ワンポイント:ブラジルの小児科・準教授の31年前の詳細不明な盗用事件
●【概略】
ジュアオ・ロッシャ(Joao Rocha、João de Albuquerque Rocha、顔写真未発見)は、ブラジルのペルナンブーコ大学(University of Pernambuco)・準教授・医師で、専門は小児学だった。
1985年(45歳?)、同じ分野の研究者の指摘で論文盗用が発覚した。
ブラジルのペルナンブーコ大学(University of Pernambuco)。写真By User:Dantadd – Own work, CC BY-SA 2.5, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5790535
- 国:ブラジル
- 成長国:ブラジル?
- 研究博士号(PhD)取得:?
- 男女:男性
- 生年月日:不明。仮に1940年1月1日生まれとする。1985年の教授選考時を45歳とした
- 現在の年齢:84 歳?
- 分野:小児学
- 最初の不正論文発表:1985年(45歳?)
- 発覚年:1985年(45歳?)
- 発覚時地位:ブラジルのペルナンブーコ大学・準教授
- 発覚:同じ分野の研究者の公益通報
- 調査:①ペルナンブーコ大学・調査委員会。②裁判所
- 不正:盗用
- 不正論文数:1報
- 時期:研究キャリアの中期から
- 結末:?
●【経歴と経過】
ほとんど不明
- 生年月日:不明。仮に1940年1月1日生まれとする。1985年の教授選考時を45歳とした
- 19xx年(xx歳):xx大学を卒業。医師免許
- 19xx年(xx歳):ブラジルのペルナンブーコ大学(University of Pernambuco)・準教授
- 1985年(45歳?):論文盗用が発覚
●【不正発覚の経緯と内容】
1985年、ブラジルのペルナンブーコ大学・準教授のロッシャは小児科・教授に昇進するために博士論文を提出し、ロッシャは教授に昇進した。
ところが、教授選考で次点になったマグダ・サンパイオ(Magda Carneiro Sampaio)が、ロッシャの博士論文は盗用なので教授選考は無効だと、ペルナンブーコ大学・教授会を裁判所に訴えた。
裁判所は、裁判の結果、ロッシャの博士論文は盗用だと結論した。
ロッシャの博士論文は、ヘレナ・ベニチオ(Helena Benício)が1983年にサンパウロ大学に提出した博士論文と「1985年のJornal de Pediatria」論文を盗用したものだった。
しかし、大学は教授会こそ最高の決議機関だと主張し、裁判所の結果を認めなかった。(白楽感想:ブラジル社会はどうなってんだ?)
●【論文数と撤回論文】
2016年5月11日現在、パブメド(PubMed)で、ジュアオ・ロッシャ(Joao Rocha、João de Albuquerque Rocha)の論文を「Rocha J [Author]」で検索すると、1,280論文がヒットした。
本記事のロッシャ以外の論文が多数と思われた。所属をペルナンブーコ大学の限定した「(Rocha J [Author]) AND University of Pernambuco[Affiliation]」で検索すると、ゼロ論文がヒットした。
1985年に小児科の準教授でありながら、学術論文が1報もないというのは、おかしい。白楽が、探し方を間違えているのかもしれない。
2016年5月11日現在、発表論文なし。撤回論文なし。
●【白楽の感想】
《1》詳細は不明
以下、別の記事にも書いたのと同じ文言です。
この事件の詳細は不明です。
どうして盗用をしたのか? どう発覚したのか? 研究機関はどんな改善策を施したのか? 事例分析し、研究ネカトシステムの改善につながる点、学べる点は何か?
全くわかりません。
ブログでは、比較的、情報が得られる事件を解説しているが、実は、この事件のように、詳細が不明なことが多い。事件が報道された時点では、もっと情報があったと思われるが、適切に分析し記録を残さないと霧散してしまう。
●【主要情報源】
① 2015年の論文。Sonia Vieira:「Not to be Mentioned but Impossible to Keep Quiet About」、Journal of Scientific Research & Reports, 8(3): 1-5, 2015 :sciencedomain.org/download/MTAxMzhAQHBm
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