ダミアン・センドラー(Damian Sendler)(米)

2021年4月10日掲載 

ワンポイント:センドラーはポーランドに生まれ、米国のハーバード大学医科大学院で医師免許と研究博士号を取得し、「2013年のNature」論文を出版した。ニューヨークのフェルネット健康研究財団(Felnett Health Research Foundation)・主任研究員で性医学の医療と研究を行なう医師で、その研究成果はフォーブス誌(Forbes)など多数の有名な大衆誌に取り上げられた。2019年3月1日(28歳)、「Gizmodo」誌のジェニングス・ブラウン記者(Jennings Brown)が、センドラーは医師免許と研究博士号を持っていない、と経歴詐称を暴いた。国民の損害額(推定)は2億円(大雑把)。

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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
4.日本語の解説
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
9.主要情報源
10.コメント
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●1.【概略】

ダミアン・センドラー(Damian Sendler、ダミアン・ジェイコブ・マルキエヴィッチ・センドラー、Damian Jacob Sendler、Damian Jacob Markiewicz Sendler、ORCID iD:?、写真出典)はポーランドに生まれ、米国のハーバード大学医科大学院で医師免許と研究博士号を取得し、フェルネット健康研究財団(Felnett Health Research Foundation)・主任研究員で医師、専門は性医学である。

先日の記事「アリレザ・ヘイダリ(Alireza Heidari)(米)」のニセ現実・フェイク世界を珍しい事件と思う読者が多いと思うので、類似の事件を書いておくことにした。類似の事件と言ってもスケールは中程度で、経歴詐称事件とクログレイである。

そうなのである。フェルネット健康研究財団(Felnett Health Research Foundation)は架空の組織だ。

さらに、センドラーはハーバード大学で医師免許を取得していないし、研究博士号も取得していない。単にハーバード大学でテクニシャンとして短期間働いていたことがあるだけだ。

ただ、厄介なことに(?)、超一流学術誌・「Nature」に論文を出版している(これは事実)。ちなみにこの「Nature」論文の第一著者は日本人の山口新平(ヤマグチ シンペイ)で、山口新平は実在の人である。

2019年3月1日(28歳)、「Gizmodo」誌のジェニングス・ブラウン記者(Jennings Brown)がセンドラーのフェイク世界を暴いて、「Gizmodo」誌に発表した。

1024px-2009_harvardmedicalschool_boston_3801149763ハーバード大学医科大学院(Harvard Medical School)、 2009年。写真出典

  • 国:米国
  • 成長国:米国
  • 医師免許(MD)取得:ハーバード大学医科大学院(ウソ)
  • 研究博士号(PhD)取得:ハーバード大学(ウソ)
  • 男女:男性
  • 生年月日:1990年8月24日:ポーランドで生まれる
  • 現在の年齢:31 歳
  • 分野:性医学
  • 不正疑惑論文発表:2017~2019年(26~28歳)の3年間
  • 発覚年:2019年3月(28歳)
  • 発覚時地位:フェルネット健康研究財団・主任研究員
  • ステップ1(発覚):第一次追及者は「Gizmodo」誌のジェニングス・ブラウン記者(Jennings Brown)で、「Gizmodo」誌に発表した
  • ステップ2(メディア):「Gizmodo」誌、「パブピア(PubPeer)」、「Science Integrity Digest」
  • ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①学術誌・編集部
  • 研究所・調査報告書のウェブ上での公表:なし。フェイク研究所なので
  • 研究所の透明性:調査していない(✖)。フェイク研究所なので
  • 不正:経歴詐称、データねつ造・改ざん
  • 不正論文数:「パブピア(PubPeer)」で6報にコメントあり。撤回論文なし
  • 時期:研究キャリアの初期から
  • 職:事件後に研究職(または発覚時の地位)を続けた(〇)
  • 処分:なし
  • 日本人の弟子・友人:山口新平(ヤマグチ シンペイ、現・大阪大学・助教)

【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は2億円(大雑把)。

●2.【経歴と経過】

主は出典:①:2013年4月の履歴書、②:他。以下は本人の主張で、フェイクを含む。

  • 1990年8月24日:ポーランドで生まれる
  • 2008-2012年(18-22歳):米国のニューヨーク大学 (New York University, NYU)で学士号取得:がん遺伝子学
  • 2009-2012年(19-22歳):米国のコロンビア大学(Columbia University)で学士号(?)取得
  • 2012-2018年(22-28歳):米国のハーバード大学(Harvard University – The Graduate School of Arts and Sciences)で研究博士号(PhD)を取得:疫学
  • 2014-2018年(24-28歳):米国のハーバード大学医科大学院(Harvard Medical School)で医師免許(MD)を取得
  • 201x年(xx歳):ニューヨークのフェルネット健康研究財団(Felnett Health Research Foundation)・主任研究員
  • 2019年3月(28歳):経歴詐称が発覚

●4.【日本語の解説】

★2019年3月2日:著者不記載:「自殺、バットフィスティング、獣姦に関する彼の奇妙な研究を公表するようにメディアを拘束した偽のセックスドクター」

出典 → ココ 

以下の英語記事を日本語に自動翻訳したようだ。

2019年3月1日のジェニングス・ブラウン(Jennings Brown)記者の「gizmodo」記事:The Fake Sex Doctor Who Conned the Media Into Publicizing His Bizarre Research on Suicide, Butt-Fisting, and Bestiality

●5.【不正発覚の経緯と内容】

以下の内容と写真は断らないに限り、出典はココ → 2019年3月1日のジェニングス・ブラウン(Jennings Brown)記者の「gizmodo」記事:The Fake Sex Doctor Who Conned the Media Into Publicizing His Bizarre Research on Suicide, Butt-Fisting, and Bestiality

★超エリート医師で研究者

ダミアン・センドラー(Damian Sendler)はハーバード大学出身の医師でハーバード大学の研究博士号(PhD)を所持している。ニューヨークのフェルネット健康研究財団(Felnett Health Research Foundation)・主任研究員で、専門は性医学とある。

ハンサムだし、「2013年のNature」論文もある。

ウン? 第一著者は日本人ですね。山口新平(ヤマグチ シンペイ、現・大阪大学・助教)でした。

そして、米国の多数の大衆誌がセンドラーの性医学に関する記事を掲載していた。

英語のママ示すが、Vice, Playboy, Savage Lovecast, Huffington Post, Insider, Bustle, Thrive Global, Women’s Health, Forbesなど、そうそうたる有名な大衆誌である。

大衆誌の記事を1つ取り上げよう。フォーブス(Forbes)が、2019年2月24日にサラ・ワッツ(Sarah Watts)記者の「女はなぜ連続殺人犯に恋をするのか?(Why Do Women Fall In Love With Serial Killers?)」を掲載した。

魅力的なタイトル?
内容を知りたい?

2021年4月9日現在、フォーブス誌から記事は削除されている。保存版があるので読むことはできるけど、表示が直ぐに変更されるのでフォーブス誌が閲覧を妨害していると思える。白楽は読んだけど、ここに内容を書くのは、止めておきましょう。

★発覚

2019年2月中旬(28歳)、ダミアン・センドラー(Damian Sendler)はメディア「Gizmodo」社のオフィスで ジェニングス・ブラウン(Jennings Brown、写真出典)記者のインタビューに応じた

センドラーは、ハーバード大学医科大学院での指導教授は遺伝学研究者のイー・ジャン教授(Yi Zhang 、张毅、写真出典CC BY-SA 4.0 )だ、と話した。

センドラーは、「私がハーバード大学で研究していたとき、イー・ジャン教授は私を信用していませんでした。でも、インタビューの1か月前の2019年1月、ボストンでイー・ジャン教授と会った時、イー・ジャン教授は、今は、私の研究業績に感銘を受けたと言っていました」と述べた。

ブラウン記者は、センドラーの言葉の裏を取ろうと、イー・ジャン教授に彼の発言が正しいかどうか問い合わせた。

ところが、驚いたことに、イー・ジャン教授はセンドラーの言葉を否定し、「センドラーが2014年に私の研究室で働くのをやめて以来、センドラーとは会っていません」と、述べたのである。

「センドラーはオシャベリばかりしていて、あまり働きませんでした。センドラーは仕事を1つすると、10したと主張していました。彼はとてもオシャベリでした」とイー・ジャン教授は述べた。

イー・ジャン教授が所属するハーバード大学医科大学院・ブロード研究所(Broad Institute)の代表は、センドラーが2012年11月から2013年1月までの3か月、イー・ジャン教授の研究室に無給職員として在籍していたことを確認してくれた。

センドラーは2013年7月から2014年4月までの9か月、ボストン小児病院(Boston Children’s Hospital)のイー・ジャン教授の研究室でテクニシャン(技師)として働いた。

その後、センドラーは、2014年半ばから2015年の夏までの約1年間、、ブロード研究所の別のラボでフルタイムのテクニシャン(技師)として働いた。

センドラーがイー・ジャン教授の研究室で働いていた間、彼はイー・ジャン教授と他の3人と共同で、「2013年のNature」論文を発表した。 しかし、ハーバード大学の広報官によると、センドラーは当時ハーバード大学の院生ではなかった。

センドラーのウェブサイトの経歴欄には、ハーバード大学医科大学院ゴードンホール(Gordon Hall)のイー・ジャン教授の研究室のグループ写真が掲載されていた(以下)。

写真では、センドラー(最後の行、左から2番目)とイー・ジャン教授が隣り合って立っていた。

写真を拡大するとボケるが、拡大写真を右に示した。

センドラーのウェブサイトでは、この写真を「ハーバード大学とハーバード大学医科大学院の大学院生の時のセンドラー博士(Dr. Sendler (last row, second from left) during graduate studies at Harvard University and Harvard Medical School)」と説明していた。

しかし、この写真を撮った時、実は、センドラーは院生でなかった。「センドラーが経歴詐称して社会にがダメージを与えないことを願っています」とイー・ジャン教授は述べた。

以下、学歴詐称の具体例を省略するが、センドラーは他にも、16歳で大学に入学したとか(実際は18歳)、コロンビア大学・院生だったなどの経歴詐称をしていた。

★他のフェイク世界

学歴詐称以外にも経歴詐称をしていた。

センドラーはフェルネット健康研究財団(Felnett Health Research Foundation)の主任研究員と名乗っているが、フェルネット健康研究財団は架空の組織で、非営利団体のリストにのっていない。

ブラウン記者がそのことをセンドラーの尋ねると、ドイツの非営利団体なんだと弁解した。といっても、証明書を見せてくれたわけではない。

フェルネット健康研究財団には、28人のスタッフが所属していて、その名前もリストされている。心理学フェロー(Psychology Fellows)に7人の医師または博士がリストされているが、ブラウン記者は7人全員ともその経歴を確認できなかった。 → Contact — Damian Jacob M. Sendler

スタッフの中で唯一実在が確認できるのは、管理部門のアガサ・マルキエヴィッチ(Agatha Markiewicz)で、センドラーの母親である。

そして、フェルネット健康研究財団の住所は、ニューヨークのスタテン島のコンドミニアムだった。このコンドミニアムはセンドラーが住んでいる所だと思われる。住居のようなコンドミニアムが28人のスタッフが働く研究所であるはずがない。フェルネット健康研究財団はフェイク研究所ということだ。

【クログレイの具体例】

エリザベス・ビック(Elisabeth Bik)はダミアン・センドラー(Damian Sendler)の論文にネカトは見つからないが、数論文で著者の所属が曖昧(フェイク)、研究倫理審査会未承認の医療、あり得ない記載がある、と指摘した。

1論文だけ以下に示す。

★「2018年のJ Sex Marital Ther.」論文

「2018年のJ Sex Marital Ther.」論文の書誌情報を以下に示す。2021年4月9日現在、撤回されていない。

テイラーアンドフランシス社(Taylor & Francis)が発行している学術誌「J Sex Marital Ther.」の査読論文である。

動物好きの954人のデータをオンラインフォーラムで収集した。また345人にアンケート調査をした。

エリザベス・ビック(Elisabeth Bik)は、参加者の総数に食い違いがあると指摘している。 表2の数値を合計すると350人だが、論文の要約では345人となっている。それに本文と図1では再び350人と述べている。

センドラーは全部で9論文出版しているが、3論文が複数著者の論文で、この論文はその1つである。

この論文の二番目の著者(Lew-Starowicz M.)は、ポーランド精神神経学研究所(Polish Institute of Psychiatry and Neurology)の精神科医とある。しかし、センドラーのお父さんが運営する私立病院Cennikの医師だった

エリザベス・ビック(Elisabeth Bik)は、研究者の不明確な所属、曖昧な倫理声明(この論文は研究倫理審査会の承認を受けたとあるが)、可変数、他の論文とデータが重複している、などの点がクログレイだと指摘している。 → 2019年4月12日:PubPeer – Digital Ethnography of Zoophilia — A Multinational Mixed-Met…

●6.【論文数と撤回論文とパブピア】

★パブメド(PubMed)

2021年4月9日現在、パブメド(PubMed)で、ダミアン・センドラー(Damian Sendler)の論文を「Cun-Yu Wang [Author]」で検索した。この検索方法だと、2002年以降の論文がヒットするが、2013~2019年の7年間の9論文がヒットした。

2021年4月9日現在、「Retracted Publication」のフィルターでパブメドの論文撤回リストを検索すると、0論文が撤回されていた。

★撤回監視データベース

2021年4月9日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースでダミアン・センドラー(Damian Sendler)を「Sendler」で検索すると、 0論文が訂正、0論文が懸念表明、0論文が撤回されていた。

★パブピア(PubPeer)

2021年4月9日現在、「パブピア(PubPeer)」では、ダミアン・センドラー(Damian Sendler)の論文のコメントを「Damian Sendler」で検索すると、6論文にコメントがあった。

●7.【白楽の感想】

《1》フェイク世界 

先日の記事「アリレザ・ヘイダリアリレザ・ヘイダリ(Alireza Heidari)(米)」のニセ現実・フェイク世界が珍しいと思う読者が多いと思うので、「類似の事件もあるよ」という例として、ダミアン・センドラー(Damian Sendler)(米)を書いた。つまり、学術界でのニセ現実・フェイク世界はそれほど珍しくはない。

類似の事件と言ってもセンドラー事件のスケールは中程度で、経歴詐称事件の分類になる。

―――
以下の《2》~《6》は「アリレザ・ヘイダリアリレザ・ヘイダリ(Alireza Heidari)(米)」の記事からの転用である。
―――

《2》フェイク大学・フェイク研究者 

カリフォルニア大学リバーサイド校のウィリアム・グローバー準教授(William Grover)のお陰で、カリフォルニアサウス大学(California South University)がフェイク大学でヘイダリがフェイク研究者であることが発覚した。

この発覚は、偶然がたまたま重なった。

ということは、発覚していない多数のフェイク大学があって、多数のフェイク研究者がいることを暗示している。

ネカト論文と同じで、発覚すればその存在がわかる。発覚しなければ、その存在はわからない。

学術誌をフェイク学術誌にするとカネになることから、「多数」のフェイク学術誌(捕食学術誌)が生まれた。そのフェイク学術誌の営業戦略として、「多数」のフェイク大学が作られ、「多数」のフェイク研究者が登場した。ただ、その「多数」がどれくらいの「多数」なのか、わからない。

フェイク大学は数百大学? フェイク研究者は数千人?

《3》日本のフェイク大学

フェイク大学やフェイク研究者はイラクや米国、そして中国にいるけど、日本は無縁だと、あなた、思ってません?

そうは問屋が卸さない。
びっくり下谷の広徳寺。

国際信州学院大学、そう、日本のフェイク大学である。ウェブサイトはよくできています(以下の写真出典)。 → https://kokushin-u.jp/

国際信州学院大学の創立者(?)は手が込んでいて、架空の大学を作るだけでは面白みに欠けると思ったのか、次の話題を提供した。

“国際信州学院大学”の職員がうどん店に対して50人の貸切予約をしたにもかかわらず、無断でキャンセルしたという事件が5月に話題になりました。ドタキャン被害を訴えるツイートは数万リツイートされたのですが、実はこの大学もうどん店も、ましてやこの事件自体も全て架空だったというのがそのオチ。( 2018年06月06日の[宮田健の記事:存在しない大学、なぜだまされた? 「URL」でWebサイトの安全性が分からない時代

次の注意もしている。

「最近、インターネット上に本学が架空の大学であるかのように言及する情報が増えています。これは本学の公式見解ではありませんので、お気をつけください。(中略)インターネット上には虚構情報も多くあります。架空の情報に騙されないようご注意くださ(2018年4月17日の記事:架空のネタ大学「国際信州学院大学」とは : J-CASTニュース

《4》中国のフェイク大学

驚き桃の木山椒の木。

中国のフェイク大学は400校もあるとのことだ。 → 2019年03月05日の安田峰俊・記者の「文春オンライン」記事:その数400校! 中国で「ニセ大学」による入試詐欺が増えている理由

中国のニセ大学の事情はもっと複雑である。一応はニセ学位をもらえる学校もあるのだが、入学金や学費を騙し取るだけの、より悪質な詐欺も多々見られるからだ。

・・・中略・・・

2017年6月の高考後に明らかにされたところによれば、中国全土に存在するニセ大学の数は392校。その「住所」は北京が151校と最多で、他に上海市や山東省などでも30校近くが確認されるなど、中国に31地方ある省・自治区・直轄市のうち26地域で存在が確認されたという。

校名の多くは「北京工商学院」(→北京工商大学)、「中国郵電大学」(→北京郵電大学)、「広州理工学院」(→広東理工大学)といった既存の大手大学のパクリや、「北京医科大学」「華北師範学院」のような、いかにも実在しそうな名前だったということである。

2016年に四川省で明らかになったニセ大学・四川信息工程学院のホームページ上の住所は成都市内にある実在の大学・成都信息工程大学とほぼ同じ。同じくニセ大学の四川経済管理学院も、実在する四川科技職業学院の分校と住所が同一だったという。

《5》米国連邦政府のフェイク大学

イカガワシイ個人や組織がフェイク大学を作っているだけと思いきや、アッと驚く為五郎、米国連邦政府も作っていた。

米国連邦政府が、米国に不法滞在しようとする移民をおびきよせるために偽の大学を設置して、おとり捜査をしました。偽の大学を本物に見せるために、認証評価機関の協力を得て、同大学が認証評価されているように見せかけてさえいました。

この偽の大学は、デトロイト郊外のオフィスパークの偽の施設に、全くの偽のSNSアカウントとともに、米国国土安全保障省の工作員により設置されました。2015年に開設されましたが、不法移民をトランプ政権が取り締まるようになった2017年初めから、取り組みが強化されました。

・・・中略・・・

連邦捜査官たちは、学生が学習やおしゃべりをする陳腐な写真を用いたウェブサイトを開設し、ファーミングトン大学という偽の大学をでっちあげました。また、デトロイト北西のファーミングトン・ヒルズの商用ビルに、施設も設置しました。同大学の「About Us」ページには、同大学が「第二次世界大戦後、帰還兵が仕事につながる質の高い教育を求めた1950年代初頭に淵源をもつ」とあります。「入試案内」には、「随時入学」を可能としており、「大学生活にスムースになじめるように、早い段階で出願」することを学生に勧めています。この偽の大学は、バージニア州アーリントンに実際に存在するキャリア教育のための認証機関(Accrediting Commission of Career Schools and Colleges, ACCSC)に認証されているとしています。

・・・中略・・・

連邦政府はこれまでも、同様なおとり捜査をしたことがありました。連邦政府検察官は2016年、北ニュージャージー大学という偽の機関を設置し、ビザ偽造のかどで21名の起訴につなげたと明かしました。被告人の多くは、留学生リクルーターやコンサルタントとして、26カ国1000名以上の学生または就労ビザを不正に取得、または取得を試みていたと連邦政府は述べています。(2019年2月3日の船守美穂の「mihoチャネル」記事:米国連邦政府、不法移民取り締まりに偽の大学を設置

ファーミングトン大学(University of Farmington)のウェブサイトは2021年3月31日現在は閉鎖されている。以前は、まともな大学案内がされていた(以下のサイト出典)。

《6》フェイクからリアルへの日本

たかがフェイクでしょ。とフェイク大学を軽く見ていると、リアルに直結するヒドイ現実が日本にあった(今もある?)。

海外で取得したフェイク博士号を利用し日本の大学教員になっている人が48人もいた。

恐れ入り谷の鬼子母神。

2021年3月31日現在は何人いるのだろう?

偽(ニセ)学位大学教員

文部科学省から今年最後になるであろう偽装が公表されている。それは海外の偽大学という団体からお金で授与された博士号を使って、大学への採用や昇進の際に利用した大学教員が全国で48名に上ることの調査結果である。大学の信頼低下につながるとして、各大学に厳しく処置するように求めているが、このような先生から講義を受け、研究指導をされる学生のほうはいい迷惑であろう。

これまでの記事
記事1.http://iiaoki.jugem.jp/?eid=1128
記事2.http://iiaoki.jugem.jp/?eid=429
(出典:2007年12月29日の「ゴロー」記者の記事:偽(ニセ)学位大学教員 | ある女子大教授の つぶやき

なんだ神田の大明神、てぇわけです。 

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日本がスポーツ、観光、娯楽を過度に追及する現状は日本の衰退を早め、ギリシャ化を促進する。日本は、40年後に現人口の22%が減少し、今後、飛躍的な経済の発展はない。科学技術と教育を基幹にした堅実・健全で成熟した人間社会をめざすべきだ。科学技術と教育の基本は信頼である。信頼の条件は公正・誠実(integrity)である。人はズルをする。人は過ちを犯す。人は間違える。その前提で、公正・誠実(integrity)を高め維持すべきだ。しかし、もっと大きな視点では、日本は国・社会を動かす人々が劣化している。どうすべきなのか?
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●9.【主要情報源】

① 2019年3月1日のジェニングス・ブラウン(Jennings Brown)記者の「gizmodo」記事:The Fake Sex Doctor Who Conned the Media Into Publicizing His Bizarre Research on Suicide, Butt-Fisting, and Bestiality保存版
② 2019年3月1日のクレア・ランペン(Claire Lampen)記者の「CUT」記事:Fake ‘Dr.’ Damian Sendler Scammed His Way Into the Media、保存版保存版
③ 2019年3月6日のエリカ・スミス(Erika W. Smith)記者の「refinery」記事:How Fake Sex Doctor Damian Sendler Scammed The Media
④ 2019年6月3日のエリザベス・ビック(Elisabeth Bik)記者の「Science Integrity Digest」記事:The Sexpert papers – Science Integrity Digest
⑤ 2020年4月26日のジョン・グロール(John M. Grohol,)記者の「psychcentral」記事:The Fantastical World of Damian Jacob Markiewicz Sendler
⑥ 2020年4月26日のデイヴィッド・レイ(David J. Ley)記者の「Psychology Today Canada」記事:The Return of Fabulist Damian Sendler | Psychology Today Canada
⑦ ダミアン・センドラー(Damian Sendler)本人のウェブサイト:Damian Jacob Sendler Official Research Start PageDamian Sendler Wiki Archives » Damian Jacob Markiewicz Sendler Latest Research Official – Dr. Sendler – Sexology – Psychiatry
★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。

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