7-76 記事削除の要請を拒否

2021年8月16日掲載 

白楽の意図:2019年4月、ハーバード大学のサム・リー準教授(Sam W. Lee)のネカト事件を、「撤回監視(Retraction Watch)」が記事にした(白楽の記事)。研究公正局はサム・リー事件の調査を終えたらしいが、まだ、調査結果を発表していない。このタイミングで、2021年8月12日、サム・リーの弁護士が、「撤回監視(Retraction Watch)」に記事の削除を求めてきた。「撤回監視(Retraction Watch)」は拒否した。この状況をアダム・マーカス(Adam Marcus)が「2021年8月13日のRetraction Watch」論文で説明しているので、紹介しよう。なお、白楽も、現在、記事削除を拒否しようとしている(ココ)。

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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.論文概要
2.書誌情報と著者
3.日本語の予備解説
4.論文内容
5.関連情報
6.白楽の感想
8.コメント
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【注意】「論文を読んで」は、全文翻訳ではありません。ポイントのみの紹介で、白楽の色に染め直してあります。

●1.【論文概要】

白楽注:本論文は学術論文ではなくウェブ記事である。本ブログでは統一的な名称にするため論文と書いた。

論文に概要がないので、省略。

●2.【書誌情報と著者】

本論文と副論文の2報がある。

★書誌情報

【本論文】

【副論文】

以下の論文1報が同じ日、同じ著者、同じ掲載誌に掲載されたので、同時に解説する。

★著者

●3.【日本語の予備解説】

★2019年6月2日掲載:サム・リー(Sam W. Lee)(米) | 白楽の研究者倫理

ハーバード大学医科大学院(Harvard Medical School)とマサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)の準教授。2012年、ネカトハンターのポール・ブルックス(Paul Brookes)がサム・リー(50歳?)の論文にねつ造・改ざんがあると研究公正局に通報した。それから7年が経過した現在、マサチューセッツ総合病院、それに、研究公正局はいまだにネカト調査中と思われる。調査結果が未発表なのでサム・リーがネカト者かどうか不確定。しかし、2004、2009、2011年の3論文が撤回された。撤回論文の共著者に大内睦子(Mutsuko Ouchi)と大内徹(Toru Ouchi、ロズウェルパーク癌センターの教授)、佐賀大学医学部・講師の井手貴雄(Takao Ide)など7人の日本人がいる。国民の損害額(推定)は10億円(大雑把)。

●4.【論文内容】

本論文は学術論文ではなくウェブ記事である。本ブログでは統一的な名称にするため論文と書いた。

方法論の記述はなく、いきなり、本文から入る。

ーーー論文の本文は以下から開始

《1》サム・リー事件 

副論文を先に解説する。

本記事で論じるネカト者はサム・リー(Sam W. Lee)で、白楽ブログで解説した。 → 2019年6月2日掲載:サム・リー(Sam W. Lee)(米) | 白楽の研究者倫理

★2021年8月6日の和解契約

ハーバード大学・準教授だったサム・リー(Sam W. Lee)は、ネカト論文を出版したことが2012年に発覚し、その後、論文が撤回され、大学も辞職した(解雇?)。

しかし、発覚9年後の2021年8月15日現在、ハーバード大学も研究公正局もサム・リーがネカトでクロだとの公式発表をしていない。

サム・リーは、ネカト論文のデータを基にNIHの研究助成金を申請し、採択されていた。

結局、ウソの内容で研究費を得たことになり、サム・リーが勤めていたマサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)は、すでに90万ドル(約9千万円)以上の金額をNIHに返済している。

2021年8月6日、そして、サム・リー(67歳)自身もNIHに215,000ドル(約2150万円)を払う和解契約が成立したと、米国司法省が発表した。
 → 2021年8月6日記事:Former Newton Scientist Agrees to Pay $215,000 to Resolve Allegations of False Statements in Grant Application | USAO-MA | Department of Justice

以下は2021年8月6日の和解契約の書類(出典:本論文)。全文14ページは → https://www.justice.gov/usao-ma/press-release/file/1422211/download

マサチューセッツ州連邦検事局によると、サム・リーは、2014年6月、NIH助成金R01CA195534-01の一部として「DNA損傷応答と発がんにおけるp53生存標的DDR1キナーゼ(p53 survival target DDR1 kinase in DNA damage response and carcinogenesis)」というタイトルの「不正データ」を提出し、虚偽請求取締法に違反した。

以下が不正のポイントである。

米国は、リー博士がNIHへのDDR1助成金申請書に、図6、7、11の不正データを故意に使用したと主張する。リー博士は、図6、7、11の基礎となる実験を実施しませんでした。米国は、リー博士が後に図6と図7の実験の説明を変更し、実験結果を改ざんし、画像を水平方向に反転させる方法で図11を改ざんしたと主張する。

サム・リーが勤めていたマサチューセッツ総合病院は、NIHから939,495.27ドル(約9400万円)の助成金を受け取っていたが、この全額をNIHに返済した。

現在、ワシントン州ベルビューに住んでいるサム・リーは、2021年7月31日に米国司法省と和解契約を結んだ。

2021年8月13日、サム・リーの最初の10万ドル+利息(約1千万円)の支払いは本日だった。

★サム・リーの「撤回監視(Retraction Watch)」記事

2013年8月23日、この日、サム・リー論文の不正疑惑を「撤回監視(Retraction Watch)」が最初に報告した。「不適切に組み立てられた」図が指摘され、論文が撤回されたからだ。 → 2013年8月23日の「撤回監視(Retraction Watch)」:Retraction appears for Harvard scientist who had two mega-corrections last year – Retraction Watch

2019年4月19日の「撤回監視(Retraction Watch)」記事で、サム・リー事件は研究公正局の調査対象になっていることを記載した。 → 2019年4月19日の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:Harvard cancer lab subject to federal misconduct probe – Retraction Watch

2021年8月6日のサム・リー(67歳)と司法省の和解契約は、研究公正局が司法省に通報したことで、司法省が調査に入ったのかどうかは、「撤回監視(Retraction Watch)」は把握していない。

《2》記事削除要請 

本論文に入る。

前章で述べたことの繰り返し部分がある。適当に読み飛ばしてください。

★サム・リー事件

2013年、ハーバード大学・準教授だったサム・リー(Sam W. Lee)のネカト行為が最初に報道された。

それから6年後、2019年4月19日の「撤回監視(Retraction Watch)」記事で研究公正局の調査対象になっていることを皆さんに伝えた。 → 2019年4月19日の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:Harvard cancer lab subject to federal misconduct probe – Retraction Watch

2021年8月15日現在、研究公正局はまだ調査結果を発表していないが、サム・リー事件の調査は終えたと思われる。

サム・リーは少なくとも5報の撤回論文と2報の懸念表明論文があり、内、2報の撤回論文は、2019年4月以降に撤回された。

懸念表明論文の1つは、米国微生物学会(American Society for Microbiology)が発行する学術誌「Molecular and Cellular Biology」の2000年の論文である。

2021年8月15日現在、研究公正局の調査結果が不明なのと同じで、米国微生物学会もこの論文をどうするのか、不明である。

★セインバーグ弁護士

2021年8月12日、白楽の本記事の4日前、サム・リー(Sam W. Lee)の弁護士・スティーブン・セインバーグ(Steven Seinberg)が、2019年4月の「撤回監視(Retraction Watch)」記事の削除を要請してきた(以下手紙の冒頭)。

なお、この記事要請は前章で示したように、サム・リー(67歳)自身がNIHに215,000ドル(約2150万円)を返還した2021年8月6日の6日後の出来事である。

セインバーグ弁護士によると、「撤回監視(Retraction Watch)」記事のために、サム・リーは資金獲得やその他の収入が繰り返し拒否されているとのことだ。

2021年8月12日付けの手紙で、セインバーグ弁護士は、サム・リーが個人的にも職業的にも苦労していると述べている。

サム・リーの専門家としての取り組みは、非常に大きな悪影響を受けています。 たとえば、彼は最近、南カリフォルニア大学医科大学院(USC School of Medicine)で教育を担当してくれないか、という口頭での申し出を受けました。しかし、話が進行中に、担当者が「撤回監視(Retraction Watch)」記事を見つけ、申し出が取り消されました。

また、彼がワシントン癌学者賞(Washington Cancer Scholar Award)で50万ドル(約5千万円)の助成金と少なからぬ名声を得る機会を、「撤回監視(Retraction Watch)」記事によって外されました。

さらに、彼はベンチャー企業を立ち上げ、300~400万ドル(3~4億円)の資本金が得られるハズの大規模な投資契約を失いました。

彼は、「撤回監視(Retraction Watch)」記事がNIH助成金申請の採否に悪影響を及ぼしていると考えています。

私たち「撤回監視(Retraction Watch)」は、訴訟を辞さないという脅迫めいた「知的財産権の侵害停止(cease-and-desist)」の要求を何度か受けている。例 → 2013年4月11日記事:Dr. Bharat Aggarwal’s Attorneys Make Bumptious Legal Threats Against “Retraction Watch” Blog | Popehat

セインバーグ弁護士の手紙は、訴訟を辞さないという脅迫めいた要求ではない。しかし、以下のように記事の削除を要求している。

私たちは、この記事を公表する際に、あなたが何か間違ったことをしたと主張しているわけではありません。法的手段に訴えるたぐいの違反を、あなたは何もしていません。

しかし、彼の依頼人に代わって、セインバーグ弁護士は、記事を削除するよう要求してきた。

そして、私たち「撤回監視(Retraction Watch)」は記事の削除を拒否した。

★「公益」と「忘れられる権利」

なお、セインバーグ弁護士の手紙は、この件で重要な問題に触れている。私たち「撤回監視(Retraction Watch)」の見解を述べておこう。

1つは、いわゆる「忘れられる権利」である。 → 「忘れられる権利」:Right to be forgotten – Wikipedia

「忘れられる権利」は、インターネット時代のプライバシーの原則で、米国や日本では立法化されていないが、欧州では立法化され、勢いを増している。

しかし、私たち「撤回監視(Retraction Watch)」は、事実に誤りがない限り、ニュース報道は、特定の個人または大学・機関にとって、たとえ不利・不快であっても、一般社会に公開され続けるべきだという立場を、最大限の努力を払い、強く支持・維持し続ける。

それが社会にとって重要で正確な情報なのに、誰かが不利・不快だという理由で、その情報を削除すれば、国民に正確で透明性の高い事実を伝えるニュース報道はたちまち危険な状況に陥る。

ただし、限られた条件下で、そのような削除を許可する規則を設けている一部の報道機関があることは承知している。例えば、非暴力犯罪を犯した人が、刑事事件の記録を永久に削除するよう裁判所に申し立て、成功した例は承知している。
 → 2021年6月26日記事:Opinion | Can Journalism Wean Itself Off the Cheap Clicks of Bad Crime Coverage? – POLITICO
 → 2019年6月12日更新:Right to be forgotten: Cleveland.com rolls out process to remove mug shots, names from dated stories about minor crimes – cleveland.com

しかし、論文の撤回公告が社会に公表され、連邦政府がハーバード大学の研究者のネカト行為を調査していることを、社会に伝える記事と、上記削除対象になる記事とは次元が異なるほど離れている。

そして、2つ目である。

この件で付け加えたいことは、政府機関や学術誌は、ネカト行為とネカト論文の調査をタイムリーかつ透明な方法で解決するために、もっと良い仕事をすべきだという苦言を付け加えたい。

つまり、研究公正局(ORI)、そして、米国微生物学会(American Society for Microbiology)が沈黙しているために、今回、セインバーグ弁護士が、私たち「撤回監視(Retraction Watch)」に記事の削除を要請してきたのだ。

サム・リーのネカト行為は、9年前の2012年に研究公正局(ORI)に伝えられている。そして、米国微生物学会の問題論文は、21年前の 2000年に出版された論文である。

政府機関や学術誌が、こんなにも長年月、沈黙していることが、サム・リーに対しても、社会全体に対しても、困惑を増大させている主因なのです。

●5.【関連情報】

★日本の最高裁

ウィキペディアの「忘れられる権利 – Wikipedia」によると、以下のようだ。

2017年(平成29年)1月31日、最高裁判所は検索サイト「Google」の検索結果の削除を求めた仮処分申し立てに対し、削除を認めない決定をした[17][18]。この最高裁判決では「忘れられる権利」が認められるかの答えは判例で示されなかったが、検索結果の削除にあたっては、書かれた事実の性質・内容、公表されることによる被害の程度、その人の社会的地位・影響力、記事などの目的・意義、掲載時の社会的状況とその後の変化、記事などでその事実を書く必要性といった要素を考慮すべきとした[17]。

引用している[17]の朝日新聞デジタルの記事を、以下に一部示す。右図「最高裁決定のポイント」も出典は同じ(図をクリックすると大きくる)。

検索サイト「グーグル」の検索結果で逮捕歴などが表示されるのは人格権の侵害だとして、男性が削除を求めた仮処分申し立てで、最高裁第三小法廷(岡部喜代子裁判長)は削除を認めない決定をした。

そもそも検索結果は、記事などを情報発信するサイトへのリンクにすぎない。グーグルは訴訟で「機械的に結果を表示しているだけで『表現』ではなく、削除請求は元のサイトにするべきだ」と主張していた。

だが、最高裁は検索結果について「表現行為の側面を持つ」とし、「現代社会における情報流通の基盤として大きな役割を果たしている」と位置づけた。こうした機能を制約して削除するのは、「プライバシー保護の利益が明らかに上回る場合に限られる」と述べた。従来の出版物をめぐる判例では「明らかに」とまで述べておらず、検索結果の削除は出版物よりハードルを高めたともとれる。(出典:2017年2月1日:検索結果削除、高いハードル示す グーグル訴訟:朝日新聞デジタル

引用している[18]の日本経済新聞の記事を、以下に一部示す。

インターネット検索サイト「グーグル」に表示された犯罪歴削除の仮処分申し立てで、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は1日までに、検索結果の削除を認めない決定をした。検索サイト側の表現の自由と表示される側のプライバシー保護を比べ、「公表されない利益が優越することが明らかな場合に限って削除できる」と削除には厳格な要件を求める初の統一判断を示した。

第3小法廷は決定理由で、検索結果の削除は「ネット上の情報流通の基盤として検索サイトが果たしている役割を制約する」と指摘。検索サイトの公益性を重視する姿勢を示した。

削除の判断で考慮する要素としては、(1)検索結果の性質や内容(2)表示される側の社会的地位や影響力(3)逮捕記事などの意義や掲載時の社会的状況――などを挙げた。決定は1月31日付で裁判官5人の全員一致。

決定などによると、削除を求めたのは、2011年に児童買春禁止法違反罪で略式命令を受けた男性。氏名などを検索すると逮捕記事などが表示されたため削除を求める仮処分を申し立てた。(出典:2017年2月1日の日本経済新聞:最高裁、「グーグル」結果削除は公共性を重視:)

●6.【白楽の感想】

《1》研究界とは別の世界 

サム・リー(Sam W. Lee)は、ネカト記事のお蔭で、大学で教育職につく話しが壊れ、ワシントン癌学者賞(Washington Cancer Scholar Award)ももらえなかった。ベンチャー企業の投資をもらえなかった。ネカト記事で大きな被害をこうむった。

と、訴え、個人的にも職業的にも苦労していると述べている。

なんかおかしくないか?

これは全部、もとはと言えば、サム・リーがネカトしたことが原因である。自業自得である。

そして、米国の学術界はネカト者を排除する思想・施策・制度である。

だから、「大きな被害をこうむった」とあることの原因は本人にあり、その結果は、ほぼ、すべて、社会システムの当然の動きで、予見されていることだ。

「撤回監視(Retraction Watch)」の記事が、万一、削除されて、どこかの大学の教授になれたとしても、同じ分野の研究者は覚えている。

サム・リーは学術界では尊重されない。周辺で常に悪い噂が立つ。研究費助成金は獲得できない。院生・ポスドクはこない。教授職を全うできないだろう。

サム・リーが米国でハッピーな人生を送るには、研究界とは別の世界で生きることでしかない。

そして、2021年8月6日の司法省の記事にサム・リーは67歳とある。

ということは、最初に論文撤回された2013年の時は、59歳だった。この年齢で別の世界に生きることは難しいことは分かる。

しかし、何故、59歳以降、しっかり排除される学術界で生きようとするのか解せない。気持ちを切り替えて別の道に進むしかない状況だったハズだ。助けてくれる家族・友人もいただろうに。

しかし、そうしなかった。理由は、詳しくはわからないが・・・。

そして、67歳の2021年8月、弁護士を雇って「撤回監視(Retraction Watch)」の記事の削除を求めてきた。

記事が削除されても、これから、研究界で生きることは難しいだろう。ましてや、今回の行動で、人々が忘れている8年前の事件に注意を喚起してしまった。人々に記憶をよみがえらせた。これでは、損はあっても得はないと思う。

なんか、おかしくないかい。

《2》記事削除要請 

2021年8月15日現在、白楽も記事削除の要請を受けている。

2021年8月4日、白楽ブログの【日本の研究者のネカト・クログレイ事件一覧】がプライバシー権の侵害と指摘された。その内容と経緯と回答(案)を示す。まだ回答していません。(5C 白楽ブログが「プライバシー権の侵害」と指摘された | 白楽の研究者倫理

そして、白楽も、記事削除の要請を拒否する方向で進めている。

というわけで、「2021年8月13日のRetraction Watch」論文はタイムリーだったので、直ぐに読んだ。

読んだので、白楽ブログの記事にした。

「撤回監視(Retraction Watch)」もいろいろな批判・非難・脅迫にさらされている。批判は改善の糧だが、それでも活動を続ける点、エライ! 素晴らしい!

白楽は、研究社会の改善に貢献しようと無料奉仕しているのに、なんで、批判・非難・脅迫されるんだ、という気持ちになる(今は、「プライバシー権の侵害」と指摘されたからで、普段は、ときどき、イヤ、マレにですかね)。

一方、人間(研究者)は不正を犯してでも、何とか得しよう、損害を減らそうと足掻く。そして、不当とも思える要求もする。これも、ある意味、人間らしい。

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日本がスポーツ、観光、娯楽を過度に追及する現状は日本の衰退を早め、ギリシャ化を促進する。日本は、40年後に現人口の22%が減少し、今後、飛躍的な経済の発展はない。科学技術と教育を基幹にした堅実・健全で成熟した人間社会をめざすべきだ。科学技術と教育の基本は信頼である。信頼の条件は公正・誠実(integrity)である。人はズルをする。人は過ちを犯す。人は間違える。その前提で、公正・誠実(integrity)を高め維持すべきだ。
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★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。

●8.【コメント】

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