1‐5‐1 ネカトハンター(nekato hunters、scientific sleuths)

/2014年6月14日掲載、2026年10月17日(土)更新/

一覧表をすぐ見たい人は → 現役ネカトハンター一覧表
ネカトハンターはネカト(研究不正)を見つけ・通報・追及する第一次追及者である。有給の職務ではなく、すべて民間の無料ボランティアで、世界に約50人いる。本稿でその一覧表を示した。ネカトハンターは研究公正レベルを高め維持するネカト改善の最強のエンジンだが、現在の日本には白楽がボソボソと活動しているのみで他にはいない。政府・学術界はネカトハンターをしっかり育成・支援すべきだが、世界でも日本でもほぼ全く育成・支援されていない。

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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.ネカト遭遇者とネカトハンター
2.現役ネカトハンター一覧表
7.白楽の感想
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●1.【ネカト遭遇者とネカトハンター】

★ネカトを見つけ・通報・追及する人

学術上の不正行為を「最初に見つけ・通報・追及する人」(第一次追及者)は2つに大別できる。ここでの通報先は大学/研究所と学術誌とする。

①ネカト遭遇者
②ネカトハンター
 
 である。

外国では、両者の貢献度はほぼ5:5(推定)だろう。しかし、日本に②ネカトハンターはほぼいないので、日本の事件に限ると、①:②の貢献度は9:1(推定)で、圧倒的に①ネカト遭遇者の比率が高い。

日本にほぼいなくても、②ネカトハンターが1割も貢献しているのは、外国人の②ネカトハンターが日本の「学術上の不正行為」を「最初に見つけ・通報・追及」してくれているからである。この場合の通報先は大学/研究所ではなく、学術誌となることが多い。

①ネカト遭遇者(nekato encounters)

ネカト遭遇者(nekato encounters)は、そのネカト研究・論文の被害者(例:被盗用者)だったり、共同研究者がネカト者だったりなど、ネカト研究・論文にたまたま巻き込まれた人である。

ネカト遭遇者が大学/研究所、学術誌に通報するなり、ウェブサイトで告発することで第一次追及者となる。自分の論文やデータが「盗用」された場合は数割の人が通報すると思うが(データなし)、盗用以外の「学術上の不正行為(ねつ造、改ざん、著者在順などなど)」に遭遇した場合、通報する人は100人に1人、つまり、約1%(推定)ととても少ない。そして、ネカト遭遇者は自分が遭遇した事件が終われば、追及を終える。

②ネカトハンター(nekato hunters)

一方、ネカトハンター(nekato hunters)は、そのネカト論文の共著者ではないし、ネカト者との面識もないなど、研究上は無関係だが、学術上の不正行為を「最初に見つけ・通報・追及する人」(第一次追及者)である。

他人が見つけた不正疑惑を大学/研究所や学術誌に通報し、追及する人もネカトハンターに含める。英語では「scientific sleuths(科学探偵)」「research fraudbusters(研究不正摘発者)」「literature watchdog(文献監視人)」などと呼ばれる。

ネカト遭遇者は「たまたま」遭遇した人なので育成しにくいが、ネカトハンターはハンティング活動を自発的にする人なので、適切に支援することで、育成しうる。

ネカトハンターを育成すればネカト発覚・摘発が増え、ネカト監視体制が強化され、ネカト防止につながり、日本の学術界の研究公正レベルを高め維持できる。

★ネカトハンター

日本や米国を含め世界のすべての国に、データねつ造・改ざんや論文盗用、さらには新しい学術上の不正行為を見つけ通報することを専門に行なう職業人はほぼいない。学術警察という組織もない。

米国の著名な政府機関である研究公正局でも、ネカトを見つけることが仕事の局員はいない。

各学会にもいない。大学にもいない。

ただ、研究不正を追及し報道する新聞記者は外国にも日本にも少数いる。

また、最近、学術出版社が社員として出版詐欺を追及していた人を雇用している。例えば、2025年1月、学術出版社のテイラー&フランシス社は、ネカトハンターとして大活躍していたニック・ワイズ(Nick Wise)を雇用した。他にも雇用されている可能性はある。

現状の把握としては、学術上の不正行為を「最初に見つけ・通報・追及する人」(=ネカトハンター)は、ここ100年、いやもっと前から、現在まで、ほぼすべて、民間のボランティアだった。

民間と言っても、専門知識・技術が必要なので大学教授・研究者や科学ジャーナリストが多いが、正義感にかられ、善意で活動している無料ボランティアである。大学教授・研究者だと、本業の研究教育の傍ら活動しているので二刀流になる(二刀流の写真は改変再使用が許可された画像、出典)。

★ネカトウオッチャー

ネカトウオッチャーは発覚したネカト事件を分析し、ウェブ上で解説をする、と同時に、その実態・背景からネカト問題を指摘・議論する個人・組織である。正義感にかられ、善意で活動しているボランティアである。

ネカトハンターもネカトウオッチャーであるが、ネカトハンター活動を(ほとんど)しない個人・組織をネカトウオッチャーとした。

★ネカト研究者

ネカト研究者は、大学・研究所で仕事としてネカトを研究する大学教員や研究員である。ネカト研究者もある意味ネカトウオッチャーである。しかし、一般のネカトウオッチャーがボランティアで活動し、ネカト事件をウェブ上で解説をするのに対し、ネカト研究者は、給料をもらう仕事として活動し、研究成果を研究者向けの論文として発表する。

●2.【現役ネカトハンター一覧表】

以下のネカトハンター一覧表は、不完全である。リストに掲載されていないことにご不満の組織・人はゴメン。ご連絡いただければ掲載します。この手の完全版は不可能だと、白楽は最初から、完全版を諦めている。更新も十分ではないだろう。

なお、学術出版社のニック・ワイズ(Nick Wise)は、出版社に雇用される以前の活動が顕著だったのでリストに入れた。

正規雇用のメディア記者(例えば、スペインのマヌエル・アンセデ記者(Manuel Ansede)、毎日新聞の鳥井真平記者など)は除いた。

営利企業で不正摘発をしている人(例えば、デジタルサイエンス社のレスリー・マッキントッシュ(Leslie McIntosh)など)も除いた。

現役ネカトハンター一覧表

名前英名顔写真国・地域所属・個人情報活動実績・サイト活動開始日受賞・紹介記事
組織・サイト
ヴロニプラーク・ウィキVroniPlag Wikiドイツ語圏米国のファンダム社(Fandom)がホスト。ゲルハルト・ダンネマン(Gerhard Dannemann)などが活動ドイツ語圏の博士論文・教授資格論文の盗用。VroniPlag Wiki2011年3月18日白楽記事。白楽サイト。ウィキ。2011年ゼドラー賞
撤回監視(リトラクション・ウオッチ)Retraction Watch米国アイヴァン・オランスキー(Ivan Oransky)とアダム・マーカス(Adam Marcus)が運営主力はハンター活動ではなく、論文撤回情報の収集・分析、問題点の分析。Retraction Watch2012年8月3日白楽記事
パブピアPubPeer米国代表者:ブランドン・ステル(Brandon Stell)(仏)全分野・英語。PubPeer2012年10月200617白楽記事。ウィキ。150831Sci。160105エディ
ディザーネットDissernetロシアアンドレイ・ロストフツェフ(Andrey Rostovtsev)などが運営ロシアの博士論文・著書の盗用。ロシア語。dissernet:Диссернет。累計摘発者数は約5,600人(2016年)、約40,000人(2025年)2013年2月20日白楽記事。wiki。
より良い科学のために(フォー・ベター・サイエンス)For Better Scienceドイツレオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)主催For Better Science2015年10月28日About For Better Science
サイエンス・ウォッチドッグScienceWatchdog.idインドネシアイルハム・アクサヌ・リド(Ilham Akhsanu Ridlo)が設立・運営論文不正など。インドネシア語と英語。ScienceWatchdog.id2024年3月18日Conversation
個人
【国不明】
アブロストラ・ウレンティス(パブピア名)Abrostola urentis(PubPeer名)国不明PubPeer - 812回(260917)不明
アルテミシア・ストリクタ(パブピア名)Artemisia Stricta(PubPeer名)国不明(イラン?)建設工学アリ・ナザリ事件。「The Iran Connection」告発2018年頃2020RW。2022abc
クレア・フランシス(仮名)Clare Francis(仮名)国不明女性(?)数千件? PubPeerでは名前を固定していない2010年2013ST。2013El。wiki
デンドログラファ・コンフォルミス(パブピア名)Dendrographa conformis(PubPeer名)国不明出版詐欺。PubPeer - 1,712回(260916)不明
デスモコッカス・アンタークティカ(パブピア名)Desmococcus antarctica(PubPeer名)国不明談合出版、論文工場、査読偽装。PubPeer - 6,221回(260916)不明2025RW。白楽記事:高知大学・サントッシュ
ゲリス・コーカシクス(パブピア名)Gerris caucasicus(PubPeer名)国不明PubPeer - 3,489回(260923)不明
ホヤ・カンフォリフォリア(パブピア名)Hoya Camphorifolia(PubPeer名)国不明PubPeer - 9,633回(220602)、15,080回(230817)、36,491回(260915)不明2024論文
インディゴフェラ・タンガニケンシス(パブピア名)Indigofera Tanganyikensis(PubPeer名)国不明PubPeer - 1,523回(220602)、2,080回(230817)、3,291回(260915)不明
リピドゥラ・アルビベントリス(パブピア名)Rhipidura albiventris(PubPeer名)国不明PubPeer - 16,282回(260928)不明2025 For Better Science
【大洋州】
ジェニファー・バーンJennifer Byrne豪シドニー大学医学部・教授(分子腫瘍学)。1966年生生命科学。PubPeer - 547回(261016)2015年2018Ya。ネイチャー誌の2017年の「今年の10人」+今年の10人。wiki
ジョン・ローズマンJohn Loadsman豪シドニー大学医学部・準教授(麻酔学)上嶋浩順事件。レイハン・ポラト– 2026RW。PubPeer - 468回(260916)2020年2021RW
ベン・モルBen Mol豪モナッシュ大学医学部・教授(産婦人科学)。Xランダム化比較試験。PubPeer - 539回(260916)。少なくとも90報の論文撤回、60報の懸念表明2011年
スマット・クライド(仮名)、
デイヴィッド・ビムラー(実名)
Smut Clyde(仮名)、David L Bimler(実名)ニュージーランドマッセー大学・退職?。X論文工場、引用カルテル。Riddled。2022RS。For Better Science2009年11月自己紹介
【アジア】
ゲン・ホンウェイ、耿洪伟(耿同学)Geng Hongwei中国ブロガー。北京航空航天大学・博士(生物医工学)・中退(2025年)。1992/1993年生中国。耿同学-哔哩哔哩_bilibili2026年4月2026朝鮮日報。2026TC。wiki。百度百科
白楽ロックビルHaklak Rockbill日本お茶の水女子大学・名誉教授(生化学・細胞生物学)主力はハンター活動ではなく、世界の研究倫理情報・事件の収集・解説。ハンター活動は日本の研究疑惑で十数件2024年12月10日。ブログは2014年4月24日2007年度柿内賢信記念賞
【欧州】
アネウルス・インコンスタンス(パブピア名)Aneurus Inconstans(PubPeer名)イタリア不明PubPeer - 1,869回(260916)。For Better Science不明
アリソン・アヴェネルAlison Avenell英国アバディーン大学・教授(臨床栄養学)佐藤能啓(Yoshihiro Sato)事件2016年2018Sci。2020RW。2022Sci
ジョン・カーライルJohn Carlisle英国トーベイ病院・医師(麻酔科)臨床試験2008年2023Re
ショルト・デイヴィッド、
マイコスファエレラ・アラキディス(パブピア名)
Sholto David、Mycosphaerella arachidis(PubPeer名)英国ニューカッスル大学・博士号(細胞分子生物学)。1992年頃生。X生命科学。YouTube、YouTube|白楽。PubPeer - 8,385回(260918)。For Better Science2020年頃wiki。2024年の米タイム誌の「次世代の100人」、および、「ヘルスケア分野において世界で最も影響力のある100人」。白楽記事①。
ニック・ワイズNick Wise英国ケンブリッジ大学・院生(建築流体力学) → テイラー&フランシス社・調査員(2501xx~)。1992年頃生。X(~241103)“tortured phrases”。PubPeer - 1,367回(260919)2021年7月2022RW。2025RW
ステファン・ウェーバーStefan Weberオーストリア博士号。フリーランス。1970年生オーストリアの盗用(ドイツ語)。Blog für Ehrlichkeit2002年wiki
ルネ・アクエリアスRené Aquariusオランダラドバウド大学医療センター・研究者(脳神経外科)PubPeer - 498回(240828)、1,875回(260919)2024年2024RW。2026DS
マールテン・ファン・カンペンMaarten van KampenオランダASML社・研究員(実験物理学)結晶構造データ、分光データ。トーマス・スードフ| 白楽。PubPeer - 430回(260922)。For Better Science。Retraction Watch不明2024RW。2024Sci
ニック・ブラウンNick Brown(Nicholas J L Brown)スペインフローニンゲン大学(オランダ)・博士号(心理学)。コンピュータネットワークの管理者。1960年生。Xブログ。ニコラ・ゲギャン| 白楽2015年2018Sci
ウリ・サイモンソンUri Simonsohnスペインエサデ・ビジネススクール・教授(行動学)統計値の異常。p値の操作。ダーク・スミースタース | 白楽。ダン・アリエリー| 白楽、フランチェスカ・ジーノ| 白楽。データ・コラダ(Data Colada)設立。Data Colada – 139記事(260919)2011年以前wiki
アンナ・アバルキナAnna Abalkinaドイツベルリン自由大学・研究員。博士号(国際経済学)。ロシア出身ディザーネット。被乗取学術誌リスト。論文工場2013年ネイチャー誌の2024年の「今年の10人」+今年の10人。白楽記事。wiki
ベルンハルト・ザベルBernhard Sabelドイツ2023年にマクデブルク大学・教授を退官し、サヴィア・センター(Savir Center)で臨床コンサルタント(神経心理学)。博士号。1957年生。2025年に「Sciii | Strengthening Trust in Science and Innovation」開始。wiki多数の盗用・ねつ造論文:2023medRxiv不明2025Sci
レオニッド・シュナイダーLeonid Schneiderドイツフリーランス。博士号(分子細胞生物学)。1977年生、ウクライナ出身欧州が多い。For Better Scienceサイト運営。PubPeer - 865回(260919)。Facebook2013年7月7日wiki
デボラ・ウェーバー=ウルフDebora Weber-WulffドイツHTWベルリン大学・元教授(メディアとコンピュータ)Copy, Shake, and Paste。ヴロニプラーク・ウィキで告発(参加名:WiseWoman)2002年wiki
ギヨーム・カバナック、
シークアンドブラスト・オペレーター(パブピア名)
Guillaume Cabanac、SeekAndBlastn Operators(PubPeer名)フランスGuillaume Cabanac。トゥールーズ大学・正教授(コンピュータ科学)PubPeer - 6,903回(260920)。不自然な機械翻訳(tortured phrases)。自動生成論文を自動検知する「Problematic Paper Screener」ソフト開発。「Feet of Clay Detector」ツール開発2015年ネイチャー誌の2021年の「今年の10人」+今年の10人。2021RW。wiki
エミリア・セルカンEmilia Şercanルーマニアフリーランス。博士号(コミュニケーション学)。1977年8月2日生ルーマニア要人の盗博。約50件(ルーマニア首相の盗博など)。Emilia Şercan PressOne2013年Emilia Şercan - Wikipedia
アレクサンダー・マガジノフAlexander Magazinovロシア2014年博士号(数学)。1989年頃生論文工場。「談合出版」:クリスチャン・ゾンネ | 白楽。「論文工場」:グジェゴシュ・クロルチク| 白楽。For Better Science。「Problematic Paper Screener」ソフト開発。“tortured phrases” spotter。PubPeer - 633回(220701)、2,278回(260208)、2,396回(260921)2015年紹介①。2021RW。2023RW
【北米】
チェシャー(仮名)、
アクチノポリスポラ・ビスクレンシス(パブピア名)、
ケビン・パトリック(実名)
Cheshire、Actinopolyspora biskrensis(PubPeer名)、Kevin Patrick(実名)米国シアトルの金融アドバイザー(科学者ではない)2025論文。PubPeer - 10,875回(260915)2022年以前2024Un。2025RW
キース・バッガリーKeith Baggerly米国MDアンダーソン癌センター・教授(生物統計学)アニル・ポティ | 白楽2006年2011RW。2018Nat
エリザベス・ビックElisabeth Bik(Elisabeth M Bik)米国フリーランス。1966年オランダ生。博士号(微生物学)。スタンフォード大学・元研究員。X1,100論文撤回。PubPeer - 10,191回(260208)、10,709回(260921)。Microbiome Digest。Science Integrity Digest2014年wiki。2021年ジョン・マドックス賞受賞(John Maddox Prize - Wikipedia)。2024年アインシュタイン財団賞
ポール・ブルックスPaul Brookes米国ロチェスター大学医学部・教授(麻酔学)。LinkedIn。PSBLABサイト「Science Fraud」を2012年7月~12月活動、274疑惑論文。その後も活動中。PubPeer - 223回(260921)2012年サイエンス・フラウド | 白楽。研究不正摘発指南 | 白楽
マイケル・ドハティMichael Dougherty米国オハイオ・ドミニカン大学・教授(哲学)。M.V. Dougherty文系の盗用。2009年2018RW。2024RW。7-39.要約盗用 | 白楽
リース・リチャードソンReese Richardson米国ノースウェスタン大学・訪問研究者(データ科学)。LinkedIn。ブログ論文工場、引用カルテル。PubPeer - 1,667回(260928)不明百度百科。2026Sci。2026Guardian
デイヴィッド・サンダースDavid Sanders米国パデュー大学・準教授(生化学)。Sanders Labフェリッサ・ウルフ=サイモン | 白楽、カルロ・クローチェ | 白楽不明wiki
マシュー・シュラグMatthew Schrag米国ヴァンダービルト大学・助教授(神経病学)。Matthew S. Schrag, MD, PhD。1983/1984年生。アルツハイマー病。シルヴァン・レズネー | 白楽。PubPeer - 210回(260925)2022年2022Sci。2022Sci②
ムー・ヤン、
ディスデラ・アラビセネン(パブピア名)
Mu Yang、Dysdera arabisenen(PubPeer名)米国コロンビア大学・助教授(ゲノム医学・精神医学)。XPubPeer - 1,297回(240601)、4,894回(260208)、6,265回(260922)。エリーザー・マスリア | 白楽2020年2026cen

★他の人が作成したリスト

● 2018年6月に撤回監視が作ったリストもある:Meet the scientific sleuths: More than two dozen who’ve had an impact on the scientific literature – Retraction Watch

● ネカトハンターらが2023年にプラハで集まった時の集合写真がある。 → 2024年9月11日記事:The Rise of the Science Sleuths

写真の人たち:デイヴィッド・ビムラー(David Bimler)、チャールズ・ピラー(Charles Piller。会合の一部に参加した記者)、ニック・ブラウン(Nick Brown)、ショルト・デイヴィッド(Sholto David)、パトリック・シュタルケ(Patrick Starke。イメージツイン社(Imagetwin)の共同創業者兼CEO)、レオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)、マルクス・ツラビンガー(Markus Zlabinger。イメージツイン社の共同創業者兼CTO)、エリザベス・ビック(Elisabeth Bik)、ケビン・パトリック(Kevin Patrick)。写真は原典をご覧ください。

●2025年1月、Publishing with Integrityは以下の顔写真付きリストを公表した。

●7.【白楽の感想】

《1》第一次追及者の重要性

誰かがネカトを見つけ通報しなければネカト調査は始まらない。つまり、すべてのネカト事件の発端はネカト発見・通報である。 → 1‐3‐3.研究ネカト事件対処の4ステップ説 | 白楽の研究者倫理

「最初に見つけ・通報・追及する人」(第一次追及者)は、冒頭に書いたように、①ネカト遭遇者と②ネカトハンターである。

しかし、たまたまネカトに遭遇したネカト遭遇者が当局にネカトと通報する割合は約1%(推定)である。

従って、ネカト遭遇者の通報率を格段に増加させる施策が重要である。しかし、通報率に関する日本のデータはない。通報率が低い原因、その原因を取り除く方策など研究している人がいるのだろうか? 議論や検討をほとんど見ない・聞かない。通報率を格段に高めるまでの道はかなり長いだろう。

一方、ネカトハンターは、ネカトを通報するつもりでネカトを探しているので、見つければ通報する可能性は高い。しかし、通報に利益がなく危険がともなう。

それなのに、ネカトハンティング行為は政府・学術界・メディア(新聞・テレビ)など、どこからも支援は得られない。研究公正を保ちたいという善意だけで、ボランティアでネカトハンティングをしている。だから、数回または数年でやめてしまう人が多い(推定)。

ネカトハンティングを維持し、効率よくネカト発覚・通報率を高めることができるように、日本政府または日本の学術界は、ネカトハンターを育成・支援して欲しい。

そもそも論で言えば、本来、このような学術システムの基幹となるインフラを民間・個人に依存している現状は、極めて異常である。ネカトハンターが活動を止めれば、学術界はもっと荒れるだろう(無法地帯になるというのは、言い過ぎだけど)。国として安定したネカト抑止組織を作るべきだ。

日本は、「すべてのネカト事件はネカト発見・通報で成り立っている」という視点がまるでない。「ネカト摘発で研究公正がそこそこ維持されている」という視点もほとんどない。抜本的な改善を望む。

《2》日本語版「パブピア(PubPeer)」、誰か作りません?

白楽は当初から自分を「ネカト研究者」「ネカトウオッチャー」と考えてきた。しかし、「ネカトを見つけました。どうしたらよいですか?」という通報・相談をそこそこ受けてきた。

日本には見つけたネカトを通報する場所がない。イヤ、公式にはある(以下に示すように大学・研究所である)。ただ、現実的には、ある意味、役に立たない。

大学・研究所に通報すると、①かなりの高頻度で握りつぶされる・無視される。または、②調査しても、かなりの高頻度でいい加減な調査をし、その調査結果を秘匿する。通報者に知らせないこともある。そして、公表する場合でも、多くの場合、ネカト者の名前を秘匿する。

文部科学省や研究助成機関に通報すると、単に、該当大学に伝えるだけである。文部科学省や研究助成機関は調査しない。

新聞社に通報しても、かなりの高頻度で記事にならない。記事になっても表面的な記事で終わる。

投稿者の匿名性を維持し、データねつ造・改ざん、盗用、クログレイ行為の第一発見情報を日本語で議論や通報できるウェブサイトがあるといいなあ、と思っていたし、思っている。ある意味、日本語版の「パブピア(PubPeer)」である。

誰か作りませんかね、と何度もウェブで誘った。

しかし、誰も作らない。それで、ある時(2024年12月10日)から、自分のサイトで、少し、ネカトハンター活動を始めた。ただ、サイトでは議論の場を提供していない。X(https://x.com/haklak)で意見を述べることはできるけど、一方的なので議論にならない。