2015年6月13日掲載、2026年4月28日(火)更新
最初に、AI川柳
- 新発見 蓋を開ければ コンタミン
(2009年に「慢性的疲労症候群の原因ウイルス(XMRV)を発見」と発表し脚光を浴びたが、結局は実験室内の汚染(コンタミネーション)による間違いだった) - ノート持ち 夜逃げ同然 手錠かな
(研究所を解雇された後、研究データやノートを持ち出したとして窃盗容疑で逮捕・起訴された) - 科学去り 陰謀論の ジャンヌ・ダルク
(科学界を追放された後、動画『プランデミック』などで反ワクチンや陰謀論の旗振り役となり、一部で熱狂的な支持を得た)
【長文注意】。マイコヴィッツの事件は大きく2つある。①1つ目は、2009~2011年の事件である。ウィッテモア・ピーターソン神経免疫病研究所・研究部長だった時に出版した「2009年10月のサイエンス論文」で、慢性疲労症候群(ME/CFS)の原因をXMRVウイルスとした。しかし、追試ができず、2年後に論文は撤回された。ネカト調査はされていないが、「間違い」(ウイルスのコンタミン)だったとされている。この事件は「The Scientist」誌の選んだ「2011年の大事件」の第2位になった。②2つ目は、その10年後の2000年、コロナ騒動の最中、著書と動画で反ワクチン運動の陰謀論を広めた、と世間から叩かれた事件である。「RealClearScience誌」の「2020年の最大ガラクタ科学」の第2位になった。国民の損害額(推定)は合わせて10億円(大雑把)。
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
4.日本語の解説
5.事件の経緯
《1》慢性疲労症候群
《2》大発見と否定
《3》窃盗罪
《4》反撃の裁判
《5》別のデータねつ造疑惑
《6》反ワクチン運動と陰謀論
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
9.主要情報源
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●1.【概略】
ジュディ・マイコヴィッツ(ジュディ・ミコヴィッツ、Judy Mikovits、Judy A Mikovits、写真出典)は、バージニア大学の学部卒業後、米国・NIH・国立がん研究所(NCI)のテクニシャンとして勤めた。勤務しながら研究博士号(PhD)を取得し、後に、NIH・国立がん研究所の部長まで昇進した。2001年、民間企業に移籍した。専門はウィルス学である。医師ではない。
マイコヴィッツの事件は大きく2つある。
1つ目は、2009~2011年に大騒動になった「2009年10月のサイエンス論文」の追試不能事件である。ゴタゴタの後、原因は「間違い」(コンタミン)だったとされた。論文は2年後に撤回された。
2つ目は、2000年、コロナ騒動の最中、著書と動画で反ワクチン運動に関与し、陰謀論を広めている(と世間から叩かれた)事件である。この事件は研究不正をメインに扱う白楽ブログの主旨から少し外れるので、記述は軽めにした。
まず、1つ目。
2009年(51歳)、マイコヴィッツは、ウィッテモア・ピーターソン神経免疫病研究所(Whittemore Peterson Institute For Neuroimmune Disease (WPI))・研究部長の時、原因不明の難病である慢性疲労症候群(ME/CFS)の患者の67%にXMRVウイルス(異種指向性マウス白血病ウイルス関連ウイルス、Xenotropic murine leukemia virus-related virus)を見つけたと「2009年10月のサイエンス論文」に発表した。つまり、病気の原因はXMRVウイルスだと示唆した。
この論文は200回以上も引用されたほど注目された。
しかし、誰もその結果を追試できなかった。大きな論争の後、マイコヴィッツ自身も追試できず、2011年9月、マイコヴィッツは論文の一部分を撤回した。
そして、出版から2年後の2011年12月22日、「サイエンス」誌は、編集部の判断で「2009年10月のサイエンス論文」を全部撤回した。
追試できない理由は、「間違い」(ウイルスのコンタミン)だったとされたが、「ねつ造・改ざん」かもしれない。
なお、「ねつ造・改ざん」疑惑の調査はされていない。
というのは、ウィッテモア・ピーターソン神経免疫病研究所は開所したばかりの小さな研究所で調査委員会を設けて調査する余裕はなかった。
ただ、2009年9月、5年間の研究計画に、160万ドル(約1億6千万円)のNIH研究費が採択されていた。この申請書に上記論文とそのデータが記載されていたハズだ。しかし、米国・研究公正局はネカト調査をした形跡はない。
2011年11月(53歳)、騒動の最中に、マイコヴィッツは鍵となる実験資料の引き渡しを拒み、ウィッテモア・ピーターソン神経免疫病研究所から実験ノート、パソコン、研究関連資料を不当に持ち出した。
これらは、ウィッテモア・ピーターソン神経免疫病研究所に所有権がある。そのことで、窃盗罪でカリフォルニア・ヴェンチュラ郡の自宅で逮捕され、一晩勾留された。
2つ目。
1つ目の騒動から10年経った2000年、日本もそうだが、世界中がコロナ大騒動の最中だった。
この渦中の2020年6月2日、マイコヴィッツは米国のコロナ対策の問題点を批判する464ページの著書・『Plague of Corruption (腐敗の疫病)』を出版した(表紙出典はアマゾン)。
著書は大きな関心を集め、発売してすぐの2020年6月8日、アマゾンのベストセラーの1位になった。
この著書は日本語に翻訳された。『ワクチン薬害』(伊藤裕幸・訳)(2023/1/26発売)(本の表紙出典はアマゾン)。
訳書の紹介は以下のようだ。
巨悪に立ち向かい、真実を暴こうとする科学者たちが、そこにいた―。
製薬会社と政府関係者たちは、自分たちの権力と利益を守るため、人々の命を脅かす医薬の真実を隠蔽し、科学を捻じ曲げ続けていた。この本は、それでもあらゆる困難に耐え、真実を求めて闘うマイコヴィッツ博士による、人類の未来を守るための一冊だ。(出典)
同時期にミッキー・ウィリス(Mikki Willis)が制作した動画『Plandemic(プランデミック):COVID-19の背後にある隠された計画(The Hidden Agenda Behind Covid-19)』にマイコヴィッツが登場し、米国のコロナ対策の裏に陰謀が渦巻いているという持論を展開した。
この動画は、2020年4月5日(5月4日?)に最初に公開されたが、爆発的に拡散された。
マイコヴィッツは著書と動画で反ワクチン運動に関与し(動画では、私は反ワクチン主義ではないと述べているけど・・・)、陰謀論を広めていると世間から叩かれ、すっかり悪者にされた。
つまり、2026年4月現在、マイコヴィッツは、慢性疲労症候群(ME/CFS)、ワクチン、コロナ COVID-19などで虚偽の主張をしてきた(している)とされている。
なお、マイコヴィッツは、事件①で「The Scientist」誌の選んだ「2011年の大事件」の第2位に、また、事件②で「RealClearScience誌」の「2020年の最大ガラクタ科学」の第2位に選ばれた。
ウィッテモア・ピーターソン神経免疫病研究所(Whittemore Peterson Institute For Neuroimmune Disease (WPI)) 写真出典
- 国:米国
- 成長国:米国
- 研究博士号(PhD)取得:ジョージ・ワシントン大学
- 男女:女性
- 生年月日:1958年4月1日
- 現在の年齢:68歳
- 分野:ウィルス学
- 不正疑惑論文発表:2009年(51歳)
- 不正疑惑論文発表時の地位:ウィッテモア・ピーターソン研究所の研究部長
- 発覚年:2011年(53歳)
- 発覚時地位:ウィッテモア・ピーターソン研究所の研究部長
- ステップ1(発覚):同じ分野の研究者たちが追試不能と指摘
- ステップ2(メディア):「Scientist」
- ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①学術誌・編集部
- 研究所・調査報告書のウェブ上での公表:なし。調査していない(
)
- 研究所の透明性:研究所はウェブ公表なし(?)。調査していない(
)
- 不正疑惑:「間違い」(ウイルスのコンタミン)。
- 不正疑惑論文数:1報撤回
- 時期:研究キャリアの後期
- 職:辞職
- 処分:なし
- 対処問題:
- 特徴:①事件後、研究所から無断で実験ノート持ち出し、逮捕。②公的なネカト調査なし。③「The Scientist」誌の選んだ「2011年の大事件」の第2位で、また、「RealClearScience誌」の「2020年の最大ガラクタ科学」の第2位という2つの大事件の主人公。
- 日本人の弟子・友人:不明
【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は10億円(大雑把)。
●2.【経歴と経過】
主な参照サイト:①:Judy A. Mikovits CV、②:Judy A. Mikovits CV 2024 PUBLIC、③ウィキペディア英語版:Judy Mikovits Wikipedia
- 生年月日:1958年4月1日
- 1980年(22歳):バージニア大学(University of Virginia)を卒業。学士号:化学
- 1988 -1991年(30 -33歳):NIH・国立がん研究所(NCI)(メリーランド州フレデリック)のフランシス・ルセッティ(Francis Ruscetti)研究室のテクニシャン
- 1991年(33歳):米国・ジョージ・ワシントン大学(George Washington University)で研究博士号(PhD)取得:生化学。論文タイトル「HIV Latency and mechanisms of Immune activation In Monocytes」
- 1992 – 1994年(34 – 36歳):NIH・国立がん研究所(NCI)のポスドク。Laboratory of Genomic Diversity, National Cancer Institute with David Derse, Ph.D.
- 1994 – 1998年(36 – 40歳):NIH・国立がん研究所(NCI)の研究員
- 1999 – 2001年(41 – 43歳):NIH・国立がん研究所(NCI)・「抗ウイルス薬メカニズム(Antiviral Drug Mechanisms)」部・部長。
- 2001年(43歳):結婚し、NIH・国立がん研究所を退職し、東海岸から西海岸のカリフォルニアに引っ越した
- 2001 – 2006年(43 – 48歳):EpiGenX Pharmaceuticals社、がん生物学部・部長
- 2006 – 2011年(48 – 53歳):ウィッテモア・ピーターソン神経免疫病研究所(Whittemore Peterson Institute For Neuroimmune Disease (WPI))、研究部長
- 2006 – 2012年(48 – 54歳):兼任で、Genyous Biomed社、上級科学者/コンサルタント
- 2009年10月(51歳):後で問題視される「2009年10月のサイエンス論文」を出版
- 2011年(52歳):多くの研究者が「2009年10月のサイエンス論文」の追試ができない
- 2011年11月(53歳):「2009年10月のサイエンス論文」の 結論が否定された
- 2011年11月18日(53歳):研究所から実験ノートなどを持ち出し、窃盗罪で逮捕された
- 2011年12月23日(53歳):「2009年10月のサイエンス論文」が撤回
- 2012 – ?年(54- ?歳):York Bridge Capital社、相談役
- 2013 – ?年(55- ?歳): MAR Consulting社、創業者/コンサルタント
- 2020年4月5日(5月4日?)(62歳):動画『Plandemic(プランデミック):COVID-19の背後にある隠された計画(The Hidden Agenda Behind Covid-19)』で持論を展開。動画は爆発的に拡散された
- 2020年6月2日(62歳):著書・『Plague of Corruption: Restoring Faith in the Promise of Science (Children’s Health Defense)』を出版し、ベストセラーになる
- 2026年4月27日(67歳)現在:?
●3.【動画】
以下は事件の動画ではない。
【動画1】:2009年
「ジュディ・マイコヴィッツ」と紹介。インタビュー動画:「Dr. Judy Mikovits: Faith, Courage & Breakthrough – YouTube」(英語)28分30秒。
Nevada Newsmakersが2009/10/08?に公開
以下の画像をクリック。出てきた画像をさらにクリック。宣伝の後、3分11秒頃から始まる。
【動画2】:2025年
「ジュディ・マイコヴィッツ」と紹介。インタビュー動画:「Dr. Judy Mikovits: Faith, Courage & Breakthrough – YouTube」(英語)28分31秒。
Christian Television Network(チャンネル登録者数 2.84万人 ) が2025/08/26 に公開
【動画3】:2025年
インタビュー動画:「Preventing the Next Pandemic ? The Measures We Must Take – Judy Mikovits – YouTube」(英語)2分58秒。
London Real(チャンネル登録者数 225万人 ) が2025/12/04に公開
【動画4】:2011年
「Whittemore Peterson Institute・・・」を「ウィッテモア・ピーターソン・・・」と紹介。インタビュー動画:「MECFS Alert Episode 4 – Annette Whittemore, President of the Whittemore Peterson Institute – YouTube」(英語)13分21秒。
ME/CFS Alert(チャンネル登録者数4170人 ) が2011/08/02 に公開。以下クリック。
https://www.youtube.com/watch?v=Cok-NEgBl2c
●4.【日本語の解説】
★2011年10月22日の「5 STRINGS」の日本語記事:Dr. Judy Mikovits | 5 STRINGS – Part 2、リンク切れ
★ウィキペディア日本語版:ジュディ・マイコヴィッツ Wikipedia
ジュディ・アン・マイコヴィッツ(英語:Judy Anne Mikovits、1958年4月1日[1]– )は、アメリカ合衆国の元研究者。ウイルス学者、生化学者。
日本においては、ジュディ・ミコヴィッツ(英語表記は同じ)という表記も見られる。2006年から2011年までホイットモア・ピーターソン研究所で主任研究員を務めた。
続きは、原典をお読みください。
●5.【事件の経緯】
●【慢性疲労症候群】
★慢性疲労症候群とは
以下は「慢性疲労症候群 – Wikipedia」からの引用です。
慢性疲労症候群(まんせいひろうしょうこうぐん、英: Chronic Fatigue Syndrome、CFS)は、原因不明の強い疲労が長期間(一般的に6ヶ月以上)に及び継続する病気である。筋痛性脳脊髄炎(Myalgic Encephalomyelitis、ME)、 ウイルス感染後疲労症候群(Post-Viral Fatigue Syndrome、PVFS)とも呼ばれる。また重篤度が伝わらない・慢性疲労と区別がつきにくいということから、Chronic Fatigue and Immune Dysfunction Syndrome(慢性疲労免疫不全症候群、CFIDS)という呼称をアメリカ患者団体が利用してもいる。
日本では人口の0.3%にあたる約36万人がCFSを罹患していると推定されているが、認知度の低さにより、適切な診断を受けていないか、うつ病・神経症・更年期障害・自律神経失調症等に誤診されている患者が多いと思われる。
CFSの機序・病原については、国内外とも、生理学・疫学的な研究を含む多くの研究がされているがはっきりしない。
発症要因と考えられたものには以下のようなものがある(患者により異なる)
・ 風邪、 発熱 (インフルエンザ等)
・ ストレス、 トラウマ
・ 感染症(細菌、真菌、ウイルス)
・ 外傷
・ その他 (化学物質、 紫外線、 アレルギー、外科手術、 出産 、遺伝、環境 など)
上記に、以下のような患者の「身体的な異常」が重なっていると考えられている。
・ 遺伝子異常
・ サイトカイン(免疫)異常
・ ホルモン(内分泌系)異常
・ 脳・神経系の異常
★大富豪ウィッテモア家の娘・アンドレア(Andrea Whittemore)
ハーヴェイ・ウィッテモア(Harvey Whittemore、1952年8月17日生まれ)は、ネバダ州のリノ (Reno)を地盤とする実業家で大金持ちである。
ウィッテモア一家。夫妻(アネットとハーヴェイ)(Annette and Harvey Whittemore)には5人の子供がいる。左から3人目がハーヴェイで4人目がアネット。後列の右から2人目が娘・アンドレアで、他は子供とその配偶者と父親。2008年。写真出典。
右の写真(出典、リンク切れ)は、友人の結婚式に参加する若々しい未婚時代のアネット(右)とハーヴェイ(左)。2人が結婚する半年前の1973年1月。ハーヴェイはネバダ大学の法学部生(prelegal)、アネットは教育学部生(elementary/special education)だった。
以下は、2014年3月16日のコート・ジョンソン(Cort Johnson)の記事から写真と文章を修正引用した(Persisting Without Exception: An Interview with Andrea Whittemore-Goad – Health Rising)。
ウィッテモア夫妻の娘のアンドレア(Andrea Whittemore-Goad、左の写真は36歳の時)は、10歳の時(11歳、12歳との記述もある)、扁桃腺を取り除く手術の後、慢性疲労症候群(ME/CFS)になってしまった。
慢性疲労症候群(ME/CFS)で、認識能力は劇的に悪化した。
また、それ以来、ウイルス髄膜炎、インフルエンザA、ヘモフィルスB、サルモネラ菌、バベシア、クリプトスポリジウム、マイコプラズマ肺炎、再活性化ウイルのヘルペスHSV-1、EBV、hhv-6a、hhv-7の感染症にかかった。
ウィッテモア夫妻は、あちこちの病院の門をたたいたが、慢性疲労症候群(ME/CFS)の認知度が低いこともあり、どの医師も相手にしてくれなかった。
2001年頃、ダニエル・ピーターソン(Daniel Peterson)医師がまともに応対してくれた最初の医師だった。ピーターソン医師がアムプリジェン(Ampligen)を処方してくれた時、症状が初めて改善した。ピーターソン医師に巡り合うのに10年間さまよった。
ピーターソン医師のおかげで、アンドレアはヨガ・インストラクターになれ、地元の幼稚園や小学校の放課後クラスをもつことができた。また、2009年、ブライアンとも結婚できた(写真)。
アムプリジェン(Ampligen)は、2本鎖RNAの免疫調節薬で、フィラデルフィアにあるヘミスフェファークス・バイオファーマ社(Hemispherx Biopharma)という1990年設立の小さな製薬会社が製造していた。
ところが、2009年12月、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、慢性疲労症候群(ME/CFS)の治療薬としてアンプリジェンを認可しなかった。(FDA rejects Hemispherx’s chronic fatigue drug Ampligen – Philadelphia Business Journal)
アンドレアは8年間もアムプリジェン(Ampligen)を服用してきたが、薬が入手できなくなり、毎日、発作に襲われるようになった。
結局、無認可だが効果のある別の薬を見つけたのだが、代謝的アシドーシスになり、その薬を止めざるを得なかった。
★ウィッテモア・ピーターソン神経免疫病研究所(Whittemore Peterson Institute For Neuroimmune Disease (WPI))
ウィッテモア夫妻(アネットとハーヴェイ)(Annette and Harvey Whittemore、2013年。写真出典、リンク切れ)
上記したように、慢性疲労症候群のアンドレアの両親は大富豪のウィッテモア夫妻(アネットとハーヴェイ)だった。
2001年頃、ピーターソン医師が治療薬としてアムプリジェン(Ampligen)を処方してくれた。アンドレアの症状は劇的に回復したが、アムプリジェンは無認可薬であった。2009年12月、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、アンプリジェンを認可しなかった。
一方、医学者たちは慢性疲労症候群の研究をほとんどせず、製薬企業は新薬の開発をしなかった。
業を煮やしたウィッテモア夫妻は、自分たちで何とかしようと立ち上がった。
自分の娘だけではない。全米で数百万人もいる慢性疲労症候群(ME/CFS)患者の医学研究を推進してもらうため、この病気を世間に知らしめるために立ち上がったのだ。
2005年、5百万ドル(約5億円)を寄贈し、専門医のダニエル・ピーターソン(Daniel Peterson)と共に、母校・ネバダ大学の1機関として、ウィッテモア・ピーターソン神経免疫病研究所(Whittemore Peterson Institute For Neuroimmune Disease (WPI))を開設した。
ウィッテモア・ピーターソン神経免疫病研究所(Whittemore Peterson Institute For Neuroimmune Disease (WPI)) 写真出典
ネバダ大学の援助、他からの寄付や資金で、1千万ドル(約10億円)のお金を集めていた。研究所長(President)に夫人のアネット・ウィッテモアが就任した。
2006年春(48歳)、アネット・ウィッテモア所長は「ヒトヘルペス・ウイルス-6(HHV-6)基金会議」でマイコヴィッツを紹介された。マイコヴィッツは2001年に結婚した時、東海岸のNIH・国立がん研究所(NCI)を退職し、西海岸のカリフォルニアに引っ越していた。
アネット・ウィッテモア所長とピーターソン医師は、共に、慢性疲労症候群の原因は感染性病原体(ウイルス)だと信じていた。
ウイルスが専門のマイコヴィッツは、創設されたばかりのウィッテモア・ピーターソン神経免疫病研究所に適任だった。
2006年春(48歳)、アネット・ウィッテモア所長はマイコヴィッツに研究部長への就任を依頼した。
2006年春(48歳)、ジュディ・マイコヴィッツ(Judy Mikovits)研究部長は、研究を開始した。マイコヴィッツの使命は、慢性疲労症候群の原因ウイルスを突き止めることだった。
●【大発見と否定】
2007年(49歳)、マイコヴィッツ(写真出典)は、学会でXMRVウイルスの専門家ロバート・シルヴァーマン(Robert Silverman)に会い、共同研究する段取りを取り付けた。
なお、XMRVウイルスは異種指向性マウス白血病ウイルス関連ウイルス – Wikipedia(Xenotropic murine leukemia virus-related virus)のことである。
マイコヴィッツは、慢性疲労症候群患者から採取した血液サンプルにXMRVウイルスがあるだろうと考え、ロバート・シルヴァーマンの協力とポスドクのロンバルディ(Lombardi VC)とともに、研究を軌道に乗せていった。
2008年暮(50歳)、ようやく、ポスドクのロンバルディが20サンプル中の2サンプルが陽性だと報告してきた。この発見を生かすべく、その後いろいろ試行錯誤を重ね、測定法を工夫し、最終的に、全サンプルが陽性という結果が得られたのである。
大発見である。
2009年10月、マイコヴィッツは、慢性疲労症候群(ME/CFS)患者の67%にXMRVウイルスが見つかったと、「2009年10月のサイエンス論文」に発表した。つまり、慢性疲労症候はXMRVウイルスが原因だとしたのである。
- Detection of an infectious retrovirus, XMRV, in blood cells of patients with chronic fatigue syndrome.
Lombardi VC, Ruscetti FW, Das Gupta J, Pfost MA, Hagen KS, Peterson DL, Ruscetti SK, Bagni RK, Petrow-Sadowski C, Gold B, Dean M, Silverman RH, Mikovits JA.
Science. 2009 Oct 23;326(5952):585-9. doi: 10.1126/science.1179052. Epub 2009 Oct 8.
画期的である。
欧米の患者は歓喜した。科学的な謎が解けたと思った。
症状の緩和を願う何千人もの患者がマイコヴィッツの応援・支援に駆けつけた。 → 2009年11月11日記事:New Center for Chronic Fatigue Syndrome Makes Big Discovery – The New York Times
2010年9月(52歳)、C型肝炎ウイルス発見で2000年にラスカー・ドゥベーキー臨床医学研究賞、2020年にノーベル生理学・医学賞を受賞したNIHのハーベイ・オルター(Harvey Alter、写真出典)も、マイコヴィッツの「2009年10月のサイエンス論文」を支持する「2010年9月のPNAS論文」を発表した。
- Detection of MLV-related virus gene sequences in blood of patients with chronic fatigue syndrome and healthy blood donors.
Lo SC, Pripuzova N, Li B, Komaroff AL, Hung GC, Wang R, Alter HJ.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2010 Sep 7;107(36):15874-9. doi: 10.1073/pnas.1006901107. Epub 2010 Aug 23. Erratum in: Proc Natl Acad Sci U S A. 2010 Nov 2;107(44):19132. Retraction in: Proc Natl Acad Sci U S A. 2012 Jan 3;109(1):346.
ところが、その後、事態が暗転していく。
オランダ・イギリス・日本で追試した結果、慢性疲労症候群(ME/CFS)患者にXMRVウイルスは見つからなかった。
最終的には、マイコヴィッツが陽性とした患者の血液サンプルにも見つからなかった。
徐々に述べていこう。
2011年3月(52歳)、欧州の研究者たちは、患者にXMRVウイルスが見つからなかったと報告した。
「マイコヴィッツの2009年サイエンス論文」を支持する「2010年9月のPNAS論文」を発表したXMRVウイルス専門家のロバート・シルヴァーマン(Robert Silverman)は、XMRVウイルスはコンタミン(細胞に汚染していた)かもしれないと言い出した。 → Chronic fatigue syndrome: Paper linking CFS to retrovirus in doubt as evidence mounts – Chicago Tribune リンク切れ。代わりに → 2019年8月19日記事:Research casts doubt on theory of cause of chronic fatigue | Chicago Tribune
2011年5月(53歳)、レトロウイルスXMRVの起源が明らかになり、起源から考えて、XMRVが慢性疲労症候群(CFS)の原因である可能性はとても低いという論文が発表された(2011年6月8日記事:XMRVの起源解明、ヒト疾患との関連が否定される | 海外癌医療情報リファレンス)。
そして、決定的な以下の論文が発表された。
2011年11月(53歳)、NIHがオーガナイズした全米研究班が、「マイコヴィッツの2009年サイエンス論文」に否定的な結論をサイエンス誌に発表した。この研究班は、マイコヴィッツを含め、「マイコヴィッツの2009年サイエンス論文」に肯定的だった他の2研究室も加わった研究結果だった。
- Failure to confirm XMRV/MLVs in the blood of patients with chronic fatigue syndrome: a multi-laboratory study.
Simmons G, Glynn SA, Komaroff AL, Mikovits JA, Tobler LH, Hackett J Jr, Tang N, Switzer WM, Heneine W, Hewlett IK, Zhao J, Lo SC, Alter HJ, Linnen JM, Gao K, Coffin JM, Kearney MF, Ruscetti FW, Pfost MA, Bethel J, Kleinman S, Holmberg JA, Busch MP; Blood XMRV Scientific Research Working Group (SRWG).
Science. 2011 Nov 11;334(6057):814-7. doi: 10.1126/science.1213841. Epub 2011 Sep 22.
なお、「2010年9月のPNAS論文」でマイコヴィッツの結論を支持したハーベイ・オルター(Alter HJ、後のノーベル生理学・医学賞を受賞者)も研究班に加わっていた。
2012年1月、ハーベイ・オルターは、マイコヴィッツの研究論文を肯定した「2010年9月のPNAS論文」を撤回した。
●【3.窃盗罪】
2011年10月(53歳)、「マイコヴィッツの2009年サイエンス論文」の大成功が否定的になった時期、マイコヴィッツはウィッテモア・ピーターソン神経免疫病研究所を解雇された。
しかし、自力で何とか研究を続けたいマイコヴィッツは、ウィッテモア・ピーターソン神経免疫病研究所に所有権がある実験ノート、パソコン、研究関連資料を研究所から勝手に持ち出した。
2011年11月18日(53歳)、マイコヴィッツはカリフォルニア・ヴェンチュラ郡の自宅で逮捕され、一晩、刑務所に勾留された。研究関連記録・資料の窃盗罪である。
2011年11月(53歳)、研究所はマイコヴィッツを窃盗罪で裁判所に訴えた。
2011年11月28日(53歳)、マイコヴィッツは実験ノートなどをウィッテモア・ピーターソン神経免疫病研究所に返却した。
2012年6月11日(53歳)、マイコヴィッツは、窃盗罪を免訴された(Criminal Charges Dropped Against Chronic Fatigue Syndrome Researcher Judy Mikovits | Science/AAAS | News)。 → Criminal charges against Judy Mikovits have been dropped – My News 4 – KRNV, Reno, NV
●【4.反撃の裁判】
2014年11月24日(55歳)、マイコヴィッツは、今度は逆に、ウィッテモア・ピーターソン研究所を損害賠償で裁判所に訴えた。
事件番号(Case 3:14-cv-02797-BEN-WVG)
原告:ジュディ・マイコヴィッツ(Judy Mikovits)
被告:ウィッテモア・ピーターソン研究所(Whittemore Peterson Institute)
以下は「撤回監視(Retraction Watch)」が情報公開法で得た法廷文書(2014年11月24日)の冒頭部分(出典:同)。全文(17ページ)は → https://retractionwatch.com/wp-content/uploads/2015/05/mikovits-complaint.pdf

2015年6月15日(56歳)、マイコヴィッツは、実際は、法廷で争わず、免訴になった。免訴の理由は、マイコヴィッツが訴状を送らなかったためである。
以下は「撤回監視(Retraction Watch)」が情報公開法で得た2法廷文書(2015年5月12日)の冒頭部分(出典:同)。全文(1ページ)は → https://retractionwatch.com/wp-content/uploads/2015/06/mikovits-dismissal.pdf

●【5.別のデータねつ造疑惑】
2011年10月5日(53歳)、ハイジ・レッドフォード(Heidi Ledford)の「Nature」記事によると、以下のデータねつ造疑惑も出てきた(Integrity issue follows fired researcher : Nature News、doi:10.1038/news.2011.574)
オクラホマ大学のウイルス学専攻の大学院生アビー・スミス(Abbie Smith)は、マイコヴィッツの「2009年10月のサイエンス論文」(上記の問題論文)の画像が別論文で再利用された、と指摘した。
マイコヴィッツは、「2009年10月のサイエンス論文」の画像を、2011年9月オタワで開催の「慢性疲労症候群/筋痛症脳脊髄炎の国際会議(International Association for Chronic Fatigue Syndrome/Myalgic Encephalomyelitis)」で、別の名称で使用していた。
詳しく書くと、「2009年10月のサイエンス論文」の図2cはウイルスのタンパク質・p30の発現の画像だが、その同じ画像を、化合物・アザシチジン(azacytidine)を添加した時に発現が活性化されたタンパク質の画像として使用していた。画像のラベルを変え、さらに患者番号も異なる図にして使用した。
下図はハイジ・レッドフォード(Heidi Ledford)の「Nature」記事からの引用である。上図と下図は全く同じ画像なのにラベルが異なっている。患者番号の1235、1236は別の番号2905、1674になっている。
「2009年10月のサイエンス論文」は、2011年9月に部分撤回、2011年12月22日に全面撤回されるのだが、2011年の学会発表は、単なる再利用(盗用の1種)というより、データねつ造である。
●【6.反ワクチン運動と陰謀論】
こうした経緯の後でも、しかし、ジュディ・マイコヴィッツ(Judy Mikovits、写真出典)は、慢性疲労症候群の原因はXMRVウイルスだと信じていた。
多くの研究者が自分のキャリアを台無しにしようと企んで、自分の大発見をウソだと決めつけていると思い込んだ。
それから、10年が経過した。
「2009年10月のサイエンス論文」騒動から、マイコヴィッツは再び蘇った。
2019年11月22日に中国でウイルス性肺炎が見つかり、世界中で大騒動となった新型コロナウイルスは、2020年1月30日から約3年3か月、大騒動が続いた。

コロナ大騒動の初期(2020年6月2日)にマイコヴィッツは反ワクチン運動を展開し、464ページの著書・『Plague of Corruption(腐敗の疫病)』を出版した(表紙出典はアマゾン)。
著書は大きな関心を集め、発売してすぐの2020年6月8日、アマゾンのベストセラーリストで1位になった。
日本語にも翻訳された。370ページの『ワクチン薬害』(伊藤裕幸・訳)は2023年1月26日に発売された(本の表紙出典はアマゾン)。
訳書の紹介は以下のようだ。
巨悪に立ち向かい、真実を暴こうとする科学者たちが、そこにいた―。製薬会社と政府関係者たちは、自分たちの権力と利益を守るため、人々の命を脅かす医薬の真実を隠蔽し、科学を捻じ曲げ続けていた。この本は、それでもあらゆる困難に耐え、真実を求めて闘うマイコヴィッツ博士による、人類の未来を守るための一冊だ。(出典)
また、同時期にミッキー・ウィリス(Mikki Willis)が制作した動画『Plandemic(プランデミック):COVID-19の背後にある隠された計画(The Hidden Agenda Behind Covid-19)』にマイコヴィッツが登場し、「必要なのは、健康な免疫システムを持つことです。ワクチンは必要ありません」と反ワクチンの陰謀論を展開した。
この動画(https://www.youtube.com/watch?v=PPOIaPxMwMQ)は、2020年 4月5日(5月4日?)に最初に公開されたが、爆発的に拡散された。しかし、悪影響が甚だしいので、ほとんどのウェブサイトから削除された。
https://www.youtube.com/watch?v=PPOIaPxMwMQ
しかし、2025/12/02にアップした動画が見つかったので、以下に貼り付けた。
ミッキー・ウィリスが質問し、マイコヴィッツが淡々と答えている動画だが、「製薬会社と政府関係者たちは、自分たちの権力と利益を守るため、人々の命を脅かす医薬の真実を隠蔽し、科学を捻じ曲げ続けていた」という説明は、かなり説得力がある。
なお、動画の中で、マイコヴィッツは、自分は反ワクチン派ではないと述べている。
動画では、国立アレルギー・感染症研究所の所長でホワイトハウスのコロナウイルス対策本部メンバーでもあるアンソニー・ファウチ(Anthony S. Fauci)などの著名な科学者たちを、金儲けを優先している医学者だと非難している。
『Plandemic(プランデミック)』はミッキー・ウィリスが制作した以下の3部作である。問題が多すぎるという理由で、現在は、ウェブサイトから削除されていることになっている。
・「プランデミック:COVID-19の背後にある隠された計画(The Hidden Agenda Behind Covid-19)」2020年5月4日
・「プランデミック教化(Plandemic Indoctornation)」2020年 8月18日
・「プランデミック3:大覚醒(The Great Awakening)」2023年6月3日
新型コロナウイルス感染症の対応策を講じている有力な医師や専門家たちは、邪悪な目的のために反対意見を封じ込め、国民を欺いている、とマイコヴィッツは、著者と動画の両方で非難した。
裕福な人々がワクチン接種率を高めるために意図的にウイルスを拡散させている。マスクの着用は有害だとも主張した。
マイコヴィッツの主張は、困ったことに、最も拡散されたコロナに関する誤情報の1つにされた。 →2020年6月1日記事:MIT Tech Review: 拡散止まぬ新型コロナ陰謀論、ソーシャルメディア大手は削除急ぐ
●6.【論文数と撤回論文とパブピア】
★パブメド(PubMed)
2026年4月27日現在、パブメド(PubMed)で、ジュディ・マイコヴィッツ(Judy Mikovits、Judy A Mikovits)の論文を「Judy Mikovits[Author]」で検索した。この検索方法だと、2002年以降の論文がヒットするが、2002~2012年の11年間の18論文がヒットした。
「Mikovits JA」で検索すると、1986~2012年の27年間の34論文がヒットした。
2026年4月27日現在、「Retracted Publication」のフィルターでパブメドの論文撤回リストを検索すると、本事件の「2009年10月のサイエンス論文」・1論文が撤回されていた。
- Detection of an infectious retrovirus, XMRV, in blood cells of patients with chronic fatigue syndrome.
Lombardi VC, Ruscetti FW, Das Gupta J, Pfost MA, Hagen KS, Peterson DL, Ruscetti SK, Bagni RK, Petrow-Sadowski C, Gold B, Dean M, Silverman RH, Mikovits JA.
Science. 2009 Oct 23;326(5952):585-9. doi: 10.1126/science.1179052. Epub 2009 Oct 8.
★撤回監視データベース
2026年4月27日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースで、ジュディ・マイコヴィッツ(Judy Mikovits、Judy A Mikovits)を「Mikovits」で検索すると、本事件の「2009年10月のサイエンス論文」・1論文が懸念表明、訂正、そして2011年12月23日に撤回されていた。
★パブピア(PubPeer)
2026年4月27日現在、「パブピア(PubPeer)」では、ジュディ・マイコヴィッツ(Judy Mikovits、Judy A Mikovits)の論文のコメントを「authors:”Judy A Mikovits” OR authors:”Judy Mikovits”」で検索すると、1999~2009年(41~51歳)の4論文にコメントがあった。
●7.【白楽の感想】
《1》ウィッテモア・ピーターソン神経免疫病研究所
ハーヴェイ・ウィッテモア(Harvey Whittemore、写真出典)は自分の娘の病気を治すために、5億円を寄付して研究所を造った。
金持ちでなければできないけど、日本にも大金持ちはかなりいる。
しかし、自分で研究所を造るなんて、あまり聞いたことがない。どうしてなのだろうか?
米国は社会がフレキシブルで変化しやすい。新たな歴史を作る文化がある。日本は社会が変化しにくい。新たな歴史を作りにくい。
白楽も日本の歴史の1ぺージになるよう、5億円寄付して、「ハクラク研究者倫理」研究所を作ろうかなあ。腐るほどお金があればですけど。
《2》追試不能論文
「2009年10月のサイエンス論文」の追試不能だった原因はなんだったのだろうか? 公式には、原因が追究されていない。
大学院生アビー・スミスが指摘した画像の疑惑もある。
追試不能の原因はXMRVウイルスのコンタミンに気が付かなかったこと、つまり「間違い」で処理されているが、本当のところは、「2009年のサイエンス論文」は13人いる共著者の誰かがデータねつ造した(XMRVウイルスを試料に投入した)のではないだろうか?
コンタミンに気が付かないで論文発表してしまったのは表の言い訳だろう。こんなお粗末さで「Science」論文になるとは考えにくい。
それにしても、マイコヴィッツは非難されていない。「2009年のサイエンス論文」の追試不能の原因に誠実に対処していたためだろうか?
確かに、論文発表2年後には自分の論文を否定する論文も出し、誠実に対処している。それに、白楽はお会いしたことはないが、多分、人柄が良いのだろう。
ジュディ・マイコヴィッツ(Judy Mikovits、写真出典)
《3》AI川柳
- 新発見 蓋を開ければ コンタミン
(2009年に「慢性的疲労症候群の原因ウイルス(XMRV)を発見」と発表し脚光を浴びたが、結局は実験室内の汚染(コンタミネーション)による間違いだった) - ノート持ち 夜逃げ同然 手錠かな
(研究所を解雇された後、研究データやノートを持ち出したとして窃盗容疑で逮捕・起訴された) - 科学去り 陰謀論の ジャンヌ・ダルク
(科学界を追放された後、動画『プランデミック』などで反ワクチンや陰謀論の旗振り役となり、一部で熱狂的な支持を得た)
●9.【主要情報源】
①ウィキペディア日本語版:ジュディ・マイコヴィッツ – Wikipedia
② ウィキペディア英語版:Judy Mikovits – Wikipedia
④ 2011年10月3日のアイヴァン・オランスキー(Ivan Oransky)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:Why didn’t XMRV-chronic fatigue syndrome researcher Mikovits ? now fired ? share data with Science? ? Retraction Watch
④ 2011年11月19日のアイヴァン・オランスキー(Ivan Oransky)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:Chronic fatigue syndrome researcher Judy Mikovits arrested ? Retraction Watch
④ 2012年6月16日のアイヴァン・オランスキー(Ivan Oransky)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:Catching up: Charges against CFS-XMRV researcher Mikovits dropped, ‘gyres’ author Andrulis publishes another paper ? Retraction Watch
④ 2014年3月11日のアイヴァン・オランスキー(Ivan Oransky)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:Chronic fatigue syndrome researcher Mikovits, who championed link to XMRV, to publish book ? Retraction Watch
④ 2015年6月9日のアイヴァン・オランスキー(Ivan Oransky)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:About-to-be-dismissed lawsuit reveals details of chronic fatigue syndrome-XMRV research fiasco ? Retraction Watch
④ 2018年12月8日(2020年5月6日更新)のアレックス・カスプラク(Alex Kasprak)記者の「Snopes」記事:Was a Scientist Jailed After Discovering a Deadly Virus Delivered Through Vaccines? | Snopes.com
④ 2020年5月6日のアイヴァン・オランスキー(Ivan Oransky)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:Who is Judy Mikovits? ? Retraction Watch
③ 2020年5月8日のマーティン・エンセリンク(Martin Enserink)とジョン・コーエン(Jon Cohen)記者の「Science」記事: Fact-checking Judy Mikovits, the controversial virologist attacking Anthony Fauci in a viral conspiracy video | Science | AAAS
③ 2020年5月8日のケイティ・シェパード(Katie Shepherd)記者の「Washington Post」記事: Who is Judy Mikovits, star of the viral coronavirus conspiracy film “Plandemic,” banned by Facebook and others as harmful and misleading – The Washington Post
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★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。
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