全期間ネカト世界ランキング(2)

/2022年2月14日初版、2026年10月31日更新/

歴史的に大事件となったネカト、インチキ科学、デタラメ研究のランキングをなるべくたくさん集めた。年度ごとのランキングは別記事に記載した。カタカナ名の赤字は本ブログで解説済み。

2021年5月20日までの「1」~「23」は → 全期間ネカト世界ランキング(1) | 白楽の研究者倫理

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目次(赤字の番号をクリックすると内部リンク先に飛びます)

★33 .「実際は巧妙な詐欺だった歴史的“大発見”」:2026年10月1日
★32 .「日本を揺るがした論文捏造・研究不正 3選」:2025年12月30日
★31 .「学術界を揺るがした10大研究スキャンダル」:2025年9月23日
★30 .「全世界をだました有名な10件のでっち上げ事件」:2025年5月12日
★29 .「ネカト疑惑で告発されたアルツハイマー病・高レベル研究者のリスト」:2024年10月20日
★28 .「【ゆっくり解説】闇が深すぎる「世界の捏造事件」10選を解説」:2021年12月13日
★27 .「生命を危険にさらす偽の医療・医学研究事件。医学研究者が毎年発表する研究の5分の1はねつ造・改ざんされていると報道されたので」:2021年10月30日
★26 .Rankerの「注目を浴びた18件の盗用事件」:2021年10月4日
★25 .「大学での研究不正のトップ5」:2019年5月9日
★24 .Viper Blog の「有名な盗用事件トップ5」:2019年3月26日
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★33.「実際は巧妙な詐欺だった歴史的“大発見”」:2026年10月1日

記事は、科学・考古学・博物学の歴史で「大発見」とされながら実は捏造だった6件を紹介している。ランキングではないが番号を付けた。今まで取り上げた事件の説明は省略する。新たに加わった事件は(3)と(6)だけである。

(1)ピルトダウン人 – Wikipedia(Piltdown Man):英国、1912年

(2)カーディフの巨人 – Wikipedia(Cardiff Giant):米国、1869年

(3)サイタファルネスの黄金冠(Tiara of Saitaphernes):フランス、1896年

画像出典:出典記事

  • 1896年、ルーヴル美術館が、紀元前数世紀の古代スキタイの黄金冠とされる品を購入した。来歴(provenance)を十分に確認せず、様式分析だけで本物と鑑定した。
  • 1903年、オデッサ(現ウクライナ)の現代の金細工師イスラエル・ルホモフスキー(Israel Rouchomovsky)が、注文を受けて自分が制作したと名乗り出た。スケッチなどの証拠を示し、冠の一部を記憶だけで再現してみせた。
  • ルーヴル美術館の名声は傷つき、各地の博物館が収蔵品の取得・鑑定手続きを厳格化するきっかけになった。冠は現在、「精巧な贋作」の見本としてルーヴル美術館に残っている。

参考:Tiara of Saitaferne – Wikipedia

(4)月の大ほら話(グレート・ムーン捏造記事 – Wikipedia、Great Moon Hoax – Wikipedia):米国、1835年

(5)無名の農夫の恐竜アーケオラプトル(Archaeoraptor)化石:中国・米国、1999年

(6)コティングリーの妖精写真(Cottingley Fairies):英国、1917~1920年

5枚のうち1枚目の写真(1917年、エルシー・ライト撮影)。妖精と一緒に写っているのはフランシス・グリフィス。画像出典:出典記事

  • 英国ヨークシャー州コティングリーに住む少女のいとこ2人、エルシー・ライト(Elsie Wright)とフランシス・グリフィス(Frances Griffiths)が、自分たちと小さな羽のある妖精が一緒に写った写真を5枚撮影した。心霊主義(スピリチュアリズム)が流行していた時代だった。
  • シャーロック・ホームズの作者アーサー・コナン・ドイル(Arthur Conan Doyle)が写真を本物だと信じ、記事や著書で宣伝したため、国際的に注目された。
  • 1983年、高齢になった2人は、「妖精」は子ども向けの本から写し取った厚紙の切り抜きを帽子ピンで留めたものだったと告白した。ただし、フランシスは5枚目の写真だけは本物だと最後まで主張した。

参考:Cottingley Fairies – Wikipedia

研究者によるネカトと言えるのは、厳密には(1)ピルトダウン人だけである((5)アーケオラプトルは、中国の農民による捏造と、雑誌(ナショナルジオグラフィック)側の検証不足)。(2)(3)(6)は詐欺・贋作・いたずら、(4)は新聞の創作記事である。

6件の多くは、「学術界の外側での捏造が学術界と社会を欺いた例」である。

記事は、捏造の動機と教訓を次のように述べている。

  • 金銭:驚くべき発見や遺物は、展示料、収集家への販売、宣伝効果によって莫大な収入を生む。そのため、金銭目的で捏造に手を染めた詐欺師は多い。
  • 名声:名声や学術的な評価を得たいという欲求から、不正な手段を使ってでも重要な発見に関与し、自分の存在価値を示そうとした詐欺師もいる。注目を集めるため、自分は騙されるはずがないと思っている専門家を欺くことを楽しむ者もいた。馬鹿げていると思う信念や理論を嘲笑するために、でっち上げを使う者もいた。
  • 確証バイアス:詐欺師は、当時の理論や一般的な信念を裏付ける証拠を作ることで、捏造を受け入れられやすくした。ピルトダウン人が受け入れられたのは、人類の進化はヨーロッパで始まり、脳の発達が他の変化より先に起こったという当時の考えを裏付けていたからである。自分の理論を証明したい科学者は、証拠が捏造である兆候を無視しがちだった。
  • 教訓:あらゆる分野の発見で、懐疑的な姿勢、厳格な査読、証拠の継続的な再検証が不可欠である。

出典:Historical “discoveries” that turned out to be elaborate hoaxes – AOL
https://www.aol.com/articles/historical-discoveries-turned-elaborate-hoaxes-195609000.html、保存版

著者はリカルド・ラミレス(Ricardo Ramirez、写真出典)。2020年、米国のワシントン州立大学(Washington State University)で修士号取得(英語英文学)。フリーランス記者(経歴出典)。

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★32.「日本を揺るがした論文捏造・研究不正 3選」:2025年12月30日

タイトルだけ示し、各項目にある英語の説明を省略した。

ウィキペディア日本語版に説明がある。

  1. STAP細胞事件(2014年)
  2. ディオバン事件 – Wikipedia(2012年)
  3. 麻酔科医・藤井聡一郎事件 → 白楽注:藤井善隆の間違いだと思う

出典:日本を揺るがした論文捏造・研究不正 3選 | 合同会社Lifecolor(ライフカラー) |ナノマスク 放射線治療用固定具
https://lifecolor-health.com/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%82%92%E6%8F%BA%E3%82%8B%E3%81%8C%E3%81%97%E3%81%9F%E8%AB%96%E6%96%87%E6%8D%8F%E9%80%A0%E3%83%BB%E7%A0%94%E7%A9%B6%E4%B8%8D%E6%AD%A3-3%E9%81%B8/、保存版

著者名不記載。

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★31.「学術界を揺るがした10大研究スキャンダル」:2025年9月23日

タイトルだけ示し、各項目にある英語の説明を省略した。

10件中、7件は白楽記事、2件はウィキペディア日本語版に説明がある。残り1件は、いずれ、白楽記事で解説する(予定。余裕があれば)。

  1. アンドリュー・ウェイクフィールド (Andrew Wakefield)(英) | 白楽の研究者倫理
  2. 心理学:シリル・バート(Cyril Burt)(英) | 白楽の研究者倫理
  3. パウロ・マッキャリーニ(Paolo Macchiarini)(スウェーデン) | 白楽の研究者倫理
  4. 黄禹錫 – Wikipedia
  5. エリック・ポールマン(Eric T. Poehlman)(米)更新 | 白楽の研究者倫理
  6. 藤井善隆 – Wikipedia
  7. ヨアヒム・ボルト (Joachim Boldt)(ドイツ)改訂 | 白楽の研究者倫理
  8. 政治学:マイケル・ラクーア(Michael LaCour)(米) | 白楽の研究者倫理
  9. ランジート・チャンドラ (Ranjit Chandra)(カナダ) | 白楽の研究者倫理
  10. 気候変動:ラジェンドラ・パチャウリ(Rajendra Pachauri)

出典:The 10 Biggest Research Scandals That Shook Academia
https://socialnomics.net/2025/09/23/the-10-biggest-research-scandals-that-shook-academia/、保存版

著者はギャビー・アレグス(Gaby Allegues、写真出典)。米国のジョージ・ワシントン大学(The George Washington University)の経営学修士・院生。

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★30.「全世界をだました有名な10件のでっち上げ事件」:2025年5月12日

ランキングかどうか不明。番号はついていないが白楽が上から順に番号を振った。

各項目にある英語の説明を省略し、ウィキペディア日本語版に全部説明があるので、タイトルだけ示した。

新しい「歴史上のデタラメ大事件」はない。

  1. ピルトダウン人 – Wikipedia (1912年)
  2. 宇宙戦争 (ラジオ) – Wikipedia (1938年)・・・科学とは無関係
  3. ヒトラーの日記 – Wikipedia(1983年)・・・科学とは無関係
  4. カーディフの巨人 – Wikipedia(1869年)
  5. コロラド気球事件 – Wikipedia(2009年)・・・科学とは無関係。日本人のマユミ・ヒーン(Mayumi Heene、旧姓:飯塚)が関係している
  6. タサダイ族 – Wikipedia (1971年)
  7. ミステリー・サークル – Wikipedia (1970年代~1980年代)
  8. ネッシー – Wikipedia (1934年)
  9. ロズウェル事件 – Wikipedia(1947年)
  10. ソーカル事件 – Wikipedia (1996年)

出典:10 Famous Hoaxes That Fooled the Entire World – Festivaltopia
https://festivaltopia.com/10-famous-hoaxes-that-fooled-the-entire-world/、保存版

著者はクリスチャン・ヴィーデック(Christian Wiedeck, M.Sc.、写真出典同)。ドイツ。ドイツのドルトムント工科大学(Technische Universität Dortmund)で2018年に学士号、2020年に同大学で修士号取得(理学)。2020年4月から、ドイツの建設会社・PORTEC Metallbausysteme GmbHに勤務。

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★29.「ネカト疑惑で告発されたアルツハイマー病・高レベル研究者のリスト」:2024年10月20日

ランキングかどうか不明だが番号はついている。ネカト事件6件(8人)。

  1. マーク・テシア=ラヴィーン(Marc Tessier-Lavigne)(米) | 白楽の研究者倫理
  2. シルヴァン・レズネー(Sylvain Lesné)、カレン・アッシュ(Karen Ashe)(米) | 白楽の研究者倫理
  3. ホァウヤン・ワン(Hoau-Yan Wang)、リンゼイ・バーンズ(Lindsay Burns)、キャッサバ・サイエンシズ社(Cassava Sciences, Inc.)(米) | 白楽の研究者倫理
  4. エリーザー・マスリア(Eliezer Masliah)(米) | 白楽の研究者倫理
  5. ベリスラフ・ズロコビッチ(Berislav Zlokovic)(米) | 白楽の研究者倫理
  6. ドメニコ・プラティコ(Domenico Praticò)(米) | 白楽の研究者倫理

出典:List of high-level Alzheimer’s researchers accused of credible fraud
https://threadreaderapp.com/thread/1848020706082050500.html、保存版

著者はダン・エルトン(Dan Elton、Daniel C. Elton、写真出典同)。米国。ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校(Stony Brook University)で2016年に研究博士号(PhD)取得(物理学)。2019年1月から、NIHのスタッフ研究員(出典:CV)。

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★28.「【ゆっくり解説】闇が深すぎる「世界の捏造事件」10選を解説」:2021年12月13日

動画で紹介したタイトルとは異なるタイトルだが、「世界の捏造事件」10選は以下の10事件だった。白楽ブログでは「4,5,8」を解説した。

  1. シェーン論文捏造事件
  2. 旧石器捏造事件 – Wikipedia
  3. ピルトダウン人 – Wikipedia
  4. エリアス・アルサブティ (Elias Alsabti)(米)改訂 | 白楽の研究者倫理
  5. ウィリアム・サマリン(William Summerlin)(米) | 白楽の研究者倫理
  6. 韓国クローンES細胞捏造事件
  7. ネッシー
  8. アンドリュー・ウェイクフィールド (Andrew Wakefield)(英) | 白楽の研究者倫理
  9. ルイセンコ論争 – Wikipedia
  10. STAP細胞事件

出典:https://www.youtube.com/watch?v=jwV_ktd2c2k

著者は「ゆっくり知的雑学【ゆっくり解説チャンネル】」。経歴など不明だが日本人と思われる。

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★27.「生命を危険にさらす偽の医療・医学研究事件。医学研究者が毎年発表する研究の5分の1はねつ造・改ざんされていると報道されたので」:2021年10月30日 

ランキングではない。記事に写真が掲載されているネカト者7人を順に示した。

韓国のWoo Suk Hwangと日本人のヨシタカ・フジイの2人は白楽ブログで解説していないが、他の5人は解説した。

  • ヨシタカ・フジイ(Yoshitaka Fujii)、藤井善隆(東邦大学)(日本)(撤回論文数:183)

出典:Exposed: The plague of fake medical trials putting lives in danger as experts reveal a FIFTH of studies published each year could contain invented or plagiarised results https://www.dailymail.co.uk/health/article-10147503/Exposed-plague-fake-medical-trials-putting-lives-danger.html、保存版

著者はバーニー・カルマン(Barney Calman、写真出典)。英国。ロンドン芸術大学の中のカレッジの一つロンドン・カレッジ・オブ・ファッション(London College of Fashion)を2001年に卒業。2008年1月から、「Mail on Sunday」の健康関連担当の記者、その後、主幹(出典: Barney Calman | LinkedIn)。

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★26.Rankerの「注目を浴びた18件の盗用事件」:2021年10月4日 

公表してから、「18」と同じだったと気がつきました。今回の記事は「2021年10月4日更新」とあったので、最近の記事だと思っていました。「2021年10月4日更新」で内容は、以前と同じ様です。スミマセン。記事は削除しないで残しておきます。

18件リストされているが、広義の研究者は2人で、白楽ブログで解説した。写真出典は同記事。

出典:18 High Profile Cases of Plagiarism https://www.ranker.com/list/high-profile-cases-of-plagiarism/janaegreen、保存版

著者はジャネイグリーン(JanaeGreen、写真出典同)。米国。経歴など不明。

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★25.「大学での研究不正のトップ5」:2019年5月9日 

白楽ブログでは全5事件、解説した。

  1. 社会心理学:ディーデリク・スターペル(Diederik Stapel)(オランダ)
  2. アニル・ポティ(Anil Potti)(米)
  3. マヘシュ・ヴィスヴァナタン(Mahesh Visvanathan)、ジェラルド・ラシントン(Gerald Lushington)(米)
  4. 「博士号はく奪」:ベング・シゼン(Bengü Sezen)(米)
  5. 物質工学:クレイグ・グライムス(Craig Grimes)(米)

出典:In Fraud We Trust: Top 5 Cases of Misconduct in University Research https://research.uh.edu/the-big-idea/university-research-explained/five-cases-of-research-fraud/、保存版

著者はルネ・カントゥ(Rene Cantu、漫画出典同)。米国のヒューストン大学(University of Houston)・研究部門のコミュニケーションコーディネーター。

なお、著者のカントゥは、2020年11月9日、ヒューストンのモントローズで銃で撃たれて殺害された(享年34歳)。同日、ヒューストンでは24時間のうちに7人が殺害されており、カントゥはその1人だった。 → ① 2020年11月14日記事:UH worker Rene Cantu murdered in Montrose was 1 of 7 people killed within violent 24 hours in Houston – ABC13 Houston、② 2020年12月2日記事:Man found dead on Montrose Boulevard; suspects wanted | khou.com

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★24.Viper Blog の「有名な盗用事件トップ5」:2019年3月26日 

5件リストされているが、広義の研究者は1人で、白楽ブログで解説した。

  • 2番目:盗博:宗教学:キング牧師(Martin Luther King Jr.)(米)

出典:The Top Five Famous Cases of Plagiarism: The Cases of Melania Trump, Martin Luther King Jr., George Harrison, Alex Haley, and Saddam Hussein https://blog.scanmyessay.com/2019/03/26/the-top-five-famous-cases-of-plagiarism-the-cases-of-melania-trump-martin-luther-king-jr-george-harrison-alex-haley-and-saddam-hussein/、保存版

著者氏名は不記載。