2016年9月27日掲載。
ワンポイント:2014年発覚。監察医・法科学分析官が検視結果と法科学分析結果を改ざん・ねつ造し、他の悪事を含め裁判中。
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
4.日本語の解説
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文
7.白楽の感想
8.主要情報源
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●1.【概略】
リチャード・カレリー(Richard T. Callery、写真出典)は、米国・デラウェア州・監察医務院長(Delaware’s Chief Medical Examiner)で、医師だった。監察医務院では死体の検視だけでなく、証拠品の法科学分析を行ない、鑑定書の提出、裁判での証言と、科学捜査の中枢を担っていた。
2014年1月14日(62歳?)、裁判中に法廷で証拠品の確認を行なった時、鑑定に依頼した薬物とは異なる薬物が証拠品封筒から出てきたことで、鑑定の杜撰さが発覚した。その後の調査で、管理に深刻な問題が指摘され、鑑定書のねつ造・改ざんも指摘され、犯罪捜査システムの崩壊が起こった。
2016年9月26日現在(64歳?)、裁判中で、最終結論は出ていない。
監察医は、厳密には研究論文を発表する「研究者」ではないが、鑑定書は公式の科学的報告書なので、監察医を「研究者」と同類に扱い、報告書にねつ造・改ざんがあったことでブログに取り上げた。
事件では、法科学分析官・ジェームズ・ウッドソン(James W. Woodson)とファーナム・デナシュガー(Farnam Daneshgar)が鑑定書の「ねつ造・改ざん」をしたことになったが、監察医務院長のカレリーに管理責任者があると想定し、カレリーを代表に扱う。
この事件の日本語解説が1つあった。「情報改ざん・隠ぺい・ねつ造、冤罪はこうして起きる。杜撰で悪質な10の犯罪調査 : カラパイア」の文章を本文に引用した。
米国・デラウェア州・監察医務院長のオフィス(Delaware’s Office of the Chief Medical Examiner)。写真出典
- 国:米国
- 成長国:米国
- 医師免許(MD)取得:アメリカ大学カリブ医科大学院
- 研究博士号(PhD)取得:なし
- 男女:男性
- 生年月日:不明。仮に1952年1月1日生まれとする。2015年6月11日記事に63歳とあったので
- 現在の年齢:72 歳?
- 分野:法科学分析
- 最初の不正鑑定:2010年(58歳?)と言われているが、もっと前からだろう
- 発覚年:2014年(62歳?)
- 発覚時地位:デラウェア州・監察医務院長
- 発覚:裁判所で薬物裁判中
- 調査:①デラウェア州・検察。②裁判所
- 不正:ねつ造・改ざん
- 不正鑑定数:不明だが最大で数千件
- 時期:研究キャリアの初期から
- 結末:解雇。裁判中
●2.【経歴と経過】
- 生年月日:不明。仮に1952年1月1日生まれとする。2015年6月11日記事に63歳とあったので
- 1983年(31歳?):アメリカ大学カリブ医科大学院(American University of the Caribbean School of Medicine)を卒業。医師免許
- 1900年(38歳?):デラウェア州・監察医務院の監察医
- 1997年(45歳?):デラウェア州・監察医務院長
- 2014年1月14日(62歳?):監察・法科学分析の杜撰さが発覚する
- 2014年7月(62歳?):デラウェア州・監察医務院長を解雇された
- 2016年9月26日現在(64歳?):裁判中
●3.【動画】
【動画1:裁判所の前を歩く】
2015年6月11日、裁判所の前を歩いているビデオがある。最初16秒宣伝あり。(英語)47秒。
「Former medical examiner pleads no contest to misconduct」
●4.【日本語の解説】
日本語の解説「情報改ざん・隠ぺい・ねつ造、冤罪はこうして起きる。杜撰で悪質な10の犯罪調査 : カラパイア」から修正引用する。2015年2月6日のグリムス(A.C. Grimes)の英文記事をkonohazukuが翻訳し2015年2月18日にアップした文章である。
★ずさんな捜査や盗みなど何千という怠慢を見て見ぬふりをしたデラウェアの麻薬ラボ
2014年1月、デラウェアの検察官は、法の悪夢に直面した。麻薬ディーラーの容疑者の公判で、没収したはずのドラッグが紛失し、心臓病の薬に置き換えられていることが裁判所で見つかったからだ。それから数ヶ月で、デラウェアのラボの不正行為のパターンと、刑事訴訟の手順を損なうというプロにあるまじき行為が捜査員によって明かされた。
2010年から2012年の間、検察医オフィスで50以上の窃盗事件があった。盗まれたものが証拠に置き換えられることもあった。だが、ラボはそのはるか以前から腐敗しきっていた。この問題の大部分は、検視局長のリチャード・カレリーにあったといえるだろう。
麻薬ラボで20年近く舵取りをやってきたカレリーは、多くの無責任な雇用を仕切り、プロとして失格だった。麻薬の窃盗犯のひとりであるジェームズ・ウッドソンは、デラウェアのニューカッスル警察署から証拠を盗んだ疑いがあるにもかかわらず採用されていた。2006年にも、ラボは以前データを改竄した疑いで辞職した法医学の分析官を雇っていた。また、必要な能力テストをしくじった化学者をクビにしなかった。
犯罪者と無能な人材で運営されたチームだったため、必然的に恥知らずな違法行為が起こった。14年もの間、ラボは機能不全の機器に頼っていた。その機器に入力された証拠データの日付は1970年1月1日だったのだ。さらに、退職した前職員が6年間も証拠保管庫のキーをひとりじめしていた。ラボの法医学データのいくつかは改ざんされたものと思われていたうえに、数えきれないほどの証拠のずさんな管理によって、すでに200の麻薬事件が却下され、60以上が減刑されるという結果を招いた。だがそれは始まりにすぎず、さらに500の有罪判決に異議が申し立てられている。
●5.【不正発覚の経緯と内容】
2014年1月14日(62歳?)、この日、問題が発覚した。ケント郡高等裁判所の薬物裁判でデラウェア州検察官が陪審員の前で証拠品の封を切った時、64個の青色のオキシコンチン(Oxycontin)錠剤を鑑定に依頼したにもかかわらず。封筒から出てきたのは13個のピンクの血圧錠剤だったのだ。
すぐに調査が始まった。
2014年2月20日(62歳?)、監察医務院の実験室は閉鎖され、証拠品保管室は州警察によって施錠された。
デラウェア州の証拠品保管室で犯罪証拠品として保管していた55件の鎮痛剤、ヘロイン、コカイン、違法薬物が2010年から2014年の間に盗まれていたことが発覚した。件数は不明だが、科学鑑定する前の証拠品も含まれていた。
証拠品は、どの犯罪の証拠品かは明確でなければならないと法律で決められているが、管理のずさんさのため、関連付けが困難あるいは不可能な証拠品が多数に及んだ。
デラウェア州の監察医務院の建物玄関のドアは、時々、開いていて、誰もが入れる状態だった。さらに、証拠品保管室のドアも、時々、開いていて、誰もが入れる状態だった。という、管理の杜撰さだった。
カレリーの部下である監察医務院の法科学分析官・ジェームズ・ウッドソン(James W. Woodson)は、コカインの所持、犯罪証拠品の窃盗、鑑定書の改ざんで逮捕・起訴された。もう1人の部下である法科学分析・ファーナム・デナシュガー(Farnam Daneshgar)は、鑑定書の改ざん、マリファナの所持、偽造履歴書、マリファナの所有、麻薬吸引器具の所有で逮捕・起訴された。
2010年から2014年の間の審理中の200件の薬物事件、そして、数千件の薬物がらみの有罪判決が立ち往生してしまった。
とはいえ、カレリーは別件で起訴された。ロードアイランド州および他の州で私的なコンサルティング事業を営み、その事業でカレリーのデラウェア州の部下を働かせたり、デラウェア州のお金で購入した消耗品を使っていたという罪だ。明らかな利益相反、窃盗である。
ロードアイランド州の記録によると、カレリーは2008年から2011年まで173回の死体解剖をロードアイランド州で実行し189,000ドル(約1,890万円)を得ていた。2010年が最も多く、この年、76体の死体解剖を行なった。この副業も違法だった。なお、カレリーはデラウェア州から198,500ドル(約1,985万円)の年俸を受け取っていた。
2015年6月11日(63歳?)、裁判で、州の財産を私用に使った損害賠償として10万ドル(約1,000万円)を支払うこと、2年間の医師資格停止に従うこと、をカレリーは同意した。罪を認めたわけではないが抗告しないとした。2015年9月11日の裁判で最長2年間の刑務所刑と4,600ドル(約46万円)の罰金を宣告される可能性がある。
デラウェア州は、監察医務院の管理が崩壊していて、証拠品薬物の盗難と鑑定書の改ざんの責任が果たせなかった。仕方なしに、160万ドル(約1億6千万円)を払って、州外の科学警察に700件の事件の薬物検査を依頼した。
なお、監察医務院の2人は、最初、重罪が予想されたが、最近、より軽い罪とされている。
デラウェア州上院議員のグレゴリー・ラベル(Gregory Lavelle 、写真出典)は、「カレリーの行為は非道である。もっと早くカレリーを解雇しておくべきだった。デラウェア州の犯罪捜査システムの汚点である。二度と復職しないことを願う。監査医務院の管理・監督の失敗は疑いもない。犯罪捜査システムが破壊されてしまった。数百万ドル(約数億円)の経費が無駄になり、数万件の犯罪捜査に影響している」と述べている。
★ダヴェンポート事件
ホリー・ウィルソン(Holly J. Wilson、女性)は、2002年に彼女の夫が亡くなり、フランク・ダヴェンポート(Frank Davenport、写真出典)と付き合うようになったが、関係は不安定だった。(①Boyfriend charged with 2010 slaying of Milltown woman、②Dispute between Callery, others jeopardizes murder case)。
2009年10月17日、ダベンポートはホリー・ウィルソンを殺すと脅したことで、逮捕された。この時の捜査で、「頭を撃たれる」「今夜、殺される」というホリー・ウィルソンのメモがキッチンから見つかった。また、ダベンポートは、多数の銃器を持っていることを認めた。
2010年1月16日、深夜1:46、デラウェア州のカークウッド・ガーデンズ地域の警察に銃でガールフレンドを撃ったと電話があった。
警察官が出動すると、住宅街の民家の室内に女性が重傷を負って倒れていた。電話したのが、フランク・ダヴェンポートだった。
重傷を負っていたガールフレンドのホリー・ウィルソン(Holly Wilson、当時50歳)は、クリスティアナ病院(Christiana Hospital)に緊急搬送されたが、午前5:22、頭部に受けた銃弾のため死亡した。
死亡は確認されたが、自殺か他殺か、その時は決められなかった。
ウィルソンの死体を検視したのが監察医のカレリーだった。自殺か他殺かで、カレリーは、法廷で他殺と述べた。しかし、そのすぐ後に、カレリーの薬物窃盗などが発覚し、カレリーの検視報告書に疑問が持たれたのである。
2015年、ダヴェンポートは第一級謀殺で有罪なら終身刑になるはずだ。しかし、結局、デラウェア州高等裁判所の裁判官アンドレア(Andrea Rocanelli)は、抗告しない条件で、刑期10年を求刑する司法取引をダベンポートと行なった。
★ヤング事件
エリック・ヤング(Eric Young、33歳、写真出典)は、2包のコカインが証拠になって、7年の刑務所刑が宣告されると覚悟していた。
ところが1月にコカインの2包みを再検査すると、包の中身がコカインではないと鑑定された( After cocaine retest, one man goes free — another stays in prison)。
検察官は、ヤングを釈放していいのか逡巡した。
事件の証拠品は、デラウェア州・監察医務院が2014年1月に法科学分析を行なったのである。
詳細を省くが、以下、ご推察の通りである。
★パラダイン事件
2013年9月22日未明、デラウェア州のタレイービル(Talleyville)のパラダイン・クラブ・コンドミニウム(Paladin Club condominium)に住む自動車修理会社を経営するジョセフと妻のオルガ・コンネル(Joseph and Olga Connell 、写真出典)が、拳銃で撃たれて死亡した。
検察は、自動車修理会社をコンネルと共同経営するクリストファー・リヴァーズ(Christopher Rivers、33歳、写真出典)と彼が雇った殺し屋ドミニク・ベンソン(Dominique Benson、25歳)を逮捕した。
オルガは、頬、肩、頭が撃たれ、ジョセフは身体と頭が6発以上も撃たれ、殺人は明白だが、検視したのはカレリーだった。
リヴァーズの殺人の動機は共同経営者ジョセフ・コンネルに100万ドル(約1億円)の保険金を掛け、リヴァーズが受取人になっていた。殺して保険金を取ろうと考えたのだ。
2015年10月、裁判では、検視したカレリーの代役として、2014年11月に監察医に就任したゲーリー・コリンズ(Gary Collins)が証人になった。検視官の代役が証言するのは極めて異例である。
2016年2月26日、リヴァーズは殺し屋を2人雇ったと長いこと言われていたが、2人目の殺し屋アーロン・トンプソン(Aaron Thompson、32歳)がこの日、ようやく逮捕された。
パラダイン事件の動機や犯人は主題(カレリー)とは関係ない。
関係するのは、この殺人事件にもカレリーが検視や法科学分析し、証拠を固め事件を解決する重要な役割を担っていたことだ。それが、杜撰でいい加減なことをしたものだから、裁判までおかしくなってしまう。
パラダイン事件に関心のある方は以下もどうぞ。
①2016年4月12日記事:Paladin Club murder trial opens with differing tales、②2016年4月1日記事:Trial to unravel story behind grisly Paladin Club killings
●6.【論文数と撤回論文】
この事件は「論文数と撤回論文」という概念に該当しないので、調べていない。
●7.【白楽の感想】
《1》監察・法科学分析の報告書のねつ造・改ざん
この事件は、監察医・法科学分析官の杜撰でいい加減な行為を示す事件である。報告書のねつ造・改ざんは新聞記事では少ししか書かれていないが、事件は相当深刻だと思える。
犯罪からみの死体の検視で多数のねつ造・改ざんが起こった。証拠品の法科学分析では数千件のねつ造・改ざんがあった。
監察医が解剖し検視した後、死体は焼却処分される。監察医が組織ぐるみでいい加減な検視をした場合、検視報告書のねつ造・改ざんをチェックする人がいない、方法がない、システムがない。また、対象となる死体は一体しかないし、既に焼却処分されていて、一緒に検視した仲間がグルだと、すべてが闇の中で、打つ手がない。
証拠品の法科学分析も同様だ。そもそも、証拠品保管室の中の薬物はどの犯罪の証拠品なのかわからなくなっている。その状況で、証拠品の化学分析をチャンとしても、どの犯罪と関連しているかチェックする方法がない。しかも、証拠品の化学分析もいい加減だった。証拠品が証拠にならない。すべてが闇の中で、打つ手がない。
カレリー事件はそういう事件だ。
事件の深刻さに恐れ、裁判も新聞記事も監察・法科学分析の報告書がねつ造・改ざんだと強くは追求しなかった。追及しても、単に混乱をもたらすだけで、取り返せない。それで、大々的には掘り返さないことにした。
このような、1回だけしか観察・試験できないケースの報告書のねつ造・改ざんを防ぐシステムは、どう構築できるのだろう?
《2》犯罪関連の科学鑑定書のねつ造・改ざん
以下は「フレッド・ザイン(Fred Zain)(米)」と同じである。
犯罪関連の科学鑑定書のねつ造・改ざんは米国では何件も事件になっている。一方、日本では2012年12月17日の1件のみしか報道されていない。
2012年12月17日「科捜研職員を書類送検 和歌山県警、鑑定データ捏造容疑:日本経済新聞」を修正引用する。
和歌山県警科学捜査研究所(和歌山市)の男性主任研究員(50)による鑑定データ捏造(ねつぞう)問題で、和歌山県警は[2012年12月]17日、証拠隠滅、有印公文書偽造・同行使の疑いで、研究員を書類送検した。
県警は17日、停職3カ月の懲戒処分にし、研究員は同日、依願退職した。
研究員は2010年5月~12年1月、交通事故や無理心中など6つの事件の捜査で、繊維や塗膜片の鑑定結果を上司に報告する際、一部に過去の鑑定データを流用し所長決裁を受けた疑いが持たれている。
県警は過去の事件についても、さかのぼって捜査。研究員が関わった約8千の事件を調べ、うち19事件にデータ流用の疑いがあったが、いずれも時効が成立していた。
しかし、実際はもっと多発しているのではないだろうか?
《3》犯罪関連のデタラメな検視行為
「糾弾 日本の政治改革 変死体の監察医 殺人天国日本」に以下のデタラメな監察医の記述がある。信用できる内容かどうか、白楽は確かではない。
不思議なのは神奈川県のわずか3人しかいない監察医だ。
下の表はその一人伊藤順通(まさみち-東邦大名誉教授)と言う日本の解剖医学会の権威者のでたらめな検死の数だが神奈川県内での変死者の半数以上が伊藤の検死で、まさに異常というほかない。
年度 変死者数 伊藤の検死数 解剖数 得ていた収入(推定)
1996年 5076 3010 69 6,227万円
1997年 5534 3286 71 6,785万円
1998年 6590 3529 72 7,274万円
1999年 7182 3419 62 7,024万円
通常は解剖の多い監察医でも検死数は年間 500体前後で、時間的にそれ以上検死、解剖する事は不可能だと言う。
ベテランでも死因を特定するための解剖には少なくとも30分から1時間はかかり、平均的な解剖率は変死体の25%~30%と言うが、伊藤はわずか 2%程度しか解剖してない。
東邦大医学部教授だった95年、オウム事件で殺害された弁護士の坂本堤さんの遺体の司法解剖をした事でも知られているが、裁判の中で「解剖は95年9月8日午後2時から9時半ごろまでかかった。」と述べている。 実に7時間半もかけたと言う。
しかし明らかに「頭がい底粉砕骨折」を「窒息死」と判定し、裁判の中で弁護士に「あなたの証言が一貫しないのは、どういうわけですか。」などと言われている。 つまりこの時も解剖などしてないのだ。
神奈川県はまさに殺人天国と言える。 伊藤監察医は外見だけ見て「心筋梗塞」「脳梗塞」「自殺」などの死因をつけ、ほとんど死体に触れることなく検死を終えていた。
日本は、科学捜査の鑑定結果の真偽の担保にどんな対策がとられているのであろうか?
白楽は、絶対的信頼や強い威信・権威のある個人・組織が研究ネカトをすると考えている。その場合の社会の被害と影響は甚大である。社会システムの根幹を揺るがす事態にも発展する。
「絶対的信頼」「強い威信・権威」の個人・組織をチェックするシステムが絶対に必要である。日本にどんなシステムがあるのだろうか? それとも、まったくないのだろうか?
《4》米国の類似事件
米国では、罪関連の科学鑑定書のねつ造・改ざん事件がたくさん起こった。しかし、米国社会は事件からしっかり学んだようには思えない。その後も事件が多発している。
以下の事件は既に解説した。
「フレッド・ザイン(Fred Zain)(米)」は、約30年前の大事件。
「アニー・ドゥーカン(Annie Dookhan)(米)」は、最近(2012年)の大事件。
以下の事件は、いずれ、記事として解説する予定だ。
・ジェームズ・ボールディング(James Bolding)(米)2021年8月23日掲載
・デイヴィッド・コオフォード(David Kofoed)(米)2022年4月15日掲載
以下のたくさんの事件も起こっている(こちらは、記事にしない予定)。
Joyce Gilchrist
Dee Wallace
Garry Veeder
Elizabeth Mansour
Anne Marie Gordon
Charles Smith
James E. Price,
Deborah Madden
上記を含めたリスト → http://www.corpus-delicti.com/forensic_fraud.html
●8.【主要情報源】
① 2015年6月11日のクリス・バリッシュ(Cris Barrish)の「Delaware Online」記事:Ex-Chief Medical Examiner Richard T. Callery agrees to repay Delaware $100,000 in plea(保存版)
② 2015年10月2日のエステバン・パラ(Esteban Parra)の「Delaware Online」記事:Richard Callery, Delaware ex-chief medical examiner, gets probation(保存版)
③ 2014年9月2日のシーン・オサリヴァン(Sean O’Sullivan)の「Delaware Online」記事:10 things we know about drug lab scandal(保存版)
★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。