ワンポイント:著名な学者がポスドクのアイデアを盗用? 裁判係争中
●【概略】
グリン・エルウィン(Glyn Elwyn、写真出典)は、英国・カーディフ大学・教授として国際的に活躍していたが、2013年に米国・ダートマス大学(Dartmouth College’s Center for Health Care Delivery Science)・医療介護搬送科学センター・教授に移籍した。医師で、専門は家庭医学・医療政策だった。2015年11月1日までに322報の査読論文を発表し、21人の研究博士号(PhD)取得者を輩出した。2009年から英語版ウィキペディアがある著名な学者である。
2014年(60歳?)、問題の論文を出版した。
2015年1月30日(61歳?)、「自分(エルウィンの元・ポスドク)のアイデアを盗用し、訴えた大学に報復解雇された」と、エルウィンの元・ポスドクが、エルウィンと大学を裁判所に訴えた。2016年5月14日現在も係争中である。
研究界でアイデアの盗用が事件になることは珍しい。アイデア盗用は実際にはかなり起こっているだろうが、盗用したとされた側は、盗用ではなくすでに知っていた、啓発されて独自に思いついた場合がかなりあるだろう。いずれにせよ盗用を証明することは難しい。事件になりにくい。なお、この事件で訴えた元・ポスドクは、普通のポスドクではなく、研究経験がかなりある独立性の高いポスドクだった。
また、報復人事を行なったことで、公益通報者保護法に違反するとも訴えられた。米国での詳細は調べていないが、報復人事は、多数、あるのだろうか?
ダートマス大学(Dartmouth College’s Center for Health Care Delivery Science)・医療介護搬送科学センター。写真(Photo by Eli Burakian ’00)出典
- 国:米国
- 成長国:英国
- 研究博士号(PhD)取得:オランダのラドバウド大学
- 男女:男性
- 生年月日:不明。仮に1954年1月1日生まれとする。1976年の大卒時を22歳とした
- 現在の年齢:70 歳?
- 分野:家庭医学
- 最初の問題論文発表:2014年(60歳?)
- 発覚年:2014年(60歳?)
- 発覚時地位:ダートマス大学・教授
- 発覚:自分の元・ポスドクの公益通報
- 調査:①ダートマス大学・調査委員会? ②裁判所、係争中
- 不正:盗用?
- 不正論文数:1報?
- 時期:研究キャリアの後期
- 結末:
●【経歴と経過】
主な出典
- 生年月日:不明。仮に1954年1月1日生まれとする。1976年の大卒時を22歳とした
- 1976年(22歳?):英国・ウェールズのウェールズ大学バンガー校(Bangor University)で学士号、人文科学(BA)
- 1982年(28歳?):英国のウェールズ医科大学(University of Wales College of Medicine)・医学部を卒業。医師免許(MB BCh)
- 1986年(32歳?):英国の一般開業医ロイヤル大学(Royal College of General Practitioners)・医学部を卒業。医学研究審議会認定一般開業医(MRCGP)
- 1997年(43歳?):英国のウェールズ医科大学(University of Wales College of Medicine)・医学教育の修士号(MSc)
- 2000年(46歳?):英国の一般開業医ロイヤル大学(Royal College of General Practitioners)でFRGCP(称号の日本語訳不明)
- 2001年(47歳?):オランダ・ナイメーヘン(Nijmegen)のラドバウド大学(Radboud University)で研究博士号(PhD)取得。指導教授はリチャード・グロル(Richard Grol、写真出典)
- 2002年(48歳?):英国のスウォンジー医科大学(Swansea Medical School)・教授。かかりつけ医学(Professor of Primary Care)
- 2005年(51歳?):英国・ウェールズのカーディフ大学(Cardiff University)・教授
- 2013年(59歳?):米国・ダートマス大学(Dartmouth College’s Center for Health Care Delivery Science)・医療介護搬送科学センター・教授
- 2014年(60歳?):問題の論文を出版
- 2015年1月30日(61歳?):ポスドクのアイデアを盗用したと裁判所に訴えられた
●【研究内容】
現代では、溢れるほどの医療情報の中で、人々は暮らしている。インフォームド・コンセントが求められる現在、医者ではなく患者が医療を選択しなくてはならない。では、人々は、どのように考えた結果、医療検査・治療を受ける、あるいは受けない、と選択するのだろうか?
エルウィンが開発した手法がいくつかある。「プロスデックス(Prosdex)」と「シェアード・ディシジョン・メイキング (shared decision making, SDM)」の2つを取り上げよう。
- 『Shared decision-making in health care』(表紙右上)
Paperback: 432 pages
Publisher: Oxford University Press; 2 edition (June 29, 2009)
Language: English
ISBN-13: 978-0199546275 - 『Evidence-based Patient Choice』(表紙右下)
Paperback: 331 pages
Publisher: Oxford University Press; 1 edition (August 15, 2001)
Language: English
ISBN-13: 978-0192631947
★「プロスデックス(Prosdex)」
サイト → PROSDEX(保存版)
前立腺癌はPSAテストで前立腺癌かどうかを検査できる。しかし、検査は完全ではない。前立腺癌を気にする男性は、PSAテストで検査するかどうか、どうやって決めるのだろうか? 政府・健康省は、PSAテストの利点と欠点について十分な情報を提供すべきである。
プロスデックス(Prosdex)は、前立腺癌およびPSAテストの長所と短所について、証拠に基づいた情報を提供する。さらに、PSAテストのビデオ映像、また、テスト後の検査・治療についてのビデオ映像を提供する。「共有意思決定(シェアード・ディシジョン・メイキング)」の情報も提供し、意思決定のシステマチックな支援をすることで、人々がPSAテストで検査するかどうかの意思決定をサポートする。
★「シェアード・ディシジョン・メイキング (shared decision making, SDM)」:共有意思決定
「シェアード・ディシジョン・メイキング (shared decision making, SDM)」もエルウィンが開発した手法の1つである。ウィキペディアから引用しよう。
シェアード・ディシジョン・メイキング (shared decision making, SDM) は、治療方針の決定の際、医師が選択肢をあげてあくまで患者に治療を選ばせる手法である。インフォームド・コンセントより患者の自己決定権が強くなった概念である。特に慢性疾患などでは治療方針が患者の価値観によって大きく変わるので使用が望ましいとされている。2007年現在、日本語訳はついていない。(シェアード・ディシジョン・メイキング – Wikipedia)
【動画1】
動画:「Glyn Elwyn – Shared Decision Making – YouTube」(英語)9分52秒。
1000 Lives Improvement が2014/10/15 に公開
【動画2】
動画:「Health Datapalooza 2015: Glyn Elwyn Keynote – YouTube」(英語)18分17秒。
Health Data Consortium が2015/06/24 に公開
●【不正発覚の経緯と内容】
★マナナ・ツルキーゼ(Manana Tsulukidze)
本事件の脇役であるマナナ・ツルキーゼ(Manana Tsulukidze)の話から始める。
ツルキーゼの経歴は以下の通りだ(Inter Clinic、写真出典も)(保存版)。
ジョージア(旧・グルジア)育ちで、国籍もジョージアである。
- 1984 – 1990年、ジョージアのトビリシ国立大学(Tbilisi State University)生物学部卒。医学生化学専攻。
- 1989 – 1990年、ジョージアのトビリシ医科大学(Tbilisi Medical Academy)で医師免許取得。
- 2004-2005年、ジョージア国会の健康社会問題委員会の上級エキスパート
- 2005 – 2016年5月14日現在、ジョージアのトビリシの“Interclinic”で、臨床医、実験科学者
- 2006 – 2016年5月14日現在、ジョージアのトビリシの“AlDAGI BCI”で、家族医、実験科学者
- 2007年、米国・ワシントンDCでPAHO/WHOの短期コンサルタント
- 2007-2008年、ジョージア国会のユニセフ・コンサルタント(2007-2008、トビリシ、ジョージア)
- 2012年、米国のノース・カロライナ大学 – シャーロット (University of North Carolina at Charlotte)で研究博士号(PhD)を取得した。
- 2013年?、米国のダートマス大学医療介護搬送科学センターのグリン・エルウィン教授(Glyn Elwyn)の研究室でポスドク。
★盗用事件
2015年1月30日、マナナ・ツルキーゼ(Manana Tsulukidze)は、エルウィンとダートマス大学をニューハンプシャー州のグラフトン高等裁判所(Grafton Superior Court)に訴えた。
理由は、エルウィンがツルキーゼのアイデアを自分のアイデアと盗用した。このことを大学に訴えたら、大学はツルキーゼ解雇した。さらに、米国で学術研究を継続できないように、エルウィンは身元保証人(reference)になるのを拒否した。
エルウィンがツルキーゼが考案した研究方法を論文発表するとき、エルウィンは、エルウィンのアイデアだと記載するように脅したということだ。少なくとも、著者に加えなければ、不利益が生じると脅したらしい。
問題の論文は、2014年6月に出版された以下の論文である。ツルキーゼが第一著者で、エルウィンが最後著者になっている。
- Providing recording of clinical consultation to patients – a highly valued but underutilized intervention: a scoping review.
Tsulukidze M, Durand MA, Barr PJ, Mead T, Elwyn G.
Patient Educ Couns. 2014 Jun;95(3):297-304. doi: 10.1016/j.pec.2014.02.007. Epub 2014 Mar 3. Review.
ダートマス大学とエルウィンは、ツルキーゼが主張する盗用と報復解雇を否定している。
ツルキーゼの弁護士・カーク・シモノー(Kirk Simoneau、写真出典)は、「これは、実際は、盗用という知的所有権の事件ではありません。これは本当は、公益通報者への報復事件です。不当に扱われた従業員、不正に泣き、不正に泣いて解雇された従業員の問題です」と、述べている。
法廷文書によると、2013年、ツルキーゼは、患者が医師との会話を秘密で記録するという方法の研究成果をまとめ、論文にしようと原稿を執筆していた。
エルウィンは、この論文の著者にエルウィンを加えるように要求した。もし、エルウィンを著者に加えなければ、ツルキーゼが転職の際に決定的に必要な推薦書(reference)を書かないと脅した。後に、大学とエルウィンはこの脅しを否定した。しかし、論文のオーサーシップが、論争点であることは認めている。
2014年2月、ツルキーゼは、研究担当副学長のマーティン・ワイボーン(Martin Wybourne)に会い、オーサーシップ問題の解決を相談した。ワイボーン副学長は、彼女が研究を主導していたことを、最終的に認めた。
2014年3月、BMJ誌にエルウィンが論文を出版してことで、問題が再燃した。「彼女(ツルキーゼ)のアイデアをエルウィン自身が考えたものだとエルウィンが主張した」とツルキーゼが訴えていると、彼女の論文を引用せずに書いたからだ。
大学とエルウィンは、BMJ誌の文章は論文ではなく、単なる1っつの見解だと弁解している。
2014年5月と2014年7月、ツルキーゼは、エルウィンの研究不正をフォーマルな手紙にし、ワイボーン研究担当副学長に申し立て、ダートマス大学が調査のための諮問委員会を設置するよう要求した。
しかし、ツルキーゼの諮問委員会設置の要求はすべて拒否された。さらに、ポスドク契約は数か月だけ更新されたが、2014年9月22日に終了させられた。
ダートマス大学の規則に詳しいダートマス大学名誉教授のロジャー・マスターズ(Roger Masters、写真出典)の話だと、ダートマス大学は規範に違反していることになる。
「ダートマス大学は、教員、職員、および学生の申し立てに応じて諮問委員会を設置しなければならないという規則がダートマス大学にある。今回、この規則に従っていない」。
2015年4月1日、被告(ダートマス大学とエルウィン)側は、公益通報者保護法(Whistleblower Protection Act)に大学が違反しているというツルキーゼの主張を退ける動議を提出した。理由は、盗用を禁じる法律はないので、盗用が違法であると、原告は主張できない。
原告(ツルキーゼ)は異議を唱えた。ダートマス大学の規則には、盗用を「知的な窃盗(intellectual theft)」と定義しているので、ツルキーゼがエルウィンの行動を違法だとみなすのは妥当であると主張した。
法廷文書によると、裁判長・ピーター・ボーシュタイン(Peter Borstein)は、被告側の動議を否定した。裁判では、原告が法律違反だと信じる限り裁判を行なう。必ずしも、被告の行動が法律的に違法である必要はない。
カリフォルニア大学バークレー校の法学教授・デイヴィド・ローゼンフェルト(David Rosenfeld)は「原告が公益通報者保護法で裁判を勝ち取るには、公益通報による解雇や報復人事であることの実態的内容を証明しなければならない。ただ、公益通報者保護法は州によって異なるので、エルウィン事件はニューハンプシャー州の法律に依存する。ニューハンプシャー州の法律について、私は詳しくないので、具体的なコメントは差し控えたい」と述べている。
ツルキーゼの弁護士・カーク・シモノーは、「ツルキーゼが勝訴すれば、法廷は、被告に、原告の損害の2倍を支払うように命じることができる。さらに、ダートマス大学に彼女を再雇用するように命じ、その上、ツルキーゼの裁判費用を支払うよう命じるだろう」、と述べた。
2015年10月時点の記事では、裁判が2016年4月に決着がつくと記述されていた。しかし、2016年5月14日現在、裁判で決着がついたのかどうか、白楽は把握できていない。まだ、裁判で決着がついていないと思われる。
●【論文数と撤回論文】
2016年5月14日現在、パブメド(PubMed)で、グリン・エルウィン(Glyn Elwyn)の論文を「Glyn Elwyn [Author]」で検索した。この検索方法だと、2002年以降の論文がヒットするが、2002~2016年の15年間の251論文がヒットした。
2016年5月14日現在、撤回論文はなかった。
ツルキーゼとの共著論文が4報あった。アイデア盗用と問題視された論文は3番目の論文である。しかし、裁判で争ってる仲なのに、その後、2015年5月と8月に2報の共著論文を出版している。「原告・被告の関係でも、共著論文を出版する」というのも、ナカナカですね。
- The psychometric properties of Observer OPTION(5), an observer measure of shared decision making.
Barr PJ, O’Malley AJ, Tsulukidze M, Gionfriddo MR, Montori V, Elwyn G.
Patient Educ Couns. 2015 Aug;98(8):970-6. doi: 10.1016/j.pec.2015.04.010. Epub 2015 Apr 29. - Patients covertly recording clinical encounters: threat or opportunity? A qualitative analysis of online texts.
Tsulukidze M, Grande SW, Thompson R, Rudd K, Elwyn G.
PLoS One. 2015 May 1;10(5):e0125824. doi: 10.1371/journal.pone.0125824. eCollection 2015. - Providing recording of clinical consultation to patients – a highly valued but underutilized intervention: a scoping review.
Tsulukidze M, Durand MA, Barr PJ, Mead T, Elwyn G.
Patient Educ Couns. 2014 Jun;95(3):297-304. doi: 10.1016/j.pec.2014.02.007. Epub 2014 Mar 3. Review. - Using a ‘talk’ model of shared decision making to propose an observation-based measure: Observer OPTION 5 Item.
Elwyn G, Tsulukidze M, Edwards A, Légaré F, Newcombe R.
Patient Educ Couns. 2013 Nov;93(2):265-71. doi: 10.1016/j.pec.2013.08.005. Epub 2013 Aug 27.
●【白楽の感想】
《1》アイデアの盗用
研究アイデアの盗用が事件になることは珍しい。実際にかなり起こっているだろうが、証明することが難しいので事件になりにくい。
今回の場合、裁判の決着がついていないが、どうするのだろう? どうなるのだろう?
本文に書いたが、ツルキーゼの弁護士・カーク・シモノー(Kirk Simoneau)は、「これは、実際は、盗用という知的所有権の事件ではない。これは本当は、公益通報者への報復事件である。不当に扱われた従業員、不正に泣き、不正に泣いて解雇された従業員の問題である」と、述べている。
結局、アイデアの盗用として争わないのだろう。本当は、議論してほしいのだが・・・。
《2》師弟と研究アイデア
今回の場合、ツルキーゼの主張によれば、ツルキーゼが考案した方法を論文にする時、エルウィンが自分も著者にしなさいと強制したらしい。この場合、ツルキーゼが独立した研究者なら、エルウィンとは対等だから、ツルキーゼは単純に拒否しただろう。
一般的に言えば、まともな研究者は「自分を著者に加えなさい」とは要求しない。対等なら、エルウィンも要求しなかっただろう。論文はたくさんあるし、すでに著名な学者である。
しかし、実際は、ツルキーゼが独立した研究者ではなく、エルウィンのポスドクだったのだ。
この場合、ポスドクがほとんど研究成果を出し、ボスの貢献度がほとんどなくても、生命科学分野では、エルウィンを最後著者にすることが欧米日では普通である。
研究室のボスは、研究室で定期的に行なう研究セミナー・論文クラブ、また、データ検討会で、ポスドク・院生への研究指導をしているハズである。そもそも研究テーマ自体、ボスがポスドク・院生に提示していることが多い。ポスドク・院生の経費(人件費と研究費)もボスの研究費で賄っている。
ただ、ポスドク・院生はボスのそのような枠組み・指導を知らないことが多い。自分で研究室を主宰して初めて、師弟の関係が見えてくる。
なお、ツルキーゼはポスドクといえども、普通のポスドクではなく、研究経験がかなりある独立性の高いポスドクである。しかも、ジョージアという英米とは異なる文化圏の国で研究者として育った。
ツルキーゼの研究アイデアは、彼女自身のアイデアだっただろう。ただ、それを証明できない。研究界では、特許として確保することが第一である。他は、学術界での存在力(シンポジウムで講演など)、書籍、そして、研究成果を出し続けることで、勝つしかない。ただ、現状では、エルウィンの方がそれらのどれをとっても圧倒的に勝っていた。
とはいえ、裁判で争うのは、土俵が違うでしょう。
《3》学生のデータを上司が使用する問題
一般論として、院生のデータを教員が無断使用するという盗用問題がある(2015年10月22日のデイヴィド・マシューズ(David Matthews)の「Times Higher Education」記事:Papers retracted after authors used unauthorised data from junior researchers | Times Higher Education (THE)(保存版))。
マシューズが上の記事で、例えば、ストラスブール大学(University of Strasbourg)のPatrice Dunoyerが以前在籍した院生の修士論文を論文に使用した、と書いている。
オーストラリア・ウーロンゴン大学(University of Wollongong)の科学社会学者・ブライアン・マーチン(Brian Martin)は、「教員が学生のデータや文章を無断で使用することはたくさんあると思う。ただ、どれほどたくさんなのかは誰も知らない。ほとんど研究されていない学術不正です」と述べている。
そう、この盗用の実態は把握できていない。師弟関係のあり方も国際的なコンセンサスができていない。
《4》公益通報者保護法
この事件では、報復人事を行なったことで、公益通報者保護法に違反するとも訴えられた。米国での詳細は調べていないが、日本では、公益通報者に対する報復人事が公然と行われている印象がある。
日本にも、公益通報者保護法が、2004年6月18日に公布され、2006年4月1日から施行されている。しかし、実際は機能していない。研究ネカトを公益通報した研究者が、報復人事をされている。なんとか、しないと・・・。
第一条 この法律は、公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇の無効等並びに公益通報に関し事業者及び行政機関がとるべき措置を定めることにより、公益通報者の保護を図るとともに、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法令の規定の遵守を図り、もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資することを目的とする。
●【主要情報源】
① ウィキペディア英語版:Glyn Elwyn – Wikipedia, the free encyclopedia
② 2015年10月23日のレイチェル・ファイヴァース(Rachel Favors)の「Dartmouth」記事:Former researcher suing the College, alleging wrongful firing | The Dartmouth(保存版)
③ 2015年10月19日の「Portland Press Herald」記事:Dartmouth College researcher says professor plagiarized her – The Portland Press Herald / Maine Sunday Telegram(保存版)
④ 2015年10月19日:Stories Related to Dartmouth College Researcher Says Professor Plagiarized Her | Wopular#relartcenter#relartcenter#relartcenter(保存版)
★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。