2016年ネカト世界ランキング

分野を記載していないのは生命科学。カタカナ名の赤字は本ブログで解説済み。

★「The Scientist」誌の2016年「論文撤回」上位10論文:2016年12月21日

出典:Top 10 Retractions of 2016 | The Scientist Magazine®保存版

ランクした人は「撤回監視(Retraction Watch)」。

最も注目すべき撤回論文10報で以下の番号は順位ではない。白楽は、論文そのものより、著者のほうに力点を置いている。

  1. ジン・チェン(Jin Q. Cheng)(米)
  2. マイケル・ダンシンガー(Michael Dansinger)(米)
    自分の投稿論文が「Annals of Internal Medicine」 誌に不受理になったが、同じ論文を別の学術誌「2016年のEXCLI J.」にイタリアの研究者が出版した。査読過程の論文が盗用されたのだ。ダンシンガーは被害者で「盗用者へ」という論文を書いた。
    日本語解説あり→ 2017年1月3日の「知識連鎖」記事:査読者が論文を却下して自身の論文に盗用 やっぱりあった査読者の不正
  3. 華中科技大学(中国)のCaihua Xiong・教授(製造工学)が連絡著者の「2016年のPlos One」論文。
    創造主(神様)が人間の手を見事に造った。Biomechanical Characteristics of Hand Coordination in Grasping Activities of Daily Living 。撤回
  4. サダーサナレディ・ロキレディ(Sudarsanareddy Lokireddy)(シンガポール)
  5. フェデリコ・インファシェーリ(Federico Infascelli)(イタリア)
  6. アンソニー・モーソン(Anthony R. Mawson)(米)
    ワクチンと自閉症が関係しているという2016年11月21日受理の「2016年のFrontiers in Public Health論文要旨。削除されウェブでは読めない。
  7. イランの研究者群の多数の不正論文が撤回された。研究者名:Susan Azizmohammadi, Sima Azizmohammadi, Seyyed Mohsen Pouryaghobi, Peyman Karimi Goudzari, Mohammad Davood Sharifi, Koorosh Ahmadi, Farzad Mehrabi, Babak Masoumi, Banafshe Dormanesh, Amir Masoud Hashemian, and Ali Asgari
  8. エリン・ポッツ=カント(Erin N. Potts-Kant)(米)
  9. 気象学:ネッド・ニコロフ(Ned Nikolov)(米)
  10. ミラノ工科大学(イタリア)のピエール・リゲッティ(Pier Giorgio RIGHETTI)・教授(化学)が連絡著者の「2016年のAnal. Methods」論文。
    ‘Remote sensing of formaldehyde fumes in indoor environments’ by Gleb Zilberstein, Roman Zilberstein, Uriel Maor, Emmanuil Baskin, Shoumo Zhang and P. G. Righetti: Anal. Methods, 2016。撤回

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★Plagiarism Todayの「2016年(今までのところ)の5大盗用」:2016年1月28日

「2016年(今までのところ)」とあるが、2016年1月28日の記事なので,2016年以前の5大盗用である。

出典:5 Biggest Plagiarism Stories of 2016 (So Far) – Plagiarism Today(保存版)

以下、学術研究者だけを抽出した。5人のうちの1人だけである。

なお、第4位に、隈研吾が新国立競技場のザハ・ハディドの設計を盗用した日本の事件がある。 → 日本語記事①(保存済)

profile-full-300x243ランクした人は、ジョナサン・ベイリー(Jonathan Bailey)。2002年に米国・サウスカロライナ大学(University of South Carolina)でジャーナリズムとマスコミの学士号を取得した。知的所有権のコンサルタント会社・コピーバイト(CopyByte)の経営者で「Plagiarism Today」サイトで記事を書いているー。(経歴と写真の出典)。経歴②

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★「iThenticate」誌の2016年の10大「盗用」スキャンダル:2017年2月27日

学術界のみピックアップ

出典:The Top 10 Plagiarism Stories of 2016保存版

③ 韓国の50大学の200人の教授が盗用(韓国) → 2015-11-29の「知識」記事:
韓国の大学教授200人が書籍の盗作で立件 ルール通りなら一斉解雇
④ 盗博:教育学:セザール・アキュニャ(César Acuña)(ペルー)
アパラオ・ポディル(Appa Rao Podile)(インド)
⑦ 盗学:法学:エンリケ・ペーニャ・ニエト(Enrique Pena Nieto)(メキシコ)

ランクした人は、ジョナサン・ベイリー(Jonathan Bailey)。上の項目の著者と同じ人。

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★Livescienceの「ナイストライ:2016年の5大撤回科学論文」:2016年12月28日

出典:Nice Try: Top 5 Retracted Science Studies of 2016保存版

2016年に650報以上の論文が撤回された。「撤回監視(Retraction Watch)」が撤回論文を記事にしているが、その2016年の記事からナイストライな(その手には乗らないよ、騙されないよ)論文を5つ選択した。

第1位と第3位は、「The Scientist」誌の2016年「論文撤回」上位10と同じなのでその項目をコピペした。

151231 Christopher%20Wanjekランクした人は、クリストファー・ワンジェク(Christopher Wanjek、写真出典)。 ワンジェクはハーバード大学健康科学大学院の修士号をもつ米国の科学ライターで、『悪い医療(Bad Medicine)』(2003)(日本語訳なし)、『職場の食物(Food At Work)』(2005)(日本語訳なし)などの著書を出版している。
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