蘇 春華(スー チュンホワ、Chunhua Su)(会津大学)、ティッパ・レディ・ガデカル(Thippa Reddy Gadekallu)(中国)

/2026年8月18日(火)掲載 随時更新/

本件は「研究クログレイ(QRP,Questionable research practice)」行為の告発です。会津大学・コンピュータ理工学部の上級准教授である蘇 春華が、「多数の研究者が国際的に談合し、被引用数とh指数(h-index)を不正に増やし、不当に高い評価を得る」引用カルテルに関与していた(している)疑惑である。文部科学省と日本の大学は引用カルテルなどの「研究クログレイ(QRP)」行為の大半を研究不正としていない。禁止する規則はなく、減らす努力をしていない。そのため、日本国内で引用カルテルは拡大・増殖していると思われる。今後、国内での拡大・増殖を防止する意味でも、所属機関に告発し、適切な調査・対処をお願いした。

ーーーーーーー
目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.【告発とその後】
2.【不正の概要】
3.【ティッパ・レディ・ガデカル(Thippa Reddy Gadekallu)(中国)】
4.【蘇 春華(スー チュンホワ、Chunhua Su)(会津大学)】
6.【白楽の感想】

ーーーーーーー

  • 記述は敬称略。
  • 冗長になるのを避けるため、「研究不正疑惑」などの文言から「疑惑」を省いている箇所があります。本件はすべて「疑惑」です。
  • 白楽ブログの「5C 日本の研究不正告発 」の意図は、日本の研究者の研究不正(含・疑惑)を具体的に示し、該当する研究機関の調査・対処の実態を公表・情報共有することです。そのことで、日本の研究不正調査・対処の問題点を日本国民・メディア、及び研究機関・研究者が一緒に考え、日本の研究倫理体制をより良い方向に改善することです。
    情報共有し改善策を考えるため、メールおよび文書は基本的に公表します。

●1.【告発とその後】

==260818 研究不正疑惑 告発した==

会津大学総務予算課長 藤田 浩司 様
CC: 藤原 浩 様(橋元綜合法律事務所 弁護士)

件名:研究不正疑惑の告発

突然のご連絡失礼いたします。 研究公正の向上に関する活動を行なっております白楽ロックビル(お茶の水女子大学名誉教授)と申します。

貴大学・コンピュータ理工学部に所属する蘇 春華(スー チュンホワ、Chunhua Su)上級准教授が、、「多数の研究者が国際的に談合し、被引用数とh指数(h-index)を不正に増やし、不当に高い評価を得る」引用カルテルに関与していた(している)疑惑です。適切な調査・対処をして下さるようお願い申しあげます。

この不正疑惑の解明は難しいと思います。それなりの専門家が証拠を押さえながら調査されますようご配慮ください。

詳しくは、以下の記事で説明しております。
蘇 春華(スー チュンホワ、Chunhua Su)(会津大学)、ティッパ・レディ・ガデカル(Thippa Reddy Gadekallu)(中国)
https://haklak.com/page_Chunhua_Su.html

なお、日本の研究公正の向上を願う多くの方々と共に改善策を考えるため、本件に関するメールのやり取り(頂戴したご回答を含みます)は、基本的にX(旧ツイッター)にて公開させていただいております。 あらかじめご承知おきのうえ、ご対応いただけますようお願い申し上げます。

よろしくお願い申し上げます。

白楽ロックビル
お茶の水女子大学名誉教授
――――――――――

●2.【不正の概要】

★はじめに

文部科学省の2014年のガイダンスでは、ネカト(捏造・改ざん・盗用)以外に「二重投稿」と「不適切なオーサーシップ」を「不正行為」として認識しているが、それ以外の「自分が得するために、研究がらみで他人を意図的にダマす研究詐欺」(研究規範に反する行為)についての言及はない。

本件の引用カルテルは文部科学省が言及していない「研究規範に反する行為」で、「研究クログレイ(QRP,Questionable research practice)=問題ある研究行動」の1つである。

「2025年2月12日のFor Better Science」と「2026年5月27日のRetraction Watch」記事は、「お互いに協力しあって論文を引用し、引用数を不正に水増しする国際ネットワーク(引用カルテル)」の主犯格を、インド出身のティッパ・レディ・ガデカル(Thippa Reddy Gadekallu)と特定した。

ガデカルが多数の学術誌・編集者や査読者になり、1,000人以上の研究者仲間が相互に論文を引用しあうことで、仲間たちは、不正・不当に得た高い被引用数と高いh指数(h-index)で、優秀な研究者という評価と、それに伴う待遇を不正・不当に得ていた(いる)。

引用カルテルを稼働させるために、多数の論文が必要なので、学術上の価値がほとんどない、あるいは、むしろ害毒になるような粗悪な論文も多数出版していると思われる。

ガデカルの引用カルテルに加担している日本の研究者を調べると、会津大学・コンピュータ理工学部の蘇 春華(スー チュンホワ)上級准教授が見つかった。蘇 春華(スー チュンホワ)研究室の複数の院生も関与していた。

日本では「研究クログレイ(QRP)」行為を公式に摘発・処罰するシステム・規則がないので、何年も前から、日本の学術界に徐々に蔓延していたと思われる。

会津大学が適切に調査・対処をして下されば、蘇 春華(スー チュンホワ)上級准教授を拠点とする引用カルテルのさらなる増殖を食い止めることができるだろう。

そして、今後、他の不届き研究者を摘発することで、国内での拡大・増殖を防止できることを期待したい。

なお、少し似ている出版詐欺の過去の例を挙げると、福井大学の友田明美・教授の査読偽装事件がある。2023年2月、福井大学は減給処分をした。 → 2022年6月25日の鳥井真平と柳楽未来の記事:福井大教授の「査読偽装」認定 オランダの出版社、論文1本撤回 | 毎日新聞

また、スペインの研究所・研究員だった日本人のアイ・コヤナギ(Ai Koyanagi、小柳 愛)は、2021年と2022年、多数論文出版者で高被引用者になった。このケースも出版詐欺だったと思われる。 → アイ・コヤナギ(Ai Koyanagi、小柳 愛)(スペイン) | 白楽の研究者倫理

会津大学。写真はJunya Terazonoによる著作物をベースに、白楽が上下をカットし、明るさ・彩度を調整し、「会津大学」の文字をいれた。CC BY-SA 3.0、出典: https://commons.wikimedia.org/wiki/File:The_University_of_Aizu.jpg?uselang=ja

●3.【ティッパ・レディ・ガデカル(Thippa Reddy Gadekallu)(中国)】

★研究人生

話は会津大学と無縁だが、「For Better Science」「Retraction Watch」「Scientist」の記事で取り上げられたティッパ・レディ・ガデカル(Thippa Reddy Gadekallu)(中国)から始める。

ティッパ・レディ・ガデカル(Thippa Reddy Gadekallu、写真出典)は、インドで育ち、2003年にインドのナガージュナ大学(Nagarjuna University)で学士号を取得した。年齢を推測するために、仮に、この時を22歳とし、生年月日を1981年1月1日とした。

その後、インドのべロール工科大学(Vellore Institute of Technology)で2017年(36歳?)にコンピュータ科学で研究博士号(PhD)を取得した。

2025年3月(44歳?)、中国の浙江(せっこう)農林大学(Zhejiang Agriculture and Forestry University)の教授に就任した。なお、「 T. R. Gadekallu – Education & Experience」によると、就任は2025年3月(44歳?)ではなく2026年3月(45歳?)である。

★「For Better Science」「Retraction Watch」「Scientist」の記事

以下は、「2025年2月12日のFor Better Science」と「2026年5月27日のRetraction Watch」記事から、関係個所を流用した。→ ① 2025年2月12日のFor Better Science :The Extortionists, by M. Angeles Oviedo-Garcia – For Better Science、② 2026年5月27日記事: A researcher’s unusually high h-index gives a window into an expansive citation network – Retraction Watch

②の記事と同じ内容の記事は「2026年7月13日のScientist」にも掲載された。 → 2026年7月13日記事:A Researcher’s Suspiciously High H-Index Revealed a Vast Citation Ring | The Scientist

右の表(データの出典は②)に示すように、ガデカルは、研究博士号(PhD)を取得した2017年に7論文を出版した。その2年後の2019年では、出版論文はわずか1報で「h指数(h-index)」は10だった。

*「h指数(h-index)」は、研究者の研究業績の「質」と「量」を同時に評価できる指標で、「h本の論文が それぞれ少なくともh回引用されている」数字である。例えばh指数(h-index)が100 なら、「100報の論文が100回以上引用されている」ことになる。
**「i10-Index(i10指数)」は、少なくとも10回以上引用された論文の数

ところが、翌2020年から論文数、被引用数は急激に増え、10だったh指数(H-Index)は17 ポイントも上昇し27になった。翌2021年にはさらに23ポイント上昇、その後の2022年にも19ポイント上昇した。短期間でのこの急激な上昇は「ウサイン・ボルトの100メートル走の記録に匹敵する」ほど記録的だと例えられた。つまり、本当に超優秀な学者か、何か特別な理由があるということだ。

表では2025年のh指数(H-Index)は75だが、2026年8月17日現在、過去5年間で97だった(‪Thippa Reddy Gadekallu, SMIEEE‬ – ‪Google Scholar‬)。‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬

ガデカルは「超優秀な学者」ではないので、「何か特別な理由」がある。

セビリア大学の経済学者であるマリア・デ・ロス・アンヘレス・オビエド=ガルシア(Maria de los Ángeles Oviedo-García)が指摘するように、「何か特別な理由」は以下の出版詐欺(編集詐欺)でしかない。

  • 特定の研究者グループ同士で大量に引用し合う引用カルテルの統率者
  • 学術誌の特集号(Special Issue)を利用する
  • 査読者が著者に対してガデカルの論文を引用するよう求める
  • 編集者・査読者・著者が相互に協力し合う談合出版(共謀出版)ネットワークを作っている

調べると、ガデカルが統率する引用カルテル仲間(論文共著者)はアジア圏と欧米を中心に1,000人以上もいた。

表に示すように、ガデカルは、2022~2026年の4年間、毎年83~93報の論文を出版していた(Scopusでは2026年8月17日現在、生涯505報)。

それらの研究領域はガデカル本人が「私の論文の多くは、連合学習(federated learning)、ブロックチェーン、ディープラーニング、サイバーセキュリティ、ヘルスケア分野、交通システム、侵入検知、IoT(Internet of Things)といった、成長が著しい分野で発表されたものです」と述べている。

ガデカルのこの「成長が著しい広範な分野で多数の論文を出版している」ことの裏を返せば、ガデカルは実際に研究しその成果を論文発表したのではなく、生成AIで論文を量産する論文工場を運営している可能性が高いことを示している。

また、ガデカルは多数の学術誌の査読者や編集者になっていた。2020~2024年の5年間に、ガデカルは857 件の論文を査読をしたが(クラリベイトのWeb of Scienceだと、査読数は少なくとも949 件)、それらの査読文書の平均単語数は162 単語とかなり短かった。そして、著者たちに自分の論文を引用するよう指示していた。なお、2024年10月、PLOS One誌は出版詐欺疑惑でガデカルを編集者から除外した。

なお、査読者が著者に対して、自分の論文を引用するように促す慣習は古くからあるが、組織的な引用カルテルは、10 年ほど前に始まった。

この引用カルテルで、虚偽の査読や無関係な論文の引用が頻繁に行なわれ、査読プロセスが歪められている。査読者だけでなく編集者もまた、この不正行為に往々に関与している。

★ScholarGPSの数値

ScholarGPS でガデカルの出版論文数と被引用数の年次変化を見ると以下のようだ。 → 2026年8月6日現在のデータ:Thippa Reddy Gadekallu | Scholar Profiles and Rankings | ScholarGPS

ガデカルの論文数と被引用数の急増は、上記のScholarGPSの図でも 2020年から始まった。先に示した出典②の表と同じである。

ScholarGPSでは、各研究分野の上位0.05%に入る卓越した研究者を「Highly Ranked Scholar」、また0.5%に入る卓越した研究者を「Top Scholar」としている。

ガデカルは、過去5年間の全分野で「Highly Ranked Scholar」となり世界184位の優秀さである。工学領域では世界88位、工学領域の4分野で29、39、59、95位の優秀さなのである(表出典:ScholarGPS)。

●4.【蘇 春華(スー チュンホワ)】

「2025年2月12日のFor Better Science」や「2026年5月27日のRetraction Watch」記事などは、ガデカルの急激な出版論文数とh指数(H-Index)の上昇の裏に、世界規模の「特定の研究者同士で多量に引用し合う引用カルテル」があると指摘した。

その引用カルテルを辿っていくと、日本国内の大学に籍を置く情報科学系の複数の研究者が見つかった。

その人物の1人が会津大学・コンピュータ理工学部の蘇 春華(スー チュンホワ)上級准教授だった。

=====【疑惑研究者】======

蘇 春華(スー チュンホワ、Chunhua Su):写真出典

以下の所属・職位の出典: https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000040716966/

所属 (現在):2026年度: 会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授
所属 (過去の研究課題情報に基づく):
2023年度 – 2024年度: 会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授
2019年度 – 2021年度: 会津大学, コンピュータ理工学部, 上級准教授
2017年度 – 2018年度: 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授
2016年度: 大阪大学, 工学研究科, 助教
2015年度: 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教

他のサイト:

=====【疑惑の全体像】======

蘇 春華(スー チュンホワ)は、中国の北京電子科技学院大学の学部を2003年に卒業後、日本の九州大学で修士号(2006年)・博士号(2009年)を取得し、現在45歳(推定)で、会津大学・上級准教授である。年齢を推測するために、仮に、2003年に学士号を取得した時を22歳とし、生年月日を1981年1月1日とした。

グーグルスカラーでは、過去5年間の「h指数(h-index)」は44で、「i10-Index(i10指数)」は102である。

これら蘇 春華(スー チュンホワ)の優秀さをしめす指標は、不正・不当な引用カルテルで得た数値である。

以下に示すように、蘇 春華(スー チュンホワ)の被引用数の多い上位3論文のうちの2論文は ティッパ・レディ・ガデカル(Thippa Reddy Gadekallu)と共著の論文だった、

‬‬‬‬‬‬
ガデカルと共著の論文は、グーグルスカラーでは2021~2022年の 5論文がある。

上記の 2論文以外に、被引用数が6位(被引用数は188回)、9位( 133回)、13位( 117回)の論文がガデカルと共著だった。ガデカルと共著の論文の被引用数を合計すると1,078回になった。過去5年間(2021年以降)の総被引用数は5,941回なので、ガデカルとの引用カルテルで得た被引用数の1,078回は、総被引用数に 18%も寄与していた。

なお、ガデカルとの5報の共著論文は全部査読付き論文である。

このように、蘇 春華(スー チュンホワ)の優秀さを支えている高い被引用数は、不正・不当な引用カルテルで得たものだった。

ここで示した引用カルテルは、ガデカルが共著者になっている蘇 春華(スー チュンホワ)の論文だけを対象にした。しかし、ガデカルとは別の組織の引用カルテルにも入っている可能性はある。その場合、不正・不当な被引用数はもっと増える。

例えば、Yang Xiang(オーストラリアのスウィンバーン工科大学)と2021年に共著論文(69回被引用)を出版している(以下)。

調べていないが、Yang Xiangはガデカルとは別の引用カルテルを構築している(推定)。

★ScholarGPSの数値

ScholarGPS で調べると、蘇 春華(スー チュンホワ)は、会津大学の全教員103人の中で、過去5年間の被引用数は第4位(Citations | ScholarGPS)、「h指数(h-index)」は第3位だった(H-index | ScholarGPS)。

そして、2025年、蘇 春華(スー チュンホワ)は、会津大学の「No.1」になった。

2025年12月18日、以下に示すように、会津大学はScholarGPS のデータを基に、大学のサイトで、蘇 春華(スー チュンホワ)の「卓越した業績」を称賛し、「世界の上位研究者に選出されました」と報じた。

ここで再度警告するが、蘇 春華(スー チュンホワ)の「卓越した業績」は、不正・不当な引用カルテルで得たものと推定される。

つまり、蘇 春華(スー チュンホワ)は「多数の研究者と国際的に談合し、被引用数とh指数(h-index)を不正に増やし、不当に高い評価を得ている」と思われる。

蘇 春華(スー チュンホワ)の出版論文数と被引用数の年次変化を見ると以下のようだ。 → 2026年8月6日現在のデータ:ScholarGPS(Chunhua Su | Scholar Profiles and Rankings | ScholarGPS

被引用数は2018年から増加し、2021年・2022年に急増している。

蘇 春華(スー チュンホワ)とガデカルと共著論文数はAI(Claude)では20報以上と出たが、ScholarGPS では2021~2023年の10報しかヒットしなかった。

しかし、以下に示す2025年9月の論文もガデカルと共著である。2026年8月現在もガデカルの仲間として活動していると思われる。

誰かが、「不正・不当な引用カルテルである」、「研究クログレイ(QRP)行為である」、と批判しないと、不当に高い評価が得られる「うまい汁」なので、蘇 春華(スー チュンホワ)は「吸う」ことを止めないと思われる。

そして、所属機関の会津大学は、上述したように、2025年12月18日に「卓越した業績」だと称賛しているので、会津大学は自力で蘇 春華(スー チュンホワ)の不正・不当な引用カルテルを見抜けないと思われる。

それで、会津大学に告発した。

なお、日本では引用カルテルを公式に摘発するシステムが稼働していないので、何年も前から、日本の学術界に徐々に蔓延していると思われる。

当然ながら、蘇 春華(スー チュンホワ)の「うまい汁を吸う」方法は、彼の研究室を巣立った教え子にも伝わり、国内および国際的に蔓延しつつある(推定)。次節で、その可能性、繰り返すが可能性、が危惧される2例をあげる。

★蘇 春華(スー チュンホワ)研究室の出身者:2例

【1人目:連 卓涛(リァン ズオタオ、Zhuotao Lian)】

1人目は日本国内に在職している連 卓涛(リァン ズオタオ、Zhuotao Lian)である。

連 卓涛(リァン ズオタオ)は、中国の中国地質大学の学部を2020年に卒業後、日本の会津大学で蘇 春華(スー チュンホワ)の指導により、2024年に博士号を取得し、2025年4月に広島大学・助教になった。

以下の所属・職位の出典: https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000040716966/

所属 (現在): 2026年度: 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教
所属 (過去の研究課題情報に基づく):
2026年度: 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教

他のサイト:

===========

AI(Claude)で調べると、連 卓涛(リァン ズオタオ)とティッパ・レディ・ガデカル(Thippa Reddy Gadekallu)と共著論文は少なくとも10報はあるとのことだった。

グーグルスカラーでは2021~2022年の2論文が共著で、以下に示すように、被引用数の多い上位3論文のうちの2論文はガデカルと共著で、内1論文は連 卓涛(リァン ズオタオ)が第一著者だった。 → ‪Zhuotao Lian‬ – ‪Google Scholar‬ ‬‬‬‬‬‬

Zhuotao Lian | Scholar Profiles and Rankings | ScholarGPSのデータは以下のようだ。

2024年3月19日に取得した博士号の連 卓涛(リァン ズオタオ)の博士論文は、引用文献が141文献あるが、その内7文献はガデカルが著者に入った論文である。

連 卓涛(リァン ズオタオ)は、ガデカルとそこそこ友好関係があると思われる。広島大学で引用カルテルを継続・拡大していないことを願う。

【2人目:王 惟正(ワン ウェイジョン、Weizheng Wang)】

2人目は外国にいる王 惟正(ワン ウェイジョン、Weizheng Wang、https://orcid.org/0000-0002-5879-585X)である。

王 惟正(ワン ウェイジョン)は、会津大学の蘇 春華(スー チュンホワ)研究室に2019~2021年に大学院生として在籍し、2021年に修士号を取得後は、研究員(Research Associate)になった(推定)。その後、香港の香港城市大学(City University of Hong Kong)の博士課程に進学し、そこで博士号を取得した。現在、香港城市大学に在職していると思われるが、不確かである。 → 
Weizheng WANG – CityUHK Scholars

[白楽注:香港理工大学(Hong Kong Polytechnic University)に在職しているWei Wangと混同しているかもしれない]

IEEE Xploreによると、王 惟正(ワン ウェイジョン)の出版論文数は88報で被引用数は3,662回ととても多い。 → Weizheng Wang – IEEE Xplore Author Profi

AI(Claude)では、会津大学時代に蘇 春華(スー チュンホワ)研究室から出版したガデカルとの共著論文が少なくとも10報あるとでたが、真偽は不明である。

とはいえ、会津大学を卒業以降、ガデカルと共著論文を2023年に香港城市大学から、2026年に香港理工大学から出版している(以下)。この2論文は蘇 春華(スー チュンホワ)が共著者になっていないので、王 惟正(ワン ウェイジョン)は、会津大学を卒業した後も、独自に引用カルテルを継続・拡大している可能性が高い。2023年と2026年の間の疑惑論文は省略した。

●6.【白楽の感想】

★引用カルテル

本件はネカト(捏造・改ざん・盗用)以外の「研究規範に反する行為」で、「被引用数とh指数(h-index)を不正に増やす」引用カルテルである。

文部科学省が定義する研究不正ではないが、「自分が得するために、研究がらみで他人を意図的にダマす研究詐欺行為」である。研究者は「してはいけない」「研究規範に反する行為」とされている「研究クログレイ(QRP,Questionable research practice)=問題ある研究行動」の1つである。

横道:「研究クログレイ(QRP)」のすべてをまとめた本・『あなたの知らない研究グレーの世界』(榎木 英介編著、田中 智之編著、2023年10月)が出版されている(白楽も一部執筆)。

3章で述べたティッパ・レディ・ガデカル(Thippa Reddy Gadekallu)は多数の学術誌・編集者や査読者になり、1,000人以上の研究者仲間を国際的に相互に論文を引用しあう引用カルテルを作った。ガデカルの引用カルテル仲間たちは、不正・不当に得た高い被引用数と高いh指数(h-index)を得ていた。そのおかげで、優秀な研究者という評価を得、それに見合う待遇を不正・不当に得ていた(得ている)。

ガデカルが主犯のグループに、会津大学・コンピュータ理工学部の蘇 春華(スー チュンホワ)上級准教授が加わっていた(いる)。

文部科学省の2014年のガイダンスでは、ネカト(捏造・改ざん・盗用)以外に「二重投稿」と「不適切なオーサーシップ」を不正行為として認定し、「文部科学省の予算の配分又は措置により行われる研究活動において不正行為が認定された事案」にリストしている。

文部科学省のそのリストに、ネカト(捏造・改ざん・盗用)、「二重投稿」、「不適切なオーサーシップ」以外に、2025年、「研究規範に反する行為」として「山口大学元教授による不正行為(研究規範に反する行為(虚偽の記載))」を認定した。

今回、会津大学と文部科学省は「研究規範に反する行為」(引用カルテル)」と認定し、国内でさらなる引用カルテルの継続・拡散が防止されることを願う。

★ハインリッヒの法則と割れ窓理論

ハインリッヒの法則は、米国の損害保険会社に勤めていた安全技師ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒ(Herbert William Heinrich)の提唱した労働災害の経験則である。

1人の人が1件の重い災害を起こしたとすると、その人は、29回の軽傷事故をおこしていて、300回の無傷害事故を起こしていたという法則である。300回の無傷害事故の背後には数千の不安全行動や不安全状態があるそうだ(出典:厚生労働省のサイト:ハインリッヒの法則(1:29:300の法則))。

学術詐欺も同じとすれば、1人の研究者が研究不正「事件」を1件起こしたとすると、研究不正「行為」を29回していて、「研究クログレイ(QRP)」行為を300回していた、となる。回数はハインリッヒの法則をまねただけだが、論旨は同じである。

学術詐欺にハインリッヒの法則の論旨が当てはまるという証拠はないが、当てはまるなら、「研究クログレイ(QRP)」行為は研究不正「事件」の前段階と捉えられる。そうなら、研究不正を減らすためにも、まず、「研究クログレイ(QRP)」行為を減らす規則・努力が優先するだろう。

ところが、文部科学省も大学も「研究クログレイ(QRP)」行為を減らす規則・努力をしていない。それで、誰も「研究クログレイ(QRP)」行為を告発しない。

割れ窓理論(ブロークン・ウィンドウ理論)もある。

割れ窓理論(われまどりろん、英: Broken Windows Theory)とは、軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論。アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングが考案した。「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」との考え方からこの名がある。破れ窓理論[1]、壊れ窓理論[2]、ブロークン・ウィンドウ理論などともいう。(割れ窓理論 – Wikipedia

割れ窓理論は学術詐欺に適用できそうだ(証拠はないが)。

環境犯罪学のこの理論に従えば、「研究クログレイ(QRP)」行為を放置すれば、研究不正行為が増えるだろう。

それなのに、日本では、「研究クログレイ(QRP)」行為を放置している。減らす規則・努力をしていない。

おかしいでしょう。