2020年6月29日改訂
ワンポイント:ロシアの非営利組織。ロシア語圏の政治家や学者・研究者の論文、博士論文、教授資格論文(教格、Habilitationsschriften)のネカト(主に盗用)を調査分析し、告発するロシア語のサイト。2013年1月に組織を設立し、2013年39月23日にサイトを公開した。2018年3月の4,000報以上の盗用を含め、今まで、数万報(推定)のネカトを摘発した強力なネカトハンター組織。日本では無名だが、ロシアでは有名なサイト。
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.ディザーネット(Dissernet)の要点
2.日本語の解説
3.創設者・動画・受賞
4.活動方針・方法
5.活動内容
6.盗用告発例
7.白楽の感想
8.文献
9.コメント
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●1.【ディザーネット(Dissernet)の要点】
ロシア語圏の政治家や学者・研究者の論文、博士論文、教授資格論文(教格、Habilitationsschriften)のネカト(主に盗用)を調査分析し、告発するロシア語のサイト。ロシアの非営利組織。
- 組織名:ディザーネット(Dissernet)、ロシア語:Диссернет)。ロゴ(出典)
- サイト:https://www.dissernet.org/
- 閲覧:無料
- 言語:ロシア語
- 分類:ネカトハンター、出版後査読(post-publication peer-review)
- 現在の活動:とても活発
- 活動概要:ロシア語圏の論文、博士論文、教授資格論文(教格、Habilitationsschriften)の盗用を告発
- 対象:全分野。政治家、官僚、学者、有名人
- 発覚数:約460人(2014年6月8日)。数万報のネカトを摘発(推定、2020年6月28日)
- ネカト者データベース:Dissernet Chronicles
- 組織:非営利
- -----------------------------
- 創設者:ロシアの4人の研究者、ジャーナリスト
- 連絡先:、info @ dissernet.org
- スタッフ総数:数十人のボランティア。研究者、ジャーナリスト、市民活動家など(2020年6月28日時点)
- 経費:白楽は、財務表を見つけられなかった。活動者に給料を払っていない
- 運営資金:市民からの寄付金。寄付サイト。クラウドファンディング:crowd@ dissernet.org
- 購読:記事の無料配信があるかどうか、白楽はつかめなかった
- フェイスブック:https://www.facebook.com/Dissernet ページへの合計いいね!7,336人(2020年6月28日時点)、フォローは7,514人(2020年6月28日時点)
- ツイッター:https://twitter.com/Dissernet、9,159人(2020年6月28日時点)がフォロー
- ネットワークコミュニティの日本語訳:Dissernet無料ネットワークコミュニティ、ページ59、Chan:39100210 | RSSing.com “
- 活動期間:2013年1月に組織を設立し、約11 年10 か月 20 日経過(日数は不正確)。サイトは2013年9月23日に公開され、11 年1 か月 29 日経過。
●2.【日本語の解説】
ない
●3.【創設者・動画・受賞】
★創設者の4人
ミハイル・ゲルファント(Михаил Сергеевич Гельфа́нд、英語:M. S. Ghelfand、写真出典)1963年10月25日生まれ。生物情報学。ロシア科学アカデミー・情報伝達問題研究所・副所長。
アンドレイ・ザヤキン(英語名:Andrey V. Zayakin、写真出典)。1981年2月23日、ヤクーツク生まれ。物理学者。
セルゲイ・パルホーメンコ(Серге́й Бори́сович Пархо́менко、英語:Sergey Parkhomenko – Wikipedia)1964年3月13日、モスクワ生まれ。ジャーナリスト、出版人。(写真:出典)
アンドレイ・ロストフツェフ(Андрей Африканович Ростовцев、英語:A. A. Rostovtsev)1960年3月21日、モスクワ生まれ。物理学者、数学者。理論実験物理学研究所(ITEP)・素粒子実験室長。(写真:出典).
★ 動画
たくさん(100個?)の動画がある。ロシア語 → Dissernet TV – YouTube
★《動画1》言語なし ディザーネットの創設者4人「DISSERNET – YouTube」 2014/05/29にSveta Mishinaがアップロード
★《動画2》ロシア語 ディザーネットの受賞式。創設者4人(1人は代理?)が登壇している「dissernet narodnaya premia – YouTube」 2014/05/29にNatalia Deminaがアップロード
★受賞
「ディザーネット(Dissernet)」は、ロシア社会に彗星の如く登場し、メディアで絶賛され、国民の認知度はとても高い。
2014年2月28日、ロシアジャーナリスト協会は、「ディザーネット(Dissernet)」活動に対して、セルゲイ・パルホーメンコ(Sergey Parkhomenko)に「2013年ロシアの金のペン」賞を授与した。
2014年4月24日、著名な団体・「政治教育(PolitProsvet)」(Премия “ПолитПросвет”)は、2014年の特別名誉賞に「ディザーネット(Dissernet)」を挙げた。
2019年、「市民社会の形成を促進する行動のために」に対しイゴールガイダール賞の最終選考に残った。 → 2019年10月17日記事:Названы претенденты на соискание Премии Егора Гайдара 2019 года
●4.【活動方針・方法】
★ディザーネット宣言
以下は「Вольное сетевое сообщество «Диссернет» | Вольное сетевое сообщество «Диссернет»」と文献2の流用である。
「ディザーネット宣言」は、2013年6月~7月に検討・採択された基本宣言である。
「ディザーネット」の活動と任務は、詐欺師、偽造者、嘘つきを暴露する専門家、研究者、リポーターのネットワークである。メンバーは、コンピュータ技術を使い、各作業をネットワークでつなぎ、ロシアの科学研究と高等教育、特に、学位論文の不正行為、陰謀、改ざんを問題視する。
- 正当な根拠がないのにあるように主張する科学者と専門家
- 博士号や上級博士号を得ることで社会的に良い評判、同胞からのさらなる支援や尊敬を得ようとする政治家と有名人
- 「ディザーネット」メンバーは、自由意思に基づいて、自分のイニシアチブで、外圧なしに活動する。
- 「ディザーネット」の調査、研究、出版はロシア連邦の法律を順守し、著作権や他の権利を犯さない。
- 「ディザーネット」は、連邦政府、州政府、役所、政治組織、企業、営利団体の下部組織ではなく、それらからの義務も制約もない。
- 「ディザーネット」メンバーは、政治的立場、企業との関係など、いかなる視点と関係なく、「ディザーネット」で活動する。同時に、商業目的を追求しない。製品・商標の広告・促進をしない。「ディザーネット宣言」以外の目標を設定しない。
- 「ディザーネット」の経費は、使命に共鳴し、価値を共有する人々の寄付金によって賄われる。
★盗用分析
ツールは以下のようだ。白楽は実際に利用していないので、実態は未解読。 論文の文章の類似性をソフトで調べ、類似性の高い論文をさらに手作業で調査している。 ソフトは「クリッカーマン(英語:Clickermann)」(Autoclicker Clickermann ::ダウンロードクリッカー)である。
★活動者
数十人の研究者、ジャーナリスト、市民活動家などがボランティアで活動している。以下は2例
- ヴァシーリー・ヴィクトロビッチ(Vasily V. Vlasov):国立研究大学高等経済学校( HSE ; HSE)・名誉教授。医師。医学博士
- アンナ・アレクサンドロフナ・アバルキナ(A.A. Abalkina、Анна Александровна Абалкина)、エコノミスト、Ph.D。ロシア連邦政府金融大学・世界経済国際ビジネス学部・準教授
●5.【活動内容】
★活動内容
「ディザーネット(Dissernet、ロシア語:Диссернет)」(Вольное сетевое сообщество «Диссернет» | Вольное сетевое сообщество «Диссернет»)は、ロシアのサイトで、ロシア語圏の政治家や学者・研究者の論文、博士論文、教授資格論文(教格、Habilitationsschriften)の盗用を調査分析し、告発している。サイト(含・以下の画像出典) → http://www.dissernet.org/
★ロシアの博士号と日米英の博士号の相違
2013年10月15日のMichael B. Sauter and Thomas C. Frohlichの記事(The Most Educated Countries in the World – 24/7 Wall St.)によると、ロシアは世界1の高学歴社会である。ちなみに日本は世界3位。
そして、ロシアは博士号の位置づけが日本とは異なる。 日本は米英と似ていて、ロシアはドイツと似ている。ヴロニプラーク・ウィキ(VroniPlag Wiki)で説明したが、ロシアやドイツには、博士号の上に、日本や米英にはない上級博士号ともいうべき教授資格(Habilitationsschriften)がある。そして、博士号や教授資格は学者に必要な資格だけではなく、政治家・官僚・有名人がさらに偉くなるのにも必要なのだ。ドイツのメルケル首相も博士号を持ち、ロシアのプーチン大統領も博士号を持っている。
2011年の『エコノミスト』誌によると、メルケル首相を含めドイツ連邦下院議員の20%、114人が博士号を持っている。米国議会は3%の18人しか、英国議会・庶民院は650議員の3.2%の21人しか博士号を持っていない。(文献3)
★実績
2013年から2018年の間に、ディザーネット(Dissernet)は教育省に、経済学博士の博士号の剥奪を求める116件の申請を提出した。 → 2018年記事:Наука покрывать. «Диссернет» подвел итоги пятилетней войны с Экспертными советами по экономическим наукам
2018年3月、 1,500学術誌の15万報の論文を調べ、4,000論文以上に盗用を見つけた。
2019年9月、コミュニティはロシアの大学の学長の676人を分析した結果、約5人に1人がネカトしていたと公表した。 → 2019年9月19日記事: Кто больше списал. Антирейтинг ректоров по версии “Диссернета” | Вольное сетевое сообщество «Диссернет»
2019年の夏秋、ディザーネット(Dissernet)が論文ネカトを告発したの受け、ロシア科学アカデミー(Russian Academy of Sciences :RAS)のネカト防止委員会は、科学編集者と出版社の協会(ANRI)とともに、学術誌・編集者に2,528報の論文撤回を要請した。その結果、869報の論文が撤回された。 → ① 2020年7月12日記事:“Все смирились с плагиатом, но правила игры изменились”. Как комиссия РАН отзывала статьи из научных журналов | Православие и мир、② 2020年1月8日のダルミート・チャウラ(Dalmeet Singh Chawla)記者の「Science 」記事 :Russian journals retract more than 800 papers after ‘bombshell’ investigation | Science | AAAS、③ 2020年1月13日のジョナサン・ベイリー(Jonathan Bailey)記者の「Plagiarism Today」記事: The Plagiarism Epidemic in Russia – Plagiarism Today
★ネカト者データベース
ネカト者データベースが構築されている → 出典:Dissernet Chronicles
以下に示すのは冒頭部分だけである(2020年5月31日時点)。
上記の日本語訳(グーグル)
★摘発した重要人物
以下は摘発したネカト者のうちの重要人物。リストの出典 → 「Dissernet-ウィキペディア」(2020年5月30日時点)。リンク先はロシア語のサイト。
【政治家の論文】
- P. A.アスタホフ[123]、ロシアの政治家、弁護士、テレビのプレゼンター、作家、ロシア連邦大統領の子どもの権利委員[124] [125] [126] [127]。
- O. Yu。Batalina、ロシアの政治家、統一ロシア党からの VI召集の州下院の代理、統一ロシア総評議会の副書記[128] [129] [130] [131]。
- N. Yu。Belykh [132]、ロシアの政治家、キーロフ州知事[133] [134]。
- V. K.ボチカレフ[135]、ロシアの政治家、ペンザ地域の知事[136] [137]。
- V.V. Burmatov [138]、ロシアの政治家、「統一ロシア」からの6回目の召集の州下院議員、州下院公共団体および宗教団体委員会のメンバー、元ロシア連邦青年警備隊中央本部長(MGER)[ 139] [140] [141] [142]。
- V. A.ヴァシリエフ[143]、ロシアの政治家、ロシア連邦下院議長、ロシア連邦派閥の長、警察大佐[144] [145]。
- A. Yu。Vorobyov [146]、ロシアの政治家および起業家、モスクワ地域の知事、元ロシア連邦党の中央執行委員会委員長(2005-2012)[147] [148]。
- D.F. Vyatkin、ロシアの政治家、VI召集の州下院議員、憲法立法と州議会議事堂下院委員会副議長、ロシア連邦憲法裁判所の州下院議員[149] [150]。
- D.V. Gordeyuk [151]、モスクワ市裁判所の裁判官[152] [153]。
- V. S.グルズデフ[154]、ロシアの政治家および起業家、トゥーラ地域の総督、総評議会のメンバーであり、統一ロシア党のモスクワ市地方支部の幹部のメンバー[155] [156] [157]。
- A. Yu。Drozdenko [158]、ロシアの政治家、レニングラード地域の知事[159] [160]。
- V.P.イワノフ[161]、ロシア連邦の連邦薬物管理局の局長[162] [163]。
- I.N. Igoshin [164]、ロシアの政治家、VI召集の州下院議員[165] [166]。
- A. L.コブリンスキー[167]、ロシアの歴史家および政治家、モスクワ州立大学教授 M.V.ロモノソフ[168] [169] [170]。
- O. I.コバレフ[171]、ロシアの政治家、リャザン地域知事[172] [173] [174]。
- V. A.コロコルツエフ[175]、ロシア連邦内務大臣[162] [176]。
- I.V. Lebedev [177]、ロシアの政治家、州下院議員、LDPRのリーダーの1人である州下院副議長[178] [179] [180]。
- V. R.メディンスキー[181] [182]、ロシアの政治家および政治家、広報作家、作家、ロシア連邦文化大臣[183] [184]。
- O. L.ミトボル[185] [186]、ロシアの政治家、生態政治党中央委員会の議長「グリーンアライアンス-人民党」[187]。
- N. A.ニキフォロフ[188]、ロシア連邦のテレコムおよびマスコミュニケーション大臣[189] [190] [191]。
- G. S.ポルタフチェンコ[95]、ロシアの政治家、サンクトペテルブルクの知事、退職した税務警察中将[96] [192]。
- A. N.ポノマレフ[193] -ロシアの実業家であり政治家であり、VIおよびVII召集の州下院議員。
- I.P. Potekhina [194] – ロシア連邦教育副大臣
- M.ユーソコロフ[195]、ロシア連邦運輸大臣[196] [197]。
- A. N. Khodyrev [198] 、ロシアのビジネスマンや政治家、市のヘッドReutov [199] [200] [201] 。
【大学学長の論文】
- A. V.ニコラエンコ[202] [203] – モスクワ工科大学学長[204] [205]。2017年12月に学位を剥奪[206]
- A.アレク[207] -学長MSTU。N. E.バウマン[208]。
- S. A. Kuj [209] -MTUの 学長[210]。
- V. S.マリシェフ[211] -S. A.ゲラシモフ[212]にちなんで名付けられたVGIKの 学長。
- I. A.マクシムツェフ[213] – サンクトペテルブルグ国立経済大学の校長[214]。
- Yu。A. Antokhina [215] – サンクトペテルブルクSUAIの学長[208]。
- S. N.グラゴレフ[216] – ベルゴロド州立工科大学の学長。V. G. Shukhov。メンバーベルゴロドの議員の会。
- N. I.モシュキン[217] – ブリヤート州立大学の学長[218] [219]。
- G. G.ブブノフ[220] – モスクワ工科大学 “VTU”の校長および学長、モスクワビジネススクールの学長、ロシア自然科学アカデミーの相当するメンバー、ロシア IMD同窓会クラブの会長、 “フィズテソユーズ”の理事[221]。
【書籍】
- A. I.バストリーキン[222]、ロシア連邦の調査委員会の委員長。モノグラフ「手の印。フィンガープリント”(“ Halo”、2004)[223] [224]。
- S. S. Sobyanin [225]、ロシアの政治家および政治家、モスクワ市長、以前はチュメニ地域の知事および大統領管理局長。1999年の候補論文と2007年のモノグラフ[226] [227]が分析された。
- S. E. Naryshkin [228] 、会長の下院ロシア連邦の連邦議会の議員の議長連合国家。S. E.ナリシキンの候補[229]と博士[230]の論文とともに、2005年のモノグラフ「外国投資(地域的側面)」[231]が分析されました。
6.【盗用告発例】
ディザーネット(Dissernet)は、2013年3月に開始し、1年余りしか経過していない2014年6月8日時点で、既に約460人の有力な政治家や著名な学者の博士論文・著書の盗用を告発した(2014年6月8日閲覧)。スピードがとても早い。
以下の告発例で全体像を掴もう。
★ウラジーミル・メジンスキー(Vladimir Medinsky)事件(日本で報道されていない)
- 男性。1970年7月10日生まれ。ウクライナ人。
- ロシアの政治家、教授、作家
- モスクワ国際関係大学・教授
- ロシア文化大臣(2012年5月~)(41歳~)
- 1997年(27歳) 政治学の博士号取得
- 1999年(29歳) 政治学の上級博士号取得
- 2011年6月(40歳) ロシア・ステート社会大学で歴史学の上級博士号取得
- 2014年5月23日(43歳) 「ディザーネット(Dissernet)」告発。1997年論文では120ページの内87ページがメジンスキーの科学アドバイザーS.A.Proskurinから借用。 1999年論文では21ページが盗用。「ディザーネット(Dissernet)」の告発以前に、2011年論文が盗用だと新聞報道されていた。
写真:出典 ウラジーミル・メジンスキー – Wikipedia
日本では、メジンスキー文化相の盗用問題はメディアで報道されていない。どうしてなんだろう?
日本のメディアは、米国のワシントン・ポストやニューヨーク・タイムスが報道しないと報道しないという噂だ。
日本のメディアは、メジンスキー文化相が、昨年(2013年)7月、国立ボリショイ劇場のアナトリー・イクサノフ総支配人を解任したのを報道している。調べると、ニューヨーク・タイムスもこのことを報道している(Latest Twist at Bolshoi – Director Is Pushed Out – NYTimes.com)。しかし、ここで挙げた盗用問題の方がスキャンダルとして報道価値が大きいと思うけど。
★ウラジーミル・メジンスキーの1997年論文の解析例
- 論文:世界の発展とロシアの外交政策の形成の問題の現段階
- 学位:政治学の博士号を取得
- 年月日: 1997年11月13日
論文の解析が終わると、以下のような表が提示される。各ページ番号が小さな正方形の中の数字で示されている。灰色は、論文のタイトルページ、目次、参考文献、イラスト、表、図、アプリケーションで解析対象としていない。文章の類似(盗用?)があるページは黄色である。
メジンスキーの盗用例も同様な表にまとめられている。リンクを残したままコピーしたら、黄色が赤色になったが、以下の赤色数字はメジンスキーの盗用を実際に解析したページにリンクしている。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | |||
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | |||
41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | |||
61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 67 | 68 | 68 | 69 | 70 | 71 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 |
81 | 82 | 83 | 84 | 85 | 86 | 87 | 88 | 89 | 90 | 91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 95 | 96 | 97 | 98 | 99 | 100 | ||
101 | 102 | 103 | 104 | 105 | 106 | 107 | 108 | 109 | 110 | 111 | 112 | 113 | 114 | 115 | 116 | 117 | 118 | 119 | 120 | |||
121 | 122 | 123 | 124 | 125 | 126 | 127 | 128 | 129 | 130 | 131 | 132 | 133 | 134 |
黄色(ここでは赤色)の数字は解析終了しているので、クリックすると、別窓で、2つのテキストの合成画像が開く。 例として、上図の114をクリックすると、下図のように、別窓で、2つのテキストの合成画像が開く。
画面をクリックすると拡大する。左がメジンスキーの114ページの文章で、右が参照論文の文章である。ピンク色は同じ文言部分で、参照論文の文言を盗用した(と思われる)。
解析の細かい記述もある。ロシア語なので、詳細を省くが、慎重に比較検討されている印象だ。
●7.【白楽の感想】
《1》大きな称賛
1.ディザーネット宣言に感動した。
2.活動が1年余りで約460人(2014年6月8日時点)も告発していて、調査・告発のスピードがとても早い。2020年6月28日時点では数万報のネカトを摘発している(推定)。
3.ロシアを独裁的で強権的な国家運営だと思い込んでいたが、盗用告発では、どうしてどうして、活動がスゴイ。ドイツのヴロニプラーク・ウィキ(VroniPlag Wiki)と似た活動だが、主要メンバーが顕名で活動している。権力者から弾圧・攻撃されないのだろうか?
一方、民主的で自由な国の米国は、世界一のネカト摘発国だと思っていた。しかし、米国の生命科学系のネカトブログ「Science Fraud」は受賞するどころか、274疑惑論文の内の著者6人から名誉棄損で訴えると脅され、2014年4月、サイトを閉鎖してしまった。なんてコッタ。
4.盗用の基準をどう設定しているのだろう? 書いてあるのかもしれないが、白楽は解読できなかった。
●8.【文献】
- ロシアのディザーネット(Dissernet):Вольное сетевое сообщество «Диссернет» | Вольное сетевое сообщество «Диссернет»
- Dissernet – Wikipedia, Dissernet – Wikipedia, the free encyclopedia
- 2014年5月23日の「ビル・ボウリング(Bill Bowring)」記者の 「 openDemocracy」記事: Putin’s dissertation and the revenge of RuNet | openDemocracy
- 2014年5月24日の「マリア・リップマン(Maria Lipman)」記者のメジンスキー事件記事:Vladimir Medinsky: Russia’s Culture Minister Is a Putin Toady | New Republic
- Plagiarism-gate
- 2013年3月9日の「マーシャ・リップマン(Masha Lipman)」記者の「New Yorker」のロシアの盗用事件記事: “Russia’s dissertation-fraud muckrakers”
- 2018年10月23日の「Crime Russia」記事:Founder of Dissernet accused of extremism for posts in LJ
- 2020年1月8日のダルミート・チャウラ(Dalmeet Singh Chawla)記者の「Science 」記事 :Russian journals retract more than 800 papers after ‘bombshell’ investigation | Science | AAAS
- 2020年1月13日のジョナサン・ベイリー(Jonathan Bailey)記者の「Plagiarism Today」記事: The Plagiarism Epidemic in Russia – Plagiarism Today
- 過去の保存版:2014年6月11日掲載
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