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●9.【主要情報源】

① 2017年7月24日のビクトリア・スターン(Victoria Stern)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:Work by group at Australian university faces scrutiny – Retraction Watch
② 2018年2月20日のジョン・ロス(John Ross)記者の「Australian」記事:Images used in biomedical articles suspected of manipulation
③ 2020年11月9日のアイヴァン・オランスキー(Ivan Oransky)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事: Researcher leaves post at Australian university years after papers come under scrutiny – Retraction Watch
★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。

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