2023年年9月30日掲載
ワンポイント:来週、ノーベル賞の受賞者が発表される。2004年、ノーベル生理学・医学賞はフレッド・ハッチンソンがん研究センター(Fred Hutchinson Cancer Research Center)・教授のリンダ・バック(57歳)が受賞した。ところが、受賞前の「2001年11月のNature」論文が受賞後の2008年3月6日にデータねつ造・改ざんで撤回された。受賞後に出版した「2005年5月のProc Natl Acad Sci U S A」論文、「2006年3月のScience」論文の2論文が2010年9月に撤回された。ズイウァー・ゾウは中国で生まれ育ったが、1997年(35歳?)に大阪大学で博士号(甲)を取得し、渡米後、リンダ・バック研究室のポスドク、その後、研究員として8年勤めた。2014年7月28日、米国の研究公正局は上記撤回論文の前2論文のネカト犯はズイウァー・ゾウ(52歳?)だと発表した。3つ目の論文には言及なし。ネカト調査がおかしい。ズイウァー・ゾウは既に中国に帰国し、吉林大学・教授になっていた。リンダ・バックは無処分。国民の損害額(推定)は20億円(大雑把)。
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
4.日本語の解説
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
9.主要情報源
10.コメント
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●1.【概略】
リンダ・バック(Linda Buck、Linda B. Buck、ORCID iD:?、写真出典)は、米国のフレッド・ハッチンソンがん研究センター(Fred Hutchinson Cancer Research Center)・正教授で医師免許は持っていない。専門は分子生物学である。
2004年(57歳),「嗅覚受容体と嗅覚システム構成の発見(discoveries of odorant receptors and the organization of the olfactory system)」で、ノーベル生理学・医学賞を受賞した。
ズイウァー・ゾウ(ズイウホア・ゾウ、Zhihua Zou、鄒志華、ORCID iD:?、写真出典)は、中国で生まれ育ち、日本の大阪大学で研究博士号(PhD)を取得し、渡米した。
ズイウァー・ゾウは、ハーバード大学(Harvard Medical School)のバック研究室でポスドク、その後、バックがフレッド・ハッチンソンがん研究センターに移籍したあとは同センター・研究員として、計8年間、バックの部下として研究した。
本記事では、バックとズイウァー・ゾウの両方をほぼ同等に解説する。
バックが2004年にノーベル賞を受賞する前に出版した「2001年11月のNature」論文が受賞後の2008年3月6日にデータねつ造・改ざんで撤回された。
さらに、ノーベル賞受賞後にバックが出版した「2005年5月のProc Natl Acad Sci U S A」論文、「2006年3月のScience」論文の2論文が2010年9月に撤回された。
3論文とも、データねつ造・改ざんで、外部からの指摘ではなく、バック研究室が自律的に不正を見つけた。
内2論文はハーバード大学及ぶフレッド・ハッチンソンがん研究センターがネカト調査をした。
ネカト犯は第一著者のズイウァー・ゾウだった。
2014年7月28日、研究公正局は、ズイウァー・ゾウにねつ造・改ざんがあったと発表した。締め出し期間は標準の3年間を科した。
とはいっても、その前に、ズイウァー・ゾウは中国に帰国し、吉林大学(Jilin University in China.)・教授に就任していた。
フレッド・ハッチンソンがん研究センター(Fred Hutchinson Cancer Research Center)。写真By M.O. Stevens – Own work, CC BY-SA 3.0, 出典
- 国:米国
- 成長国:米国(バック)。中国・日本(ゾウ)
- 医師免許(MD)取得:
- 研究博士号(PhD)取得:テキサス大学・サウスウェスタン・メディカルセンター(バック)。日本の大阪大学(ゾウ)
- 男女:女(バック)。男(ゾウ)
- 生年月日:1947年1月29日(バック)。仮に1962年1月1日とした(ゾウ)
- 現在の年齢:
- 分野:分子生物学
- 不正論文発表:2001年、2005年、2006年
- ネカト行為時の地位:
ハーバード大学・教授 → フレッド・ハッチンソンがん研究センター・教授(バック)。
ハーバード大学・ポスドク → フレッド・ハッチンソンがん研究センター・研究員(ゾウ) - 発覚年:2008年
- 発覚時地位:
フレッド・ハッチンソンがん研究センター・教授(バック)。
テキサス大学医学部ガルベストン校・助教授(ゾウ) - ステップ1(発覚):バック研究室で実験を再現できないことで、学術誌と所属機関に通報
- ステップ2(メディア):「撤回監視(Retraction Watch)」
- ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):①学術誌・編集部。②ハーバード大学・調査委員会。フレッド・ハッチンソンがん研究センター・調査委員会。③研究公正局
- 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし
- 大学の透明性:研究公正局でクロ判定(〇)
- 不正:ねつ造・改ざん
- 不正論文数:3報撤回
- 時期:研究キャリアの後期(バック)。中期(ゾウ)
- 職:2人共、事件後に研究職(または発覚時の地位)を続けた(〇)(バック)。移籍し研究職を続けた(◒)(ゾウ)
- 処分: なし(バック)。NIHから 3年間の締め出し処分(ゾウ)
- 日本人の弟子・友人:多数いる
【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は20億円(大雑把)。
●2.【経歴と経過】
★リンダ・バック(Linda Buck)
主な出典:CURRICULUM VITAE: Linda B. Buck
- 生年月日:1947年1月29日、米国のシアトルで生まれた
- 1975年(28歳):米国のワシントン大学(University of Washington)で学士号取得:微生物学と心理学
- 1980年(33歳):テキサス大学・サウスウェスタン・メディカルセンター(University of Texas Southwestern Medical Center)で研究博士号(PhD)を取得
- 1982~1984年(35~37歳):コロンビア大学(Columbia University)・ポスドク。ボスはリチャード・アクセル教授(Richard Axel)
- 1984~1991年(35~44歳):コロンビア大学(Columbia University)・研究員
- 1991年(44歳):ノーベル賞の基本論文である「1991年4月のCell」論文を出版
- 1991年~1996年(44~49歳):米国のハーバード大学(Harvard Medical School)・助教授
- 1996年~2001年(49~54歳):同大学・準教授
- 2001年~2002年(54~55歳):同大学・正教授
- 2002年~現(55歳~):米国のフレッド・ハッチンソンがん研究センター(Fred Hutchinson Cancer Research Center)・正教授
- 2004年(57歳):ノーベル生理学・医学賞・受賞
- 2006年(59歳):同僚のロジャー・ブレント教授(Roger Brent – Wikipedia)と結婚
- 2008年初頭(61歳)(推定):研究不正が発覚
- 2008年3月6日(61歳):「2001年11月のNature」論文が撤回
- 2010年9月(63歳):「2005年5月のProc Natl Acad Sci U S A」論文、「2006年3月のScience」論文の2論文が撤回
- 2014年7月28日(67歳):研究公正局は、バックのかつての部下であるズイウァー・ゾウ(Zhihua Zou、鄒志華)をクロと発表
- 2023年年9月29日現在(76歳):現職を維持
★ズイウァー・ゾウ(Zhihua Zou、鄒志華)
主な出典:zhzou
- 生年月日:不明。仮に1962年1月1日とした。中国第一軍医科大学に入学した時を18歳とした
- 1980~1985年(18~23歳?):中国第一軍医科大学(First Military Medical University)で学士号取得:医学
- 1985~1986年(23~24歳?):同大学で修士号取得:理学
- 1992~1997年(30~35歳?):日本の大阪大学(Osaka University)で研究博士号(PhD)を取得:CiNii 博士論文、大阪大学①、②
- 1997~2001年(35~39歳?):米国のハーバード大学(Harvard Medical School)・ポスドク。ボスはリンダ・バック(Linda Buck)
- 2002~2005年(40~43歳?):米国のフレッド・ハッチンソンがん研究センター(Fred Hutchinson Cancer Research Center)・研究員。ボスはリンダ・バック(Linda Buck)
- 2005~2008年(43~46歳?):米国のテキサス大学医学部ガルベストン校(University of Texas Medical Branch in Galveston)・助教授
- 2008年初頭(46歳?)(推定):研究不正が発覚
- 2008年3月6日(46歳?):「2001年11月のNature」論文が撤回
- 20xx年(xx歳):中国の吉林大学(Jilin University in China.)・教授
- 2010年9月(48歳?):「2005年5月のProc Natl Acad Sci U S A」論文、「2006年3月のScience」論文の2論文が撤回
- 2014年7月(52歳?):中国の吉林大学(Jilin University in China.)・教授に在職していた → ココ
- 2014年7月28日(52歳?):米国の研究公正局がクロと発表
- 2016年7月22日(54歳):中国の吉林大学(Jilin University in China.)・教授に在職していた → 吉林大学生命科学学院-ZOU Zhihua
- 2020年9月23日(58歳?): プロシットソール社(Prosit Sole)・研究開発担当副社長 → ココ
- 2021年11月5日(59歳?):吉林大学のサイトでヒットしない → 吉林大学生命科学学院
- 2023年5月24日(61歳?):集美大学(しゅうびだいがく、Fisheries College, Jimei University)所属で論文出版した:論文 – PubMed
- 2023年9月29日現在(61歳?):集美大学のサイトでも吉林大学のサイトでもヒットしない
- 2023年9月29日現在(61歳?): 中国の北京にあるプロシットソール社(Prosit Sole、德益阳光)・研究開発担当副社長に在職している:ココ
●4.【日本語の解説】
★2010年9月28日:MarburgChemie(専業翻訳者):ノーベル賞受賞学者の論文がまた撤回された
嗅覚系の研究により、Richard Axel 博士と共にノーベル医学生理学賞を受賞した Linda B. Buck 博士は、中国人ポスドク Zhihua Zou との共著論文について、2008年に続いて先週も、2報を追加で撤回することを発表した。
2008年の撤回は、Nature, 2001, 414, 173-179 の論文に対してであった。
www.nature.com/nature/journal/v452/n7183/full/nature06819.html
そして先週撤回したのは、次の2報である。
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2005, 102, 7724-7729.
www.pnas.org/content/early/2010/09/20/1000897107
Science, 2006, 311, 1477.
www.sciencemag.org/cgi/content/full/329/5999/1598-a (会員のみ)
続きは、原典をお読みください。
★2004年10月15日:東原和成(細胞工学┃ 2004年2月号):“匂いの帝王”はアクセルとバック:嗅覚復権
ネカト事件の記事ではない。
Buckは10年近くAxel研のpost-docとして働いていた。当時のAxel研の研究の主流は、mGlu受容体遺伝子クローニングであったが、日本の中西研に先を越されてアップアップしていたときであった。ある日、Buckはサザンの実験結果を見て、これは大発見だと確信したらしい。全く見たこともない配列の遺伝子で、多重遺伝子群を形成しているようだ。Buckはそのとき、Axelにはすぐには報告しにいかなかった。
彼女は、今Axelにもっていったら、Axelのかわいがっている同僚の研究員に話して、私の発見が彼らにもっていかれてしまうだろう、と思ったらしい。そして、そのときの結果は、ゴミ箱に捨てたらしい。それくらい、彼女は、発見にふるえたらしい。しかし、彼女はここは踏ん張りどころだと奮起して、ひとりで全てのデータをだして、ノーベル賞受賞対象論文となるCell論文を書いたのである。彼女にとっては、実に、4年近くもデータがでていなかった時であった。
続きは、原典をお読みください。
●5.【不正発覚の経緯と内容】
★ノーベル生理学・医学賞:リンダ・バック
リンダ・バック(Linda Buck、Linda B. Buck)は米国のシアトルで生まれ育ち、1980年(33歳)、テキサス大学・サウスウェスタン・メディカルセンター(University of Texas Southwestern Medical Center)で研究博士号(PhD)を取得した。
1982年(35歳)、コロンビア大学(Columbia University)のリチャード・アクセル教授(Richard Axel、写真の左、出典)・研究室のポスドクになり、その後、研究員として10年間、アクセル研究室で研究した。
研究室を去る頃に44歳で発表した「1991年4月のCell」論文が、2004年にリチャード・アクセル教授と一緒に受賞したノーベル生理学・医学賞の基本論文となった。
- A novel multigene family may encode odorant receptors: a molecular basis for odor recognition.
Buck L, Axel R.
Cell. 1991 Apr 5;65(1):175-87. doi: 10.1016/0092-8674(91)90418-x.
2002年(55歳)、フレッド・ハッチンソンがん研究センター(Fred Hutchinson Cancer Research Center)・正教授に就任し、現在もその職についている。
2004年(57歳)に「嗅覚受容体と嗅覚システム構成の発見(discoveries of odorant receptors and the organization of the olfactory system)」で、ノーベル生理学・医学賞を受賞した。
写真出典
なお、リンダ・バック(Linda Buck、Linda B. Buck)は、1992~2022年の31年間に43件、$17,155,554(約17億円)のNIHの研究費を獲得している。 → RePORT ⟩ Linda Buck
★リンダ・バックの部下:ズイウァー・ゾウ
ズイウァー・ゾウ(Zhihua Zou、鄒志華)は、中国で生まれ育ち、1997年3月25日、日本の大阪大学で研究博士号(PhD)を取得し(CiNii 博士論文、大阪大学①、②)、渡米した。以下出典。
ハーバード大学(Harvard Medical School)のバック研究室のポスドク、その後、バックがフレッド・ハッチンソンがん研究センターに移籍したあとは同センター・研究員として、計8年間、バックの部下として研究した。
この時、ネカト行為をした。
ズイウァー・ゾウ(Zhihua Zou、鄒志華)はテキサス大学医学部ガルベストン校(University of Texas Medical Branch in Galveston)・助教授として、2007~2009年の3年間に6件、741,267ドル(約7400万円)のNIHの研究費を獲得した。かなり優秀とみなすこともできるし、ノーベル賞受賞者の弟子となればグラント獲得は優位だとみなすこともできる。 → RePORT ⟩ Zhihua Zou
★ネカト
リンダ・バックは2004年にノーベル賞を受賞した。
受賞前の「2001年11月のNature」論文にネカトが発覚した。
この「2001年11月のNature」論文はズイウァー・ゾウが第一著者で、2008年3月6日に撤回された。それで、ネカト発覚の時期は2008年初頭だと思う。
ただ、上記のように2009年にズイウァー・ゾウのグラントが採択されているので、2009年以降かもしれない。矛盾点はあるが、本記事ではネカト発覚の時期を2008年初頭とした。
2009年のNIH研究費が採択されているので、ネカトが発覚しても、フレッド・ハッチンソンがん研究センターがネカト調査を始めたのは2010年頃だったと解釈した。本記事では、2010年にネカト調査を始めたとした。
★発覚の経緯
ネカト発覚の時期を2008年初頭としたが、どういう経緯でネカトが発覚したか?
これがハッキリしない。
撤回公告によると、リンダ・バック(Linda Buck)の研究室で論文データを再現できなかったので、論文撤回を申し出たとある。
そのまま受け取ると、外部から指摘される前に、バック研究室が自律的にネカトを発覚したことになる。
「2001年11月のNature」論文は2008年3月6日に撤回された。
「2001年11月のNature」論文も「2005年5月のProc Natl Acad Sci U S A」論文も発表したデータが生データと違っていた。 → 「2001年11月のNature」論文の撤回公告| Nature
発表したデータを誰が作ったかバックは知っているハズだ。だから誰がねつ造者なのか、ボスはすぐわかる。ねつ造者を示して、所属研究所にネカト調査を依頼したと思う。
★研究公正局:ズイウァー・ゾウ(Zhihua Zou、鄒志華)
2014年7月28日、研究公正局はズイウァー・ゾウ(Zhihua Zou、鄒志華)(52歳?)が2報の発表論文でデータねつ造・改ざんしていたと発表した。リンダ・バックはシロである。
ズイウァー・ゾウをハーバード大学・元ポスドク、そして、フレッド・ハッチンソンがん研究センター・元研究員として発表した複数の論文のネカトである。
両機関がネカト調査をし、その後、研究公正局が調査した。
研究公正局 は、ズイウァー・ゾウ に対して、2014年7月9日から3年間の締め出し処分を科した。3年間の締め出し処分は普通の処分である。
なお、ズイウァー・ゾウはとっくに中国に帰国していて、この処分はなんの効果もない。形だけである。
2報の発表論文は以下の通り。2001と2005年の2論文である。
- Genetic tracing reveals a stereotyped sensory map in the olfactory cortex.
Zou Z, Horowitz LF, Montmayeur JP, Snapper S, Buck LB.
2001 Nov 8;414(6860):173-9. doi: 10.1038/35102506. - Odor maps in the olfactory cortex.
Zou Z, Li F, Buck LB.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2005 May 24;102(21):7724-9. doi: 10.1073/pnas.0503027102. Epub 2005 May 23.
研究公正局が指摘した「2001年11月のNature」論文が2008年3月6日に、「2005年5月のProc Natl Acad Sci U S A」論文が2010年9月23日に撤回された。
★ノーベル賞委員会
ノーベル賞委員会はノーベル賞受賞者が論文撤回したかどうかを監視しているか?
「撤回監視(Retraction Watch)」記事によると、化学賞、物理学賞、経済学賞の各ノーベル賞委員会は、論文撤回をチェックしていないと回答してきた。しかし、生理学・医学賞のノーベル賞委員会は回答してこなかった。
まあ、生理学・医学賞のノーベル賞委員会もチェックしていないでしょう。
そして、ノーベル賞授賞後に授賞を取消したことは、今までに一度もない。
★ズイウァー・ゾウは中国で大学教授
ズイウァー・ゾウ(Zhihua Zou、鄒志華)は、ハーバード大学(Harvard Medical School)のバック研究室のポスドク、その後、バックがフレッド・ハッチンソンがん研究センターに移籍したあとは同センター・研究員として、計8年間、バックの部下として研究した。
ネカト発覚を2008年初頭としたが、ズイウァー・ゾウ(46歳?)は、2008年、米国のテキサス大学医学部ガルベストン校(University of Texas Medical Branch in Galveston)・助教授を辞職している(解雇?)。
2008 年9月13日にガルベストンを襲ったハリケーン・アイク (Hurricane Ike)のために、テキサス大学医学部ガルベストン校は従業員の半数近い約2,400人を解雇した。 → 2009年3月記事: The Price of Ike: UTMB in Galveston Continues to Struggle – AAMC Reporter: March 2009 – AAMC
この時、ズイウァー・ゾウは解雇されたらしい。
ただ、ヒネクレ者の白楽は、ハリケーン・アイクのためではなく、ネカトが発覚したために解雇されたと疑っている。
その後、年月は不明だが、中国に帰国し、中国の吉林大学(Jilin University in China.)・教授に就任した。
2014年7月28日、ズイウァー・ゾウ(52歳?)は研究公正局からネカトでクロと判定された。
この時(2014年7月)、ズイウァー・ゾウ(52歳?)は中国の吉林大学(Jilin University in China.)・教授に在職していた → ココ
しかし、数年後、50歳代に吉林大学・教授を辞め、民間企業に就職している。
推定だが、研究公正局のクロ判定を知った吉林大学がズイウァー・ゾウを解雇したのだと思う。
つまり、中国の名門大学は、撤回論文があっても、米国経験のある研究者を教授に採用したが、研究公正局がクロと判定した教授は解雇した。
中国の常識ではなく、吉林大学だけかもしれないが。
2023年9月29日現在、ズイウァー・ゾウ(61歳?)は、中国の北京にあるバイオベンチャーのプロシットソール社(Prosit Sole、德益阳光)・研究開発担当副社長である:ココ(写真出典同)。
●【ねつ造・改ざんの具体例】
2014年7月28日の研究公正局の発表では、「2001年11月のNature」論文と「2005年5月のProc Natl Acad Sci U S A」論文にデータねつ造・改ざんがあった。
「2001年11月のNature」論文は閲覧有料なので、パスした。
★「2005年5月のProc Natl Acad Sci U S A」論文
「2005年5月のProc Natl Acad Sci U S A」論文の書誌情報を以下に示す。2010年9月23日に撤回された。
- Odor maps in the olfactory cortex.
Zou Z, Li F, Buck LB.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2005 May 24;102(21):7724-9. doi: 10.1073/pnas.0503027102. Epub 2005 May 23.
研究公正局の発表では、図 5C(b) の画像を操作してマウスの嗅球および嗅皮質の陽性染色された細胞の数と位置を変更した、とあった。
図 5Cの(a)(b)を以下に示す(出典は原著論文)。右図の(b)の画像を改ざんと書いてあるが、図を見ていてもどこが改ざんされたのか、白楽はわかりません。
生データと比較しないと、改ざん部分を見つけるのは至難である。
生データを知っていても、一見で、改ざんを見破れるかどうか、わかりません。
●6.【論文数と撤回論文とパブピア】
★パブメド(PubMed)
【リンダ・バック(Linda Buck、Linda B. Buck)】
2023年年9月29日現在、パブメド(PubMed)で、リンダ・バック(Linda Buck、Linda B. Buck)の論文を「Linda Buck [Author]」で検索した。この検索方法だと、2002年以降の論文がヒットするが、2002~2023年の22年間の30論文がヒットした。
「Buck LB」で検索すると、1979~2023年の45年間の60論文がヒットした。
ノーベル賞受賞者としてはとても少ない論文数だが、それだけ、密度の濃い論文だということでしょう。
白楽が思うに、数十年前は、論文は「量より質」の時代だった。
2023年年9月29日現在、「Retracted Publication」のフィルターでパブメドの論文撤回リストを検索すると、3論文が撤回されていた。
3論文とも、ズイウァー・ゾウが第一著者だった。
【ズイウァー・ゾウ(Zhihua Zou、鄒志華)】
2023年年9月29日現在、パブメド(PubMed)で、ズイウァー・ゾウ(Zhihua Zou、鄒志華)の論文を「Zhihua Zou[Author]」で検索した。この検索方法だと、2002年以降の論文がヒットするが、2005~2023年の22年間の44論文がヒットした。
「Zou Z」で検索すると、1979~2023年の45年間の3,921論文がヒットした。本記事で問題にしている研究者以外の論文が多数含まれていると思われる。
2023年年9月29日現在、「Retracted Publication」のフィルターでパブメドの論文撤回リストを検索すると、7論文が撤回されていた。
リンダ・バックと共著の3論文以外の4撤回論文は、本記事で問題にしているズイウァー・ゾウとは別人の論文である。
★撤回監視データベース
【リンダ・バック(Linda Buck、Linda B. Buck)】
2023年年9月29日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースでリンダ・バック(Linda Buck、Linda B. Buck))を「Linda B Buck」で検索すると、3論文論文が撤回されていた。
「2001年11月のNature」論文が2008年3月6日に、「2005年5月のProc Natl Acad Sci U S A」論文が2010年9月23日に、「2006年3月のScience」論文が2010年9月24日に撤回された。
【ズイウァー・ゾウ(Zhihua Zou、鄒志華)】
2023年年9月29日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースでズイウァー・ゾウ(Zhihua Zou、鄒志華)を「Zhihua Zou」で検索すると、3論文が撤回されていた。
撤回論文はリンダ・バックの項の3論文と同じである。
★パブピア(PubPeer)
【リンダ・バック(Linda Buck、Linda B. Buck)】
2023年年9月29日現在、「パブピア(PubPeer)」では、リンダ・バック(Linda Buck、Linda B. Buck)の論文のコメントを「Linda Buck」で検索すると、本記事で問題にした「2006年3月のScience」論文・1論文にコメントがあった。
【ズイウァー・ゾウ(Zhihua Zou、鄒志華)】
2023年年9月29日現在、「パブピア(PubPeer)」では、ズイウァー・ゾウ(Zhihua Zou、鄒志華)の論文のコメントを「”Zhihua Zou”」で検索すると、本記事で問題にした「2006年3月のScience」論文・1論文にコメントがあった。
●7.【白楽の感想】
《1》大阪大学はメッカ?
ズイウァー・ゾウ(Zhihua Zou、鄒志華)は中国で生まれ育ったが、大阪大学・医学部の院生として在籍し、1997年(35歳?)に博士号(甲)を取得した。その後、渡米して、リンダ・バック(Linda Buck)研究室でネカトをしでかした。
最近、ケン・スズキ(Ken Suzuki、鈴木 憲)(英、日本)の記事を書いた。
ケン・スズキも大阪大学・医学部出身。
ネカト疑惑最中の国立循環器病研究センターの大津欣也・理事長も大阪大学・医学部出身である。
2023年9月27日、週刊ポストが、大津欣也以外に、その周囲の以下に研究者たちも疑惑だと指摘した。 → ココ
国循 理事・大阪大 元副学長の瀧原圭子(KeikoTakihara)、理事長特任補佐の山口修(Osamu Yamaguchi)、副院長の中岡良和(Yoshikazu Nakaoka)、副院長の山本一博(Kazuhiro Yamamoto)、大阪大 循環器内科学 教授の坂田泰史(Yasushi Sakata)らの論文の研究不正疑義について報道。(出典:2023年9月29日のミスコン・プレイ 研究不正・盗用)
それ以外にも有名なネカト事件の下村伊一郎も大阪大学・医学部出身で現在も大阪大学・教授である。ネカトしたのに処分が大甘だと批判された。
トオル・オオウチ、大内徹(Toru Ouchi)も大阪大学・医学部で博士号を取得した。
2015年9月-2017年2月に大阪大学・接合科学研究所の近藤勝義教授の特任研究員だったシャオシン・イエ、叶肖鑫(Xiaoxin Ye)もネカトがバレた。
中国の大学は15論文を撤回し、2017年4月(29歳?)、博士号を取り消した。大阪大学在籍中に出版した11報の論文はネカト濃厚なので、ネカト調査をすべきと白楽ブログに書いたが、大阪大学はネカト調査をしていない。
大阪大学の医学・工学系って、データねつ造・改ざんのメッカなんでしょうか? その出身者を含め、ネカト者が多い気がする。大阪大学・運営者側に自覚はないのだろうか?
《2》リンダ・バックの責任
バックの「2005年5月のProc Natl Acad Sci U S A」論文は2010年9月23日に撤回された。
- Odor maps in the olfactory cortex.
Zou Z, Li F, Buck LB.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2005 May 24;102(21):7724-9. doi: 10.1073/pnas.0503027102. Epub 2005 May 23.
バックは、発表したデータが生データと違っていた、と述べている。
以下のバックの「2006年3月のScience」論文も「2005年5月のProc Natl Acad Sci U S A」論文の撤回日の翌日の2010年9月24日に撤回されている。
- Combinatorial effects of odorant mixes in olfactory cortex.
Zou Z, Buck LB.
2006 Mar 10;311(5766):1477-81. doi: 10.1126/science.1124755.
最初にあげた「2005年5月のProc Natl Acad Sci U S A」論文の著者はバックと部下・ズイウァー・ゾウともう1人の部下の3人だが、2番目にあげた「2006年3月のScience」論文の著者はバックとズイウァー・ゾウの2人しかいない。つまり、ズイウァー・ゾウのデータを精査する人はボスのバックしかいない(最初にあげた論文はもう1人いるが・・・)。
それでもって、4~5年も経って、「発表したデータは生データと違っていました」はないだろう。
研究を進める時、ズイウァー・ゾウの持ってきた「生データ」を見ているハズだ。その結果、論文として発表するレベルに研究データ成果がまとまったと、理解したハズだ。
だから、論文投稿の作業中に、「発表するデータ」と「生データ」が違うと気がつくハズだ。まあ、50歩譲っても、論文出版してすぐに、「発表したデータが生データと違う」ことに気がつくハズだ。
それが、4~5年も経って、「発表したデータは生データと違っていました」ということは、イッタイどういうことだ。
バックは、「生データ」を見ていない。つまり、ズイウァー・ゾウの持ってきたデータを精査していない公算が高い。
となると、室員のデータを精査しないで研究を進めるバックにボスとして重大な落ち度があったと白楽は思う。
あるいは、極端なことではあるが、ズイウァー・ゾウのねつ造を、バックはウスウス知っていたのかもしれない。
論文を出版した後に、何かの折に、ネカトの兆候がハッキリしたのだろうが、それも少しヘンである。
通常、自分の研究室の研究成果の上に新しい知見を積み重ねて知を広げていく。
従って、自分の研究室の論文が再現できない場合、次に来たポスドクが実験を再現できないと主張するので、1年程度でわかる。
それが、4~5年も経って、「発表したデータは生データと違っていました」はないだろう、と白楽は思う。
一応、バック自身が自分の手でデータをねつ造したとは、白楽は思はないけど、なんかヘンである。
《3》調査がズサン
研究公正局が指摘した「2001年11月のNature」論文が2008年3月6日に、「2005年5月のProc Natl Acad Sci U S A」論文が2010年9月23日に撤回された。
ただ、研究公正局が指摘していない以下の「2006年3月のScience」論文も撤回された。しかも、撤回日は、「2005年5月のProc Natl Acad Sci U S A」論文の撤回日の翌日だった。
- Combinatorial effects of odorant mixes in olfactory cortex.
Zou Z, Buck LB.
2006 Mar 10;311(5766):1477-81. doi: 10.1126/science.1124755.
「撤回公告 | Science」によると、「2006年3月のScience」論文は、フレッド・ハッチンソンがん研究センターではなく、リンダ・バックが撤回を要請している
大学のネカト調査報告書を研究公正局が鑑査して、クロと発表するのだが、時々、その研究公正局の発表に、ネカト論文の記載が欠落している。
研究公正局はどうして「2006年3月のScience」論文を見落としたのだろうか?
研究公正局の発表は米国連邦政府の官報に掲載される公式記録という重要な文書である。その文書に、ネカト論文の欠落があってはならないハズだ。なお、今回は該当しないが、他のケースでは、ネカト論文は指摘しても、その中のネカト箇所の記載が欠落していることがシバシバある。
思うのだが、大学と研究公正局の両方の調査(あるいは後者)がズサンなのだ。
今回の研究公正局の発表では、「2006年3月のScience」論文の言及が欠落していた。
この論文では著者の所属がフレッド・ハッチンソンがん研究センターになっている。
つまり、フレッド・ハッチンソンがん研究センターのネカト調査がズサンで、「2006年3月のScience」論文をクロと判定しなかったのだろう。それを研究公正局がそのまま認めた、ということだろう。
「2006年3月のScience」論文は2010年9月24日に撤回されている。研究公正局の発表は、その4年後の2014年7月28日である。
フレッド・ハッチンソンがん研究センターのネカト調査がズサンだったとして、ズサンなまま、研究公正局に報告したとしよう。
それでも、研究公正局 は4年間というたっぷりの調査時間があった。調査結果発表の4年前に撤回された「2006年3月のScience」論文も調査し、問題があったことを指摘し、官報に報告すべきだったと思いますがね。
別の問題もある。
現在まで撤回されていないズイウァー・ゾウとバックの共著論文が、ネカト疑惑論文出版とそのネカト調査と重なる2005年と2008年に各1報出版されている(以下)。
- Genetic tracing reveals a stereotyped sensory map in the olfactory cortex.
Zou Z, Horowitz LF, Montmayeur JP, Snapper S, Buck LB.
2008 Mar 6;452(7183):120. doi: 10.1038/nature06819. - Feedback loops link odor and pheromone signaling with reproduction.
Boehm U, Zou Z, Buck LB.
2005 Nov 18;123(4):683-95. doi: 10.1016/j.cell.2005.09.027.
ネカトの法則:「強い衝撃がなければ、研究者はネカトを止めない」
この2論文もデータねつ造論文だと思う。
バック自身は追及しなかったのか?
また、論文出版時の所属先であるフレッド・ハッチンソンがん研究センターはこの2論文をネカト調査の対象にしたのか・しなかったのか?
レッド・ハッチンソンがん研究センターが調査したとしても、どのように調査したのか、調査報告書を公表していないので、白楽にはわからない。
しかし、白楽にはわからないけど、ノーベル賞受賞者なので、レッド・ハッチンソンがん研究センターは、バックが問題視した論文だけを調査したのではないかと、白楽は邪推した。
《4》2023年版まとめ:ノーベル賞受賞者・候補者の不正(含・疑惑や関連):他記事でも同じ内容
「●白楽の卓見・浅見3【ノーベル賞受賞者の不祥事は多いと思うべし】」に一部をまとめたが、2023年版リストでデータを加えた。
白楽ブログで解説したノーベル賞受賞者(最後の方に候補者)の不正(含・疑惑や関連)を受賞年順にリストした。2023年版リスト。
- 1964年、盗博:宗教学:キング牧師(Martin Luther King Jr.)(米)
- 1976年、「性的暴行」:カールトン・ガジュセック(Carleton Gajdusek)(米)
- 1992年、「性不正」:文学:デレック・ウォルコット(Derek Walcott)(米)
- 1998年、ルイ・イグナロ(Louis Ignarro)(米)
- 2004年、リンダ・バック(Linda Buck)(米)
- 2007年、マーティン・エヴァンズ(Martin Evans)(英)
- 2009年、「間違い」:ジャック・ショスタク(Jack W. Szostak)(米)
- 2011年、ブルース・ボイトラー(Bruce Beutler)(米)
- 2012年、化学:ロバート・レフコウィッツ(Robert Lefkowitz)(米)
- 2016年、化学:フレイザー・ストッダート(Fraser Stoddart)(米)
- 2017年、マイケル・ロスバッシュ(Michael Rosbash)(米)
- 2018年、化学:フランシス・アーノルド(Frances Arnold)(米)
- 2019年、グレッグ・セメンザ(Gregg Semenza)(米)
- 2022年、「アカハラ?」:スバンテ・ペーボ(Svante Pääbo)(ドイツ、日本)
- 2022年、「性不正」:経済学:フィリップ・ディビッグ(Philip Dybvig)(米)
他にも問題者(含・研究公正以外)はいる。古いので白楽ブログでは取り上げない(多分)。
- 1912年、アレクシス・カレル – Wikipedia
- 1923年、物理学:ロバート・ミリカン – Wikipedia
- 1956年、物理学:ウィリアム・ショックレー – Wikipedia
- 1962年、ジェームズ・ワトソン – Wikipedia
以下は問題ないと思う。
- 2001年、ポール・ナース – Wikipedia:Paul Nurse
2018年7月26日の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:Nobel Prize winners correct the literature, too – Retraction Watch - 2002年、ダニエル・カーネマン – Wikipedia:Daniel Kahnemann
2017年2月20日の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:“I placed too much faith in underpowered studies:” Nobel Prize winner admits mistakes – Retraction Watch
ノーベル賞候補者の不正(含・疑惑や関連)を発覚年順にリストした。
- 1974年、ロバート・グッド(Robert A. Good)(米)
- 1981年、エフレイム・ラッカー(Efraim Racker)(米)
- 1988年、「錯誤」:ジャック・ベンヴィニスト(Jacques Benveniste)(仏)
- 1993年、無罪:バーナード・フィッシャー(Bernard Fisher)(米)
- 2004年、「児童性的虐待」:フレンチ・アンダーソン(French Anderson)(米)
- 2014年、デイビット・バウルクーム(David Baulcombe)(英)
- 2015年、エイドリアン・バード(Adrian Bird – Wikipedia)(英)
- 2016年、「間違い」:チュンユー・ハン、韩春雨(Chunyu Han)(中国)
- 2020年、物理学:ランガ・ディアス(Ranga Dias)(米)
- 2021年、「レイプ」:デイヴィッド・サバティーニ(David Sabatini)(米)
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日本の人口は、移民を受け入れなければ、試算では、2100年に現在の7~8割減の3000万人になるとの話だ。国・社会を動かす人間も7~8割減る。現状の日本は、科学技術が衰退し、かつ人間の質が劣化している。スポーツ、観光、娯楽を過度に追及する日本の現状は衰退を早め、ギリシャ化を促進する。今、科学技術と教育を基幹にし、人口減少に見合う堅実・健全で成熟した良質の人間社会を再構築するよう転換すべきだ。公正・誠実(integrity)・透明・説明責任も徹底する。そういう人物を昇進させ、社会のリーダーに据える。また、人類福祉の観点から、人口過多の発展途上国から、適度な人数の移民を受け入れる。
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●9.【主要情報源】
① ウィキペディア日本語版:リンダ・バック – Wikipedia
② ウィキペディア英語版:Linda B. Buck – Wikipedia
③ 研究公正局の報告:(1)2014年7月28日:Case Summary: Zou, Zhihua | ORI – The Office of Research Integrity。(2)2014年7月30日の連邦官報:2014-17889.pdf 。(3)2014年7月30日の連邦官報:Federal Register :: Findings of Research Misconduct。(4)2014年8月7日のDHHS:NOT-OD-14-115: Findings of Research Misconduct
④ 2008年3月9日の罗非的个人博客:科学网—也谈《自然》撤回论文事件 – 罗非的博文
⑤ 2010年9月23日のアイヴァン・オランスキー(Ivan Oransky)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:Nobelist Linda Buck retracts two studies on olfactory networks — and the news is embargoed – Retraction Watch
⑥ 2014年7月28日のアダム・マーカス(Adam Marcus)記者の「撤回監視(Retraction Watch)」記事:ORI sanctions collaborator of Nobel winner Buck for data fabrication – Retraction Watch
★記事中の画像は、出典を記載していない場合も白楽の作品ではありません。
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