盗博VP2:マティアス・プロフロック(Matthias C. Pröfrock)(ドイツ)


2017年1月24日掲載。

ワンポイント:盗博サイトのヴロニプラーク・ウィキの2番目。バーデン・ウュルテンベルク州議会議員の男性で、テュービンゲン大学で法学の博士号を2007年(30歳)に取得し、2011 年 4 月4 日(34歳)に盗博がバレ、2011 年 7 月 6 日(34歳)に博士号がはく奪された。

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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
4.日本語の解説
5.不正発覚の経緯と内容
6.盗用解析
7.白楽の感想
8.主要情報源
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●1.【概略】

マティアス・プロフロック(Matthias C. Pröfrock、写真出典)はドイツのバーデン・ウュルテンベルク州議会議員で、2007年にテュービンゲン大学(Universität Konstanz)で法学の博士号を取得した。

2011年4月4日(33歳)、ヴロニプラーク・ウィキ(VroniPlag Wiki)が盗博を告発した。
→ 1‐4‐10.ヴロニプラーク・ウィキ(VroniPlag Wiki)

2011 年 7 月 6 日(34歳)、テュービンゲン大学は2007年にマティアス・プロフロックに授与した博士号をはく奪した。この時、プロフロックはドイツのバーデン・ウュルテンベルク州議会議員だった。

マティアス・プロフロックは「ヴロニプラーク・ウィキ(VroniPlag Wiki)」で2番目に告発された盗博事件である。

テュービンゲン大学(Eberhard Karls Universität Tübingen)。© Friedhelm Albrecht / Universität Tübingen (Ausschnitt)。写真出典

  • 不正:盗博(盗用博士論文)
  • 国:ドイツ
  • 成長国:ドイツ
  • 研究博士号(PhD)取得年月日:2007年7月23日(30歳)
  • 研究博士号(PhD)取得大学:テュービンゲン大学
  • 分野:法学
  • 博士論文タイトル: Energieversorgungssicherheit im Recht der Europäischen Union(欧州連合のエネルギー供給の安全保障法)
  • 博士論文指導教授: Prof. Dr. Dr. h.c. Wolfgang Graf Vitzthum, Prof. Dr. Martin Nettesheim.
  • 公開: Tübingen 2007. → Nachweis Deutsche Nationalbibliothek → Hinweis UB Tübingen: Download aus rechtlichen Gründen gesperrt.
  • 盗博発覚年月日:2011年4月4日(33歳)
  • 盗用ページ率:53.15%
  • 研究博士号(PhD)はく奪状況:2011 年 7 月 6 日(34歳)、はく奪
  • 男女:男性
  • 生年月日:1977年5月14日
  • 現在の年齢:39 歳
  • 発覚時地位:バーデン・ウュルテンベルク州議会議員
  • ステップ1(発覚):第一次追及者はヴロニプラーク・ウィキ(VroniPlag Wiki)の人(詳細不明)
  • ステップ2(メディア):
  • ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①テュービンゲン大学・調査委員会
  • 結末:博士号はく奪

●2.【経歴と経過】

  • 1977年5月14日:ドイツのデューレン(Düren)に生まれる
  • 1996 年(19歳):シュトゥットガルト(Stuttgart)のアルベルトゥス・マグヌス・ギムナジウム(Albertus-Magnus-Gymnasium )(中等教育機関)卒業。兵役に就く。
  • 1998 – 2003 年(21-26歳):テュービンゲン大学(Universität Konstanz)で法学・学士号取得
  • 2007年7月23日(30歳):テュービンゲン大学(Universität Konstanz)で法学・博士号取得
  • 2008 – 2010年(30-32歳):バーデン=ヴュルテンベルク州首相であるギュンター・エッティンガー(Günther H. Oettinger)の秘書
  • 2011年3月〜2016年4月(33-38歳):バーデン・ウュルテンベルク州議会議員。ドイツキリスト教民主同盟(党首:アンゲラ・メルケル)に所属
  • 2011年4月4日(33歳):盗博が発覚
  • 2011 年7月6日(34歳):テュービンゲン大学が博士号はく奪
  • 2012年(35歳):弁護士資格を取得

●5.【不正発覚の経緯と内容】

マティアス・プロフロック(Matthias C. Pröfrock)は、2007年にテュービンゲン大学(Universität Konstanz)で法学の博士号を取得した。

2011年4月4日(33歳)、ヴロニプラーク・ウィキ(VroniPlag Wiki)が盗博を告発した。

2011 年7月6日(34歳)、テュービンゲン大学がプロフロックに授与した博士号をはく奪した。

●6.【盗用解析】

マティアス・プロフロック(Matthias C. Pröfrock)の博士論文のタイトルは 「Energieversorgungssicherheit im Recht der Europäischen Union(欧州連合のエネルギー供給の安全保障法)」である。

博士論文の盗用分析図は以下の5色のバーコードである。博士論文は220ページ弱の本文で、盗用ページ率は53.15%だった。

★イラスト表示

以下はページ毎に色分けしたイラスト表示である。→ 出典:Mcp/Illustration | VroniPlag Wiki | Fandom powered by Wikia

盗用の色分けは、灰色= 逐語盗用(コピペ、文献提示なし)、赤色 = 加工盗用(ロゲッティング、文献提示なし)、黄色 =流用部分が曖昧な盗用(文献提示あり)、 青色 = 翻訳盗用、である。

★各ページの盗用分析

マティアス・プロフロック(Matthias C. Pröfrock)の博士論文の各ページ毎に盗用分析がされている。盗用があるページは青色で、盗用がないページは赤色である。青色をクリックすると、各ページが開く。

Haupttext
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【2ページ目】

1例として、2ページ目(つまり、002)をクリックすると、盗用比較図が出てくる。以下はその最初の部分を示したが、イラスト表示で示した「灰色= 完全な盗用」部分である。

左側がプロフロックの博士論文で右が被盗用論文である。着色部分の文章が同一である。

●7.【白楽の感想】

《1》知られていない

マティアス・プロフロックの盗博は、ヴロニプラーク・ウィキの2番目だが、プロフロックが有名人ではないため、ドイツではあまり知られていない。

日本では全く記事になっていない。

《2》盗博者の共通項

ヴロニプラーク・ウィキで指摘されている盗博者は、ドイツのいろいろな大学で、男女を問わず、いろいろな分野に分布している。男女のどちらか、特定の大学、特定の分野に盗博が常態化していたのではない。

今回のプロフロックは、ヴェロニカ・サスやカール=テオドール・グッテンベルクと異なり、氏素性が立派というわけではない。
→ 盗博VP1:ヴェロニカ・サス(Veronica Saß)(ドイツ)
→ 盗博VP:カール=テオドール・グッテンベルク(Karl-Theodor Guttenberg)(ドイツ)

ということは、ドイツの盗博は、男女のどちらか、特定の大学、特定の分野、それに今回1例ではあるが、特定の氏素性で行われているわけではない、ということになる。

ドイツ全土に「常識」として蔓延しているのだろうか?

イヤイヤ、盗用しないで博士論文を提出する人も、もちろん、いる。ただ、その割合がわからない。

ドイツの博士論文の中で盗博は0.1%なのか、数割なのか、白楽は数値をつかんでいない。

もし数割なら、どいう人が盗博し、どいう人が盗博しないのだろう?

盗博者は、盗博の価値観をいつ、どこでどうやって、身につけるのだろう?

●8.【主要情報源】

① ヴロニプラーク・ウィキ(VroniPlag Wiki)のマティアス・プロフロック(Matthias C. Pröfrock)サイト:Mcp | VroniPlag Wiki | Fandom powered by Wikia
② ウィキペディア・ドイツ語版:Matthias Pröfrock – Wikipedia
③ 2011年4月5日の「Stuttgarter Zeitung」記事:Dissertation von Matthias Pröfrock: Es wurde durchgängig auf vielen Seiten abgeschrieben – Stuttgart – Stuttgarter Zeitung保存版
④ 2011年4月24日のクリストファー・シュエツェ(Christopher F. Schuetze)記者の「New York Times」記事:The Whiff of Plagiarism Again Hits German Elite – The New York Times保存版
★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。

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