2‐2‐2.助成機関、学会、学術誌

 

【助成機関】
政府系(独立行政法人、法人数は10以下)と民間(公益財団法人、1,634団体)がある

政府系

  • 日本学術振興会(略称JSPS):文部科学省系列の研究助成機関で予算2,598億円(2014年、予算(日本学術振興会))。事務局に研究事業部・研究倫理推進室がある。・・・盗用の定義は文部科学省(「研究活動の不正行為への対応のガイドラインについて」(2006年8月8日))と同じ。(2014年5月9日閲覧)
  • 科学技術振興機構(略称JST):文部科学省系列の研究助成機関で予算1,356億円(2014年、事業予算(科学技術振興機構))。事務局に総務部・研究倫理室がある。・・・盗用の定義は文部科学省(「研究活動の不正行為への対応のガイドラインについて」(2006年8月8日))と同じ。(2014年5月9日閲覧)

民間

助成機関をまとめると、政府系は文部科学省のガイドライン(2006年8月8日)に全面依存し、民間は研究規範(研究倫理)室がなく、研究規範規定もない。当然、盗用の定義はない。

個々の民間助成機関が研究規範規則を独自に作る意味はないので、全民間助成機関向けの研究規範規則を作るべきだろう。となれば、日本版・研究公正局に任せるのが妥当だろう。

【学会】
【ありあり学会】: 研究規範規定があり、「盗用」の定義・説明がある。

日本化学会:用語として「倫理」ではなく「規範」を用いている。

「日本化学会会員行動規範」 (2008.5.23掲載)
Ⅴ.科学研究の成果の発表
1.論文の著者として
1)著者の主要な義務は、行った研究の正確な説明とその意味の客観的な議論を提示することである。論文に記載するデータの偽造、ねつ造や他の著者の文献からの盗用を行ってはならない。
2)著者はその研究の背景となる以前の研究や、その研究を他の研究者が繰り返すために必要な情報の出所を明らかにしなければならない。また、関連する他者の重要な貢献を無視するような不適切な引用を行ってはならない。
3)略
4)本質的に同じ研究を報告した論文原稿を複数の雑誌に投稿してはならない。
5)略

日本眼科学会:研究活動の不正行為について(117巻8号)・・・盗用の定義は文部科学省と同じ。

不正行為疑惑が生じた場合には、研究者自身が不正のなかったことを証明しなければならない。すなわち、当然のことではあるが、研究ノートあるいはそれに類似するデータのしっかりとした管理が必要であり、研究者のみならずその所属する組織は、日頃から研究データ管理を心掛けていることが必須となる。

・公益社団法人日本金属学会・・・盗用の定義は文部科学省と同じ

砥粒加工学会・・・盗用の定義は文部科学省と同じ

【ありなし学会】: 研究規範規定はあるが、「盗用」の定義も具体的指針もない。

日本麻酔科学会

日本分子生物学会:研究規範活動は活発だが、意外にも、「盗用」の定義も具体的指針もない。

【なしなし学会】: 研究規範規定がない。当然、「盗用」の定義も具体的指針もない。

公益社団法人 日本生化学会:研究倫理委員会はある

日本細胞生物学会

日本癌学会

日本医学会:研究規範(研究倫理)委員会はないが倫理委員会はある。(2014年5月9日閲覧)

学会をまとめると、日本化学会のように模範的な学会から、全く記載のない学会まで、さまざまである。

個々の学会が研究規範規則を独自に作る意味はないので、全学会向けの研究規範規則を作るべきだろう。となれば、日本版・研究公正局に任せるのが妥当だろう。

【学術出版】
【記載あり】

・日本生化学会の英文誌「The Journal of Biochemistry」:ウェブサイトに「盗用」の定義はない。盗用検出ソフトのCrossCheckで盗用を検出しているとあり、実質上、CrossCheckの定義を適用していることになる。

・日本分子生物学会の英文誌「Genes to Cells」:英国主体の学術出版規範委員会COPE(Committee on Publication Ethics) の会員になっていて、COPEの「盗用」基準を採用している。COPEは英国母体なので、解説は欧米編でする(予定)。

【記載なし】
日本医学会日本医学雑誌編集者会議(JAMJE):「医学雑誌編集のガイドライン(案)」が検討されているが、研究規範規定や盗用の具体的記述はない。

和文誌:化学と生物 | 公益社団法人 日本農芸化学会

学術出版をまとめると、英文誌は外部の国際基準に依存した研究規範に対応している、和文誌は研究規範規定がなく、当然、盗用の定義はない。

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