/2014年6月14日掲載、2026年10月17日(土)更新/
一覧表をすぐ見たい人は → 現役ネカトハンター一覧表
ネカトハンターはネカト(研究不正)を見つけ・通報・追及する第一次追及者である。有給の職務ではなく、すべて民間の無料ボランティアで、世界に約50人いる。本稿でその一覧表を示した。ネカトハンターは研究公正レベルを高め維持するネカト改善の最強のエンジンだが、現在の日本には白楽がボソボソと活動しているのみで他にはいない。政府・学術界はネカトハンターをしっかり育成・支援すべきだが、世界でも日本でもほぼ全く育成・支援されていない。
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目次(クリックすると内部リンク先に飛びます)
1.ネカト遭遇者とネカトハンター
2.現役ネカトハンター一覧表
7.白楽の感想
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●1.【ネカト遭遇者とネカトハンター】
★ネカトを見つけ・通報・追及する人
学術上の不正行為を「最初に見つけ・通報・追及する人」(第一次追及者)は2つに大別できる。ここでの通報先は大学/研究所と学術誌とする。
①ネカト遭遇者
②ネカトハンター
である。
外国では、両者の貢献度はほぼ5:5(推定)だろう。しかし、日本に②ネカトハンターはほぼいないので、日本の事件に限ると、①:②の貢献度は9:1(推定)で、圧倒的に①ネカト遭遇者の比率が高い。
日本にほぼいなくても、②ネカトハンターが1割も貢献しているのは、外国人の②ネカトハンターが日本の「学術上の不正行為」を「最初に見つけ・通報・追及」してくれているからである。この場合の通報先は大学/研究所ではなく、学術誌となることが多い。
①ネカト遭遇者(nekato encounters)
ネカト遭遇者(nekato encounters)は、そのネカト研究・論文の被害者(例:被盗用者)だったり、共同研究者がネカト者だったりなど、ネカト研究・論文にたまたま巻き込まれた人である。
ネカト遭遇者が大学/研究所、学術誌に通報するなり、ウェブサイトで告発することで第一次追及者となる。自分の論文やデータが「盗用」された場合は数割の人が通報すると思うが(データなし)、盗用以外の「学術上の不正行為(ねつ造、改ざん、著者在順などなど)」に遭遇した場合、通報する人は100人に1人、つまり、約1%(推定)ととても少ない。そして、ネカト遭遇者は自分が遭遇した事件が終われば、追及を終える。
②ネカトハンター(nekato hunters)
一方、ネカトハンター(nekato hunters)は、そのネカト論文の共著者ではないし、ネカト者との面識もないなど、研究上は無関係だが、学術上の不正行為を「最初に見つけ・通報・追及する人」(第一次追及者)である。
他人が見つけた不正疑惑を大学/研究所や学術誌に通報し、追及する人もネカトハンターに含める。英語では「scientific sleuths(科学探偵)」「research fraudbusters(研究不正摘発者)」「literature watchdog(文献監視人)」などと呼ばれる。
ネカト遭遇者は「たまたま」遭遇した人なので育成しにくいが、ネカトハンターはハンティング活動を自発的にする人なので、適切に支援することで、育成しうる。
ネカトハンターを育成すればネカト発覚・摘発が増え、ネカト監視体制が強化され、ネカト防止につながり、日本の学術界の研究公正レベルを高め維持できる。
★ネカトハンター
日本や米国を含め世界のすべての国に、データねつ造・改ざんや論文盗用、さらには新しい学術上の不正行為を見つけ通報することを専門に行なう職業人はほぼいない。学術警察という組織もない。
米国の著名な政府機関である研究公正局でも、ネカトを見つけることが仕事の局員はいない。
各学会にもいない。大学にもいない。
ただ、研究不正を追及し報道する新聞記者は外国にも日本にも少数いる。
また、最近、学術出版社が社員として出版詐欺を追及していた人を雇用している。例えば、2025年1月、学術出版社のテイラー&フランシス社は、ネカトハンターとして大活躍していたニック・ワイズ(Nick Wise)を雇用した。他にも雇用されている可能性はある。
現状の把握としては、学術上の不正行為を「最初に見つけ・通報・追及する人」(=ネカトハンター)は、ここ100年、いやもっと前から、現在まで、ほぼすべて、民間のボランティアだった。
民間と言っても、専門知識・技術が必要なので大学教授・研究者や科学ジャーナリストが多いが、正義感にかられ、善意で活動している無料ボランティアである。大学教授・研究者だと、本業の研究教育の傍ら活動しているので二刀流になる(二刀流の写真は改変再使用が許可された画像、出典)。
★ネカトウオッチャー
ネカトウオッチャーは発覚したネカト事件を分析し、ウェブ上で解説をする、と同時に、その実態・背景からネカト問題を指摘・議論する個人・組織である。正義感にかられ、善意で活動しているボランティアである。
ネカトハンターもネカトウオッチャーであるが、ネカトハンター活動を(ほとんど)しない個人・組織をネカトウオッチャーとした。
★ネカト研究者
ネカト研究者は、大学・研究所で仕事としてネカトを研究する大学教員や研究員である。ネカト研究者もある意味ネカトウオッチャーである。しかし、一般のネカトウオッチャーがボランティアで活動し、ネカト事件をウェブ上で解説をするのに対し、ネカト研究者は、給料をもらう仕事として活動し、研究成果を研究者向けの論文として発表する。
●2.【現役ネカトハンター一覧表】
以下のネカトハンター一覧表は、不完全である。リストに掲載されていないことにご不満の組織・人はゴメン。ご連絡いただければ掲載します。この手の完全版は不可能だと、白楽は最初から、完全版を諦めている。更新も十分ではないだろう。
なお、学術出版社のニック・ワイズ(Nick Wise)は、出版社に雇用される以前の活動が顕著だったのでリストに入れた。
正規雇用のメディア記者(例えば、スペインのマヌエル・アンセデ記者(Manuel Ansede)、毎日新聞の鳥井真平記者など)は除いた。
営利企業で不正摘発をしている人(例えば、デジタルサイエンス社のレスリー・マッキントッシュ(Leslie McIntosh)など)も除いた。
現役ネカトハンター一覧表
| 名前 | 英名 | 顔写真 | 国・地域 | 所属・個人情報 | 活動実績・サイト | 活動開始日 | 受賞・紹介記事 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 組織・サイト | |||||||
| ヴロニプラーク・ウィキ | VroniPlag Wiki | ドイツ語圏 | 米国のファンダム社(Fandom)がホスト。ゲルハルト・ダンネマン(Gerhard Dannemann)などが活動 | ドイツ語圏の博士論文・教授資格論文の盗用。VroniPlag Wiki | 2011年3月18日 | 白楽記事。白楽サイト。ウィキ。2011年ゼドラー賞 | |
| 撤回監視(リトラクション・ウオッチ) | Retraction Watch | 米国 | アイヴァン・オランスキー(Ivan Oransky)とアダム・マーカス(Adam Marcus)が運営 | 主力はハンター活動ではなく、論文撤回情報の収集・分析、問題点の分析。Retraction Watch | 2012年8月3日 | 白楽記事 | |
| パブピア | PubPeer | 米国 | 代表者:ブランドン・ステル(Brandon Stell)(仏) | 全分野・英語。PubPeer | 2012年10月 | 200617白楽記事。ウィキ。150831Sci。160105エディ | |
| ディザーネット | Dissernet | ロシア | アンドレイ・ロストフツェフ(Andrey Rostovtsev)などが運営 | ロシアの博士論文・著書の盗用。ロシア語。dissernet:Диссернет。累計摘発者数は約5,600人(2016年)、約40,000人(2025年) | 2013年2月20日 | 白楽記事。wiki。 | |
| より良い科学のために(フォー・ベター・サイエンス) | For Better Science | ドイツ | レオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)主催 | For Better Science | 2015年10月28日 | About For Better Science | |
| サイエンス・ウォッチドッグ | ScienceWatchdog.id | インドネシア | イルハム・アクサヌ・リド(Ilham Akhsanu Ridlo)が設立・運営 | 論文不正など。インドネシア語と英語。ScienceWatchdog.id | 2024年3月18日 | Conversation | |
| 個人 | |||||||
| 【国不明】 | |||||||
| アブロストラ・ウレンティス(パブピア名) | Abrostola urentis(PubPeer名) | 国不明 | PubPeer - 812回(260917) | 不明 | |||
| アルテミシア・ストリクタ(パブピア名) | Artemisia Stricta(PubPeer名) | 国不明(イラン?) | 建設工学 | アリ・ナザリ事件。「The Iran Connection」告発 | 2018年頃 | 2020RW。2022abc | |
| クレア・フランシス(仮名) | Clare Francis(仮名) | 国不明 | 女性(?) | 数千件? PubPeerでは名前を固定していない | 2010年 | 2013ST。2013El。wiki | |
| デンドログラファ・コンフォルミス(パブピア名) | Dendrographa conformis(PubPeer名) | 国不明 | 出版詐欺。PubPeer - 1,712回(260916) | 不明 | |||
| デスモコッカス・アンタークティカ(パブピア名) | Desmococcus antarctica(PubPeer名) | 国不明 | 談合出版、論文工場、査読偽装。PubPeer - 6,221回(260916) | 不明 | 2025RW。白楽記事:高知大学・サントッシュ | ||
| ゲリス・コーカシクス(パブピア名) | Gerris caucasicus(PubPeer名) | 国不明 | PubPeer - 3,489回(260923) | 不明 | |||
| ホヤ・カンフォリフォリア(パブピア名) | Hoya Camphorifolia(PubPeer名) | 国不明 | PubPeer - 9,633回(220602)、15,080回(230817)、36,491回(260915) | 不明 | 2024論文 | ||
| インディゴフェラ・タンガニケンシス(パブピア名) | Indigofera Tanganyikensis(PubPeer名) | 国不明 | PubPeer - 1,523回(220602)、2,080回(230817)、3,291回(260915) | 不明 | |||
| リピドゥラ・アルビベントリス(パブピア名) | Rhipidura albiventris(PubPeer名) | 国不明 | PubPeer - 16,282回(260928) | 不明 | 2025 For Better Science | ||
| 【大洋州】 | |||||||
| ジェニファー・バーン | Jennifer Byrne | ![]() | 豪 | シドニー大学医学部・教授(分子腫瘍学)。1966年生 | 生命科学。PubPeer - 547回(261016) | 2015年 | 2018Ya。ネイチャー誌の2017年の「今年の10人」+今年の10人。wiki |
| ジョン・ローズマン | John Loadsman | ![]() | 豪 | シドニー大学医学部・準教授(麻酔学) | 上嶋浩順事件。レイハン・ポラト– 2026RW。PubPeer - 468回(260916) | 2020年 | 2021RW |
| ベン・モル | Ben Mol | ![]() | 豪 | モナッシュ大学医学部・教授(産婦人科学)。X | ランダム化比較試験。PubPeer - 539回(260916)。少なくとも90報の論文撤回、60報の懸念表明 | 2011年 | |
| スマット・クライド(仮名)、 デイヴィッド・ビムラー(実名) | Smut Clyde(仮名)、David L Bimler(実名) | ![]() | ニュージーランド | マッセー大学・退職?。X | 論文工場、引用カルテル。Riddled。2022RS。For Better Science | 2009年11月 | 自己紹介 |
| 【アジア】 | |||||||
| ゲン・ホンウェイ、耿洪伟(耿同学) | Geng Hongwei | ![]() | 中国 | ブロガー。北京航空航天大学・博士(生物医工学)・中退(2025年)。1992/1993年生 | 中国。耿同学-哔哩哔哩_bilibili | 2026年4月 | 2026朝鮮日報。2026TC。wiki。百度百科 |
| 白楽ロックビル | Haklak Rockbill | ![]() | 日本 | お茶の水女子大学・名誉教授(生化学・細胞生物学) | 主力はハンター活動ではなく、世界の研究倫理情報・事件の収集・解説。ハンター活動は日本の研究疑惑で十数件 | 2024年12月10日。ブログは2014年4月24日 | 2007年度柿内賢信記念賞 |
| 【欧州】 | |||||||
| アネウルス・インコンスタンス(パブピア名) | Aneurus Inconstans(PubPeer名) | イタリア | 不明 | PubPeer - 1,869回(260916)。For Better Science | 不明 | ||
| アリソン・アヴェネル | Alison Avenell | ![]() | 英国 | アバディーン大学・教授(臨床栄養学) | 佐藤能啓(Yoshihiro Sato)事件 | 2016年 | 2018Sci。2020RW。2022Sci |
| ジョン・カーライル | John Carlisle | ![]() | 英国 | トーベイ病院・医師(麻酔科) | 臨床試験 | 2008年 | 2023Re |
| ショルト・デイヴィッド、 マイコスファエレラ・アラキディス(パブピア名) | Sholto David、Mycosphaerella arachidis(PubPeer名) | ![]() | 英国 | ニューカッスル大学・博士号(細胞分子生物学)。1992年頃生。X | 生命科学。YouTube、YouTube|白楽。PubPeer - 8,385回(260918)。For Better Science | 2020年頃 | wiki。2024年の米タイム誌の「次世代の100人」、および、「ヘルスケア分野において世界で最も影響力のある100人」。白楽記事①。 |
| ニック・ワイズ | Nick Wise | ![]() | 英国 | ケンブリッジ大学・院生(建築流体力学) → テイラー&フランシス社・調査員(2501xx~)。1992年頃生。X(~241103) | “tortured phrases”。PubPeer - 1,367回(260919) | 2021年7月 | 2022RW。2025RW |
| ステファン・ウェーバー | Stefan Weber | ![]() | オーストリア | 博士号。フリーランス。1970年生 | オーストリアの盗用(ドイツ語)。Blog für Ehrlichkeit | 2002年 | wiki |
| ルネ・アクエリアス | René Aquarius | ![]() | オランダ | ラドバウド大学医療センター・研究者(脳神経外科) | PubPeer - 498回(240828)、1,875回(260919) | 2024年 | 2024RW。2026DS |
| マールテン・ファン・カンペン | Maarten van Kampen | オランダ | ASML社・研究員(実験物理学) | 結晶構造データ、分光データ。トーマス・スードフ| 白楽。PubPeer - 430回(260922)。For Better Science。Retraction Watch | 不明 | 2024RW。2024Sci | |
| ニック・ブラウン | Nick Brown(Nicholas J L Brown) | ![]() | スペイン | フローニンゲン大学(オランダ)・博士号(心理学)。コンピュータネットワークの管理者。1960年生。X | ブログ。ニコラ・ゲギャン| 白楽 | 2015年 | 2018Sci |
| ウリ・サイモンソン | Uri Simonsohn | ![]() | スペイン | エサデ・ビジネススクール・教授(行動学) | 統計値の異常。p値の操作。ダーク・スミースタース | 白楽。ダン・アリエリー| 白楽、フランチェスカ・ジーノ| 白楽。データ・コラダ(Data Colada)設立。Data Colada – 139記事(260919) | 2011年以前 | wiki |
| アンナ・アバルキナ | Anna Abalkina | ![]() | ドイツ | ベルリン自由大学・研究員。博士号(国際経済学)。ロシア出身 | ディザーネット。被乗取学術誌リスト。論文工場 | 2013年 | ネイチャー誌の2024年の「今年の10人」+今年の10人。白楽記事。wiki |
| ベルンハルト・ザベル | Bernhard Sabel | ![]() | ドイツ | 2023年にマクデブルク大学・教授を退官し、サヴィア・センター(Savir Center)で臨床コンサルタント(神経心理学)。博士号。1957年生。2025年に「Sciii | Strengthening Trust in Science and Innovation」開始。wiki | 多数の盗用・ねつ造論文:2023medRxiv | 不明 | 2025Sci |
| レオニッド・シュナイダー | Leonid Schneider | ![]() | ドイツ | フリーランス。博士号(分子細胞生物学)。1977年生、ウクライナ出身 | 欧州が多い。For Better Scienceサイト運営。PubPeer - 865回(260919)。Facebook | 2013年7月7日 | wiki |
| デボラ・ウェーバー=ウルフ | Debora Weber-Wulff | ![]() | ドイツ | HTWベルリン大学・元教授(メディアとコンピュータ) | Copy, Shake, and Paste。ヴロニプラーク・ウィキで告発(参加名:WiseWoman) | 2002年 | wiki |
| ギヨーム・カバナック、 シークアンドブラスト・オペレーター(パブピア名) | Guillaume Cabanac、SeekAndBlastn Operators(PubPeer名) | ![]() | フランス | Guillaume Cabanac。トゥールーズ大学・正教授(コンピュータ科学) | PubPeer - 6,903回(260920)。不自然な機械翻訳(tortured phrases)。自動生成論文を自動検知する「Problematic Paper Screener」ソフト開発。「Feet of Clay Detector」ツール開発 | 2015年 | ネイチャー誌の2021年の「今年の10人」+今年の10人。2021RW。wiki |
| エミリア・セルカン | Emilia Şercan | ![]() | ルーマニア | フリーランス。博士号(コミュニケーション学)。1977年8月2日生 | ルーマニア要人の盗博。約50件(ルーマニア首相の盗博など)。Emilia Şercan PressOne | 2013年 | Emilia Şercan - Wikipedia |
| アレクサンダー・マガジノフ | Alexander Magazinov | ![]() | ロシア | 2014年博士号(数学)。1989年頃生 | 論文工場。「談合出版」:クリスチャン・ゾンネ | 白楽。「論文工場」:グジェゴシュ・クロルチク| 白楽。For Better Science。「Problematic Paper Screener」ソフト開発。“tortured phrases” spotter。PubPeer - 633回(220701)、2,278回(260208)、2,396回(260921) | 2015年 | 紹介①。2021RW。2023RW |
| 【北米】 | |||||||
| チェシャー(仮名)、 アクチノポリスポラ・ビスクレンシス(パブピア名)、 ケビン・パトリック(実名) | Cheshire、Actinopolyspora biskrensis(PubPeer名)、Kevin Patrick(実名) | ![]() | 米国 | シアトルの金融アドバイザー(科学者ではない) | 2025論文。PubPeer - 10,875回(260915) | 2022年以前 | 2024Un。2025RW |
| キース・バッガリー | Keith Baggerly | ![]() | 米国 | MDアンダーソン癌センター・教授(生物統計学) | アニル・ポティ | 白楽 | 2006年 | 2011RW。2018Nat |
| エリザベス・ビック | Elisabeth Bik(Elisabeth M Bik) | ![]() | 米国 | フリーランス。1966年オランダ生。博士号(微生物学)。スタンフォード大学・元研究員。X | 1,100論文撤回。PubPeer - 10,191回(260208)、10,709回(260921)。Microbiome Digest。Science Integrity Digest | 2014年 | wiki。2021年ジョン・マドックス賞受賞(John Maddox Prize - Wikipedia)。2024年アインシュタイン財団賞 |
| ポール・ブルックス | Paul Brookes | ![]() | 米国 | ロチェスター大学医学部・教授(麻酔学)。LinkedIn。PSBLAB | サイト「Science Fraud」を2012年7月~12月活動、274疑惑論文。その後も活動中。PubPeer - 223回(260921) | 2012年 | サイエンス・フラウド | 白楽。研究不正摘発指南 | 白楽 |
| マイケル・ドハティ | Michael Dougherty | ![]() | 米国 | オハイオ・ドミニカン大学・教授(哲学)。M.V. Dougherty | 文系の盗用。 | 2009年 | 2018RW。2024RW。7-39.要約盗用 | 白楽 |
| リース・リチャードソン | Reese Richardson | ![]() | 米国 | ノースウェスタン大学・訪問研究者(データ科学)。LinkedIn。ブログ | 論文工場、引用カルテル。PubPeer - 1,667回(260928) | 不明 | 百度百科。2026Sci。2026Guardian |
| デイヴィッド・サンダース | David Sanders | ![]() | 米国 | パデュー大学・準教授(生化学)。Sanders Lab | フェリッサ・ウルフ=サイモン | 白楽、カルロ・クローチェ | 白楽 | 不明 | wiki |
| マシュー・シュラグ | Matthew Schrag | ![]() | 米国 | ヴァンダービルト大学・助教授(神経病学)。Matthew S. Schrag, MD, PhD。1983/1984年生。 | アルツハイマー病。シルヴァン・レズネー | 白楽。PubPeer - 210回(260925) | 2022年 | 2022Sci。2022Sci② |
| ムー・ヤン、 ディスデラ・アラビセネン(パブピア名) | Mu Yang、Dysdera arabisenen(PubPeer名) | ![]() | 米国 | コロンビア大学・助教授(ゲノム医学・精神医学)。X | PubPeer - 1,297回(240601)、4,894回(260208)、6,265回(260922)。エリーザー・マスリア | 白楽 | 2020年 | 2026cen |
★他の人が作成したリスト
● 2018年6月に撤回監視が作ったリストもある:Meet the scientific sleuths: More than two dozen who’ve had an impact on the scientific literature – Retraction Watch
● ネカトハンターらが2023年にプラハで集まった時の集合写真がある。 → 2024年9月11日記事:The Rise of the Science Sleuths
写真の人たち:デイヴィッド・ビムラー(David Bimler)、チャールズ・ピラー(Charles Piller。会合の一部に参加した記者)、ニック・ブラウン(Nick Brown)、ショルト・デイヴィッド(Sholto David)、パトリック・シュタルケ(Patrick Starke。イメージツイン社(Imagetwin)の共同創業者兼CEO)、レオニッド・シュナイダー(Leonid Schneider)、マルクス・ツラビンガー(Markus Zlabinger。イメージツイン社の共同創業者兼CTO)、エリザベス・ビック(Elisabeth Bik)、ケビン・パトリック(Kevin Patrick)。写真は原典をご覧ください。
●2025年1月、Publishing with Integrityは以下の顔写真付きリストを公表した。
Over the past few days, I have been collating a list of academic sleuths. This is my list so far (see image).
I’d like to thank everybody who has suggested other people. The current (possible) additions I have are (in no particular order) – and I should have known about some of… pic.twitter.com/AaCKVj3laD
— Publishing with Integrity (@fake_journals) January 5, 2025
●7.【白楽の感想】
《1》第一次追及者の重要性
誰かがネカトを見つけ通報しなければネカト調査は始まらない。つまり、すべてのネカト事件の発端はネカト発見・通報である。 → 1‐3‐3.研究ネカト事件対処の4ステップ説 | 白楽の研究者倫理
「最初に見つけ・通報・追及する人」(第一次追及者)は、冒頭に書いたように、①ネカト遭遇者と②ネカトハンターである。
しかし、たまたまネカトに遭遇したネカト遭遇者が当局にネカトと通報する割合は約1%(推定)である。
従って、ネカト遭遇者の通報率を格段に増加させる施策が重要である。しかし、通報率に関する日本のデータはない。通報率が低い原因、その原因を取り除く方策など研究している人がいるのだろうか? 議論や検討をほとんど見ない・聞かない。通報率を格段に高めるまでの道はかなり長いだろう。
一方、ネカトハンターは、ネカトを通報するつもりでネカトを探しているので、見つければ通報する可能性は高い。しかし、通報に利益がなく危険がともなう。
それなのに、ネカトハンティング行為は政府・学術界・メディア(新聞・テレビ)など、どこからも支援は得られない。研究公正を保ちたいという善意だけで、ボランティアでネカトハンティングをしている。だから、数回または数年でやめてしまう人が多い(推定)。
ネカトハンティングを維持し、効率よくネカト発覚・通報率を高めることができるように、日本政府または日本の学術界は、ネカトハンターを育成・支援して欲しい。
そもそも論で言えば、本来、このような学術システムの基幹となるインフラを民間・個人に依存している現状は、極めて異常である。ネカトハンターが活動を止めれば、学術界はもっと荒れるだろう(無法地帯になるというのは、言い過ぎだけど)。国として安定したネカト抑止組織を作るべきだ。
日本は、「すべてのネカト事件はネカト発見・通報で成り立っている」という視点がまるでない。「ネカト摘発で研究公正がそこそこ維持されている」という視点もほとんどない。抜本的な改善を望む。
《2》日本語版「パブピア(PubPeer)」、誰か作りません?
白楽は当初から自分を「ネカト研究者」「ネカトウオッチャー」と考えてきた。しかし、「ネカトを見つけました。どうしたらよいですか?」という通報・相談をそこそこ受けてきた。
日本には見つけたネカトを通報する場所がない。イヤ、公式にはある(以下に示すように大学・研究所である)。ただ、現実的には、ある意味、役に立たない。
大学・研究所に通報すると、①かなりの高頻度で握りつぶされる・無視される。または、②調査しても、かなりの高頻度でいい加減な調査をし、その調査結果を秘匿する。通報者に知らせないこともある。そして、公表する場合でも、多くの場合、ネカト者の名前を秘匿する。
文部科学省や研究助成機関に通報すると、単に、該当大学に伝えるだけである。文部科学省や研究助成機関は調査しない。
新聞社に通報しても、かなりの高頻度で記事にならない。記事になっても表面的な記事で終わる。
投稿者の匿名性を維持し、データねつ造・改ざん、盗用、クログレイ行為の第一発見情報を日本語で議論や通報できるウェブサイトがあるといいなあ、と思っていたし、思っている。ある意味、日本語版の「パブピア(PubPeer)」である。
誰か作りませんかね、と何度もウェブで誘った。
しかし、誰も作らない。それで、ある時(2024年12月10日)から、自分のサイトで、少し、ネカトハンター活動を始めた。ただ、サイトでは議論の場を提供していない。X(https://x.com/haklak)で意見を述べることはできるけど、一方的なので議論にならない。






























