教育学:ジェランドー・ジャクソン(Jerlando Jackson)(米)

2026年4月14日(火)掲載

ミシガン州立大学・教育学部・学部長のジャクソンは、20数年前の2000~2003年(27~30歳?)の4年間に、アイオワ州立大学に提出した博士論文とウィスコンシン大学マディソン校・教員時代の8報の論文で盗用していたことが発覚した。アーロン・シバリウム(Aaron Sibarium)記者が見つけ、2024年10月(51歳?)、新聞とXで公表した。ミシガン州立大学はすぐに予備調査を行なったが、研究不正はなかったと結論した。それで、ジャクソンは処罰されていない。不思議なのは、①盗用はほぼ明白なのに大学がシロと結論した。②ジャクソンの100報以上の論文のうち精査したのは3論文だけだった。③アイオワ州立大学の博士論文なのにアイオワ州立大学は盗博調査をしない。④情報公開法で開示された予備調査報告書は5ページ全部黒塗り。⑤大学が極端に隠蔽したことと調査不正なのに、学術界からも世間からもさほど糾弾されなかった。国民の損害額(推定)は1億円(大雑把)。

以下、AI川柳

  • 「盗用」を 「白」と言い切る 黒塗り帳
    (明白な証拠がありながら黒塗りの報告書で潔白を主張する大学への皮肉)

  • 百報を 三つで片付け 幕を引き
    (100報以上の論文がある中で、わずか3報の精査で調査を終えた不自然さ)

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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
4.日本語の解説
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
9.主要情報源
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●1.【概略】

ジェランドー・ジャクソン(Jerlando Jackson、Jerlando F. L. Jackson、ORCID iD:?、写真出典)は、米国のミシガン州立大学(Michigan State University)・教育学部・学部長で、専門は教育学(高等教育機関におけるシステマティックな不平等)である。

ジャクソンはアフリカ系米国人である。

20数年前の2000年(27歳?)にジャクソンがアイオワ州立大学に提出した博士論文が盗博だった。

また、ジャクソンがウィスコンシン大学マディソン校・助教授だった時に出版した8本の論文に盗用があった。

2024年10月(51歳?)、アーロン・シバリウム(Aaron Sibarium)記者がこの盗博・盗用を見つけ、「ワシントン・フリー・ビーコン(Washington Free Beacon)」新聞とXで糾弾した。

なお、ジャクソンは、2022年7月(49歳?)にミシガン州立大学・教育学部の学部長に就任していた。

それで、所属しているミシガン州立大学が予備調査を行なった。

ところが、ミシガン州立大学はジャクソンに研究不正はなかったと結論し、ジャクソンを処罰しなかった。

不思議なのは、①盗用は明白なのに大学がシロと結論した。②ジャクソンの100報以上の論文のうち精査したのは3論文だけだった。③アイオワ州立大学の博士論文なのにアイオワ州立大学は盗博調査をしない。④情報公開法で開示されたミシガン州立大学の予備調査報告書は5ページ全部黒塗り。

そして、⑤大学が極端に隠蔽したことと調査不正なのに、学術界からも世間からも糾弾されなかった。

ミシガン州立大学(Michigan State University)。写真出典

  • 国:米国
  • 成長国:米国(アフリカ系米国人)
  • 医師免許(MD)取得:なし
  • 研究博士号(PhD)取得:アイオワ州立大学
  • 男女:男性
  • 生年月日:不明。仮に197年1月1日生まれとする。2000年に研究博士号(PhD)を取得した時を27歳とした
  • 現在の年齢:53歳?
  • 分野:教育学
  • 不正論文発表:2000~2003年(27~30歳?)の4年間
  • ネカト行為時の地位:アイオワ州立大学・院生、ウィスコンシン大学マディソン校・助教授
  • 発覚年:2024年(51歳?)
  • 発覚時地位:ミシガン州立大学・学部長
  • ステップ1(発覚):第一次追及者は「ワシントン・フリー・ビーコン(Washington Free Beacon)」のアーロン・シバリウム(Aaron Sibarium)記者
  • ステップ2(メディア):「Washington Free Beacon」、「State News」
  • ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①ミシガン州立大学・調査委員会
  • 大学・調査報告書のウェブ上での公表:あり、但し、全面黒塗り
  • 大学の透明性:隠蔽(✖)
  • 不正:盗博、盗用
  • 不正論文数:9報とあるが、精査したのは3報
  • 盗用ページ率:?%
  • 盗用文字率:?%
  • 時期:研究キャリアの初期
  • 職:事件後に研究職(または発覚時の地位)を続けた(〇)。大学の判定は無罪だから
  • 処分:なし。大学の判定は無罪だから
  • 対処問題:大学調査不正、大学隠蔽
  • 特徴:不正疑惑者は学部長
  • 日本人の弟子・友人:不明

【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は1億円(大雑把)。

●2.【経歴と経過】

主な出典:(8) Jerlando F L Jackson, PhD | LinkedIn

  • 生年月日:不明。仮に197年1月1日生まれとする。2000年に研究博士号(PhD)を取得した時を27歳とした
  • xxxx年(xx歳):南ミシシッピ大学(University of Southern Mississippi)で学士号取得:音楽教育学
  • xxxx年(xx歳):オーバーン大学(Auburn University)で修士号取得:教育学
  • 2000年(27歳?):アイオワ州立大学(Iowa State University)で研究博士号(PhD)を取得:教育学
  • 2000~2003年(27~30歳?):この4年間の博士論文と複数の論文が、後に、盗用と発覚
  • 2001~2007年(28~34歳?):ウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin-Madison)・助教授
  • 2007~2011年(34~38歳?):同校・準教授
  • 2011年(38歳?):同校・正教授
  • 2022年7月(49歳?):ミシガン州立大学(Michigan State University)・教育学部の教授・学部長
  • 2024年10月(51歳?):研究不正が発覚。新聞で公表された
  • 2024年11月(51歳?):ミシガン州立大学は予備調査の結果、無罪と結論
  • 2026年4月13日(53歳?)現在:従来職を維持

●3.【動画】

以下は事件の動画ではない。

【動画1】
「ジェランドー・ジャクソン」と自己紹介。
自己紹介動画:「Organizational Disparities: Jerlando F. L. Jackson – YouTube」(英語)0分50秒。
Michigan State University College of Education(チャンネル登録者数 2570人) が2023/02/14 に公開

【動画2】
他の教員の紹介動画:「EXPLOR(ED) with Dean Jackson | Episode 3 | NSF Directorate for STEM Education’s James L. Moore III – YouTube」(英語)29分49秒。
Michigan State University College of Education(チャンネル登録者数 2570人) が2024/04/13 に公開

●4.【日本語の解説】

以下は事件の解説ではない。

★公表日不記載:著者不記載(読書メーター):「Jerlando F. L. Jacksonのおすすめ本 ランキング一覧」

出典 → ココ、(保存版) 

Jerlando F. L. Jacksonの本一覧、おすすめランキングです。読んだ本や読みたい本などの登録数が多い順に、作品別の感想・レビューを紹介します。

『Advancing Equity and Diversity in Student Affairs (Contemporary Perspectives on Access, Equity, and Achievement)』

『Contemporary Perspectives on Access, Equity, and Achievement (25 Book Series)』

『Campus Uprisings: How Student Activists and Collegiate Leaders Resist Racism and Create Hope (Multicultural Education)』

などが人気。

続きは、原典をお読みください。

●5.【不正発覚の経緯と内容】

★全米トップクラスの教育学部

ミシガン州立大学(Michigan State University)・教育学部は、全米トップクラスの教育学部の一つである。

2025年のUSニューズ&ワールド・リポート誌(U.S. News & World Report)は、ミシガン州立大学がK-12(小中高)教員教育ランキングで30年連続で第1位だと報じている。 → Best Secondary Teacher Education Programs in America

ジェランドー・ジャクソン(Jerlando Jackson、Jerlando F. L. Jackson、写真出典)は2022年7月(49歳?)に、その教育学部の学部長に就任した。

 そして、ジャクソンは米国・教育学の有力学者200人ランキング( top 200 scholars in Education Week’s Edu-Scholar Public Influence Rankings)の常連である。 →2026年版では157位: Who Are the Nation’s Top Education Scholars? – Education Next

★発覚の経緯

2024年3月21日、ウィスコンシン大学マディソン校で教育学を教えるラバー・チャールストン(LaVar Charleston、写真左出典)の数十年にわたる盗用を、アーロン・シバリウム(Aaron Sibarium、写真右出典)記者が保守系メディア「ワシントン・フリー・ビーコン(Washington Free Beacon)」記事で告発した。 → 2024年3月21日記事:Complaint Alleges University of Wisconsin DEI Czar, Husband of Harvard’s DEI Chief, Has Decades-Long History of Research Misconduct

DEI(多様公平包括)責任者でもあったチャールストンの盗用論文の共著者に、本件の主役であるミシガン州立大学のジェランドー・ジャクソン(Jerlando Jackson)学部長がいた。

それで、シバリウム記者は、ジャクソンの盗用を調べ始めたのだ。不正の芋ずる探索である。

そして、半年後の2024年10月8日(51歳?)、シバリウム記者はジャクソンの多数の論文に盗用(含・盗博)を見つけたと、「ワシントン・フリー・ビーコン(Washington Free Beacon)」記事で指摘した。 → 2024年10月8日記事:‘A Mockery Of Education’: Dean of Michigan State’s Top-Ranked Ed School Is a Serial Plagiarist, Complaint Alleges

以下は「多数の盗用(含・盗博)を示したレポート」の冒頭部分(出典:同)。全文(68ページ)は → https://freebeacon.com/wp-content/uploads/2024/10/Jackson_complaint.pdf

ジャクソンは、博士論文と8報の論文で、40箇所近く、盗用していた。

盗用量はセンテンスが1つと短い文章から、1ページ分に及ぶ長い文章まであった。

12日後の2024年10月20日(51歳?)、シバリウム記者は自身の報道を要約した記事をXに投稿した。

最初にXのグーグル翻訳を示す:

速報:ミシガン州立大学教育学部の学部長、ジャーランド・ジャクソン氏が、キャリアを通じて広範囲にわたる盗作を行っていたことが新たな告発で明らかになり、国内有数の教員養成プログラムを率いる人物としての適格性に疑問が投げかけられている。

これは重大な問題だ。

★盗用

シバリウム記者が盗用を具体的に示した盗用比較図を以下に示す(全部ではない)。

(1)2002年(29歳?)の論文

カリフォルニア大学サンタバーバラ校のロレイン・マクドネル教授(Lorraine McDonnell)とハーバード大学のリチャード・エルモア教授(Richard Elmore)の文章を何ページも出典を明記せずに、ジャクソンは流用した。

同義語や詳細を入れ替えたが、文章の順序はそのままである。文章でも参考文献でも、被盗用者の名前を記載していない。

左が被盗用文章で右が盗用文章。赤色が同じ単語群。

白楽の印象:微妙ではあるが、盗用だと思う。

(2)2003年(30歳?)の論文

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のゲイリー・オーフィールド教授(Gary Orfield)の文章を何ページも出典を明記せずに流用した。同義語や詳細を入れ替えたが、文章の順序はそのままである。文章中も参考文献にも、被盗者の名前を記載していない。

左が被盗用文章で右が盗用文章。赤色が同じ単語群。

白楽の印象:これも微妙だが、盗用だと思う。

(3)2000年(27歳?)の博士論文

ジャクソンが2000年にアイオワ大学に提出した博士論文はマギル大学のヘンリー・ミンツバーグ教授(Henry Mintzberg)の文章を出典を明記せずに流用した。同義語や詳細を入れ替えたが、文章の順序はそのままである。文章中も参考文献にも、被盗用の学者の名前を記載していない。

左が被盗用文章で右が盗用文章。赤色が同じ単語群。

白楽の印象:盗用かどうかギリギリだと思う。この文章だけ示されたら盗用と判断しない。しかし、他で盗用しているので盗用とみなすかもしれないが、論文全体を精査しないと判断できない。

(4)2003年(30歳?)の共著論文

ジャクソンがサンフランシスコ大学のウォルター・グメルチ教育学部長(Walter Gmelch)と共著の論文でも盗用をしていた。この論文では、ヘンリー・ミンツバーグ教授(Henry Mintzberg)の文章を脚注や引用符を付けずに流用した。

左が被盗用文章で右が盗用文章。赤色が同じ単語群。

白楽の印象:これも微妙だが、盗用だと思う。

★研究者の意見

かつてヴィラノバ大学(Villanova University)で政治理論を教えていたスティーブン・マグワイア(Steven McGuire、写真出典)は「他人の文章を適切なクレジットせずに、自由に流用し続けた人物が、学術界で昇進し、将来の教員を育てる責任を担う教育学部長にまで上り詰めたとは、本当に腹立たしい限りです」と嘆いた。

全米学者協会(National Association of Scholars)の会長で、ボストン大学の元プロボスト(Provost)のピーター・ウッド(Peter W. Wood – Wikipedia、写真出典)は、ボストン大学の教員と卒業生の盗用調査の委員長を務めたこともある。

ピーター・ウッドは、「ジャクソンは、なぜ、流用した文章の出典を引用しなかったのか? 主要な出典を引用すれば、彼の文章全体が他人の文章を再利用したことが、論文を読む人に簡単にバレると考えたのでしょう。つまり、意図的に盗用した上で、簡単にバレないようにカモフラージュ加工をしている」。

「ジャクソンは、研究公正規則に違反しています。彼が学部長の地位にある限り、ミシガン州立大学は示しが付きません。責任者が守らない研究公正の基本を、学生や教員に遵守させるまともな根拠はありません」と批判した。

★大学の対応

ミシガン州立大学は、2014年10月に匿名の告発を受け、研究不正調査を開始したと述べている。

匿名の告発と述べているのは、告発した人はシバリウム記者以外の人だったのか、シバリウム記者の告発ではないように装ったのかわからない。

大学は、告発から14日以内に予備調査を終え、本調査しないことを決定した。

2025年1月xx日(52歳?)、ミシガン州立大学のケビン・ガスキエヴィッチ学長(Kevin Guskiewicz、写真出典)とプロボスト(Provost)のトーマス・ジェイチコ(Thomas Jeitschko)は予備調査(preliminary assessment)の結果、ジャクソンの盗用疑惑を裏付ける十分な証拠は見つからなかったので無罪、と発表した。

ミシガン州立大学は、ジャクソンの論文は「研究公正の最高水準」を満たしていると盗用を否定し、告発は政治的かつ人種差別的で卑劣な攻撃だったと非難した。

問題の真偽はさておき、「告発は政治的かつ人種差別的だった」のかどうか白楽はわからない。事実として、ジャクソンはアフリカ系黒人である。

ただ、研究不正の告発になにかと政治や人種差別が出てくることに、「なんだかなあ」と感じてしまう。研究不正とは別次元のことを持ってこないで、研究不正に正面から向き合うべきでしょうに、と白楽は思う。

なお、「告発側に自らの主張を証明する義務がある」という記述もあるけど、告発側に調査権がないので、それは無理な要求だと白楽は思いました。

以下は「State News」紙が情報公開法で得たミシガン州立大学の予備調査報告書の全文。驚いたことに5ページ全部が黒塗りされていた。それで以下、全文掲載した。出典:https://statenews.com/article/2025/02/msu-shields-info-on-how-it-exonerated-dean-accused-of-plagiarism

[白楽注:以下の黒色は、「黒塗り」箇所です。あなたのパソコンの異常ではありません。5ページあり、右下の数字で、何ページ目なのか分かります。2~4ページは2,3,4しか見れません]

241016 予備調査

 

ミシガン州法では、プライバシー保護のために黒塗りして情報公開するのは合法とされている。

しかし、情報公開法弁護士で、マキナック公共政策センター(Mackinac Center for Public Policy)のスティーブ・デリー(Steve Delie、写真出典)は、この全面黒塗りは「プライバシー保護を過剰に適用した典型的な例」だと批判した。

「黒塗りの範囲はバランスが必要で、プライバシー保護が公共の利益を上回ることを証明しなければなりません。本件は公共の利益を上回っているとは思えず、明らかに透明性が欠如しています。これはミシガン州立大学が、FOIA(情報公開法)を誤解しているか、あるいは適切な適用を逸脱しているかのどちらかだと思います」と付け加えた。

【盗用の具体例】

上記したので省略。

●6.【論文数と撤回論文とパブピア】

データベースに直接リンクしているので、記事閲覧時、リンク先の数値は、記事執筆時の以下の数値より増えている(ことがある)。

★論文数

2026年4月13日現在、ェーランドー・ジャクソン(Jerlando Jackson、Jerlando F. L. Jackson)は125報の論文・著書がある。 → ‪Jerlando F. L. Jackson, PhD‬ – ‪Google Scholar‬‬‬

★撤回監視データベース

2026年4月13日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースでジェランドー・ジャクソン(Jerlando Jackson、Jerlando F. L. Jackson)を「Jerlando Jackson」で検索すると、0論文が撤回されていた。

★パブピア(PubPeer)

2026年4月13日現在、「パブピア(PubPeer)」では、ジェランドー・ジャクソン(Jerlando Jackson、Jerlando F. L. Jackson)の論文のコメントを「Jerlando Jackson」で検索すると、0論文にコメントがあった。

●7.【白楽の感想】

《1》大学は無罪と結論 

アーロン・シバリウム(Aaron Sibarium)記者が「ワシントン・フリー・ビーコン(Washington Free Beacon)」記事で、ジェランドー・ジャクソン(Jerlando Jackson、Jerlando F. L. Jackson、写真出典)の盗用を、証拠を示して告発した。

ジャクソン事件は以下の点で、考えさせられた。

【その1】

盗用比較図を見ると、微妙な箇所はあるが、ほとんどの人は盗用と判断すると思う。

それなのに、ミシガン州立大学は無罪と結論した。

クロをシロと結論する極端な曲解は日本では珍しくないが、米国では珍しい(イヤ、結構ある?)。

どうして、無理やりジャクソンをシロとしたのだろう?

ジャクソンはアフリカ系黒人である。盗用を追及すると人種差別者の汚名を着せられるため、黒人という理由で守られたのだろうか?

学長・学部長の盗用はシロと結論されることがそこそこある。ジャクソンは学部長だったから、学内権力抗争で正義を捻じ曲げたのだろうか?

【その2】

ジャクソンは100報以上の論文を発表しているが、盗用と指摘されたのは9報の論文で、精査されたのはわずか3論文だった。うち1論文は博士論文で、博士論文は信じられないほど内容が貧弱だったそうだ。

それに、20数年前の論文の盗用を調べているが、最近の論文の盗用を調べていない。

論文中の盗用箇所が少なければ訂正、多ければ撤回、とすべきなので、当該大学は告発された論文を含め、他の論文ももっとしっかり盗用調査をすべきだったと思うが、していない。

どうして?

理由は、【その1】と同じ?

【その3】

盗用と告発されたジャクソンの博士論文はアイオワ州立大学に提出した博士論文である。白楽の印象では、盗用かどうか微妙だと思った。論文全体を精査しないと判断できない。

しかし、博士号を授与したアイオワ州立大学が博士論文の盗用を調査している(した)という話が一言も出てこない。

どうしてアイオワ州立大学は調査しないのだろう?

【その4】

「State News」紙が情報公開法で得たミシガン州立大学の予備調査報告書は、その5ページ全文が黒塗りされていた。

驚きました。

極端に隠蔽する大学は日本にはあるけど、米国にもこんなにヒドイ大学、それも州立大学があるんですね。

そして、その極端な隠蔽に対し、学術界も教育関連学会もミシガン州民も強い抗議を示していない。

どうして?

ところで、大学の隠蔽にペナルティを科すシステムはないのでしょうか?

日本にはないので、大学はやり放題だが、米国には歯止めがあったような・・・。

全文黒塗りは、ミシガン州の情報公開法に違反すると思う。

なお、告発者は匿名で告発したので、法的手段を取らなかったそうだ。それで、ジャクソン事件は、ここで一件落着だそうだ。

《2》日本には研究不正を調査報道するジャーナリストがいない? 

こういう著名教授の研究不正事件に関して、米国では新聞記者や科学誌記者が研究不正を見つけ、最初に報道することがしばしばある。

日本では、このような調査報道をほぼ見ない。

毎日新聞の鳥井真平・記者は独創的に切り込む少数の例外だ。ただこの頃、彼の研究不正記事を見なくなった。どうしたのだろう?

日本のジャーナリストは大学が発表したのを要約して報道している。

というわけで、メディア記者の機能は、米国と日本でまるで異なる。

今回のジャクソン事件で明白なように、大学は事実を隠蔽・曲解する。米国でも日本でもだ。

だから、大学の発表を要約して報道していては、事実も真実も重要な論点も国民に伝わらない。日本のメディア記者はわかっているのだろうか?

《3》AI川柳 

以下、AI川柳
  • 「盗用」を 「白」と言い切る 黒塗り帳
    (明白な証拠がありながら黒塗りの報告書で潔白を主張する大学への皮肉)
  • 百報を 三つで片付け 幕を引き
    (100報以上の論文がある中で、わずか3報の精査で調査を終えた不自然さ)
  • 五ページが 語る真実 闇の中
    (情報公開で出された報告書が全ページ黒塗りだった隠蔽体質)

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★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。
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●9.【主要情報源】

① ウィキペディア英語版:Jerlando F. L. Jackson – Wikipedia
② ジェランドー・ジャクソン本人のウェブサイト:Home | Professor Jackson
③ 2024年10月8日のアーロン・シバリウム(Aaron Sibarium)記者の「Washington Free Beacon」記事:‘A Mockery Of Education’: Dean of Michigan State’s Top-Ranked Ed School Is a Serial Plagiarist, Complaint Alleges
④ 2025年1月23日のオーウェン・マッカーシー(Owen McCarthy)記者の「State News」記事:MSU: Dean accused of plagiarism, targeted by DEI opponents, ‘exonerated’ – The State News
⑤ 2025年1月24日のアーロン・シバリウム(Aaron Sibarium)記者の「Washington Free Beacon」記事:Michigan State Declines To Punish Ed School Dean Accused of Serial Plagiarism
⑥ 2025年1月31日のオーウェン・マッカーシー(Owen McCarthy)記者の「State News」記事:Scholar allegedly plagiarized by MSU dean says he wasn’t consulted during exonerating review – The State News
⑦ 2025年1月31日のピーター・ウッド(Peter Wood)記者の「Minding The Campus」記事:MSU、教育学部長の盗作を隠蔽 — Minding The Campus — MSU Brushed Ed School Dean’s Plagiarism Under the Rug — Minding The Campus
⑧ 2025年2月20日のオーウェン・マッカーシー(Owen McCarthy)記者の「State News」記事:MSU shields info on how it exonerated dean accused of plagiarism – The State News
⑨ 2025年3月24日のオーウェン・マッカーシー(Owen McCarthy)記者の「State News」記事:MSU ‘exonerated’ a dean accused of plagiarism. How would a student facing the same claims fare? – The State News
⑩ ⑧ 2025年3月25日のジョナサン・ベイリー(Jonathan Bailey)記者の「Plagiarism Today」記事::Michigan State University Dean ‘Exonerated’ of Plagiarism – Plagiarism Today