ホセ・ロマン=ゴメス(José Román-Gómez)(スペイン)


【概略】
141108 roman[1].-1pngホセ・ロマン=ゴメス(José Román-Gómez)はスペインのコルドバ大学(University of Cordoba)・マイモニデス生物医学研究所(Maimonides Institute for Biomedical Research)・教授・がん学者、コルドバ大学・ソフィア王妃病院(Reina Sofia Hospital)・医師で、専門は白血病のエピジェネティックスである。写真出典

エピジェネティクス:エピジェネティクス(epigenetics)はDNA塩基配列の変化を伴わない後天的な遺伝子制御の変化を研究する学問。

2009年、2004年「Blood」の研究論文が撤回された。

141108 banner_160[1]ソフィア王妃病院(Reina Sofia Hospital)写真出典

  • 国:スペイン
  • 成長国:スペイン
  • 男女:男性
  • 生年月日:不明。仮に、1955年1月1日生まれとする
  • 現在の年齢:不明
  • 分野:がん学
  • 最初の不正論文発表:2004年(49歳?)
  • 発覚年:2009年(54歳?)
  • 発覚時地位:コルドバ大学・教授
  • 発覚:
  • 調査:コルドバ大学・ソフィア王妃病院(Reina Sofia Hospital)とコルドバ大学・マイモニデス生物医学研究所(Maimonides Institute for Biomedical Research)の調査委員会。調査期間:不明
  • 不正:自己再発表と盗用
  • 不正論文数:4報撤回
  • 時期:研究キャリアの初期から?
  • 結末:解雇(?)

★主要情報源:
① 2013年2月8日のリトラクチョン・ウオッチ(Retraction Watch)の記事:Lifted figure prompts retraction of Oncogene paper by Roman-Gomez at Retraction Watch
② 2012年9月10日のアンドリュー・ウィーセク(Andrew S. Wiecek)の「BioTechniques」紙記事: BioTechniques

【経歴】
不明点多し。

  • 仮に、1955年1月1日生まれとする
  • 19xx年(xx歳):xx医科大学を卒業
  • 1996年(41歳?):スペインのコルドバ大学(University of Cordoba)・現在のマイモニデス生物医学研究所(Maimonides Institute for Biomedical Research)で研究室を主宰
  • 2007年(52歳?)12月:健康研究賞(Premio de Investigación en Salud)を受賞
  • 2009年(54歳?):研究ネカトが発覚する
  • 2010年(55歳?):ヘルスリサーチ賞を受賞

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写真出典

【研究内容】

【不正発覚の経緯】

発覚に至る経緯は不明である。

3回、論文4報が撤回されている。

2009年 2004年「Blood」論文を撤回した。理由は、2001年の「Clinical Cancer Research」論文の自分の図を自己再発表したため。

2012年8月 2007年「Blood」論文を撤回した。理由は、2003年の「Cancer Research」論文の自分の図を自己再発表したため。

2012年9月 2005年の「Oncogene」論文、2007年の「Haematologica」論文を撤回した。理由は、両論文とも、別の著者の2002年「Cancer Research」論文から図を盗用したため。

最初の2つは、自分の論文の図の自己再発表である。図の自己再発表を研究ネカトだと思わなかったのだろうか? ところが、最後の2つは、他人の論文の図の盗用である。

図の自己再発表や盗用は、ホセ・ロマン=ゴメスの研究スタイルと思われる。2009年に指摘される以前の論文は全部怪しいだろう。

【撤回論文】
パブメドで検索すると、ホセ・ロマン=ゴメス(José Román-Gómez)は1995年~2012年の18年間に58論文を発表している。

2014年11月6日現在で4論文が撤回されている。

  1. Epigenetic regulation of Wnt-signaling pathway in acute lymphoblastic leukemia.
    Roman-Gomez J, Cordeu L, Agirre X, Jiménez-Velasco A, San José-Eneriz E, Garate L, Calasanz MJ, Heiniger A, Torres A, Prosper F.
    Blood. 2007 Apr 15;109(8):3462-9. Epub 2006 Dec 5.
    Retraction in: Blood. 2012 Oct 25;120(17):3625.
  2. Epigenetic regulation of human cancer/testis antigen gene, HAGE, in chronic myeloid leukemia.
    Roman-Gomez J, Jimenez-Velasco A, Agirre X, Castillejo JA, Navarro G, San Jose-Eneriz E, Garate L, Cordeu L, Cervantes F, Prosper F, Heiniger A, Torres A.
    Haematologica. 2007 Feb;92(2):153-62.
    Retraction in: Haematologica. 2012 Sep;97(9):1452.
  3. Promoter hypomethylation of the LINE-1 retrotransposable elements activates sense/antisense transcription and marks the progression of chronic myeloid leukemia.
    Roman-Gomez J, Jimenez-Velasco A, Agirre X, Cervantes F, Sanchez J, Garate L, Barrios M, Castillejo JA, Navarro G, Colomer D, Prosper F, Heiniger A, Torres A.
    Oncogene. 2005 Nov 3;24(48):7213-23.
    Retraction in: Oncogene. 2013 Feb 7;32(6):804.
  4. Promoter hypermethylation of cancer-related genes: a strong independent prognostic factor in acute lymphoblastic leukemia.
    Roman-Gomez J, Jimenez-Velasco A, Castillejo JA, Agirre X, Barrios M, Navarro G, Molina FJ, Calasanz MJ, Prosper F, Heiniger A, Torres A.
    Blood. 2004 Oct 15;104(8):2492-8. Epub 2004 Jun 15.
    Retraction in: Blood. 2009 Mar 5;113(10):2370.

【事件の深堀】

【白楽の感想】

《1》 不明点多し

この事件は疑問点が多い。2009年3月に論文撤回されているのに、2010年にヘルスリサーチ賞(スペイン国家の賞?)を受賞している。

通常、所属機関は、研究ネカトでクロ判定した研究者を、受賞対象者に推薦しない。他から受賞を打診されても、不正を理由に授与をやめるように警告するだろう。なんかヘンである。

それに、地元メディアが論文撤回状況の報道をしない。所属機関の調査報告書が公表されない。関係者が事件を語らない。なんかヘンである。

スペインは、研究ネカトを承知で授賞するのだろうか? 研究ネカトに向き合う姿勢がないのだろうか? スペイン国内で研究ネカトが蔓延しているのだろうか?

141108 0_nx_1296237258[1]2010年12月、ヘルスリサーチ賞を受賞:写真出典