2022年2月1日掲載
白楽の意図:英国下院議会の科学技術委員会に、米国の「撤回監視(Retraction Watch)」が提出した研究公正の改善策である。第一著者はアリソン・アブリティス(Alison Abritis)で、マーカスとオランスキーが共著の「2022年1月のReproducibility and research integrity」論文を読んだので、紹介しよう。
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.書誌情報と著者
3.論文内容
5.白楽の感想
6.コメント
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【注意】
学術論文ではなくウェブ記事なども、本ブログでは統一的な名称にするために、「論文」と書いている。
「論文を読んで」は、全文翻訳ではありません。ポイントのみの紹介で、白楽の色に染め直し、さらに、理解しやすいように白楽が写真・解説など加え、色々加工している。
研究者レベルの人で、元論文を引用するなら、自分で原著論文を読むべし。
●1.【書誌情報と著者】
★書誌情報
- 論文名:Supplementary Written Evidence Submitted by Retraction Watch and The Center for Scientific Integrity (RRE0097)
日本語訳:撤回監視および科学公正センターが提出した補足的な書面の証拠(RRE0097) - 著者:Alison J. Abritis, Adam Marcus, Ivan Oransky
- 掲載誌・巻・ページ:Reproducibility and research integrity
- 発行年月日:2022年1月14日
- 指定引用方法:
- ウェブ:
- PDF:https://committees.parliament.uk/writtenevidence/42152/pdf/
★著者
- 第1著者:アリソン・アブリティス(Alison Abritis)
- 写真: https://retractionwatch.com/2015/09/21/meet-the-new-retraction-watch-researcher-alison-abritis/
- 履歴:https://www.linkedin.com/in/alison-abritis-64509510/
- 国:米国
- 現在の年齢:36 歳?
- 学歴:2015年、サウスフロリダ大学(University of South Florida)で研究博士号(PhD)を取得。国民健康学。
- 分野:科学コミュニケーション
- 論文出版時の所属・地位:2015年9月から撤回監視の研究員(a researcher at Retraction Watch and The Center For Scientific Integrity)
●3.【論文内容】
本論文は学術論文ではなくウェブ記事である。本ブログでは統一的な名称にするため論文と書いた。方法論の記述はなく、いきなり、本文から入る。
ーーー論文の本文は以下から開始
●《1》はじめに
この論文は、英国下院議会の科学技術委員会(UK’s House of Commons Science & Technology Committee)の諮問を受けて、米国の「撤回監視(Retraction Watch)」が提出した文書である。
●《2》論文撤回の現状
前回、この委員会に対して証言をしたのは2017年で、それ以来、いろいろな変化があった。
第1点:撤回論文
2018年に撤回監視データベース(Retraction Watch Database)を一般公開した。
このデータベースは32,000論文を超える論文撤回を収録している。手動でデータ入力し、10年以上の経験に基づく慎重な分析で撤回理由も記載している。
上のグラフに示したように、全出版論文(科学技術)の撤回論文率は2000年に0.003%だったのが、2018年には0.07%と、この18年間、直線的に上昇し続け、20倍以上上昇した。
撤回監視データベース(Retraction Watch Database)で、研究者、政策立案者などは、撤回論文の実態と撤回理由など、より詳細な理解が可能になった。
全出版論文(科学技術)の撤回論文率の上昇と一致して、英国の研究者の撤回論文数は劇的に増加した。
英国の研究者の撤回論文数は、2017年に147報だったが、4年後の2021年12月1日時点では、累計1,144報と7.8倍に増えている。撤回論文のほぼ半数(574報)は、著者の所属が英国だけだった。
第2点:パブピア(PubPeer)
2012年に開設したパブピア(PubPeer.com)は、出版後査読のプラットフォームとして頻繁に利用されるようになった。
パブピアはほぼすべての出版論文に対して匿名でコメントできる。従来の学術誌はこの出版後査読(コメント)システムを構築できなかった。
パブピアでのコメントは、論文内容やデータについて著者と議論することが主な目的だが、実質的には論文ネカトの指摘が多い。
多くの学術誌は、パブピアのコメントに基づいて、論文訂正や論文撤回をするようになってきた。
ネカトに関する研究者へのアンケート調査でも同じ結果が得られているが、パブピアのコメントでは、論文中の画像が異常(ねつ造・改ざん)だという指摘が非常に多い。
画像の異常が指摘された論文数は、撤回論文数よりもはるかに多い。この差の意味は、多数の学術誌が問題のある論文を撤回する作業をしていないということだ。理由は、学術誌の怠慢である。
第3点:ネカトハンター
パブピアにコメントを投稿する人を2群に分類できる。
1群は、問題の論文に関係した共著者や被盗用者などのネカト被災者である。もう1群は、問題の論文に無関係ないネカトハンターたちである。
このネカトハンターは重要な役割を果たしている。
ネカトハンターを以下にあげる。
ニック・ブラウン(Nick Brown)、ジョン・カーライル(John Carlisle)、ジェームズ・ヘザーズ(James Heathers)などのネカトハンターは論文データの統計的な問題に焦点を当てている。
マイケル・ドハティ(Michael Dougherty)を含めた人々は盗用に焦点を当てている。
エリザベス・ビック(Elisabeth Bik)は、論文中画像の不正操作を巧みに検出することで、非常に有名なネカトハンターである。
ギヨーム・カバナック(Guillaume Cabanac)、シリル・ラビ(Cyril Labbé)、アレクサンダー・マガジノフ(Alexander Magazinov)は数百報の「拷問フレーズ(tortured phrases)」論文を見つけている。「拷問フレーズ(tortured phrases)」論文はコンピュータがいい加減に作った論文の特徴である。
ジェニファー・バーン(Jennifer Byrne)は、シリル・ラビ(Cyril Labbé)等と共に、結論に深刻な影響を与える遺伝子配列の「タイプミス」論文を数百報も検出した。
ネカトハンターたちは、論文中の間違いや不正行為が、多くの人が考えているよりもはるかに多いと指摘している。
また、間違いや不正行為があるのに、多くの学術誌は記録を修正(論文の訂正・撤回)したがらないとも指摘している。
ネカトハンターたちの多くは、ネカト者(含・ネカト疑惑者)やその支持者から、法的、個人的、専門的な脅迫を受けている。
私たちは、ネカトハンティング活動を組織的に支援する仕組みが必要で、支援には経済的な支援も必要、と考えている。
一部の学術誌や出版社は、論文に対するコメント・不正通報をふるいにかけ、必要に応じて行動を起こす研究公正担当マネージャー(research integrity managers)を雇っている。
研究公正担当マネージャーの作業の多くは、出版された論文に対して行なっていたが、一部の作業は出版前の投稿原稿の段階で対処する状況になってきた。
●《3》査読
撤回論文数の増加と同じくらい重要なこととして、論文の査読のあり方にスポットライトが当たり続けている。
編集者や出版社は、論文撤回につながる問題の多くは、出版前査読では捉えられなかったと言うのが好きである。
しかし、矛盾するようだが、編集者や出版社は、学術誌の論文の信頼は査読のおかげだともしばしば述べる。
「信頼は査読のおかげ」というマントラ(無意識に繰り返す持説)は、査読なしのプレプリントが目立つようになり、従来の出版ビジネスモデルを脅かす状況になってきた現在、とても良く目にする。
出版前査読は論文の深刻な欠陥を捉えることができなかったのは、事実である。
しかし、論文出版から数日以内あるいは数か月以内に、ネカトハンターが、論文の深刻な欠陥を見つけている現実を考えれば、現在の出版前査読システムそのものに欠陥がある、ということも事実である。
査読者の専門知識が乏しすぎて、投稿原稿の内容を十分に把握・審査できていないケースが多い。
実は、査読がシッカリと確立した堅牢なシステムではなく、査読には過剰な負担がかかっているのが現実である。
それで、一部の学術誌は、特定のジャンルの論文(「Original Research Article」、「Clinical Study」など)に対してのみ正式な査読を行ない、他のジャンルの論文に対しては査読を省略している。
たとえば、「編集者への手紙(Letters to the Editor)」は、単に短いだけの研究論文なのだが、デジタルオブジェクト識別子(digital object identifiers:DOI)を割り当て、引用可能にし、査読をしないで掲載する場合がある。
まともな学術誌の多くは、原稿全体を適切に評価するためにさまざまな分野の研究者に査読を依頼する。
たとえば、統計の専門家、疫学者、感染管理スペシャリストがインフルエンザの発生に関する投稿原稿を査読する。
しかし、一部の学術誌は名目だけ、形だけの査読で済ませてしまう。
また、専門家ではない人に査読を依頼する事もしばしば起こる。
本論文の著者3人のうちの1人(オランスキー)は、関連する専門知識がないにもかかわらず、エルゼビア社の4つの異なる学術誌から新型コロナ(COVID-19)に関する投稿原稿を査読するよう5本も依頼された。
私たち3人は新型コロナ(COVID-19)関する論文撤回について、簡単な論文を共同執筆したことがある。
それで、内1人(オランスキー)が新型コロナ(COVID-19)の分野の専門家として査読者データベースにリストされたようだ。そして、査読を依頼されたのである。
査読の需要は伸びている。
査読者が質の高い査読をするには4~8時間かかる。1論文あたり2〜3人の査読者がいる。そして、毎年発行される論文は約300万報なので、それらを掛け算すると膨大な時間になる。
査読者は通常、その学問分野の確立された上級研究者である。その実力が高ければ高いほど、評判が良ければ良いほど、より多くの査読が依頼される。
まれな例外を除いて査読に謝礼は払われない。
上記のすべての要因を考えれば、査読者は当然ながら、論文原稿を十分注意して査読することはない。引用文献の妥当性、引用文献が撤回論文ではないことの確認などはしないだろう。
なお、新型コロナの大流行の間にプレプリントが台頭してきた。それで、透明性が高まったが、無査読論文と有査読論文の区別がなく論文が引用されることは問題だと感じている。
出版前査読の支持者は、プレプリントを引用すべきではない証拠として、プレプリントには、内容に問題があるプレプリント、または撤回されたプレプリントがあると指摘する。
しかし、もっと重要なことは、撤回されるべき有査読論文が撤回されずに、学術誌に多数掲載されているのだが、出版前査読の支持者はそのことには言及しない。
●《4》改善策
研究論文のすべての問題を解決できる単一策はない。
私たちは、「処罰(Sanctions)」、「動機(インセンティブ)」、「査読透明化」が重要な改善策と考える。
1. 処罰(Sanctions)
研究不正が発覚した時に科される処罰は、論文撤回、解雇、さらには刑事訴追などだが、その処罰が公平に科されていない現実がある。
米国の連邦政府機関である研究公正局(Office of Research Integrity)や科学庁・監査総監室(NSF、OIG:Office of Inspector General)などの中央調査機関は、英国を含め、多くの国では、存在しない。
なお、英国はそのような政府機関設立の一歩手前の事務所(an office)を設立した。これを私たちは称賛する。
[白楽注:事務所(an office)というのは「 UK Research Integrity Office」のようだ。2006年設立のこの組織、今までネカト調査で活躍した事例を白楽は知らない。休眠組織か無能な組織という気がするけど → 1‐5‐10 英国研究公正室(UKRIO:UK Research Integrity Office) | 白楽の研究者倫理]
処罰が公平に科されていないと述べたが、本来すべき処罰を科していなかったケースもある。
例として、米国での臨床試験でのネカト処罰の経験を以下に述べる。
臨床試験責任医師は、長年にわたり、米国政府の臨床試験登録(ClinicalTrials.gov)にデータを掲載するよう求められてきた。データを掲載しないと罰金が科されるという罰則があった。
しかし、以下の論文に示すように、米国の食品医薬品局(FDA)が違反者に罰金を科したのは2021年4月が最初だった。
- Woodcock J. 2021.
FDA Takes Action For Failure to Submit Required Clinical Trial Results Information to ClinicalTrials.Gov. United States Food and Drug Administration.
Accessed on 1/4/2022 from https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fdatakes-action-failure-submit-required-clinical-trial-results-information-clinicaltrialsgov
[白楽注:上記記事がリンク切れなので、探すと、似たような記事があった。 → 2021年4月28日記事:FDA threatens drugmaker with fines for failing to report trial results | RAPS]
改善策の第1点目である「処罰(Sanctions)」では、政府機関としての中央調査機関を設置し、ネカト調査をし、クロなら、論文撤回、解雇、さらには刑事訴追などの処罰を公平に科す。処罰の規則を作ったらすみやかに処罰を実行する。
2. 動機(インセンティブ)
「出版か死か(Publish or Perish)」の価値観は、学術界では依然として根強く、多くの研究者と大学・研究機関は出版論文の撤回を嫌う。
論文出版数が昇進、テニュア獲得、学位取得の基準になっている国では、論文工場、ズサンなデータ分析、そして、盗用が盛んになる。
注目すべきことだが、最近、中国(論文不正大国)は、不正でもいいから論文出版しようという動機(インセンティブ)となる論文出版数に応じた評価、つまり、研究者採用、昇進、出版報奨金、大学・研究機関の評価を禁止した。 → Mallapaty S. 2020. Nature. 579:18.:China bans cash rewards for publishing papers
そして、インドなど一部の国では、昇進、テニュア獲得、学位取得が論文出版数に依存する度合いを減らす措置を講じ始めた。
英国の「Research Excellence Framework」でも、同じことを検討することをお勧めする。
[白楽注:「Research Excellence Framework」は何のことかというと、サイトは「Home – REF 2021」で、2015年1月5日記事:英国の高等教育機関の研究評価を行う“Research Excellence Framework”が、評価結果を公表 | カレントアウェアネス・ポータル、とある]
別の視点では、査読者にも適正な動機(インセンティブ)を与えることを考慮した動きがある。
多くの出版社はしていないが、一部の出版社は少額だが、査読者に金銭で謝礼を払っている。また、将来、論文出版する際の論文掲載料を割り引くことを始めた。
査読への金銭的見返りは、行なうなら、十分慎重に行なうべきである。ただ、頭から否定すべきではない。
改善策の第2点目である「動機(インセンティブ)」では、ネカトする動機(インセンティブ)を低くするということである。昇進、テニュア獲得、学位取得、大学・研究機関の評価を、論文出版数に依存する度合いを減らす。もし、論文出版報奨金を出しているなら廃止する。さらに、査読に謝礼を払うことを検討する。
3. 査読透明化
一部の出版社は自社の学術誌をプレプリントと区別するために、有査読誌と無査読誌という誤った二刀流的出版をしているが、これを止め、査読を透明化することを勧める。
否定的な査読に対する報復を防ぐために、以前から、査読者の氏名を示さないことが主流である。この慣例を保ってかまわないが、査読内容を透明化、つまり、査読内容を公開する。そのことで、読者はその学術誌の論文出版の質的レベルを把握できる。
査読者も透明化する。その学術誌の査読者数を示し、査読者の地位・資格と経験を示す。
そのようにすれば、単に論文が査読済みかどうかと言うよりもはるかに有用な情報になる。
改善策の第3点目である「査読透明化」では、学術誌は査読内容を公開し、査読者数と査読者の略歴を公開する。
●5.【白楽の感想】
《1》改善策
白楽は、英国下院議会の科学技術委員会が研究ネカトを減らす方策を検討しているとは知らなかった。
英国下院議会の地道な活動に感心した。
日本の議会や文部科学省の専門部会では、このような地道な議論をしていない。日本のメディアも報じない。
撤回監視は、改善策として、「処罰(Sanctions)」、「動機(インセンティブ)」、「査読透明化」の3つを挙げた。
《2》「処罰(Sanctions)」
日本のネカト者に対する「処罰(Sanctions)」は、多くの人が指摘しているが、米国基準に比べて大甘である。一向に改善されない。
白楽は日本の処罰を強化することは重要だと思う。少なくとも米国基準レベルにすべきだろう。
さらに悪いことに、日本での処罰は日本で統一されておらず、大学によってバラバラである。
日本では多くの人は指摘しないが、同じ不正に同じ処罰を科すのが国として当然だと思う。大学によって異なってよいという根拠はない。統一すべきだろう。といっても統一をうながす組織が日本にはない。白楽が主張しても、その受け手の組織がない。
撤回監視は、米国の研究公正局のようなるネカトを調査する中央調査機関を「よし」としている。それなのに改善策で言及しなかった。英国には「 UK Research Integrity Office」があるからだろうか?
日本にも第三者調査機関が必要だと多くの人が言っている。
また、ネカトハンティング活動を組織的に支援する仕組みが必要で、支援には経済的な支援も必要、と撤回監視は書いている。しかし、改善策にネカトハンター支援のことは書いていなかった。米国でも支援していない・できていないので書かなかったのだろうか? 支援の仕組み作りは難しいのかな?
《3》「動機(インセンティブ)」
「動機(インセンティブ)」については、世界的に議論は煮詰まらない。日本では、煮詰まらないレベルではなく、ほとんど話題にもならない。
ただ、撤回監視は、論文出版の数で研究評価の度合いを減らすことを提案している。
白楽は賛成しない。「角を矯めて牛を殺す」ことになる。
論文出版で研究を評価しないと、院生・研究者は論文を出版しようという意欲が減る。そのことで、多分、科学技術の発展は遅くなる。
論文出版報奨金も白楽は歓迎である。
要は運用である。
基本的に、強い「動機(インセンティブ)」が無ければ、優れた研究はでなくなる。
日本は強い「動機(インセンティブ)」を与えないので、研究どころか、それ以前に問題が起こっている。つまり、日本の学部生はそもそも、大学院に進学しない、博士号取得を目指さない。 → 2020年10月8日記事:科学技術を支える若手が激減 吉野さんも未来を懸念|ノーベル賞2020 NHK特設サイト
もっともである。日本では博士号を取得し、研究者になりたいという要素が乏しい。「きつい・給料が安い・地位が不安定」な研究者になりたい優秀な人はほとんどいないと思う。
中国の初任給は、「博士が1万5000元(約27万円)、修士が9000元(約16万2086円)、大学が5000元(約9万円)、専科が3500元(約6万3033円)」だそうだ。中国なら博士号を取ろうと思うだろう。 → 2022年1月22日記事:中国の大卒初任給は10万円 博士修了生は26万円、学歴差が顕著 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
論文出版の「動機(インセンティブ)」を減らさずに、ネカト・クログレイを抑制することが望ましい。
《3》「査読透明化」
「査読透明化」はもっともな提案である。
白楽は、出版後査読のシステムに方が現実的だと思う。徐々にその方向に進んでいる気がする。
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日本がスポーツ、観光、娯楽を過度に追及する現状は日本の衰退を早め、ギリシャ化を促進する。日本は、40年後に現人口の22%が減少し、今後、飛躍的な経済の発展はない。科学技術と教育を基幹にした堅実・健全で成熟した人間社会をめざすべきだ。科学技術と教育の基本は信頼である。信頼の条件は公正・誠実(integrity)である。人はズルをする。人は過ちを犯す。人は間違える。その前提で、公正・誠実(integrity)を高め維持すべきだ。
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★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。
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