ジル=エリック・セラリーニ(Gilles-Eric Seralini)(仏)

ワンポイント:遺伝子組換え食品は危険だという「錯誤」論文

【追記】
・2023年12月1日記事:Let collapse of Séralini, LSK cases revive GMO march | Nation
・2023年10月20日記事:‘Win for science’ as French court dismisses defamation lawsuit by anti-GMO scientist Seralini – Genetic Literacy Project

【概略】
GE%20Séralini_colジル=エリック・セラリーニ(Gilles-Eric Seralini、写真出典)は、フランスのカーン大学(University of Caen、仏語:Université de Caen Basse-Normandie)・教授で、専門は内分泌の分子生物学。

2012年9月12日(52歳)、遺伝子組み換えトウモロコシを食べるとがんになるという論文を発表した。実験法の不備、解釈の不適切、メディア発表の異常に科学界から大きな批判を浴び、論文は撤回された。しかし、2014年、撤回論文は再び掲載された。

セラリーニは根っからの「遺伝子組換え生物」反対論者である。その思想が研究公正性より優先し、その思想に都合の良い研究成果を発表し続けている。つまり、学界では誤りとされても研究者本人は真実と信じて自説を提唱し続ける「錯誤」である。

「国際ビジネス・タイムス(ibtimes)」誌が選んだ2013年度・7大科学スキャンダルの第1位である(7 Scientific Scandals Of 2013: From A Retract)。

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「遺伝子組換えトウモロコシは危険」のポスター 写真出典

  • 国:フランス
  • 成長国:フランス
  • 研究博士号(PhD)取得:フランスのモンペリエ第2大学
  • 男女:男性
  • 生年月日:1960年8月23日
  • 現在の年齢:64 歳
  • 分野:内分泌学
  • 最初の論争論文発表:2012年9月12日(52歳)
  • 発覚年:論文発表直後の2012年(52歳)
  • 発覚時地位:フランスのカーン大学(University of Caen)・教授
  • 発覚:同分野の科学者群
  • 調査:
  • 不正:錯誤
  • 不正論文数:2014年に代表的論文1報を論文撤回したが、同年、別のジャーナルに再掲載
  • 時期:研究キャリアの初期から
  • 結末:辞職なし。現在も論争が継続中

★動画「Genetically Modified Organisms Debate (GMOS): Interview with Gilles-Eric-Seralini」、(英語)2分59秒。米国のヴェロニカ・ドゥド(ジャーナリスト)がセラリーニにインタビューしているニュース動画(2014/08/27にアップ)。