「アカハラ」:臨床心理学:エミリー・ホームズ(Emily Holmes)(スウェーデン)

2024年3月30日掲載 

ワンポイント:ホームズはウプサラ大学(University of Uppsala)のスター教授。2010~2022年(39~51歳)の13年間、オックスフォード大学(2年)、ケンブリッジ大学(4年)、カロリンスカ医科大学(2年5か月)、ウプサラ大学(5年)という名門大学の教授職を転々と渡り歩いているが、アカハラ行為の噂が広まると逃げるように移籍した、と2023年1月に報道された。ただ、被害者である博士院生の誰も、正式にホームズのアカハラ行為を大学に告発しなかった。それで、各大学は調査していない。アカハラ被害の臨床心理学を専門とする著名な教授がアカハラ言動をした事件。国民の損害額(推定)は2億円(大雑把)。
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
5.アカハラの経緯と内容
7.白楽の感想
8.主要情報源
9.コメント
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●1.【概略】

エミリー・ホームズ(Emily Holmes、Emily A. Holmes、https://orcid.org/0000-0001-7319-3112、写真出典)は、英国で生まれ育ち、ウプサラ大学(University of Uppsala)の正教授になった。専門は臨床心理学で、この分野では著名な学者である。

専門をさらに詳しく書くと、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、双極性障害、うつ病の心理療法の臨床心理学・神経科学である。

つまり、アカハラ被害者の治療や研究も含めた臨床心理学・神経科学の研究者・教授がアカラハ事件を起こしていた。それで、白楽は記事にした。

2010~2022年(39~51歳)の13年間、オックスフォード大学(2年)、ケンブリッジ大学(4年)、カロリンスカ医科大学(2年5か月)、ウプサラ大学(5年)という名門大学の教授職を転々と渡り歩いている。

アカハラ行為の噂が広まると逃げるように移籍した、と報道されている(白楽は真偽不明だと思った)。

2023年1月25日(52歳)、レナート・クリイサ記者(Lennart Kriisa)が、「Psykologtidningen」記事でホームズのアカハラ行為を世間に知らしめた。

ウプサラ大学で11人の元博士院生が、ホームズにイジメられたと証言している。

ただ、オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、カロリンスカ医科大学、ウプサラ大学の誰も、正式にホームズのアカハラ行為を大学に告発しなかった。

それで、各大学は調査をしていない。当然ながら、ペナルティを科していない。

白楽記事では、アカハラ行為があったとして事件を解説するが、ホームズの言動がアカハラ行為に相当するのか、懐疑的な部分もある。白楽は的確に判断できない。

2024年3月29日(53歳)現在、ホームズはウプサラ大学・教授職を維持している。

ウプサラ大学(University of Uppsala)。写真出典

  • 国:スウェーデン
  • 成長国:英国
  • 研究博士号(PhD)2つ取得:英国のロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校と英国のケンブリッジ大学
  • 男女:女性
  • 生年月日:1971年、英国のサリーで生まれた。仮に1971年1月1日生まれとした
  • 現在の年齢:53 歳
  • 分野:臨床心理学
  • アカハラ行為:2010~2022年(39~51歳)の13年間
  • アカハラ行為時の地位:オックスフォード大学、ケンブリッジ大学、カロリンスカ医科大学、ウプサラ大学、各教授(相当)
  • 最初に訴えられた:告発されていない
  • 社会に公表年:2023年(52歳)
  • 社会に公表時地位:ウプサラ大学・教授
  • ステップ1(発覚):第一次追及者は「Psykologtidningen」紙のレナート・クリイサ記者(Lennart Kriisa)
  • ステップ2(メディア):「Psykologtidningen」紙のレナート・クリイサ記者(Lennart Kriisa)が報道
  • ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①告発なく、どの大学も調査していない
  • 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし。調査していない
  • 大学・処分のウェブ上での公表:なし。調査していない
  • 大学の透明性:機関以外が詳細をウェブ公表(⦿)
  • 不正:アカハラ
  • 被害者数:11人以上の院生
  • 時期:研究キャリアの中期
  • 職:事件後に研究職(または発覚時の地位)を続けた(〇)
  • 処分:なし
  • 特徴:アカハラ被害の臨床心理学を専門とする著名な教授がアカハラ事件を犯した
  • 日本人の弟子・友人:不明

【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は2億円(大雑把)。

●2.【経歴と経過】

主な出典:Emily Holmes — Oxford NeuroscienceEmily A Holmes (0000-0001-7319-3112) – ORCID

  • 生年月日:1971年、英国のサリーで生まれた。仮に1971年1月1日生まれとした
  • 1989~1993年(18~22歳):英国のオックスフォード大学(University of Oxford)で学士号取得:実験心理学
  • 1994~1995年(23~24歳):スウェーデンのウプサラ大学(University of Uppsala)で修士号(MS)を取得:心理学
  • 1995~1997年(24~26歳):米国のニューヨーク州のライトハウス・インターナショナル(The Lighthouse International)・研究員
  • 1997~2000年(26~29歳):英国のロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校(Royal Holloway, University of London)で研究博士号(PhD)を取得:臨床心理学
  • 2005年(34歳):英国のケンブリッジ大学(University of Cambridge)で研究博士号(PhD)を取得:認知神経科学
  • 2007年(36歳):英国心理学会(British Psychological Society)のメイ・デビッドソン賞(May Davidson Award )・受賞
  • 2008年(37歳):女児出産
  • 2010年(39歳):英国心理学会(British Psychological Society)のスピアマン勲章(Spearman Medal)・受章
  • 2010~2012年(39~41歳):オックスフォード大学・精神科(University of Oxford, Dept. of Psychiatry)・教授:臨床心理学
  • 2010~2022年(39~51歳):この13年間、アカハラしていた
  • 2012~2016年(41~45歳):ケンブリッジ大学のMRC認知・脳科学ユニット(Medical Research Council’s Cognition and Brain Science Unit)のプログラムリーダー
  • 2014年(43歳):アメリカ心理学会(American Psychological Association)の「初期キャリアで心理学に顕著な貢献(Distinguished Scientific Early Career Contributions to Psychology)」賞・受賞
  • 2016年8月1日(45歳):スウェーデンのカロリンスカ医科大学(Karolinska Institutet)・教授
  • [2017年10月5日:本事件とは異なる事件。米国の映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインの性不正を「ニューヨーク・タイムズ」新聞が報道。この報道が切っ掛けで「#MeToo」運動が全米に広まる]
  • 2019年1月1日(48歳):ウプサラ大学・教授
  • 2023年1月25日(52歳):「Psykologtidningen」紙がアカハラを詳細に報道した
  • 2024年29日(53歳)現在:どの大学もホームズのアカハラ調査をしていない。ホームズはウプサラ大学・教授職を維持

●3.【動画】

【動画1】
アカハラ事件の動画ではない。研究紹介動画:「Professors at KI: Emily Holmes – YouTube」(英語)1分34秒。
Karolinska Institutetが2017/10/12に公開

【動画2】
「エミリー・ホームズ」と紹介した。
アカハラ事件の動画ではない。講演動画:「Mental imagery and imaging mental disorders, Prof. Emily A Holmes – YouTube」(英語)14分32秒。
The Brain Forumが2017/10/12に公開

●5.【アカハラの経緯と内容】

★エミリー・ホームズ(Emily Holmes)の人生

エミリー・ホームズ(Emily Holmes、写真出典)は著名な臨床心理学者である。

論文を多数出版し、英国心理学会(British Psychological Society)やアメリカ心理学会(American Psychological Association)から研究成果に対する賞を受賞している。

著名な臨床心理学者がアカハラ事件を犯したので白楽記事にしたのだが、専門をさらに詳しく書くと、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、双極性障害、うつ病の心理療法である。

つまり、アカハラ被害者の治療や研究を含めた臨床心理学・神経科学の研究者・教授がアカラハ事件を起こしている。

ホームズの結婚・離婚、さらに、子供の情報に関して調べると、パートナーがいて、37歳の時出産した女児が1人いる。 → Emily Holmes: “A picture is worth a thousand words” | Karolinska Institutet

つまり、アカハラ事件を起こした2010~2022年(39~51歳)の13年間、パートナーがいて子供がいた。

アカハラ事件と結婚や家族などの個人生活がどう絡むか不明であるが、関係していると考え、一応、記載している。

エミリー・ホームズ(Emily Holmes)のアカハラ遍歴

★オックスフォード大学、そしてケンブリッジ大学

2010~2012年(39~41歳)、エミリー・ホームズ(Emily Holmes、写真出典)はオックスフォード大学・精神科(University of Oxford, Dept. of Psychiatry)の教授だった。

オックスフォード大学にわずか2年しか在職していない。

というのは、ホームズの研究室はアカハラまみれの有毒な研究環境だという噂がオックスフォード大学に広まり始め、着任2年後の2012年(41歳)、ホームズはケンブリッジ大学に移籍したのだ。と言われている。

★カロリンスカ医科大学

ケンブリッジ大学に移籍した4年後の2016年8月1日(45歳)、ホームズはスウェーデンのカロリンスカ医科大学(Karolinska Institutet)・教授に移籍した。

しばらくすると、ホームズの研究室は有毒な研究環境だとカロリンスカ医科大学でもささやかれるようになった、と記事にある。

博士院生のレベッカ(仮称)は何が起こったのか、次のように述べている。

「最初はホームズ教授と一緒に研究するのが好きでした。ホームズは非常に有能で、物事の規範的な面にも厳しかった。しかし、ホームズがあることを誤解していると感じたメールを送った時、叱責されとても驚きました」。

レベッカは、ホームズが全く別の人格を持っていて、ホームズは批判から学ぶことができない人だと、気がついた。

数年後、レベッカはカロリンスカ医科大学を去った。

★ウプサラ大学

ホームズは、カロリンスカ医科大学に2年5か月在職した後、2019年1月1日(48歳)、今度は、ウプサラ大学・教授に移籍した。

ホームズはウプサラ大学でも複数の院生にアカハラをした。複数の博士院生が、ホームズのアカハラ行為を証言している。

例えば、院生の1人は、「ホームズは、私を全く信用できないと、狂乱状態になって、私が泣くまで叱責しました」と述べている。

院生に相談された研究者が部門長に連絡した。多くの人は驚いたが、大学は急遽、指導教員の変更を決めた。

その後、ホームズ研究室の何人もの博士院生がホームズの言動に問題があると部門長に伝えた。

しかし、誰も正式な告発をしなかった。

大学は研究環境に関する匿名のアンケート調査を始めた。

しかし、そのアンケート調査では、ホームズ研究室にアカハラ行為があったという回答が得られなかった。

ある元博士院生は、「このアンケート調査が本当に匿名であるという保証はありませんでした。それで、私は研究を完成させ、博士号を取得してウプサラ大学を永遠に去ることだけに集中しました」と、述べている。

★弁明

エミリー・ホームズ(Emily Holmes)は、院生のアカハラ被害の訴えに対し、次のようにコメントしている。

「インタビューに答えた院生たちが、辛い思いをされたと聞いて、大変申し訳なく思います。大変悲しいです。

私は研究室の誰にも嫌な思いをさせたくありませんし、どんな困難にも適切に対処できるよう、研究室で問題を提起してくれるよう室員に勧めています。私は一緒に研究する人々をサポートすることに全力を尽くし、室員のために最善を尽くすよう努めています。

私は、かつて私の研究グループの一員であった人々に対して敬意と幸福を願うばかりですし、彼らと彼らのキャリアの成功を願っています」。

【アカハラの具体例】

アカハラの具体例は、以下の記事が主な出典である。 → 2023年1月25日のレナート・クリイサ記者(Lennart Kriisa)の「Psykologtidningen」記事:Eleven former PhD students: “Emily Holmes bullied us” – Psykologtidningen

11人のウプサラ大学・院生がアカハラ被害を証言している。

1人目。
私はすごくストレスを感じていたので、ホームズにそう伝えました。すると、あなたは自分のことしか考えていない。協調性に欠けていると言われました。そして、研究者の世界は狭いというのです。私はそれを脅しと感じました。

2人目。
研究室がすごく不快だったけど、自分はダメだと思われるのがイヤで夫にも友人にも、そのことを話しませんでした。1度、博士院生のためのオンブズマンに相談しましたが、私が得た唯一のアドバイスは研究室を去ることでした。

3人目。
なぜかはわかりませんが、ホームズは、私を研究から外しました。また、私の名前は論文著者から削除すると言いました。私は何か月も一生懸命研究してきたので、どうしてなのかと強く問い詰めたら、部屋から出て行け、とホームズに言われました。

4人目。
ホームズは、研究チームの全員に、この研究分野では、自分たちが世界1番優れていて、世界をリードしていると言われました。それで、私は他の研究者を見下すようになりました。後々屈辱を味わいました。

5人目。
私は、何か月もの間、週7日研究し続け、質問に素早く答えられるように、常にコンピューターを持ち歩いていました。それで、強くストレスを感じるようになり、ホームズの指導に耐えられないと同僚に相談しました。同僚は理解してくれました。その時、悪いのは自分ではなく、ホームズの指導かもしれないと気づいたのです。

6人目。
提出した私のレポートは完璧ではないことはわかっていました。私は家族の問題を抱えていました。言い訳ではないのですが、家族の問題をホームズに説明しました。その後、私はいろいろ間違えたこともあり、結局、私の名前は論文著者から抹消されました。私はそれに対して何もできませんでした。今でもセラピーに通っています。

7人目。
ホームズはしばらくの間、私のことを何度も褒めましたが、しばらくすると、褒めなくなりました。そして、ある時、私の文章力が乏しいので、研究者として成功することはないだろうと、ホームズに言われました。褒め言葉と批判が混ざり合って、私はどんどん自信を失い、結局、視力障害で緊急治療室に運ばれました。

8人目。
これ以上いじめられることに耐えられなかったので、辞めた理由をあえて言わず、私はホームズの研究室を辞めました。私は研究キャリアをあきらめ、そこから抜け出して自分を救うことが重要だと気がついたのです。私はおそらく研究に戻らないでしょう。

9人目。
ある時、私たちの研究室の1人がホームズにいじめられていると話しているのを聞いて、これは恐ろしいことだと思うようになりました。私たちは皆、どんな問題でも仲間内ではなくホームズに話すことになっていました。私はすべての指示に従ったにもかかわらず、間違いを犯したとされ、ホームズにいじめられるようになりました。

10人目。
ホームズは、私が研究を始める前に、すぐにやるべき仕事をくれました。これはおそらく私の忠誠心を試すものだったのでしょう。最初の週、ある研究者がZoomミーティング中に密室で告げ口されているのを耳にしました。毎週、研究チームの誰かがホームズのイジメの犠牲者でした。ストレスで動悸がしました。

11人目。
私はホームズのオフィスに呼ばれました。ホームズは私のレポートのコピーを持って待っていました。ホームズは、レポートの悪い部分を赤いフェルトペンでマークし始めました。マークした走り書きを理解しようしたのですが、いくつかを見逃しました。彼女が満足するまでに10回以上書き直さなければなりませんでした。それは私をより良い研究者にするためではなく、私をイジメるためでした。

●6.【論文数】

★大学のサイト

2024年3月22日現在、エミリー・ホームズ(Emily Holmes、Emily A. Holmes)のウプサラ大学(University of Uppsala)のサイト(Emily Holmes – Uppsala University, Sweden)には、273論文出版とあった。

かなり多数の論文を出版している。

★スコーパス(Scopus)

2024年2月25日現在、スコーパス(Scopus)で、エミリー・ホームズ(Emily Holmes、Emily A. Holmes)の論文を「Holmes, Emily A.」「Uppsala Universitet」で検索した。1998~2023年の26年間の273論文がヒットした。

かなり多数の論文を出版している。被引用数も多い。

★グーグル・スカラー(Google Scholar‬)

2024年2月26日現在、‪Emily A. Holmes‬ – ‪Google Scholar‬では、エミリー・ホームズ(Emily Holmes、Emily A. Holmes)の1990~2024年(19~53歳)の35年間の427論文がヒットした。

●7.【白楽の感想】

《1》アカハラ?

報道記事では、11人の院生がエミリー・ホームズ(Emily Holmes)からアカハラ行為を受けたと証言している。ただ、11人の院生のアカハラ被害内容を読むと、いくつかは、アカハラ行為と言えるのか、微妙だと思った。

ホームズは優秀で指導は厳しかった。それに対し、一部の院生は愚鈍で熱心さに欠けていた、とも受け取れる。

もちろん、「愚鈍で熱心さに欠ける」からと言って、イジメていいわけではない。

ただ、「愚鈍で熱心さに欠ける」学生の場合、白楽の経験では、指導は難しい。

白楽は現役時代、最低でも週に一度、学生の研究進捗状況をじっくり聞いて、データの検討をしていた。ところが、1週間の研究経過を聞いても、叱られると思うのか、まともに話さない学生が時々いた。

仕方なしに、次にすることを示すか、あるいは、示さないで本人に何をしたい(する)か考えさせるかの選択だが、どの選択をしても、学生は研究作業をしない。生活上の問題があるのか、聞いても答えない。

この状況の学生は、結局、先生にイジメられたと感じているようだった。

「Psykologtidningen」記事では説明が短く、院生の背景が書かれていない。それで、推論するしかないのだが、記事の印象では、被害妄想的な部分もあると感じた。

記事は挫折した院生だけを取り上げている。ホームズの指導下の院生でホームズの指導を肯定的に受け止めた院生がいるハズだ。

肯定的院生の数、アカハラと感じた院生の数、それらを数値で示して欲しかった。そういう意味で報道に公平さが欠けていると感じた。

院生から大学への告発がなかったので、各大学はホームズのアカハラ調査をしていない。

院生がアカハラ行為を大学に告発しなかったのは、アカハラ行為そのものが微妙だったからなのか、アカハラ行為の明白な証拠がなかったからなのか、報復が怖かったからなのかハッキリしない。

白楽記事にしたけれど、この事件の記述が曖昧過ぎて、白楽には、アカハラ行為があったと断定していいのかどうか、疑問に感じた。

冤罪だったら、どうなるのだろうとも思った。

なお、英国やスェーデンのアカハラ基準・判定基準をホームズ事件からくみ取れなかった。

ただ、「Psykologtidningen」記事では、ホームズはアカハラ行為が表ざたになりそうになると、他大学に移籍し、そこで再度アカハラ行為をしたとある。

オックスフォード大学(2年)、ケンブリッジ大学(4年)、カロリンスカ医科大学(2年5か月)、ウプサラ大学(5年)と名門大学を転々と渡り歩いたのをアカハラ行為と結び付けている。白楽は、本当かな、と少し疑問にも感じた。

《2》専門は無関係?

エミリー・ホームズ(Emily Holmes)は著名な臨床心理学者である。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)、双極性障害、うつ病の心理療法の臨床心理学・神経科学である。つまり、研究対象はアカハラ被害者の治療や研究が含まれる。

その人が自分の研究室の院生にアカハラ行為と受け取られる言動をしていた。

学術上の知識・思想・経験は、自分の規範・倫理上の言動と無関係ということだ。

これは一般的なのだろうか?

《3》だれか解説してください

白楽はネカトに関しても十分解説できていない。それで、「外国の研究者の性不正・アカハラ事件」は、他の人が解説して欲しいと何度も伝えたが、現れない。

それで仕方なしに、「外国の研究者の性不正・アカハラ事件」も、時々、取り上げている。

日本の国民・研究者・政策決定者・メディア記者が「日本の」「研究者の性不正・アカハラ事件」だけしか知らないと、「性不正・アカハラ」の国際基準や国際感覚とズレてくる。というか、現在、既にかなりズレてます。

だれか「外国の研究者の性不正・アカハラ事件」を解説してください。

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日本の人口は、移民を受け入れなければ、試算では、2100年に現在の7~8割減の3000万人になるとの話だ。国・社会を動かす人間も7~8割減る。現状の日本は、科学技術が衰退し、かつ人間の質が劣化している。スポーツ、観光、娯楽を過度に追及する日本の現状は衰退を早め、ギリシャ化を促進する。今、科学技術と教育を基幹にし、人口減少に見合う堅実・健全で成熟した良質の人間社会を再構築するよう転換すべきだ。公正・誠実(integrity)・透明・説明責任も徹底する。そういう人物を昇進させ、社会のリーダーに据える。また、人類福祉の観点から、人口過多の発展途上国から、適度な人数の移民を受け入れる。
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●8.【主要情報源】

① ウィキペディア英語版:Emily A. Holmes – Wikipedia
② 2023年1月25日のレナート・クリイサ(Lennart Kriisa)記者の「Psykologtidningen」記事:Eleven former PhD students: “Emily Holmes bullied us” – Psykologtidningen
③ 2023年2月3日のレオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)のブログ記事:Schneider Shorts 3.02.2023 – Where have all retractions gone? – For Better Science

★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。

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