2023年4月30日掲載
ワンポイント:チョは名門・天津大学の生え抜き教授。2020年11月19日(57歳)、元・院生の吕翔(リュー・シャン)がチョのネカトを123ページのPDFで暴露した。17論文が不正。チョはまた、研究室の院生の研究成果を実娘のチョ・スモン(张丝萌、高校生、研究不参加)の第一著者論文にしていた。日本では報道されなかったが、中国の大事件で、天津大学から解雇された。国民の損害額(推定)は10億円(大雑把)。
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.概略
2.経歴と経過
3.動画
5.不正発覚の経緯と内容
6.論文数と撤回論文とパブピア
7.白楽の感想
9.主要情報源
10.コメント
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●1.【概略】
ウンチン・チョ(ウィーチン・チャン、Yuqing Zhang、张裕卿、張玉清、ORCID iD:?、写真出典)は、中国の天津大学(Tianjin University)・化学工学大学院(School of Chemical Engineering)・教授で、専門は化学工学(ナノテクノロジーと環境汚染)だった。
登場人物が中国人なので、以下、本記事では、通常使う名・姓のカタカナではなく、張玉清(チョ・ウンチン)をはじめ、日本人になじみやすい中国語の姓・名(カタカナ)を使用する。
なお、中国人名は、白楽の近所の中国人・キンさんに発音してもらった。
天津大学・化学工学大学院はこの分野で中国の第3位にランクされている名門である。
張玉清(チョ・ウンチン)は、2011~2020年(48~57歳)の10年間、ナノテクノロジーと環境汚染の研究で、50報の査読論文を出版したが、その論文はデータねつ造論文だった。また、約60人の修士生を卒業させたが、その修士論文のデータもねつ造だった。
中国の中国国家自然科学基金(National Natural Science Foundation of China:NSFC)は、17論文に不正行為があると発表した。内訳は重複もあるが、7論文に著者在順違反、11論文に画像の再利用、2論文にデータねつ造があった。
張玉清(チョ・ウンチン)は解雇された。
天津大学(Tianjin University)。写真出典
天津大学(Tianjin University)・化学工学大学院(School of Chemical Engineering)。写真出典
- 国:中国
- 成長国:中国
- 医師免許(MD)取得:なし
- 研究博士号(PhD)取得:天津大学
- 男女:男性
- 生年月日:1963年12月7日
- 現在の年齢:61 歳
- 分野:化学工学
- 不正論文発表:2011~2020年(48~57歳)の10年間
- ネカト行為時の地位:天津大学・準教授、正教授
- 発覚年:2020年(57歳)
- 発覚時地位:天津大学・教授
- ステップ1(発覚):第一次追及者は元・院生の吕翔(リュー・シャン)で、123ページのネカト告発書をウェブに公表した
- ステップ2(メディア):「パブピア(PubPeer)」、「レオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)のブログ」、中国の多数のメディア
- ステップ3(調査・処分、当局:オーソリティ):① 天津大学・調査委員会。②中国国家自然科学基金
- 大学・調査報告書のウェブ上での公表:なし
- 大学の透明性:実名報道だが機関のウェブ公表なし(△)
- 不正:ねつ造、盗用、著者在順
- 不正論文数:中国国家自然科学基金会は17論文を不正と認定。4論文撤回。「パブピア(PubPeer)」で32論文に疑念
- 時期:研究キャリアの初期から
- 職:事件後に研究職(または発覚時の地位)を続けられなかった(Ⅹ)
- 処分: 大学から解雇
- 日本人の弟子・友人:不明
【国民の損害額】
国民の損害額:総額(推定)は10億円(大雑把)。
●2.【経歴と経過】
- 1963年12月7日:中国で生まれる
- 1982年9月~1986年7月(18~22歳):天津大学(Tianjin University)で学士号取得:応用化学
- 1986年~1993年(22~29歳):海外
- 1993年9月~1996年3月(29~32歳):同大学で修士号取得:化学
- 1996年3月~1996年3月(29~32歳):同大学・教員
- 1997年9月~2000年8月(33~36歳):同大学で研究博士号(PhD)を取得:化学工学
- 2000年8月~2002年10月(36~38歳):同大学でポスドク
- 2007年9月~2008年9月(43~44歳):中国教育省の CSCから資金提供を受けオーストラリアのクイーンズランド大学の上級客員研究員
- 20xx年(xx歳):天津大学(Tianjin University)・準教授、正教授
- 2020年11月19日(57歳):不正研究が発覚
- 2020年11月19日(57歳):天津大学から解雇
●3.【動画】
【動画1】
事件説明動画:「【科工力量】123页举报信曝光导师,为什么要暴击论文造假- YouTube」(中国語)12分16秒。
科工力量(チャンネル登録者数 2.57万人)が2021/08/06 に公開
【動画2】
事件説明動画:「天津大学张裕卿教授学术造假被学生实名举报!对于学术造假,该不该加」(中国語)2分20秒。
2020-11-23に公開 https://www.bilibili.com/video/BV1DD4y1X7pj/
●5.【不正発覚の経緯と内容】
★研究人生
2020年の不正発覚まで、張玉清(チョ・ウンチン)は、学部卒業後の7年間の海外勤務を除いて、1982年から天津大学(Tianjin University)で学部・修士・教員と31年間学び、働いてきた。
31年間で、10件以上の国・省庁の研究プロジェクトを主宰し、40報以上の論文を発表し、20件以上の発明を特許にした。
天津大学の生え抜き教授で、出版された論文の量と質の点で、天津大学・化学工学大学院(School of Chemical Engineering)の上位10位以内に入る優秀な教授だった。
★事件の経緯
2020年11月19日(57歳)、天津大学の張玉清(チョ・ウンチン)研究室の元・院生である吕翔(魯翔、リュー・シャン、Lu Xiang、Lv Xiang)が張玉清(チョ・ウンチン)のネカトを123ページのPDF「天津大学化学工学院張玉清教授の実名報告 娘の张丝萌の学業ねつ造」にまとめて告発した。
但し、吕翔(リュー・シャン)は天津大学を中退し、ネカト告発書と提出したのは、同じ研究室の仲間の院生を巻き込まないよう、彼ら全員が卒業した後に提出した。
以下は告発書の冒頭部分(出典:同)。全文(123ページ)は → https://forbetterscience.files.wordpress.com/2020/11/e5ae9ee5908de4b8bee68aa5e5a4a9e6b4a5e5a4a7e5ada6e58c96e5b7a5e5ada6e999a2e5bca0e8a395e58dbfe69599e68e88e5928ce585b6e5a5b3e5bca0e4b89de8908ce5ada6e69cafe980a0e58187.pdf
ネカト告発書には張玉清(チョ・ウンチン)の身分証明書も掲載されていた。以下は個人情報の一部を不開示にした加工写真(出典)。
張玉清(チョ・ウンチン)は、2011~2020年に実験データをねつ造した論文の発表を繰り返した。さらに、研究に参加していない娘を共著者にした複数の論文を出版した。
2020 年11 月 19 日、天津大学・化学工学大学院は「状況説明」をサイトに掲載した。
日本語に意訳すると以下のようだ。
張玉清教授に対するネカト告発を受け、化学工学大学院はただちに特別調査団を立ち上げ、規則に従って調査を行なった。 調査チームによる予備調査の結果、張玉清教授の研究不正行為は事実であると結論した。
張玉清教授は、研究不正行為を犯したことを認め、全責任を負う。 現在、天津大学は張玉清との雇用契約を終了している。
その他の関連する問題は、さらに調査中です。
天津大学化学工学大学院
2020年11月19日
2022年5月13日、中国国家自然科学基金(National Natural Science Foundation of China:NSFC)は、「2022年に調査したネカト行為の処分に関する決定(第1弾)」で、10件のネカト者の処分を発表した。 → 2022年5月13日の「国家自然科学基金委員会」記事:2022年查处的科研不端案件处理决定(第一批次)
10件のネカト者の所属は、天津医科大学、浙江大学、天津大学、西安交通大学、上海交通大学、大連理工大学などだった。
この中に、本記事で解説している天津大学の張玉清(チョ・ウンチン)が含まれていた。
中国国家自然科学基金会は「2022年に調査したネカト行為の処分に関する決定(第1弾)」で、天津大学の張玉清らが発表した17論文に不正行為があると発表した。 → 2022年5月21日の「丁香医生」記者の「新浪新闻」記事:取消国自然资格!10 所高校 14 人被处理,有人曾被 123 页长文举报|论文_新浪新闻
内訳は、7論文に著者在順違反、11論文に画像の再利用、2論文にデータねつ造があった(不正論文数は重複してカウントしている)。
★娘のチョ・スモン(张丝萌、張思明、Simeng Zhang)
張玉清(チョ・ウンチン)は娘のチョ・スモン(张丝萌、張思明、シーメン・チャン、Simeng Zhang、写真出典)を筆頭著者にした論文を出版していた。
例えば、以下の「2013年のChemical Engineering Journal」論文で、第一著者は娘のチョ・スモン(張思明)である。
娘のチョ・スモン(張思明)は高校時代から論文の共著者になっていた。
大学・学部生の時、彼女は父親とは別の河北工科大学(Hebei University of Technology)の学部生なのに、父親・張玉清(チョ・ウンチン)と共著で出版した論文数は、2012~2015年の4年間に7報もあった(以下の黄色)。
この論文数は、学部生なのに、博士号取得するのに必要な論文数を超えていた。
論文1:“Simeng Zhang, Rongshu Wang, Shaofeng Zhang, Guoling Li, Yuqing Zhang*, Development of Phosphorylated silica nanotubes (PSNTs)/ polyvinylidene fluoride (PVDF) composite membranes for wastewater treatment, Chemical Engineering Journal, 2013, 230: 260-271.”(标注基金号21076143)
論文2:“Simeng Zhang, Rongshu Wang, Shaofeng Zhang, Guoling Li, Yuqing Zhang. Treatment of wastewater containing oil using phosphorylated silica nanotubes (PSNTs)/polyvinylidene fluoride (PVDF) composite membrane. Desalination, 2014, 332(1):109-116.”(标注基金号21076143)
論文3:“Simeng Zhang, Rongshu Wang, Yuqing Zhang, YonggangJin. Polyvinylidene fluoride photocatalytic films embedded by porous ZrxSi1xO2 shell/void/TiO2 core particles. Separation and Purification Technology, 2015, 156:535-543.”(标注基金号21076143)
論文4:“Simeng Zhang, Rongshu Wang, Shaofeng Zhang, Guoling Li, Yuqing Zhang. Radial-Arrayed Porous SiO2 Shell/Void/TiO2 Core Photocatalytic Nanoparticles with Enhancing Mass and Light Transfer for Environmental Protection. Science of Advanced Materials, 2014, 6(6):1262-1268.”(标注基金号21076143)
論文5:“Yuqing Zhang, Fanglong Liu, Simeng Zhang, Yuyuan Zhang , Shaomin Liu. Preparation of Nonstoichiometric Silica with Multi-Active Groups and Effect of Its Doping on Polysulfone Membrane Capabilities. Separation Science and Technology, 2012, 47(16): 2311-2319.”(标注基金号21076143)
論文6:“Yuqing Zhang, Yan Xu, Simeng Zhang, Yuyuan Zhang, Zhiping Xu. Study on a novel composite membrane for treatment of sewage containing oil. Desalination, 2012, 299: 63-69.”(标注基金号21076143)
論文7:“Yuqing Zhang, Xuehua Zhao, Simeng Zhang, Guodong Zhang, Shaomin Liu. Optimized preparation conditions of yttria doped zirconia coatings on potassium ferrate (VI) electrode for alkaline super-iron battery. Applied Energy, 2012, 99: 265-271.”(标注基金号21076143)
上記の論文で、娘のチョ・スモン(張思明)は、実際には研究していない。
父親の張玉清(チョ・ウンチン)教授が、自分の研究室の院生が書いてきた論文原稿の著者の欄を修正し、娘のチョ・スモン(張思明)を第一著者にして出版していたのである。
院生が不服な態度を少しでも示すと、張玉清(チョ・ウンチン)教授 は、院生に「君は、大学院を卒業したくないのかい?」と聞いた。それで、院生は彼に同意するしかなかった。
2015年、娘のチョ・スモン(張思明)は河北工科大学の学部生の時、天津大学に推薦され修士号を取得した。その後、オーストラリアのモナシュ大学(Monash University)の博士院生になった。
2020年11月20日、吕翔(リュー・シャン)がネカト告発した翌日、中国人ネカトハンターのTigerBB8は、オーストラリアのモナシュ大学(Monash University)の院生になったチョ・スモン(張思明)の不正をモナシュ大学が調査するようにと、ツイートしている(保存版)。
@MonashChemEng It looks like one of your PhD students (Simeng Zhang) was involved in this severe research misconduct while doing her undergraduate in Hebei University of Technology. Her father, Prof. Dr. Yuqing Zhang, was just dismissed by @TJU1895https://t.co/aBTtOAMtaH
— 虎仔 🇺🇦 (@TigerBB8) November 19, 2020
★吕翔(魯翔、リュー・シャン、Lu Xiang)
さて、張玉清(チョ・ウンチン)事件のヒーロ―は、2020年11月19日に告発した 元・院生の吕翔(魯翔、リュー・シャン、Lu Xiang、Lv Xiang)である。
ネカト告発書は123ページと長文である。
吕翔(リュー・シャン)の123ページのネカト告発書の一部に他の情報も加え、以下に吕翔(リュー・シャン)の状況を書いてみよう。
吕翔(リュー・シャン)は中国農村部の普通の農家に生まれ育ち、学部として通った大学は、その大学から中国で最高峰の大学である天津大学の大学院に入学できるのは、ほぼ1人という普通の大学だった。
2014年秋、吕翔(リュー・シャン)は憧れの天津大学(Tianjin University)・化学工学大学院(School of Chemical Engineering)に修士院生として入学できた。
入学した時は非常に感激した。
ただ、1年生の時から、奇妙に感じていた。
1学期。張玉清(チョ・ウンチン)研究室のグループ会議では、張玉清(チョ・ウンチン)が一人で話し、院生は何も発言しない。そして会議が終わり、教授がいなくなると、院生たちは小さな声で「張玉清のろくでなし!」と吐き捨てていた。吕翔(リュー・シャン)はとても困惑した。
2014年冬、冬休み直前、吕翔(リュー・シャン)は張玉清(チョ・ウンチン)研究室に実験の手伝いに行った。そこで、張玉清(チョ・ウンチン)研究室はデータねつ造していることに気がついた。
実験データをそのまま記録しないで、意図的に操作したデータを記録していた。
吕翔(リュー・シャン)は当然、ネカトだと思った。
しかし、研究室の誰もネカトだと言わない。皆は何かを隠しているかのようだった。それで、吕翔(リュー・シャン)は、研究室の先輩に相談できなかった。
2015年春、2学期。授業に加え、論文を読み、学術誌に論文を投稿することが必要だった。
普通、自分で実験した結果をまとめて論文にする。ところがここでは違っていた。
張玉清(チョ・ウンチン)教授から、卒業した修士生の修士論文を修正して学術誌に投稿するよう指示された。
自分自身の修士論文は、後で入学してくる修士生の学術論文になるとのことだった。
いつから始まったかは不明だが、この方法が張玉清(チョ・ウンチン)研究室でのやり方になっていた。
2015年秋、3学期。吕翔(リュー・シャン)は論文原稿を完成し、まさに投稿するところだった。
そして、自分の実験の準備を始めた。その時、吕翔(リュー・シャン)は張玉清(チョ・ウンチン)研究室が何年にもわたって何をしてきたかを理解した。
張玉清(チョ・ウンチン)の研究室では、基本的に高分子化合物に粒子を浸す実験をし、粒子に浸したことで、水処理の性能が向上すると主張する論文を出版していた。その際、粒子の種類を変えるたびに、新しい論文を出版していた。
吕翔(リュー・シャン)の実験プロジェクトも単に従来と異なる粒子を使うだけだった。
実験してみると、以前のデータの多くが間違っていることがわかった。どんなに頑張っても以前の結果を再現できなかった。
ミーティングで張教授に、「何度か実験を繰り返したが以前の結果を再現できなかった。やり方を見せてもらえないか」、と吕翔(リュー・シャン)はお願いした。
すると、張教授は、研究室の仲間が大勢いる前で吕翔(リュー・シャン)に向かって、「教授が院生みたいに実験する? バカ言うんじゃない」と突然怒り出した。
吕翔(リュー・シャン)は、非常に失望した。そして、なぜ誰も実験記録を残さないのか、どの粒子を使っても以前の研究結果より良い値がでる理由も、突然、わかった。
研究室員は、張教授を喜ばせば、修士号が得られると悟っていたのだ。
真面目に実験をしていては、この研究室では生き残れない。
後になって、この研究室では、正直な実験は叱られ、ねつ造が賞賛される。正直に実験を行なった場合、結果は以前の院生の結果よりも優れているとは限らない。その場合、以前の結果を否定する可能性がある。これはとてもマズイ。
先輩によると、張玉清(チョ・ウンチン)の研究室に入ったら、選択肢は以下の3つしかないとのことだった。
- 湖に飛び込んで自由になる
- 大学を中退して故郷に帰る
- ネカトをする
吕翔(リュー・シャン)は、湖に飛び込むのも、大学を中退するのも避けたかった。それで、実験を続けた。
張玉清(チョ・ウンチン)のことをよく知るうちに、さらなる秘密が見つかった。
研究室では、2011年から2016年まで、特性を測定する機器(SEM, EDX, TEM, BET, XRD, FT-IR)を使用していなかった。しかし、それを使用した論文を、張玉清(チョ・ウンチン)の研究室から出版していた。
2016年6月初旬、吕翔(リュー・シャン)はもう耐えられなかった。実験を続けるのを止めた。
張玉清(チョ・ウンチン)の研究室でデータねつ造に加担することに耐え切れず、精神的に苦しい状態に追い込まれ、大学を中退した。
そして、4年後の2020年11月19日、仲間の院生全員が卒業した後、123ページにまとめたネカト告発書と提出した。
●【ねつ造・改ざんの具体例】
123ページのネカト告発書に記載があるが、省略。
●6.【論文数と撤回論文とパブピア】
★不正論文
中国国家自然科学基金会が「2022年に調査したネカト行為の処分に関する決定(第1弾)」で、天津大学の張玉清らが発表した不正論文は、以下の17論文だとした。
17論文を以下にリストした。 → 出典:取消国自然资格!10 所高校 14 人被处理,有人曾被 123 页长文举报https://k.sina.com.cn/article_2212518065_83e058b1019016dbi.html#/
論文1:“Simeng Zhang, Rongshu Wang, Shaofeng Zhang, Guoling Li, Yuqing Zhang*, Development of Phosphorylated silica nanotubes (PSNTs)/ polyvinylidene fluoride (PVDF) composite membranes for wastewater treatment, Chemical Engineering Journal, 2013, 230: 260-271.”(标注基金号21076143)
論文2:“Simeng Zhang, Rongshu Wang, Shaofeng Zhang, Guoling Li, Yuqing Zhang. Treatment of wastewater containing oil using phosphorylated silica nanotubes (PSNTs)/polyvinylidene fluoride (PVDF) composite membrane. Desalination, 2014, 332(1):109-116.”(标注基金号21076143)
論文3:“Simeng Zhang, Rongshu Wang, Yuqing Zhang, YonggangJin. Polyvinylidene fluoride photocatalytic films embedded by porous ZrxSi1xO2 shell/void/TiO2 core particles. Separation and Purification Technology, 2015, 156:535-543.”(标注基金号21076143)
論文4:“Simeng Zhang, Rongshu Wang, Shaofeng Zhang, Guoling Li, Yuqing Zhang. Radial-Arrayed Porous SiO2 Shell/Void/TiO2 Core Photocatalytic Nanoparticles with Enhancing Mass and Light Transfer for Environmental Protection. Science of Advanced Materials, 2014, 6(6):1262-1268.”(标注基金号21076143)
論文5:“Yuqing Zhang, Fanglong Liu, Simeng Zhang, Yuyuan Zhang , Shaomin Liu. Preparation of Nonstoichiometric Silica with Multi-Active Groups and Effect of Its Doping on Polysulfone Membrane Capabilities. Separation Science and Technology, 2012, 47(16): 2311-2319.”(标注基金号21076143)
論文6:“Yuqing Zhang, Yan Xu, Simeng Zhang, Yuyuan Zhang, Zhiping Xu. Study on a novel composite membrane for treatment of sewage containing oil. Desalination, 2012, 299: 63-69.”(标注基金号21076143)
論文7:“Yuqing Zhang, Xuehua Zhao, Simeng Zhang, Guodong Zhang, Shaomin Liu. Optimized preparation conditions of yttria doped zirconia coatings on potassium ferrate (VI) electrode for alkaline super-iron battery. Applied Energy, 2012, 99: 265-271.”(标注基金号21076143)
論文8:“Yuqing Zhang, Yan Xu, Yiren Lu, Lili Zhao, Lixin Song. Phosphorylated Silica Nanotubes (PSNTs): Preparation, Characterization. Nanotechnology, 2013, 24(31): 315701.”(标注基金号21076143)
論文9:“Yuqing Zhang, Yunge Zhang. Porous Zrx Si1-xO2 shell /void/TiO2 core particles with enhancing transfer for cleaning water. Journal of Colloid and Interface Science, 2015, 448:517-524.”(标注基金号21076143)
論文10:“Yuqing Zhang, Pingli Liu. Preparation of porous ZrO2 solid superacid shell/void/TiO2 core particles and effect of doping them on PVDF membranes properties. Chemical Engineering Science, 2015, 135: 67-75.”(标注基金号21076143)
論文11:“Yuqing Zhang, Lili Wang, Yan Xu. ZrO2 solid superacid porous shell/void/TiO2 core particles (ZVT)/polyvinylidene fluoride (PVDF) composite membranes with anti-fouling performance for sewage treatment. Chemical Engineering Journal, 2015, 260: 258-268.”(标注基金号21076143)
論文12:“Yuqing Zhang, Lili Wang, Yan Xu. Effect of doping porous ZrO2 solid superacid shell/void/TiO2 core nanoparticles (ZVT) on properties of polyvinylidene fluoride (PVDF) membranes. Desalination, 2015, 358(1): 84-93.”(标注基金号21076143)
論文13:“Yuqing Zhang, Miao Cui. ZrO2 solid superacid porous shell/void/TiO2 core particles (ZVT)/ polyvinylidene fluoride (PVDF) composite membranes with anti-fouling performance for sewage treatment. Chemical Engineering Journal, 2016, 301: 342-352.”(标注基金号21076143)
論文14:“Yuqing Zhang, Xiang Lv. Effect of porous YxFeyZr1-x-yO2 coated TiO2 solid superacid nanoparticles on polyvinylidene fluoride membranes properties. Journal of Membrane Science, 2016, 520:54-65.”(标注基金号21076143)
論文15:“Yuqing Zhang, Yanhua Hua, Yunge Zhang, Shaomin Liu. TiO2/void/porous Al2O3 shell embedded in polyvinylidene fluoride film for cleaning wastewater. Advanced Powder Technology, 2018, 29: 1582-1590.”(标注基金号21076143、21676180)
論文16:“Yuqing Zhang, Shichen Sun, Song Wei, Shaomin Liu. Effect of formation of micro reaction locations (MRLs) on properties of polyvinylidene fluoride (PVDF) membranes. Journal of Membrane Science, 2018:117-130.”(标注基金号21076143、21676180)
論文17:“Yuqing Zhang, Yanhua Hu, Longfei Zhang, Ying Wang, Wei Liu, Chengbo Ma, Shaomin Liu. Porous SiO2 coated AlxFeyZr1-x-yO2 solid superacid nanoparticles with negative charge for polyvinylidene fluoride (PVDF) membrane: Cleaning and partial desalinating seawater. Journal of Hazardous Materials, 2020, 384: 121471.”(标注基金号21076143、21676180)
★パブメド(PubMed)
2023年4月29日現在、パブメド(PubMed)で、ウンチン・チョ(Yuqing Zhang、张裕卿)の論文を「Yuqing Zhang[Author]」で検索した。この検索方法だと、2002年以降の論文がヒットするが、2002~2023年の22年間の1,146論文がヒットした。
所属を天津大学(Tianjin University)に限った「(Yuqing Zhang[Author]) AND (Tianjin University[Affiliation])」で検索すると、2011~2022年の12年間の11論文がヒットした。
2023年4月29日現在、「Retracted Publication」のフィルターでパブメドの論文撤回リストを検索すると、1論文が撤回されていた。
★撤回監視データベース
2023年4月29日現在、「撤回監視(Retraction Watch)」の撤回監視データベースでウンチン・チョ(Yuqing Zhang、张裕卿)を「Yuqing Zhang」で検索すると、4論文が撤回されていた。
★パブピア(PubPeer)
2023年4月29日現在、「パブピア(PubPeer)」では、ウンチン・チョ(Yuqing Zhang、张裕卿)の論文のコメントを「”Yuqing Zhang”」で検索すると、32論文にコメントがあった。
●7.【白楽の感想】
《1》防ぐ方法
张裕卿(張玉清、チョ・ウンチン、写真出典)の不正を防ぐにはどうしたらよかったのか?
張玉清(チョ・ウンチン)事件を調べていて、どうして張玉清(チョ・ウンチン)が不正をするようになったのかが、白楽には、わからなかった。
2011~2020年(48~57歳)の10年間も不正をしていた。
10年間も、どうして発覚しなかったのかが、白楽には、これも、わからなかった。
初期の頃に見つけ、処罰していれば、これほど大きな被害は出なかったと思われる。
- この分野の研究者、査読者、学術誌、は何をしていたのか?
- 院生は天津大学の他の教授に相談できなかったのか?
- 天津大学の同僚教授や学科長は何をしていたのか?
- 中国の大学の研究室は治外法権で、他の研究室は関与できないのか?
- 中国では親が娘・息子の論文を作るのが常態化しているのか?
なんか、よくわかりません。
日本から中国にイチャモンをつけるほど、日本はよくありませんが(なんせ、研究不正大国なんで)、なんとか、ならなかったのか、不思議に感じた。
《2》コクハラ
研究室に所属していた院生が、自分の教授のネカトを大学当局に訴えたケースは多くはないが珍しくない。中国が特別の文化を持っていることではないし、内部告発した元・院生である吕翔(魯翔、リュー・シャン、Lu Xiang)が特別ということもない。
ネカト発覚では、同じ研究室の室員が内部告発するのが、本来、最も有効的である。しかし、現実には多くない。
当然予想されるように、コクハラ(告発ハラスメント)され、告発者がいろいろなイジメにあう。それで、怖くて告発できない現実がある。
白楽は、ネカト対策として、「①研究ネカトをほぼ100%発見する」「②不正者を厳罰に処分する」の2セットで対応すべきだと主張してきた。
「①研究ネカトをほぼ100%発見する」ためには、ネカトハンターの育成がとても重要である、とも主張してきた。
しかし、ネカトハンターと同等、あるいはそれ以上に重要な人は、ネカト遭遇者である。
ネカト遭遇者は、自分の同僚や上司・部下など、自分の周囲で起こった研究ネカトにたまたま遭遇した人が、公益通報するケースである。内部通報者である。
この時、告発者の保護が不十分なため、非常に多くの研究者(推定99%)がネカトに遭遇しながら告発しない事態になっている。
白楽は、だから、吕翔(魯翔、リュー・シャン、Lu Xiang)を尊敬する。エライと思う。
日本も世界も、ネカト告発者を優遇する政策に切り替えるべきである。
[事件とは無関係な事件の国の写真]:中国の上海の公園で、早朝、体操をする地元の人々。2009年9月。撮影:白楽
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日本の人口は、試算では、2100年に現在の7~8割減の3000万人になるとの話だ。国・社会を動かす人間も7~8割減る。現状の日本は、科学技術が衰退し、かつ人間の質が劣化している。日本がスポーツ、観光、娯楽を過度に追及する現状は日本の衰退を早め、ギリシャ化を促進する。今後、科学技術と教育を基幹にし、人口減少に見合う堅実・健全で成熟した良質の人間社会を再構築すべきだ。公正・誠実(integrity)・透明・説明責任も徹底する。そういう人物を昇進させ、社会のリーダーに据える。
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●9.【主要情報源】
① 百度百科:张裕卿_百度百科
② 百度百科:张丝萌_百度百科
③ 2020年11月24日のレオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)のブログ記事:Yuqing Zhang’s 10 years of fraud, a whistleblower account ? For Better Science
④ 2022年5月21日の「丁香医生」記者の「新浪新闻」記事:取消国自然资格!10 所高校 14 人被处理,有人曾被 123 页长文举报|论文_新浪新闻
⑤ 2020年11月25日の「徐玉」記者の「中国教育学堂」記事:天大教授学术造假事件后续,女儿母校启动调查,或面临学位撤销_中国教育学堂
⑥ 2020年11月20日の「?」記者の「实验」記事:123页PDF!实名举报天津大学化工学院张裕卿教授和其女张丝萌学术造假_实验
⑦ 20xx年xx月xx日の「?」記者の記事:天津大学张丝萌图片,天津大学图片 – 伤感说说吧
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