2020年6月26日掲載
ワンポイント:英国の非営利組織。出版側の立場から、学術論文の公正を保つ規範と対処法を、学術誌編集者、出版社、出版関連者に提示している。問題が起こった時、相談にも応じる。学術論文の公正に関する世界で最も権威・実績・実力がある標準化組織。ネカト・クログレイへの対処、論文撤回のノウハウなどの国際的標準も示している。
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.出版規範委員会(COPE)の要点
2.日本語の解説
3.活動内容
4.動画
5.歴史
6.類似組織
7.白楽の感想
8.情報メモ
9.コメント
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●1.【出版規範委員会(COPE)の要点】
英国の非営利組織。出版側の立場から、学術論文の公正を保つ規範と対処法を、学術誌編集者、出版社、出版関連者に提示している。問題が起こった時、相談にも応じる。学術論文の公正に関する世界で最も権威・実績・実力がある標準化組織。ネカト・クログレイへの対処、論文撤回のノウハウなどの国際的標準も示している。
- 組織名:出版規範委員会(Committee on Publication Ethics:COPE)。「COPE」は「コープ」と読む
- サイト:COPE: Committee on Publication Ethics 閲覧は無料(一部有料)
- 現在の活動:とても活発
- 組織:英国の慈善団体(番号1123023)
- 目的:公衆の利益のために学術記録の公正を保護する方法に関する知識を教育し、進歩させること。”to educate and advance knowledge in methods of safeguarding the integrity of the scholarly record for the benefit of the public”
- 分類:国際標準化機関
- 対象:世界。全学問分野
- 活動:学術誌編集者、出版社、出版関連者に、学術論文の出版で遭遇するほぼすべての問題(もめごと)に対応する対処法の策定。主要実務集(Core practices)を作り、ガイドラインを定め、対処手順をフローチャートで示す。会員には問題(もめごと)へのアドバイスをする
- 言語:英語
- 会員数:103か国、12,930学術誌/出版社/個人/企業(2020年6月25日時点)。
- 日本の会員:220件(内訳:企業会員1社、個人会員2人、216学術誌、1出版社(2020年6月25日時点):Search results for ‘japan’
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- 委員長:デボラ・ポフ(Deborah C. Poff、カナダ人、専門は哲学、1950年生まれ、約74歳、写真、出典)。2019年5月就任。7代目委員長
- 連絡先:Contact us
- 郵便:COPE, New Kings Court, Tollgate, Chandler’s Ford, Eastleigh, Hampshire, SO53 3LG, United Kingdom.
- 管理・評議:管理委員・最大12人(Trustee Board、委員長を含む )。評議員・最大40人 (Council、管理委員を含む)。
- 事務局:7人:COPE Team
- 経費:49万ポンド(約6,900万円)(2018年)、年次報告集。委員に給料は払われていない。旅費や活動費は払われている。
- 運営資金:会員の会費
- 会費:会費表。個人会員は年56ポンド(約7,800 円)。年間12冊出版の学術誌は年568ポンド(約80,000 円)(2020年6月25日時点)。出版社は出版学術誌数に応じて会費が異なる。
- フェイスブック:COPE | Facebook
3,791人が「いいね!」(2020年6月25日時点時点)、4,132人(2020年6月25日時点時点)がフォロー - ツイッター:COPE (@C0PE) / Twitter 9,854 人(2020年5月26日時点)1万人(2020年6月25日時点)がフォロー
- 活動期間:1997年4月に開始し、約27年経過
●2.【日本語の解説】
★ウィキペディア日本語版:白楽が執筆 したので本記事には再掲しない。→ 出版規範委員会 – Wikipedia
★2015年以降:J. パトリック・バロン(J. Patrick Barron)(東京医科大学名誉教授)監修:出版倫理とは | 【Ronbun.jp】医学論文を書く方のための究極サイト
出典 → ココ
大鵬薬品工業株式会社が提供しているサイトに出版規範委員会(COPE)のサイトの紹介と翻訳が掲載されている。
「COPE フローチャート」は二重出版、盗用、ねつ造、著者変更。著者在順、利益相反、査読者の盗用、告発者への対応、と学術論文の出版で遭遇するほぼすべての問題に対応する手順がフローチャートで示されている。この「COPE フローチャート」はとても優れている。
例として、「データねつ造疑惑」だけを示す。他は原典を見て欲しい → ココ
COPE フローチャート
COPEフローチャートは、元々ジャーナルの編集者向けに作られたもので、編集者が直面する可能性のある倫理上の問題にはどのようなものがあるか、またそれらに対して、いかに公正かつ適切に対処したらよいかについて助言するものです。
このフローチャートは、著者にとっても、出版に至るプロセスで起こりうる問題を理解する上で役に立つものですので、投稿前に是非参照することをお勧めします。
(b)掲載論文にデータ捏造の疑いがある場合
~Suspected fabricated data in a published manuscript~
★T Kojima , S Nakano and J. Patrick Barron 日本消化器外科学会雑誌.2018;51 (1) :95-97:Plagiarism の 1 例
小島多香子らが盗用の扱いを出版規範委員会(COPE)に質問した事例。
出典 → ココ
事例の内容(匿名)
我々のジャーナルに,ある論文が掲載された.ある読者より我々に,その論文の緒言全体が別の論文から直接コピーされたものであるとの連絡があった.編集長は即座にその論文の取り下げを提案したが,著者は訂正の掲載を主張した.著者は自分達の将来のキャリア形成に影響があることから取り下げの掲載を望まなかったのである.
COPE のフォーラムへの質問
(1)我々ジャーナルには何ができるか?
(2)著者の同意なしに取り下げは可能か?著者は,我々が取り下げれば,法的手段に訴えると脅してきている.
アナタならどうします? 出版規範委員会(COPE)の解答は原典をお読みください → ココ
★2014 年:ウェイジャー, エリザベス:特定非営利活動法人UniBio Pressが和訳(訳者記載なし):情報管理、2014 年 57 巻 7 号 p. 443-450:出版倫理と情報管理の関わり The Committee on Publication Ethicsでの経験から
エリザベス・ウェイジャー(Elizabeth Wager、Liz Wager、写真出典)は2009-2012年に出版規範委員会・第4代委員長を務めた。この論文は、出版規範委員会についてとても詳しく記載している。
出典 → ココ
以下、目次(リンク付き)
研究や出版分野における不正行為は今に始まったことではないが,情報技術の発達は出版倫理に大きな影響を与えた。コンピューター・ソフトは,不正行為(剽窃や画像処理等)を容易にさせたが,一方でその不正行為を検出するツールとしても役立つ。また,電子出版により,訂正や撤回文を対象論文に直接リンクすることにより,読者へ問題に関する警告を出すことも可能とした。
しかし,強力なツールが利用できても,疑いのある不正行為を扱うには,慎重な判断が必要である。したがって,ジャーナルや機関は,さまざまな状況に備え,適切なポリシーと対処手順を策定しておくべきである。
The Committee on Publication Ethics(COPE:9,000以上のジャーナルがメンバーとして参加する国際機関)は,不正行為に関する多様な問題について助言する情報源の1つであり,本稿ではその活動について述べる。
不正が疑われる,あるいは明らかにされた場合には,ジャーナルと機関が協力して対処することが重要である。最近,日本の機関が協力して効果的な調査が行われた事例を紹介する。
・・・中略・・・
The Committee on Publication Ethics(COPE)は1997年,ジャーナル編集者からのガイダンスを求める要望に応じて結成された。以降,主に英国の医学系編集者からなる小集団から,世界中の各学問領域を網羅する9,000のジャーナルが加盟するグローバルな組織へと成長した9)。
COPEの主な目的は,論文審査を行うジャーナル編集者や出版社への助言とガイダンスを提供することにある―編集者の「自助グループ」とも呼ばれているが,これは適切な表現である。
COPEは取締機関ではないため,不正行為の疑いのある事例についての調査は行わない。提供するアドバイスは非公式なものであり,多くの場合は通常のCOPE公開討論会での編集者間の議論から出されているものである(今ではグローバル参加が可能な電話会議において仮想的に行われている)。
COPE会員はこれらの仮想会議に議論のための事例を持ち込んでもよい。事例は必ず匿名で扱われ,会議で出された助言とともに検索可能なデータベースの中に収録される。いずれもCOPEサイト(http://www.publicationethics.org/)で自由に利用できる。
4.1 COPEフローチャート
数年にわたってさまざまな事例を議論した結果,編集者を対象としたフローチャートを作成し,頻繁に起きる問題に対して,実用的な解決策を段階的に説明している。フローチャートの和訳には,以下のサイトからアクセス可能である。
http://www.ronbun.jp/flowcharts/
4.2 撤回ガイドライン
COPEは撤回に関する詳細なガイドラインも作成し,撤回をいつ行うべきか,また,どのような場合,訂正,もしくは「懸念の表明」を行うのが適切かを説明している。この問題は,ジャーナル編集者を悩ませ続けているようである。
COPE撤回ガイドラインは2009年に出版されたが,2013年の研究では,ドイツ人麻酔学者,ヨアヒム・ボルト博士の研究不正行為の一連の事例について,複数のジャーナルの対応を分析した結果,88論文の中で5論文(6%)のみがCOPEの撤回基準に基づいて適切に撤回され,9論文はまったく撤回されなかった10)。それ以前の研究では,米国における明らかな不正行為の事例でも,不正論文の撤回の遅れや失敗が示されていた11)。
・・・中略・・・
4.4 COPEガイドライン
2010年にシンガポールで行われたWorld Conference on Research Integrityの成果は,第2回COPEが協力して著者と編集者を対象とする一連の国際的ガイドラインを作成したことである20)。ジャーナルは,すべての学問分野を代表する大規模で国際的な研究者グループによって作成されたガイドラインを採用するか,あるいは「投稿規定」にリンクさせて利用することができる。
また,COPEは,編集者と出版社それぞれに対して推奨する「行動規範」に,全会員が従うよう求めてもいる。さらに最近,査読者対象のガイドラインを作成した。これらの資料(英語)はすべてCOPEサイト(http://www.publicationethics.org/)で自由に利用できる。つまり,COPEは出版倫理に関するあらゆる観点から,ジャーナル編集者,出版社,著者,査読者へのガイダンスを提供している。
●3.【活動内容】
★フローチャート(Flowcharts)
「●2.【日本語の解説】」で述べたが、学術論文の出版で遭遇するほぼすべての問題(もめごと)に対応する手順をフローチャートで示した「COPE フローチャート」はとても優れている。
サイトには36個のフローチャートがある。 → Search results Flowcharts
日本語訳では、「二重出版、盗用、ねつ造、著者変更。著者在順、利益相反、査読者の盗用、告発者への対応」のCOPE フローチャートがある。 → ココ
「●2.【日本語の解説】」で引用した「データねつ造」の疑いがある場合のCOPE フローチャートを以下に再掲する。
(b)掲載論文にデータ捏造の疑いがある場合
~Suspected fabricated data in a published manuscript~
原典の記載は以下(出典:https://publicationethics.org/files/Fabricated%20data%20B.pdfhttps://publicationethics.org/files/Fabricated%20data%20B.pdf)
Fabricated data B
★問題(もめごと)相談
会員のみのサービスだが、問題(もめごと)をフォーラムまたはCOPEカウンシルに相談できる。問題(もめごと)はCOPEメンバーによってフォーラム(または理事会)に持ち込まれ、フォーラムのすべての参加者(または理事会のメンバー)の間で議論される。
フォーラムの参加者(または理事会)からのアドバイスは相談した会員に伝えられる。ただし、問題(もめごと)処理の最終決定は、会員である編集者/出版社自身が行なう。
既に相談を受けた問題(もめごと)は616件(2020年6月25日時点)もある。それで、たいていは、この過去の問題(もめごと)集の事例のどれかに該当する。 → Search results Case
問題(もめごと)を相談する前に、問題(もめごと)集の利用可能な事例を調べて、類似の問題(もめごと)がすでに議論されていないかどうか確認する。ただ、基本的に、特定のアドバイスは特定の問題(もめごと)に固有なので、アナタの問題(もめごと)に適用できるとは限らない。
日本(Japan)で検索すると1件ヒットした → Search results Case
★教育活動
フローチャートを先に示したが、「Guidance」に822個(2020年6月25日時点)の有用なノウハウがあり、いろいろな意味で「満載」である。
- 主要実務集:Core practices
- ガイドライン集:Search results Guidelines
- eラーニング(eLearning):会員向けサービス → eLearning
- eラーニング(eLearning):非会員がアクセスできるサイトが少しある。 → Introduction to Publication Ethics
●4.【動画】
出版規範委員会(Committee on Publication Ethics:COPE)に関する動画はたくさん(ザッと数えて30以上)ウェブサイトにアップされている。
出版規範委員会(Committee on Publication Ethics:COPE)自身が公開している動画もある。以下の「動画2」、「動画3」はその動画である。 → COPE (Committee on Publication Ethics) – YouTube
★《動画1》
「What is COPE or the Committee on Publication Ethics?- YouTube」(英語)、2分2秒
2019/09/16にJohn Bondさんがアップロード
★《動画2》
2019年4月12日のウェブセミナー(3人講演):「COPE Allegations of misconduct webinar April 2019」(英語)、47分10秒
COPE (Committee on Publication Ethics)さんが2019/05/17に公開
★《動画3》
2019年6月2-5日開催の世界研究公正会議(香港)の講演(4人講演):「WCRI 2019 Preprints panel 」(英語)、1時間23分39秒
COPE (Committee on Publication Ethics)さんが2019/09/21に公開
★《動画4》
2017年「COPE’s European Forum」でのエリザベス・ウェイジャー(Elizabeth Wager、Liz Wager)の講演:「20 years of publication ethics, 2017 」(英語)、14分57秒
COPE (Committee on Publication Ethics)さんが2017/12/19に公開
●5.【歴史】
★歴史
出典:cope-visual-history-timeline.pdf
- 編集者のための行動規範(Code of conduct )を公開
- 著者ガイドラインを公開
- COPEを慈善団体(charity)に登録
- フローチャート公開
- 一部の出版社はすべての学術誌を登録
- 第1回USAセミナー開催
- 第1回オーストラリアおよび中東セミナー開催
- eラーニングコースが公開
- 撤回ガイドラインを公開
- 行動規範(Code of conduct )の改訂
- 出版社の行動規範が公開
- ディスカッションドキュメント(盗用)公開
- 最初のニュースレター、Ethical Editing を発行
- 科学編集者評議会賞(Council of Science Editors)を受賞
- 第一回南米セミナー開催
- ロンドン外での最初のヨーロッパセミナー開催
- ウェブサイトをリニューアル
- 大学会員の試行開始
- 研究大学と学術誌協力のガイドライン発行
- 行動規範と学術誌編集者のための実践ガイドラインを公開
- 査読者の規範ガイドラインを公開
- 行動規範(Code of conduct )を廃止し、主要実務(Core practices、コアプラクティス)に置き換え
- COPE 学術誌監査を評価更新し主要実務(Core practices )と連携
- 「透明性の原則(Principles of transparency)」の第3版と学術出版のベストプラクティス
- 主要なCOPEガイダンスのスペイン語と中国語への翻訳
- インフォグラフィック(Infographics)公開
- COPEカウンシルとチームメンバーの増員
- 第1回中国セミナー
- ラッセルグループ(Russell Group)とCOPEメンバーとのワークショップ
- 世界研究公正会議(World Conference on Research Integrity)のプログラム委員会に参加
- COPEの明確なブランドスタイルを開発
- コープ20周年ヨーロッパセミナー
- 新しい戦略計画
- 大学会員の受け入れ(2021年までに)
- COPE Webサイトで600を超えるケースが利用可能
- 芸術、人文科学、社会科学の研究で出版規範の必要性
- 世界研究公正会議(World Conference on Research Integrity)で重要な役割を果たす存在
- Webサイトの立ち上げと更新
- 捕食学術誌ディスカッションドキュメントが公開
- 主要なCOPE資料にDOIを割り当て
●6.【類似組織】
学術誌編集に関する国際的組織は「出版規範委員会(COPE)」以外にもいくつかある。以下に羅列する。しかし、「出版規範委員会(COPE)」に比べると、実績・実力が伴わず、重要視されていない。
- 国際医学学術誌編集者委員会(ICMJE:International Committee of Medical Journal Editors) → ICMJE recommendations – Wikipedia
翻訳センター(翻訳・英文校正会社)が、国際医学学術誌編集者委員会の投稿規定の和訳を公開している → ICMJE統一投稿規定(2017年改訂版) - 世界医学雑誌編集者協会:World Association of Medical Editors – Wikipedia
- 国際理工医学出版者協会:International Association of Scientific, Technical, and Medical Publishers – Wikipedia
●7.【白楽の感想】
《1》大きな称賛
出版規範委員会(Committee on Publication Ethics:COPE)の活動は、学術論文の出版で生じる諸問題への標準的対処法を作成し普及してきた。学術出版の編集に携わってきた人たちが組織化し、現実的な問題対処法を確立してきた。その努力と成果は大きな称賛に値する。
ネカト(ねつ造・改ざん・盗用)とクログレイは、学術論文の出版で起こる中心的な問題なので、出版規範委員会(Committee on Publication Ethics:COPE)は、シッカリと扱っている。ただし、ネカト調査やネカト糾弾は行なっていない。
学術誌編集者がそれらネカト・クログレイにどのように対処するとよいのかの手順を示している。
学術誌編集者、出版社、出版関連者からの相談にも応じる点も優れている。このサービスは会員にならなければ受けられないが、103か国、12,930の学術誌/出版社/個人/企業が会員である(2020年6月25日時点)。
学術誌がネカト・クログレイの対処する世界最強のツール・相談相手だ。
《2》日本の学術誌編集者はしっかり勉強せよ
編集方法に無知なまま作業をしている日本の学術誌編集長に、時々遭遇する。
例えば、論文撤回の時、国際基準では、以下に示すように、ウェブに論文を残したまま、「撤回(RETRACTRD)」と赤字で刻印する。ところが、無知な編集長は論文そのものを削除してしまう。
この例でもわかるように、日本では編集能力に問題がある学術誌編集長がそこそこいる。編集長のほとんどは、その分野の大学教授がボランティアで、論文を執筆している。つまり、編集方法の訓練を受けていない。自分が論文投稿し、論文出版までの経験はあるだろうが、編集方法のノウハウを勉強しないと編集方法を習得できない。
出版規範委員会(COPE)の会員になり、しっかり勉強して欲しい。
未だに削除している学術誌(と編集長)をどの学術誌のどの人と指摘しないが、早急に、以下の医学中央雑誌刊行会のように改革すべきである。
撤回論文の扱い
医中誌データベースに収載された文献が、後日、何らかの理由により撤回された場合の扱いについて、数年にわたり検討を続けてきましたが、2007年10月に開催されました当会編集委員会において、データベースから削除せず、「撤回論文」と記載しデータとして残す、との結論を得ました。医中誌Webでは、論文標題の先頭及びAbstract(抄録)の冒頭に【撤回論文】と記載され、さらに、撤回情報がいつ、どのように告知されたかが明記されます。(撤回論文の扱い | 編集方針 | 医中誌DB情報 | 医学中央雑誌刊行会)
なお、撤回理由についても説明すべきである。
●8.【情報メモ】
- 出版規範委員会(Committee on Publication Ethics:COPE)のサイト:Promoting integrity in scholarly research and its publication | COPE: Committee on Publication Ethics
- J. パトリック・バロン(J. Patrick Barron)(東京医科大学名誉教授)監修:出版倫理とは | 【Ronbun.jp】医学論文を書く方のための究極サイト
- 2014 年:ウェイジャー, エリザベス:特定非営利活動法人UniBio Pressが和訳(訳者記載なし):情報管理、2014 年 57 巻 7 号 p. 443-450:出版倫理と情報管理の関わり The Committee on Publication Ethicsでの経験から
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日本がスポーツ、観光、娯楽を過度に追及する現状は日本の衰退を早め、ギリシャ化を促進する。今後、日本に飛躍的な経済の発展はない。科学技術と教育を基幹にした堅実・健全で成熟した人間社会をめざすべきだ。科学技術と教育の基本は信頼である。信頼の条件は公正・誠実(integrity)である。人はズルをする。人は過ちを犯す。人は間違える。その前提で、公正・誠実(integrity)を高め維持すべきだ。 ーーーーーー
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