2021年5月28日掲載
ワンポイント:スミスはクイーンズ大学(Queen’s University)・名誉教授で、航空機や宇宙船の材料開発で著名な研究者である。名誉教授の地位で、公的研究費も得、研究を続けていた。2004年(74歳)、同僚のクリス・ピクルス教授(Chris Pickles)がスミスのデータ改ざんと盗用を発見し大学に通報した。「小さな研究公正局(Little Office of Research Integrity (LORI))」のモート・シルカンザデ準教授(Mort Shirkhanzadeh、同大学)もスミスのネカトを追及した。クイーンズ大学は、調査の結果、データ改ざんと盗用は認めなかったが、自己盗用を認め、スミスを戒告処分に科した。疑念論文の総数は約20報あるが、結局、2002~2004年に出版した5論文が、2009~2012年に撤回された。国民の損害額(推定)は2億円(大雑把)。