2020年8月28日掲載
ワンポイント:【長文注意】。ドイツで育ち、18歳で渡英したアイゼンクは、1955-1983年(39-67歳)、英国のキングス・カレッジ・ロンドン(King’s College London)・教授として君臨し、1997年9月4日、81歳で亡くなった。フロイト(Sigmund Freud)、ジャン・ピアジェ(Jean Piaget)に次ぐ20世紀の偉大な心理学者で、63冊以上の著書・編書(うちの21冊が邦訳)、847報以上の論文を発表した。アイゼンクは1980年頃からドイツの医師・心理学者であるロナルト・グロッサルト=マティチェク(Ronald Grossarth-Maticek)と共同研究を始めた。2019年2月(没後21年)、英国のアンソニー・ペロシ医師(Anthony Pelosi)がアイゼンクのネカトを指摘した。2019年5月(没後21年)、キングス・カレッジ・ロンドンは調査報告書を公表し、アイゼンクとグロッサルト=マティチェクの25報の共著論文は「安全ではない」と該当学術誌に伝えた。結局、学術誌は、71論文に懸念表明し、14論文を2020年1~2月(没後22年)に撤回した。1943年~2000年、アイゼンクは27~84歳、つまり、アイゼンクの研究キャリアの初期から生涯にわたって不正論文を発表していた。科学史上の大スキャンダルになりそうである。国民の損害額(推定)は50億円(大雑把)。この事件は、白楽指定の重要ネカト事件である:時代を代表した偉大な研究者の論文が没後20年に追及され、71論文に懸念表明、14論文が撤回の多数論文撤回者。今後撤回論文数は増えるだろう。
【追記】
・2020年10月28日の論文:Research misconduct complaints and institutional logics: The case of Hans Eysenck and the British Psychological Society – Russell Craig, Anthony Pelosi, Dennis Tourish, 2020
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
4.日本語の解説
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
9.主要情報源
10.コメント
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●1.【概略】
ハンス・アイゼンク(Hans Eysenck、写真出典)は、ドイツで育ち、18歳で渡英し、1955-1983年(39-67歳)、英国のキングス・カレッジ・ロンドン(King’s College London)・教授として君臨し、1997年9月4日、81歳で亡くなった。専門は心理学。
アイゼンクは20世紀の偉大な心理学者で、フロイト(Sigmund Freud)、ジャン・ピアジェ(Jean Piaget)に次ぐ被引用数を誇り、63冊以上の著書・編書(うちの21冊が邦訳)、847報以上の論文を発表した。
日本語に翻訳されていないが有名な著書は『The Biological Basis of Personality』(1967年)である。
日本語に翻訳された著書は21冊以上ある。『知能の構造と測定』(1981年)、『マインドウオッチング―人間行動学』(1986年)(省略)、『たばこ・ストレス・性格のどれが健康を害するか―癌と心臓病の有効な予防法を探る』(1993年)の表紙を示す(本の表紙出典はAmazonアマゾン)。
アイゼンクは1980年頃からドイツの医師・心理学者であるロナルト・グロッサルト=マティチェク(Ronald Grossarth-Maticek、写真:By Martin Matyk / Martin Matyk, CC BY-SA 4.0, Link)と共同研究を始めている。
グロッサルト=マティチェクとの25報の共著論文がネカト・クログレイと指摘されている。それで、グロッサルト=マティチェクを別記事にせず、アイゼンクの記事に記載した。なお、グロッサルト=マティチェクは生命科学者なので、「生命科学」の枠・リストに加えた。
グロッサルト=マティチェクは、ハイデルベルク大学・所属とあるが、実際はハッキリしない。後半は、アイゼンクの在籍した英国のキングス・カレッジ・ロンドン(King’s College London)・精神医学研究所(Institute of Psychiatry)の研究員になっていたらしい。
アイゼンクは1997年9月4日に81歳で亡くなっているが、亡くなる前の1990年代初頭に、既に、アイゼンクとグロッサルト=マティチェクの共著論文はその結果が異常だと多くの研究者に批判されていた。しかし、この批判に対し、当局(大学や学術誌)はまともに調査しなかった。
2019年2月22日(アイゼンク没後21年)、英国のアンソニー・ペロシ医師(Anthony Pelosi)が、アイゼンクの研究論文の異常さを詳細に指摘し、再調査するようにと、「2019年3月のJ Health Psychol」論文を発表した。同時に、その論文を掲載した学術誌「J Health Psychol」のデイヴィッド・マークス編集長(David Marks)もペロシ医師の主張を強く支持する編集記を書いた。
マークス編集長の通報に、アイゼンクが約40年間も在職し、疑惑論文を発表していたキングス・カレッジ・ロンドン(King’s College London)はネカト調査をした。
2019年5月(没後21年)、キングス・カレッジ・ロンドンは調査報告書を公表し、アイゼンクとグロッサルト=マティチェクの25報の共著論文は「安全ではない」と該当学術誌に伝えた。
それを受けて、学術誌「Perceptual and Motor Skills」は3報を撤回(うち2報は調査報告書に記載されていない論文)、学術誌「Psychological Reports」は10報を撤回した。また、多数の論文が懸念表明された。
2020年8月28日(没後22年)、撤回論文データベースによると、アイゼンクの71論文が懸念表明され、14論文が2020年1~2月(没後22年)に撤回された。
但し、この事件を知る多くの心理学者はキングス・カレッジ・ロンドンの調査は不十分で、再調査が必要であると批判している。
ネカトハンターのジェームズ・ヘザーズ(James Heathers)(米)は、61報の論文が撤回されると予測しているし、ロッド・ブキャナン(Rod Buchanan)は、61報は少なく見積もり過ぎで、撤回されるべき論文数は87報だと主張している。
87報の論文が撤回されれば、「撤回論文数」世界ランキングの第4位に躍り出る。 → 「撤回論文数」世界ランキング | 白楽の研究者倫理
アイゼンクが1943年~2000年(27~84歳)に発表した論文がネカト・クログレイなのである。つまり、研究キャリアの初期から生涯にわたって不正論文を発表していた。
アイゼンクは、20世紀を席巻した高名な心理学者である。その多くの論文・著書の内容が不正だと糾弾されている。正しいと信じられていた心理学上の学説が間違っていたと修正され、科学史上の大スキャンダルになりそうである。
キングス・カレッジ・ロンドン(King’s College London)・精神・心理・神経科学研究所(Institute of Psychiatry, Psychology & Neuroscience)。写真出典
★ハンス・アイゼンク(Hans Eysenck)
- 国:英国
- 成長国:ドイツ
- 医師免許(MD)取得:なし
- 研究博士号(PhD)取得:ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン
- 男女:男性
- 生年月日:1916年3月4日、ドイツで生まれた
- 没年:1997年9月4日(享年81歳)
- 分野:心理学
- 最初の不正論文発表:1943年(27歳)
- 不正論文発表:1943年~2000年(27~84歳)
- 発覚年:2019年(没後21年)
- 発覚時地位:キングス・カレッジ・ロンドン・元教授
- ステップ1(発覚):第一次追及者は英国のプライオリー・ホスピタル・グラスゴー(Priory Hospital Glasgow)のアンソニー・ペロシ医師(Anthony Pelosi)
- ステップ2(メディア):学術誌「J Health Psychol」、「撤回監視(Retraction Watch)」、「Science」
- ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①学術誌。②キングス・カレッジ・ロンドン・調査委員会
- 大学・調査報告書のウェブ上での公表:あり。http://web.archive.org/web/20200718235150/https://retractionwatch.com/wp-content/uploads/2019/10/HE-Enquiry.pdf
- 大学の透明性:実名発表しているが、調査報告書に調査委員名なし(〇)
- 不正:ねつ造・改ざん。クログレイ
- 不正論文数:71論文が懸念表明された。14論文が2020年1~2月(没後22年)に撤回
- 時期:研究キャリアの初期から
- 職:没後21年なので(ー)
- 処分:なし
- 日本人の弟子・友人:岩脇三良(いわわき さぶろう) – Wikipedia:「1927年(昭和2年) – 。1980年兵庫教育大学教授、1992年定年退官、名誉教授」(出典同)。1971年と1979年のアイゼンクと岩脇の2報の共著論文が2020年に懸念表明
【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は50億円(大雑把)。
●2.【経歴と経過】
★ハンス・アイゼンク(Hans Eysenck)
- 生年月日:1916年3月4日ドイツで生まれた
- 1934年(18歳):ナチスを嫌い、フランス、そして英国に渡る
- 1935年10月-1938年(19-22歳):ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(University College London, UCL – University of London)で学士号を取得:心理学
- 1938年(22歳):最初の結婚、Margaret Daviesと
- 1940年(24歳):ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンで研究博士号(PhD)を取得:心理学
- 1942年(26歳):モーズレー病院・心理職
- 1947年(31歳):最初の著書 「パー ソナリティの次元」・出版
- 1947年(31歳):英国の市民権を得た
- 1948年(32歳):モーズレー病院が精神医学研究所(Institute of Psychiatry)と改名
- 1949-1950年(33-34歳):米国のペンシルベニア大学・客員教授
- 1950年(34歳):キングス・カレッジ・ロンドン(King’s College London)・精神医学研究所(Institute of Psychiatry)・心理学部門・責任者
- 1950年(34歳):2度目の結婚、Sybil Rostal と
- 1955-1983年(39-67歳):英国のキングス・カレッジ・ロンドン(King’s College London)・教授。精神医学研究所(Institute of Psychiatry)・心理学部門
- 1990年代初頭(70代):研究結果が異常だと多くの研究者に批判された
- 1997年9月4日(81歳):死亡
- 2019年2月(没後21年):アンソニー・ペロシ医師(Anthony Pelosi)が論文でネカトと指摘
- 2020年7月(没後22年):「Science」がネカト疑惑を記事にした
★ロナルト・グロッサルト=マティチェク(Ronald Grossarth-Maticek)
- 生年月日:1940年にハンガリーのブタペストで生まれた。仮に1940年1月1日生まれとした
- 1973年(33歳):ハイデルベルク大学(University of Heidelberg)で研究博士号(PhD)を取得:心理学
- 1975-1982年(35-42歳):ドイツ研究振興協会 (Deutsche Forschungsgemeinschaft)の助成で「社会科学腫瘍学」プロジェクト主宰
- 1982-1990年(42-50歳):「前向き疫学と予防行動医学」プロジェクト主宰
- 1990年(50歳):ドイツのハイデルベルク予防医学・政治・経済・健康心理学研究所(Institute for Preventive Medicine and Political, Economic and Health Psychology in Heidelberg)・所長。セルビアのベオグラードにある国連の欧州平和発展センター(European Center for Peace and Development)・教授
- 1991年(51歳):セルビアのベオグラード大学(University of Belgrade)で医師免許取得
- 19xx年(xx歳):英国のキングス・カレッジ・ロンドン(King’s College London)・精神医学研究所(Institute of Psychiatry)・心理学部門でアイゼンクと共同研究?
- 1990年代初頭(50代):研究結果が異常だと多くの研究者に批判された
- 2019年2月(79歳):アンソニー・ペロシ医師(Anthony Pelosi)が論文でネカトと指摘
- 2020年7月(80歳):「Science」がネカト疑惑を記事にした
●3.【動画】
以下は事件の動画ではない。
【動画1】
研究に関するインタビュー動画:「Hans Eysenck on Behavior Therapy – YouTube」(英語)1分57秒。
PsychotherapyNetが2019/01/07に公開
【動画2】
講演動画:「Classic: Eysenck: Biological Basis of Personality 1980 – YouTube」(英語)1時間2分19秒。
PsychotherapyNetが2011/10/06に公開
【動画3】
研究に関するインタビュー動画:「Hans J. Eysenck, Ph.D. Lifetalk with Roberta Russell on Psychoanalysis – YouTube」(英語)9分00秒。
Roberta Russellが2009/10/09に公開
【動画4】
ロナルト・グロッサルト=マティチェク(Ronald Grossarth-Maticek)の研究に関するインタビュー動画:「Carlos A. Gebauer im Gespräch mit Dr. Ronald Grossarth-Maticek – YouTube」(ドイツ語)14分14秒。
eigentümlich freiが2013/08/08に公開
以下をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=A891wd3_T-M
●4.【日本語の解説】
以下は事件の解説ではない。一部しか示さないが、日本語の記事はたくさんある。
★1988年:今田 寛(関西学院大学):Hans Jurgen Eysenck:人とその業績。Jap.J,Behav .Ther.,SpecialIssue: H .J.Eysenck,23〜36,1988,
行動療法研究,H.J,アイゼソク特集号,23〜36,昭和63年
出典 → ココ
アイゼンクはその40数年の心理学者としての歩みの中で,1986年末までに63冊の著書,編書をあらわし,そのうちの21冊までが邦訳されている。また著した論文数は,やはり昨年末までで847編に及んでいる。さらにアイゼソクの人と業績について書かれた書物がすでに3冊も出版されている。
・・・中略・・・
上記のような膨大な数の出版は一体どのような研究領域にまたがるものであろうか。ここでは最近にModgil&Modgil(1986)によってなされている以下の9つの領域への分類にしたがって,アイゼンクの各領域についての主張と貢献と思えるものを箇条書的にまとめることにした。
Modgilらによる9領域は次のとおりである。
1. 行動遺伝学(Behavioural genetics)
2. パーソナリティ(Personality)
3. 知能(lntelligence)
4. 社会的態度(Social attitudes)
5. 心理療法とフロイド的心理学(Psychotherapy and Freudian psychology)
6. 行動療法(Behaviourtherapy)
7. 性および結婚行動(Sexual and marital behaviour)
8. 喫煙と健康(Srnoking and health)
9. 占星学と超心理学(Astrology and parapsychology)
★2012年09月12日:Keyword Project+Psychology:心理学事典のブログ(著者名不記載):ハンス・アイゼンク(Hans Jurgen Eysenck)
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出典 → ココ、(保存版)
ハンス・アイゼンク(Hans Jurgen Eysenck, 1916年3月4日 – 1997年9月4日)はドイツのベルリンで生まれてイギリスで帰化した臨床心理学者であり、性格心理学・パーソナリティ分析・行動療法・心理テスト作成などの分野で精力的な研究を行った。H.アイゼンクは非常に膨大な量の論文・著作を書いた心理学者として知られ、心理学の広範な領域にわたる論文・主要著書を約350編も上梓している。
H.アイゼンクは精神分析学的な心理的力動(リビドーや超自我の内的葛藤)を重視する伝統的なパーソナリティ研究の方法論を非科学的(非実証的)だと言って批判し、性格心理学の分野に科学的研究の方法論を導入することに尽力した。性格形成について生物学主義(遺伝子重視)や環境決定論が流行っていた時代に、H.アイゼンクは早くも『遺伝的要因』と『環境的要因』の双方が作用することで、“性格(character)”という一貫性のある思考・感情・行動のパターンが規定されるという折衷論を展開した。
当時においては科学的とされた因子分析法を実施して、性格の主要次元を発見したが、H.アイゼンクはパーソナリティ構造の個人差を調べるためには、『内向性‐外向性・神経症的傾向・精神病的傾向』の3因子を操作的に定義して測定すれば良いという風に考えた。この操作的な定義は、精神疾患の病態水準を整理して性格行動パターンの基本的傾向性を知るのにも便利なので、現在でも精神症状の軽微なものを神経症的、重篤なものを精神病的という傾向はやはりある程度は残っている。
H.アイゼンクは『無意識の意識化・言語化』によって神経症(neurosis)を治療できるとするS.フロイトの精神分析を無根拠だと批判して、神経症の治療を客観的に観察可能な行動を変化させることで行おうとした。アイゼンクは神経症の症状形成の病理モデルを、『非適応的な行動パターンの学習』であるとして、それを行動療法的な技法によって『適応的な行動パターンの再学習』で治療しようとしたのであり、この業績は行動療法の先駆者としても知られる。
ハンス・アイゼンクは1975年には、モーズレー性格形成を発展・改善した『アイゼンク性格検査』を作成しており、この性格検査(性格テスト)は実験学的性格研究の成果にもなっている。
★xxxx年xx月xx日:産業カウンセラー学科試験対策 講座(著者名不記載):16. パーソナリティの特性論・形成と変容
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出典 → ココ、(保存版)
【アイゼンクの特性論】
アイゼンクの理論は主として因子分析法による性格特性の実験的研究によるものである。
神経症的傾向のある内向性の者の特徴
不安や抑うつの徴候を現し、強迫観念や焦燥感、無感動などがあり、自律神経系が不安定になっている。
神経症的傾向の外向性の者の特徴
言語動作などがヒステリー的態度を示す。あまり精力的ではなく、興味範囲が狭い。
不平不満が多く、事故を起こしがちで、苦痛に弱いといった特徴がある。
特性論としての5因子論
外向性・協調性・良心性・情緒的安定性・文化の5因子によってパーソナリティを説明。
外向性・・・エネルギッシュ、社交性、断定的などを性格特徴とする対人的特徴。
協調性・・・愛情ある、愛想のよい、信頼できるなどを性格特徴とする対人的特徴。
良心性・・・責任感、几帳面、計画性、能率のよさなどの性格特徴。
情緒的安定性・・・落ち着いた、冷静な、自信のあるなどの性格特徴。
文化・・・想像性、文化的洗練、幅が広い興味など複雑な性格特徴。
●5.【不正発覚の経緯と内容】
★20世紀の巨人:ハンス・アイゼンク(Hans Eysenck)
今田 寛(関西学院大学)の1988年の論文によると、ハンス・アイゼンク(Hans Eysenck、写真出典)は63冊以上の著書・編書(うちの21冊が邦訳)、847報以上の論文を発表し、研究領域は、行動遺伝学、パーソナリティなどとても広範だった。
上記のようにアイゼンクは著書・論文が多く、心理学者だけでなく多くの一般社会人にも多大な影響を与えた。1997年に81歳で亡くなった時、論文の被引用数は、フロイト(Sigmund Freud)、ジャン・ピアジェ(Jean Piaget,)に次ぐ、第3番目だった。つまり、20世紀の心理学の巨人である。
但し、亡くなる前の1990年代初頭に、既に、研究結果が異常だと多くの研究者に批判されていた。しかし、この批判に対し、当局(大学や学術誌)はまともに調査しなかった。
アイゼンクは、また、知性は遺伝する部分があると主張したことで、人種差別主義者だとも非難されていた。
問題論文だと指摘された論文の多くは、ハンス・アイゼンク(Hans Eysenck)とロナルト・グロッサルト=マティチェク(Ronald Grossarth-Maticek)との共著論文である。
アイゼンクはグロッサルト=マティチェクとの共著論文が25報ある。次節で、グロッサルト=マティチェクに軽く触れておく。
★ロナルト・グロッサルト=マティチェク(Ronald Grossarth-Maticek)
ハンス・アイゼンク(Hans Eysenck)はドイツのロナルト・グロッサルト=マティチェク(Ronald Grossarth-Maticek)との共著論文が25報ある。
ロナルト・グロッサルト=マティチェク(Ronald Grossarth-Maticek、1940年 – )は、ドイツの医学・心理学・社会学者である。健康・疾病に影響する様々な要因について、独自の理論に基づいた仮説を立て、それらを検証するための疫学研究(分析疫学および介入研究)を行っている。
ブダペストで生まれ、ベオグラード大学、ハイデルベルク大学で社会学、精神病理学、犯罪学、医学を学んでいる。
ロンドン大学の教授(精神医学研究所)であったハンス・J・アイゼンクは、グロッサルト=マティチェクの研究に強い関心を抱く一方、当初は懐疑的な考えも持っていた。彼は、自らの疑問や他の学者らからの批判について独自の調査を行い、さらに上記の検証研究への関与を経たのち、グロッサルト=マティチェクの強力な支持者となり、その後1997年に没するまで一貫して共同研究を続けた。(出典:ロナルト・グロッサルト=マティチェク – Wikipedia)
上記でグロッサルト=マティチェクの所属をハイデルベルク大学としてるが、実際はハッキリしない。後半は、アイゼンクの在籍した英国のキングス・カレッジ・ロンドン(King’s College London)・精神医学研究所(Institute of Psychiatry)の研究員になった。
アイゼンクは1980年頃からグロッサルト=マティチェクと共同研究を始めている。
九州大学・キャンパスライフ・健康支援センターの永野純・教授(ながの じゆん、医師)はグロッサルト=マティチェクの信奉者のような著述をしている。
→ Epidemiological studies in Japan based on the Grossarth‐Maticek principle/theory
そして、永野純・教授も加わり、2014年に日本オートノミー協会が発足した。
グロッサルト=マティチェク氏らが開発した心理療法「オートノミートレーニング」に関心を持つ者が集まり、その理論と実践法についてともに学び、議論し、関連する様々な課題について研究することを目的として、2014年2月に任意団体「オートノミートレーニング研究会」が発足しました。(出典:概要 | 一般社団法人 日本オートノミー協会)
2020年8月27日現在、日本オートノミー協会は活動を続けている
★発覚の経緯
2019年2月22日(没後21年)、英国のプライオリー・ホスピタル・グラスゴー(Priory Hospital Glasgow)のアンソニー・ペロシ医師(Anthony Pelosi、写真出典)が、ハンス・アイゼンク(Hans Eysenck)の研究論文の異常さ再調査するようにと「2019年3月のJ Health Psychol」論文を発表した。なお、ペロシ医師はグラスゴー大学・名誉教授(University of Glasgow)である:University of Glasgow – Schools – School of Medicine, Dentistry & Nursing – Our staff – Anthony Pelosi。
- Personality and fatal diseases: Revisiting a scientific scandal.
Pelosi AJ.
J Health Psychol. 2019 Mar;24(4):421-439. doi: 10.1177/1359105318822045. Epub 2019 Feb 22.
論文のポイントは、次のようだ。
1980年代・1990年代に、アイゼンクは、彼の弟子の1人であるロナルト・グロッサルト=マティチェク(Ronald Grossarth-Maticek)と共同で、致命的な病気の原因、予防、治療に関する一連の論文を発表した。これらの論文は生物医学研究に大きな影響を与えてきた。 しかし、これら約30年前に発表された論文には、非常に深刻な研究倫理上の問題があり、史上最悪の科学的スキャンダルの1つと思える。それで、長い間延滞しているネカト調査を正式に要請する。
序文で、「ハンス・アイゼンクの知性、人格、致命的な病気、喫煙の原因と影響に関する研究は、1991~1995年、たくさんの批判を受けたが、未だに当局はネカト調査をしていない」と指摘した。
以下、1991~1995年の批判を、ペロシ論文からそのコピペした。このように多数の研究者がアイゼンク(Hans Eysenck)の研究論文の異常さを指摘していた。
Amelang, 1991, 1993, 1997; Amelang et al., 1996; Amelang and Schmidt-Rathjens, 1992; Cooper and Faragher, 1991; Derogatis, 1991; Fox, 1991, 1995; Kiecolt-Glaser and Chee, 1991; Lee, 1991; Levy, 1991; Pelosi and Appleby, 1992, 1993; Schuler and Fox, 1991; Spiegel, 1991; Suinn, 1991; Temoshok, 1991; Van Der Ploeg, 1991, 1992; Van Der Ploeg and Kleijn, 1993; Van Der Ploeg and Vetter, 1993; Vetter, 1993
2019年2月22日(没後21年)、ペロシ論文を掲載した学術誌「J Health Psychol」のデイヴィッド・マークス編集長(David Marks (psychologist) – Wikipedia、写真出典同)は「2019年2月のJ Health Psychol」にアイゼンク事件を調査すべきだと書いた。
→ The Hans Eysenck affair: Time to correct the scientific record – David F Marks, 2019
ペロシ論文の指摘を受けて、「撤回監視(Retraction Watch)」がロッド・ブキャナン(Rod Buchanan、写真出典同)のアイゼンク事件の記事を2019年10月30日に掲載した。
また、翌年の2020年7月15日に「Science」誌がアイゼンク事件を記事にした。
そして、2020年8月27日(没後22年)現在、学術誌は71論文に懸念表明し、14論文を2020年1~2月(没後22年)に撤回した。
ネカトハンターのジェームズ・ヘザーズ(James Heathers、写真出典)(米)は、61報の論文が撤回されると予測し、ロッド・ブキャナン(Rod Buchanan)は61報は少なく見積もり過ぎで、撤回されるべき論文数は87報だと主張している。
★キングス・カレッジ・ロンドンのネカト調査
時計の針を1年5か月前に戻す。
2019年3月(没後21年)頃(?)、ペロシ医師の「2019年3月のJ Health Psychol」論文の指摘を受けて、アイゼンクが約40年も在籍していた英国のキングス・カレッジ・ロンドン(King’s College London)のエドワード・バーン学長は(Edward Byrne、写真出典)は、キングス・カレッジ・ロンドン(King’s College London)の精神・心理・神経科学研究所(Institute of Psychiatry, Psychology & Neuroscience)にネカト調査をするよう要請した。
2019年5月(没後21年)、キングス・カレッジ・ロンドンのネカト調査が終わり、調査報告書が公表された。
以下はキングス・カレッジ・ロンドンの調査報告書の冒頭部分(出典:同)。全文(9ページ、実質は3頁)は → http://web.archive.org/web/20200718235150/https://retractionwatch.com/wp-content/uploads/2019/10/HE-Enquiry.pdf
調査報告書は、性格と健康に関する研究でアイゼンクがロナルト・グロッサルト=マティチェク(Ronald Grossarth-Maticek)と共著で発表した論文を調査した。
現代の臨床医学の知見と矛盾すると批判された指摘に同意し、アイゼンクの25報の論文は「安全でない」と該当学術誌に伝えるようにバーン学長に答申した。
その25報は1989年~2000年(アイゼンクは73~84歳、グロッサルト=マティチェクは49~60歳)に発表した論文である。
それを受けて、学術誌「Perceptual and Motor Skills」は3報を撤回(うち2報は調査報告書に記載されていない論文)、学術誌「Psychological Reports」は10報を撤回した。また、多数の論文を懸念表明した
★キングス・カレッジ・ロンドンのネカト調査への批判
しかし、マークス編集長とペロシ医師は、キングス・カレッジ・ロンドンの調査は不十分だと批判している。
第1点は、グロッサルト=マティチェクと共著の論文しか調べていない。同じデータに基づいたアイゼンク単著の論文を無視している。論文の不備をグロッサルト=マティチェクに押し付けようとする意図がミエミエである。
第2点は、性格と健康に関する研究しか対象にしていない。アイゼンクはもっと広範な研究をし、論文・著書を発表している。それらを調査していない。
第3点は、調査報告書は調査の詳細を記載していない。これでは、調査内容がほとんど全く分からない。
第4点は、情報公開法で調査した委員の名前を要求したが、キングス・カレッジ・ロンドンは大学の規則を盾に委員名を公開しなかった。この不透明さは、調査及び調査委員に問題があることを暗示している。
キングス・カレッジ・ロンドンの教員も調査が不十分だと批判した。
そして、ペロシ医師は詳細な調査を望むとの声明を発表した。
その理由の1つは、アイゼンクの論文が現在でも依然として影響力を持っているからである。
例えば、ストレスと癌の関連を報告した論文は700回以上も引用されている。「陽気な性格の方が免疫機能が高まり、癌を克服しやすい」というアイゼンクの論文は、多くの国民の生活・考え方に浸透している。しかし、疫学者はこの論文をまともな科学的事実だと受け止めていない。
メルボルン大学(University of Melbourne)・教授で学術誌「Collabra: Psychology」のシミーン・ヴァジーア編集長(Simine Vazire) (写真出典)は、その論文がもはや特別な影響力を持っていなくても、徹底的なフル調査が必要であると述べている。
「アイゼンクのいい加減な論文が放置されれば、ネカト・クログレイが発覚しても、超有名になれば、糾弾されないと受け取られる。それなら、ネカト・クログレイ論文を発表してでも有名になろうとする研究者が増える。それはひどい」と彼女は言う。
●【ネカト・クログレイの具体例】
★性格が病因
ハンス・アイゼンク(Hans Eysenck)とロナルト・グロッサルト=マティチェク(Ronald Grossarth-Maticek)は共同で、心臓病や癌の重大な危険因子は性格であるとする多数の論文を発表した。
グロッサルト=マティチェクは医師であり社会科学者なのだが、ユーゴスラビアの町クルヴェンカ(Crvenka)で、1,300人以上の被験者を対象に性格と病気に関する数十年の追跡研究をした。そして、怒りを抑圧する性格の人は、肺癌や他の癌の発生頻度が高まると報告した。
早い話し、「あなたを殺したのは喫煙ではなく、あなたが抑圧した怒りです」。つまり、性格要因は肺がんのリスクを喫煙の6倍も高いと発表した。
この理論はたばこ業界に都合がよかった。当時、たばこ業界はアイゼンクとの関係を否定したが、ドイツのたばこ業界組合はグロッサルト=マティチェクに研究助成をした。そして、実は、アイゼンクは、たばこ業界からカネをもらっていたことが後に判明した。
By Chiswick Chap – Own work, CC BY-SA 4.0, Link
勿論、性格要因で肺がんになるというデータは、ねつ造・改ざんされたものだった。
別の研究では、ユーゴスラビアとハイデルベルクの患者を対象に実施した結果、「がんになりやすい性格(cancer-prone personality)の人の38.5%ががんで死亡したのに対し、健康な性格の人はわずか0.3%」だったと発表した。
さらに、もっと驚く事が別の研究で提唱されていた。
アイゼンクとグロッサルト=マティチェクが提唱した「ビブリオセラピー(bibliotherapy)」の概念で、この「ビブリオセラピー(bibliotherapy)」「より良い自律的な生活とストレス回避の行動療法(behaviour therapy)」である。
「ビブリオセラピー(bibliotherapy)」は5時間の討論で、患者の性格を発がん体質から遠ざけ、より健康的な性格に変えることができるとしている。この研究の結果は、「13年間で、無療法の600人の内128人(21%)が癌で死亡したのに対し、療法を受けた600人は27人(4.5%)しか癌で死亡しなかった」と報じた。
この結果は、医学の歴史上前例のない療法である。そして、様々なタイプの心臓病についても同様に素晴らしい結果が得られたと報告した。
これらは、あり得ない研究結果である。明らかにあり得ない。
当然、アイゼンクとグロッサルト=マティチェクの研究は、その方法論、統計的扱い、倫理、結論が、1990年代に猛烈に批判され、攻撃された。
●6.【論文数と撤回論文とパブピア】
★論文数
今田 寛(関西学院大学)の1988年の論文によると、ハンス・アイゼンク(Hans Eysenck)は63冊以上の著書・編書(うちの21冊が邦訳)、847報以上の論文を発表し、研究領域は、行動遺伝学、パーソナリティなどとても広範だった。
★撤回論文データベース
2020年8月27日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回論文データベースでハンス・アイゼンク(Hans Eysenck)を「Eysenck, Hans J」で検索すると、85論文がヒットし、71論文が懸念表明、14論文が2020年1~2月に撤回された。
14報の撤回論文の内3報は単著で、11報はグロッサルト=マティチェクと共著である。出版年は1988年~1995年(アイゼンクは72~79歳、グロッサルト=マティチェクは48~55歳)に発表した論文である。
71報の懸念表明論文の内3報はグロッサルト=マティチェクと共著で、1988年、1995年,1997年の出版である。68報は単著もあるが共著もあり、出版年は1943年~1995年(アイゼンクは27~79歳)である。
★パブピア(PubPeer)
2020年8月27日現在、「パブピア(PubPeer)」では、ハンス・アイゼンク(Hans Eysenck)の論文のコメントを「Hans Eysenck」で検索すると、4論文にコメントがあった。
●7.【白楽の感想】
《1》どうして? その1
ハンス・アイゼンク(Hans Eysenck)は、「どうして?」データねつ造・改ざんをしたのか?
没後21年の2020年になって、71論文に懸念表明され、14論文が撤回された。
その不正論文は、アイゼンクが1943年~2000年(27~84歳)に発表した論文である。つまり、アイゼンクは研究キャリアの初期から生涯にわたって不正論文を発表していた。
どうしてかと言えば、多分、最初は単に「ズルして得しよう」としたと思われる。そして、ズルが上手かった。発覚しなかった。それで、ズルを続けてしまった。発覚しないうちに人生を終えてしまった。というところだろう。
このケースでは、周囲が、もっと早く摘発し、それ以降の不正を防止すべきだった。それが、どうしてできなかったのだろう?
《2》どうして? その2
アンソニー・ペロシ医師(Anthony Pelosi)が「2019年3月のJ Health Psychol」論文で、ハンス・アイゼンク(Hans Eysenck)の研究論文の異常さを指摘した。
しかし、1990年代初頭に、既に、アイゼンクの研究結果が異常だと多くの研究者に批判されていた。しかし、この批判に対し、当局(大学や学術誌)はどうして調査しなかったのだろう?
また、ペロシ医師はどうして2019年になって糾弾したのだろう?
《3》ネカト調査機関
2019年2月(アイゼンク没後21年)、アンソニー・ペロシ医師(Anthony Pelosi)がアイゼンクのネカトを指摘した。
アイゼンクが約40年も在籍していた英国のキングス・カレッジ・ロンドン(King’s College London)がネカト調査をした。
しかし、調査内容は心理学者やネカト研究者に「お粗末」と批判されている。
キングス・カレッジ・ロンドンは「お粗末」な調査でお茶を濁そうとしているが、このままウヤムヤにできるのか、再調査するのか?
しかし、キングス・カレッジ・ロンドンは約40年前の1983年に退職した教授で、没後21年も経った教授の研究記録を保存しているとは思えない。
もし、キングス・カレッジ・ロンドンが再調査をしなければ、誰がすべきなのだろう?
2020年(没後22年)、学術誌は、71論文に懸念表明し、14論文を撤回した。
学術誌は撤回しない限りネカト論文が公開されているので、仕方なしに、ソコソコでも調査せざるを得ない。しかし面倒なので、とりあえず懸念表明にした。それで、懸念表明は71論文とすごい数になっている。
今回の事件でもハッキリ見えているが、大学や学術誌のネカト調査には限界がある。能力も経費も大学や学術誌に求めるのは、かなり無理がある。
一般論としても、ネカト調査のための組織が必要に思える。それも、今回のように英国とドイツの研究者の共同研究を調査するとなると、国際的なネカト調査機関が必要に思えるが、皆さん、どう思います?
《4》日本オートノミー協会
本文に書いたが、アイゼンクの63冊以上の著書・編書のうちの21冊が邦訳されている。当然、多くの日本人の学者・一般社会人がアイゼンクの学説の影響を受けている。
例えば、アイゼンクとグロッサルト=マティチェクの研究成果の影響を受けて、日本では2014年に日本オートノミー協会が発足した。
グロッサルト=マティチェク氏らが開発した心理療法「オートノミートレーニング」に関心を持つ者が集まり、その理論と実践法についてともに学び、議論し、関連する様々な課題について研究することを目的として、2014年2月に任意団体「オートノミートレーニング研究会」が発足しました。(出典:概要 | 一般社団法人 日本オートノミー協会)
この日本オートノミー協会の役員を上記サイトから引用すると、以下のように医師と企業が並んでいて、立派な肩書である。学者が信用するかどうかわからないが、多くの一般社会人は信用するだろう。
2020年8月26日現在、今年はコヴィッド・ナインティーン(COVID-19)で活動が延期されているが、日本オートノミー協会は、今まで、研修会や勉強会などを活発に行なってきた。
しかし、2020年8月26日現在、本家のアイゼンクとグロッサルト=マティチェクの研究に赤色や黄色の信号がともっている。
アイゼンクとグロッサルト=マティチェクの普及活動をしてきた日本の医師と企業は、日本オートノミー協会を含め、事態を深刻に受け止め、再検討し、これ以上、日本人の被害者を出さないようにしてもらいたい。
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日本がスポーツ、観光、娯楽を過度に追及する現状は日本の衰退を早め、ギリシャ化を促進する。今後、日本に飛躍的な経済の発展はない。科学技術と教育を基幹にした堅実・健全で成熟した人間社会をめざすべきだ。科学技術と教育の基本は信頼である。信頼の条件は公正・誠実(integrity)である。人はズルをする。人は過ちを犯す。人は間違える。その前提で、公正・誠実(integrity)を高め維持すべきだ。
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●9.【主要情報源】
① ウィキペディア・日本語版:ハンス・アイゼンク – Wikipedia
② ウィキペディア・日本語版:ロナルト・グロッサルト=マティチェク – Wikipedia
③ 2019年10月30日のロッド・ブキャナン(Rod Buchanan)の「撤回監視(Retraction Watch)」記事群:61 retractions for controversial psychologist Hans Eysenck? That’s a significant underestimate, says his biographer – Retraction Watch
④ ◎2020年7月15日のキャスリーン・オグレディ(Cathleen O’Grady)記者の「Science」記事:Misconduct allegations push psychology hero off his pedestal | Science | AAAS
⑤ 2019年12月16日のデイヴィッド・マークス(David Marks)とロッド・ブキャナン(Rod Buchanan)の論文:King’s College London’s enquiry into Hans J Eysenck’s ‘Unsafe’ publications must be properly completed – David F Marks, Roderick D Buchanan, 2020
⑥ 2019年10月21日のスティーブン・フライシュフレッサー(Stephen Fleischfresser)の「Cosmos」記事:Is this “one of the worst scientific scandals of all time”? | Cosmos
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