「セクハラ」:クラウディオ・ソアレス(Claudio Soares)(カナダ)

ワンポイント:研究ネカトではない。医師・教授のセクハラ・性的暴力を考える

【概略】
75601クラウディオ・ド・ノヴァエス・ソアレス(Claudio de Novaes Soares、写真出典)は、ブラジル出身で、カナダのマックマスター大学・医学部(McMaster University)の準教授、オンタリオ州の登録医師になった(College of Physicians and Surgeons of Ontario)。専門は、精神科である。

2012年8月7日、メディアは、ソアレスが女性患者に性的暴力をしたと報道した。
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今回は大学教員・研究者・医師絡みのセクハラ(含・性的暴力)を扱う。研究ネカトや研究クログレイではなく、研究そのものの問題ではないが、研究関連の犯罪である。

なお、この記事では、セクハラを、立場を利用した性的いやがらせの言動と定義し、行為は、最も軽い「見つめる」レベルから最も重い「レイプ」までを含める。

拙著(白楽ロックビル(2011):『科学研究者の事件と倫理』、講談社、東京: ISBN 9784061531413)に記したように、日本の学術界で最も多い事件はセクハラである。ほとんど誰も指摘しないが、しかも、セクハラは研究関連特性が高く、研究関連犯罪である。

主な加害者・被害者は以下の2つである。

  1. 医師(男性)の患者(女性)へのセクハラ
  2. 教授(男性)の学生・院生(女性)へのセクハラ

欧米では、大学教員・研究者・医師絡みのセクハラをどうとらえているのか? 「クラウディオ・ソアレス(Claudio Soares)(カナダ)」事件を理解しながら考えよう。
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マックマスター大学(McMaster University)

  • 国:カナダ
  • 成長国:ブラジル
  • 研究博士号(PhD)取得:ブラジルのサンパウロ大学(USP)
  • 男女:男性
  • 生年月日:不明。写真の印象から、仮に、1970年1月1日とする
  • 現在の年齢:54歳?
  • 分野:精神医学
  • セクハラ行為期間:2007年11月~2009年5月(37~39歳?)
  • 事件発覚年:2012年(42歳?)
  • 発覚時地位:カナダのマックマスター大学・医学部(McMaster University)・準教授
  • 発覚:不明
  • 調査:①オンタリオ州医師会・懲罰委員会
  • 不正:セクハラ
  • 不正数:1人
  • 時期:研究キャリアの中期
  • 結末:辞職

【経歴と経過】

  • dr-claudio-soares生年月日:不明。仮に、1976年1月1日とする。ブラジルで生まれる
  • 19xx年(xx歳):xx大学を卒業
  • 19xx年(xx歳):ブラジルのサンパウロ大学(USP)で研究博士号(PhD)取得。精神神経内分泌学
  • xxxx年(xx歳):米国・マサチューセッツ総合病院(MGH)、ハーバード大学・医学部でポスドク
  • 2004年(xx歳):カナダのマックマスター大学・医学部(McMaster University)・準教授
  • 2012年8月7日(xx歳):セクハラがメディアに報道される
  • 2012年9月1日(xx歳):カナダのアルバータ大学(University of Alberta)・精神科・教授
  • 2012年9月24日頃(xx歳):アルバータ大学を辞職

【セクハラ事件の経緯】

★セクハラ事件が公表

2012年6月14日、ソアレスは、マックマスター大学・医学部(McMaster University)・準教授から、アルバータ大学(University of Alberta)・精神科・教授への移籍が決定した。

2012年8月7日、ソアレスのセクハラ事件が公表された。ソアレスは、2007年11月~2009年5月、女性患者(患者Aと呼ぶ)に、性的な発言、キス、セックスをしたとされた。ソアレスは否定している。

4年以前のセクハラ事件が表沙汰になったのは、教授選と関連があるかもしれない。対抗馬が暴露、でっち上げたのかもしれない。そういう憶測は記事にならないので、何も書かれていない。

2012年8月7日、オンタリオ州医師会は、ソアレスのオンタリオ州での医師登録を抹消した。

オンタリオ州医師会(College of Physicians and Surgeons of Ontario)・懲罰委員会が調査に乗り出した(PDF:soares-notice-004)。

2012年9月1日、ソアレスのアルバータ大学(University of Alberta)・精神科・教授の採用が発令された。しかし、ソアレスはセクハラ事件の公表を知るにおよんで、アルバータ大学を2012年9月24日頃辞任した。

動画。2012年9月11日の記事中の動画サイトをクリックすると宣伝の後でCBCニュースが始まる
Sexual misconduct allegation」、(英語)2分:14秒

★オンタリオ州医師会・懲罰委員会:2015年1月

2015年1月12-16日と1月26-30日、オンタリオ州医師会・懲罰委員会がトロントで行なわれた(Dr. Claudio de Novaes Soares faces hearing for sex abuse allegations – Latest Hamilton news – CBC Hamilton)。

有罪なら、懲戒処分で、3万5千ドルの罰金、医師免許登録抹消となる。

542-soaresjpg_jpg_size_xxlarge_promoクラウクラウディオ・ド・ノヴァエス・ソアレス(Claudio de Novaes Soares)

2015年1月26日、オンタリオ州医師会・懲罰委員会は、ソアレスを無罪とした。(①Dr. Claudio Soares cleared of sexual misconduct in Ontario – Edmonton – CBC News、②Charges dismissed against former Hamilton psychiatrist)。

無罪の理由は、被害者で原告である患者Aが、健康上の理由で、オンタリオ州医師会・懲罰委員会を欠席し、証言しなかったためである。

懲罰委員会は、「懲罰委員会は、患者Aに証人としての出席を依頼してあったが、出席は、彼女の健康に有害だと彼女の主治医から伝えられた。ヒアリングを延期しても、彼女の健康が回復する見込みはほとんどないようです。とはいえ、原告の参加なしに審問を進めることはできません。それで、起訴終了という選択肢以外はありませんでした」と述べた。

それで、ソアレスは、無罪放免となった。

この懲罰委員長の決定を聞いた時、ソアレスの隣でソアレスの手を握っていた人は、ソアレスの妻だった。
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【一般論として、教授の学生・院生へのセクハラ】

★日本

大学教授(男性)が教え子の女子学生にセクハラする。このケースが典型的なセクハラ事件で、学術界の事件では最多である(白楽ロックビル(2011):『科学研究者の事件と倫理』、講談社、東京: ISBN 9784061531413)。

大阪大学は2007年11月20日、医学系研究科の男性教授(47歳)が教え子の女子学生にセクハラ行為をしたとして諭旨解雇処分にしたと発表した。(セクシャルハラスメント – Wikipedia

★米国

日本ではあまり報道されないが、米国の大学でのセクハラはかなり悲惨だ。これら防ぐために2014年1月、オバマ大統領は「レイプ・性的暴力の新アクションプラン(Rape and sexual assault: A renewed call to action)」にサインした。(Obama Seeks to Raise Awareness of Rape on Campus – NYTimes.com)。

上の記事には驚く数値が並んでいる。

レイプはキャンパスで頻繁に起こっていて、全米で女子学生の5人に1人が性的暴行を受けている。しかし、被害届をだす女子学生は12パーセントしかいない。

性的暴行は主にパーティーで起こる。犠牲者は、薬物や酒で心身が正常ではなく、自由がきかない状況下で性的に暴行される。加害者は、しばしば連続した犯罪者で、男性学生の7パーセントが、レイプした、または、しようとしたと認めている。その約2/3は、何度もレイプをして、平均レイプ数は6回である。( ← 白楽、モタモタしないで初回で逮捕しろ!!)

ほとんどは逮捕されないし告訴されない。被害者は被害届をださないし、出しても、警察官は偏見で事件化しない。

(↑ 白楽、ナント言う数字だ! アメリカの大学に孫娘を留学させるな!)

Kathryn "Kate" Clancy - professor of anthropology
Kathryn “Kate” Clancy – professor of anthropology

2014年、イリノイ大学(University of Illinois)の人類学・助教授・キャスリン・クランシ―(Kathryn Clancy、写真出典| Photo by L. Brian Stauffer)が、フィールド調査で若い女子学生・院生へのセクハラが頻繁に起こっていると報告した(Sexual harassment and assault are common on scientific field studies, survey indicates | News Bureau | University of Illinois)。

sn-harassmentHフィールド調査の若い男女院生。Ben Salter/Flickr/Creative Commons

64%の人がセクハラ被害の経験があり、20%以上の人が性的暴力の犠牲者だった。

クランシ―の「学術界で頻繁に起こっているセクハラ事例」は大きな話題になり、2014年、サイエンス誌、ネイチャー誌などの主要科学メディアだけでなく、ニューヨークタイムズ紙なども記事にした。

詳しくは「論文を読んで」に譲るが、要するに、学術研究を阻害するし、人権問題でもあるので、学術界の重要な問題とされたのである。

【一般論として、医師のセクハラ】

★医師の患者へのセクハラ

AMAの医療倫理の指針(AMA Code of Medical Ethics)には、患者との性的接触について独立した項目がある。その一部を引用してみよう。
「患者―医師関係と同時期に起こる性的接触は、不正行為(違法行為)に相当する。 医師と患者間の性的または恋愛的な交流は、医師と患者のあるべき関係を損ない、患者の弱い立場が悪用される可能性があり、 医師の客観的な判断を鈍らせる可能性がある。そのため、最終的に患者にとって有害になり得る」
また、ニューヨーク州の衛生局(Department of health)は、医師と患者の性的接触を禁じている。つまり、互いの同意で始まった付き合いでも、その事実が露見すれば、不正行為として懲戒処分になる可能性があるのだ。(患者からのデートの誘いはOK? 医師の恋愛ルール:日本経済新聞

★韓国

韓国:女性患者に常習セクハラの医師を逮捕 | Joongang Ilbo | 中央日報

★日本

医師が患者に嫌がらせをするドクターハラスメントの1つとしてセクハラがある。

産婦人科などで女性を傷つける
1.乳ガンの触診で「大きいおっぱいして」、「帝王切開だったから、まだ(膣の)しまりがいいな」
2.「遊んでいるからこんな病気になるんだよ」、逆に容姿があまり良くない患者に対し「妊娠するような覚えないでしょ?」など。(ドクターハラスメント – Wikipedia

男性医師が女性医師に

病院の中、実習中、仕事中のオサワリなどである。
カンファレンスのときに手を握ってきたり、腕をずっとさすっていたり、腿を撫でようとしたり。
髪の毛をいじってきたり、顔を撫でたり。
露骨にお尻を教授や学長に撫でられたこともあった。
同じ科ではさすがに遠慮されたものの、他の科の上位の医師たちにちょっとした隙に胸を思い切り揉まれたりした。(セクハラ行為 : ある脳神経外科医の毎日

【事件の深堀】

一般論として、セクハラはほぼすべてのセクターで起こっている。企業でも発生しているが、医師、スポーツ界、芸能界、軍など特殊な世界は、上位者と下位者の支配関係が強く、しかも閉鎖的である。事件は注目を浴び、センセーショナルに大きく報道される。あるいは、意図的に報道されない。

また、学術界、教育界も上位者と下位者の支配関係が強く、しかも閉鎖的である。学術界、教育界は、「セクハラ」を禁じる研究や教育をする場でもあり、一層特殊な世界である。そういう場でのセクハラは、学術・教育そのものへもダメージが大きい。同様に、宗教界、警察なども、似た組織で、ダメージが大きい。

ほぼすべてのセクターで多発しているのに、有効な改善策がない。

日本の宗教界: 創価学会セクハラ事件 – Wikipedia

日本のスポーツ界: スポーツ指導者のセクハラはなくなるか?|WEBRONZA – 朝日新聞社

米国のスポーツ界: Campus-Based Prevention of Sexual Assault

オリンピック: sexual harassment and abuse in sport

カナダの軍: Kenney promises ‘independent body’ for military sex misconduct | Ottawa Citizen

米国の軍は頻度が高い。

「米女性兵士の3割、軍内部でレイプ被害」
カリフォルニア州図書館調査局が2012年9月に発表した実態調査によると、イラクとアフガニスタンに派遣された女性兵士の33.5%が米軍内でレイプされ、63.8%が性的いやがらせを受けたと回答した。国防総省も問題を認めている。軍内での性的暴力は2010年だけで、男性の被害も含め推計1万9000件にのぼる。(毎日新聞 2013年3月19日)

135417022249213127247_PH11_29-1米国の第1騎兵連隊の女性兵士達がバクダッドのアルージハド地区のパトロールに加わっている(2004年3月21日)。写真・文章出典。この女性兵士達がレイプされたかどうかは知りません。

【防ぐ方法】

《1》セクハラ一般論

日本国の人事院の「セクシュアル・ハラスメントの防止策」は、以下のようだ。

  • Q1 加害者とならないためには、どうしたらいいですか?

セクシュアル・ハラスメントかどうかは、基本的には受け手の判断で決まります。相手が嫌がっていることが分かったら、決して繰り返してはいけません。
また、相手がいつも明確に「NO」と意志表示するとは限りません。明確な意思表示がなくとも相手が不快に思えばセクシュアル・ハラスメントになります。特に、上司や先輩に対しては、はっきりと した拒否の態度はとりにくいということに注意してください。

  • Q2 被害者とならないためには、どうしたらいいですか?

セクシュアル・ハラスメントを無視したり、受け流したりしているだけでは状況は改善されません。嫌なことは「嫌」と相手に対してはっきりと伝えることが大切です。口頭で言いにくい場合は、電子メールや手紙という方法もあります。また、独りで我慢せず、身近な人やセクハラ相談員に相談しましょう。

人事院の対応は、読めばおわかりのように、「ゆるゆる」である。効力を期待する方が無理だろう。現実にセクハラが頻発している。

《2》文部科学省の指針

セクシュアル・ハラスメントの防止等のために文部科学省職員が認識すべき事項についての指針

これは具体的である。一部引用する

性的な関心、欲求に基づくもの
・ヌードポスター等を職場に貼ること
・雑誌等の卑猥な写真・記事等をわざと見せたり、読んだりすること
・職場のパソコンのディスプレイに猥褻な画像を表示すること
・身体を執拗に眺め回すこと
・食事やデートにしつこく誘うこと
・性的な内容の電話をかけたり、性的な内容の手紙、Eメールを送りつけること
・身体に不必要に接触すること
・不必要な個人指導を行うこと
・浴室や更衣室等をのぞき見すること

これらは具体的で優れている。効果が期待できる。

しかし、それでもセクハラが頻発していることから、決定的ではない。つまり、現状の対策はどれも決定的ではない。

「セクハラの該当言動を具体的に示し、してはいけない」と説いても、効力がないとは言わないが、決定的ではないのだ。

セクハラは「相手が嫌がると知っていてする」行為で、加害者は「してはいけない」ことを知っていてするのである。「してはいけない」と説いても効果は大きくないだろう。

防止するには、その快感の代償が大きいことを実感させなくてはならない。研究ネカト防止と同じで基本は「監視・批難」である。「必ず見つけ、必ず倍罰(2倍の罰)する」。

《3》実名報道にする

日本の大学教員・研究者のセクハラ事件の加害者は、ほぼ100%が匿名で所属も公表されない。つまり、加害者は特定されない(白楽ロックビル(2011):『科学研究者の事件と倫理』、講談社、東京: ISBN 9784061531413)。

その結果、加害者は、懲戒免職されたとしても、他大学・研究機関に教員・研究員として再就職することが容易である。現在、そいういう性犯罪者の教員・研究員の現職率はデータがない。

性犯罪者は再犯率が高いという調査報告もあるのにかかわらず、匿名報道だから、多数の危険な教員・研究者が、他人に知られずに、大学・研究機関に在職し、野放し状態になっているのが現実だ。

これを防ぐ方策が日本にはない。というか、国も大学・研究機関も防ごうとしていない。匿名報道だからだ。

加害者を匿名報道するのは、被害者を守るためといわれているが、現状では、新たな被害者を増やしている。1つの解決策は、匿名報道を止めることだ。被害者を特定できないように工夫しつつ、加害者の実名を報道することだ。本記事で書いたように、カナダでは加害者・クラウディオ・ソアレス(Claudio Soares)の実名報道をしている。被害者はA患者で匿名だ。

もう1つは、政府に科学公正委員会を設置し、そこでは、たとえ匿名で報道されていても実名を探り、実名でも登録する。大学・研究機関が採用や昇進をするとき、科学公正委員会に身元がクリーンかどうかを問い合わせる。セクハラ加害者だったと連絡があれば、基本的には大学・研究機関では採用や昇進をしない。そういうシステムを作ることだ。

セクハラ常習者を大学のセクハラ防止委員、政府のセクハラ対策委員に任命するような、笑い話のような人選も、現状では防止する方法がない。科学公正委員会に身元がクリーンかどうかを問い合わせるシステムを作ることだ。

【白楽の感想】

《1》セクハラを研究犯罪としない

自分の分析(拙著)ではセクハラは学術界に特有の事件と出た。だから、研究関連犯罪として扱う方が良いと思っていたが、セクハラはほぼすべてのセクターで頻発している。各セクターごとに捜査するのは非効率だ。

大学・研究所は研究関連犯罪として扱い、医師は医師会、軍は軍法会議、スポーツ界はスポーツ界、などと縦割りでセクハラ事件を捜査するのは不適切だろう。

学術界に特有のセクハラ事件でも、学術や研究の知識・経験なしに事件の捜査や裁判は適切に行なえるだろう。

学術界のセクハラを研究犯罪の1つとして扱う必要はないだろう。

《2》セクハラ防止策

セクハラ防止策をいろいろ考えたが、実名報道と科学公正委員会の設置以外に、学術界でのセクハラを改善する名案が思い付かない。

「女性兵士の33.5%が米軍内でレイプ」という米軍の高率にもとても驚いた。規律や統制が最も高いと思われる軍隊で3人に1人がレイプされるとなると、有効な改善策はないのだろう。もし自分の姉妹・娘・孫娘なら、軍人になるなと強く言うだろう。

学術界はもちろん軍とは違う。規律や統制は全セクターの中でもかなりゆるい。

2014年1月、オバマ大統領の「レイプ・性的暴力の新アクションプラン(Rape and sexual assault: A renewed call to action)」の記事によれば、「レイプはキャンパスで頻繁に起こっていて、全米で女子学生の5人に1人が性的暴行を受けている」という。(Obama Seeks to Raise Awareness of Rape on Campus – NYTimes.com)。

大学キャンパスでの高率にとても驚いた。

そして、2014年の論文は、フィールド調査分野で、「64%の人がセクハラ被害の経験があり、20%以上の人が性的暴力の犠牲者だった」。

大学キャンパスやフィールド調査分野は、軍よりましかもしれないが、高率である。

日本の学術界も同様なのか、どうか、わからない。しかし、日本の女性の研究者が米国で研究する時、64%のセクハラ被害者、20%以上の性的暴力犠牲者に入る可能性が充分にあるということだ。

そして、被害者は女性とは限らない。男性も被害者になる。また、ここでは被害者にならないように議論してきたが、高率で加害者にもなるのである。日本の男性の研究者が米国で研究する時、加害者にならないように注意すべきだろう。

【主要情報源】
① ◎ 2012年9月11日、チャールズ・ラスネル(Charles Rusnell)の「CBC News」記事:New U of A psychiatry chair facing sexual misconduct allegation – Edmonton – CBC News
② ◎ 2015年1月26日、ローラ・アームストロング(Laura Armstrong)の「Toronto Star」記事:Allegations of sexual assault dropped against Hamilton psychiatrist | Toronto Star